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公務員から公認会計士への転職は可能か?

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公務員から公認会計士への転職は可能か?

公認会計士試験は、実はさまざまなキャリアを持った方が受験しています。その中には、公務員から公認会計士試験を受験し、合格後に監査法人や会計事務所への就職を希望する方もいます。
ここでは、公務員から公認会計士を目指すケースについて、具体的な成功事例などを中心にご紹介します。

公務員から公認会計士への転職事例

■事例その1 国家公務員から監査法人へ転職(28歳・男性)
国家公務員として法人の税務調査を担当していた方が、未経験から監査法人へ転職したケースです。

【公認会計士を目指した理由は?】
公務員時代は、国内の法人を対象に税務調査の仕事をしていましたが、語学のスキルを活かして海外赴任などのチャンスもある仕事に就きたいと考え、公認会計士を目指すことを決意しました。そのため、公認会計士の資格を習得した後は、グローバルネットワークのある監査法人への転職を目指しました。

【内定までの流れ】
公務員としての仕事を続けながら試験に合格し、さらに転職活動を始めました。現職が多忙だったこと、未経験からの転職であったことから、まずは転職エージェントに登録しました。登録後は応募書類の作成からアドバイスを受け、面接対策として、面接官の傾向などをキャリアアドバイザーにレクチャーしてもらった結果、応募したすべての監査法人から内定を勝ち取りました。

■事例その2 地方公務員から複数の資格を取得し監査法人へ転職(30代・男性)
地方公務員から大手監査法人に勤務し、その後コンサルティングファームへ転職したケースです。

【公認会計士を目指した理由は?】
地方公務員として勤務しながら、年功序列の賃金制度などに疑問を感じて、まずは中小企業診断士の資格を取得しました。その後、本格的な転職活動のために公認会計士試験の受験を決断し、2年かけて公認会計士試験に合格しました。

【内定までの流れ】
転職活動時は、まだ公務員の身分のままでした。そのため、実務経験を積むために監査法人へ応募したところ、社会人経験があることが逆にアピールポイントとなり、すぐに内定をいただけました。内定後はすぐにでも勤務を始めてほしいという要望もあり、急遽、公務員を退職しました。その後、4年間監査法人に勤務し、現在はコンサルティングファームに勤務しています。公務員時代より遥かに忙しくなりましたが、現在のほうが公務員時代よりも仕事にやりがいを感じています。

■事例その3 地方公務員・主任から大手監査法人へ転職(30代・男性)
地方公務員として勤務しながら公認会計士試験に合格し、合格後もしばらく公務員として勤務したのちに大手監査法人に転職したケースです。

【公認会計士を目指した理由は?】
地方公務員時代に、一生ものの資格を取得したいと思い、公認会計士試験にチャレンジしました。勉強は公務員として働きながらでしたが、無事、合格できました。

【内定までの流れ】
試験合格後、すぐに監査法人への転職を希望しましたが、当時、監査法人が就職氷河期で、そのまましばらく公務員として勤務し、一時は組織内会計士という道を歩むことも考えました。
しかし、より広く深い会計知識を身に付ける必要があったため、やはり監査法人への転職が必要と考え、転職エージェントに登録しました。登録後は、進捗状況の共有、履歴書・職務経歴書の添削、面接対策などきめの細かいサポートを受けたことで、スムーズに転職できました。公務員時代の経験は、基礎的なビジネス上のスキルとして、転職後の現職でも役に立っています。

■事例その4 地方公務員からコンサルティングファームへの転職(20代・女性)
自治体職員から、公認会計士試験に合格後、コンサルティングファームへ転職したケースです。

【公認会計士を目指した理由は?】

区役所の窓口業務を担当していましたが、将来のキャリアに対する不安や、もっと幅広い仕事を経験したいと考え、思い切って公認会計士試験を受験し、合格しました。
しかし、会計畑は未経験だったため、転職エージェントに登録。幅広いスキルを身に付けることができ、海外での仕事も可能な職場への転職が希望だと伝えました。

【内定までの流れ】
未経験で、スキルに対する不安もあったことから、転職エージェントから最終的に研修の手厚いコンサルティングファームを紹介していただきました。書類の添削、面接対策だけではなく、話し相手にもなっていただき、勇気を持って面接に挑めたことで、内定をいただけました。現在は、コンサルティングファームで、戦略コンサルタントの業務に就いています。

公認会計士になるために必要なこと

公認会計士として登録されるまでの流れや気になる費用など、公認会計士を目指す前に知っておきたい点についてご紹介します。

公認会計士になるには筆記試験の合格が必須

公認会計士は、国家資格です。そのため、公認会計士になるには、まずは筆記試験に合格する必要があります。公認会計士試験は、誰でも受験することができますが、その難度は極めて高く、司法試験に次いで難しい国家試験ともいわれています。
試験の内容は、「短答式」と呼ばれるマークシート形式のものと、「論文式」と呼ばれる記述形式のものに分かれており、短答式試験合格者だけが、論文式試験に進めます。試験科目には、必修科目と選択科目があります。必修科目は「会計学」「監査論」「企業法」「租税法」の4科目で、さらに「経営学」「経済学」「民法」「統計学」の中から1科目を選択して受験します。筆記試験の合格者は、毎年10%以下というきびしいものです。

2年間の実務経験と修了考査の合格が必要

公認会計士になるには、公認会計士試験の合格とは別に、監査法人や会計事務所などでの業務補助経験を通じての実務経験が必要となります。この実務経験期間は、2年間以上と定められています。実務経験期間が終わったら、日本公認会計士協会が行う修了考査(筆記試験)を受け、これに合格するとようやく公認会計士として登録できます。

公認会計士になるまでにどのくらいの期間や費用が必要?

