転職を成功させる!公認会計士の職務経歴書の書き方
公認会計士が転職活動時に提出する職務経歴書は、過去にどのような経験を積み、どのような能力を培ってきたかを具体的に知ってもらうための重要書類であることから、「転職成功のカギを握る」と言っても過言ではありません。
そのため、職務経歴書を書くときには細心の注意を払い、採用担当者の視点に立って「採用したい人材であること」をアピールすることが大切です。
転職を成功に導く職務経歴書の書き方を、ポイントを押さえながら解説します。
このようなお悩みはありませんか?
- キャリアは長いが、職務経歴書に書くべきものと書かなくても良いものの取捨選択に悩んでいる
- 自分の強みを客観的に把握できておらず、自己PRの文章に自信がない
- 短期間での転職が多めのため、それがあまりデメリットに映りづらい書き方を教えてほしい
上記のような転職に関するお悩みや不安をお持ちの方は、
マイナビ会計士のキャリアアドバイザーにご相談ください。
マイナビ会計士編集部
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目次
公認会計士の職務経歴書はどう読まれるのか?
転職を実現させるためにはいくつかのステップがありますが、その最初の関門となるのが履歴書・職務経歴書などの応募書類です。とりわけ職務経歴書は、これまであなたが会計士として、どこでどのような経験を積み、どんな能力を培ってきたのかを具体的に知ってもらうための重要な書類です。それによって、転職先の採用担当者に、あなたがどのような人材的価値があるのかを評価してもらえます。
しかし、だらだらと自分本位に文章を綴るだけでは、相手も読む気がなくなってしまいますし、単なる自慢話と受け止められると印象も悪くなってしまいます。そのため、これまでの成果や実績をただ列記するよりも、会計士の仕事を通して得た「スキル」や「得意分野」「得意な業種」「これまで担当してきたクライアントの規模」などを詳しく記入するようにしましょう。
求人企業側では、あなたが会計士として「どんな経験をしてきたか」だけでなく、採用した場合に「自社でどのように活かせる人材か」を見ています。ですから、求人企業側が求めているポジションや業務内容にマッチした内容に仕上げると、高評価につながるでしょう。
ただし、職務経歴書の内容すべてが控えめで、相手企業の顔色をうかがうばかりの書類では、あなたの熱意や人間性が伝わりません。特に、一般事業会社などでは、転職希望者の意欲を重視する傾向も強いため、職務経歴書は内容にメリハリをつけることも大切です。自己PR欄を上手に利用して、転職への思いを伝えましょう。
注意すべきなのは、マインドやモチベーションを前面に押し出した書類は、企業によっても評価が分かれるということです。業種だけで判断せず、応募先の企業文化をしっかり研究した上で、求められる人材を意識した書き方をするようにしましょう。
職務経歴書を書く上での注意点
職務経歴書の書き方についてはコツがあります。職務経歴書の書き方の具体的な解説に入る前に、まず準備段階で注