それでは、公認会計士になるまでには、どのくらいの期間や費用が必要となるのでしょうか?
公認会計士試験の筆記試験に合格するには、だいたい2~3年はかかるとされ、合格後に実務経験を始めるとさらに2年が加わるので、公認会計士として登録できるようになるまで一般的に5年の期間がかかるという計算になります。
また費用ですが、公務員として仕事をしながら公認会計士試験の勉強をするには、民間の専門学校への通学や通信講座で学ぶことが最も現実的な方法です。この場合、入学金・授業料・テキスト代を合わせ、トータル60万~200万円ほどかかります。もちろん、独学で合格することも可能で、その場合はテキスト代だけで済みます。そのほか、公認会計士試験の受験料として19,500円、修了考査受験料として28,000円が必要となります。

公務員と公認会計士の違い

監査法人やコンサルティングファーム、会計事務所は、業種の違いはあってもすべて民間企業です。公務員と民間企業には、どのような違いがあるのでしょうか?

公務員について

■公務員の特徴
公務員は、国や地方公共団体の組織に所属し、公務に従事する人員のことを指します。国の機関に所属する国家公務員と地方公共団体の組織に所属する地方公務員がおり、自衛隊員、警察官、消防官、公立学校の教師なども公務員です。公務員になるためには、公務員試験を受験して合格する必要があります。

■公務員の仕事
公務員は、国や地方の行政に携わり、国民の生活の質の向上に寄与することが仕事の基本となります。また、社会全体へ奉仕し、サービスを提供するのが仕事の中心です。
国家公務員の場合、国や地方公共団体の政策に深く関わる、国家レベルの大きな仕事に取り組んでいます。地方公務員は、より市民生活に身近なサービスを提供しています。

■公務員の待遇
公務員は長期的に働きやすい職場だといわれますが、それは景気の影響を受けない安定した仕事であり、業績悪化による人員削減で解雇されるという心配が基本的にないためです。
公務員の給料は、基本的に税金で賄われています。総務省が発表した「平成29年地方公務員給与実態調査結果等の概要」では、国家公務員(一般行政職)の平均給与月額は41万719円(その内訳は平均俸給月額33万531円、諸手当月額80,188円)、地方公務員(一般行政職)の平均給与月額は36万3,448円(その内訳は平均給料月額31万9,492円、諸手当月額43,956円)となっています。

民間企業について

■民間企業の特徴
民間企業とは、行政機関や独立行政法人などの公的機関に属さず、基本的に営利を目的として経済活動を行う組織体です。民間企業は、営業利益や銀行からの融資、株式などを元に活動をします。
民間企業の採用は企業ごとに異なりますが、基本はエントリー、書類選考、面接、採用という流れで進んでいきます。

■民間企業の仕事
民間企業は、製品を生産して商品として販売したり、サービスを提供することで対価を得て利益を上げたりしています。製造や販売、サービス提供が民間企業での仕事の中心です。
公務員の仕事が広く国民全般を対象にしているのに対し、民間企業の仕事は、製品やサービスを買ってくれる顧客のみが対象となります。民間企業には社員数名で切り盛りする零細企業から、世界を相手に商売する社員数10,000人を超える大企業まで、さまざまな規模があります。

■民間企業の待遇
民間企業の待遇は、企業の規模や事業内容などによって異なります。また、業績悪化の程度により、早期退職を促されたり、企業が倒産すれば解雇に至ったりします。
公認会計士の待遇との比較では、2017年に調査が行われた「賃金構造基本統計調査」によると、従業員10人以上の事務所に勤務する公認会計士・税理士の場合で、諸手当を含んだ月額給料が69万1,800円、年間賞与は212万3,300円となっています。

公務員の経験も会計士の仕事に活かせる!

これまで見てきたように、公務員の仕事と公認会計士の仕事は、大きな違いがあります。しかし、公認会計士としての仕事の中で、公務員としての仕事の経験が活かせる場は数多くあります。
公務員は住民に対して、事業の取組みに対する説明を行ったり、住民からの要望に耳を傾ける機会が多くあったりします。これは、公認会計士がクライアントと対するときにも必要となるスキルです。また、公務員の中でも、職務の内容が公認会計士の仕事に近いものもあります。

公務員にも公認会計士にも、それぞれ良い点、悪い点があります。自分の適性やキャリアプランを考えた上で、公認会計士試験にチャレンジすると決めた場合は、なるべく早めに準備をしたほうが、その後の転職にも有利に働きます。

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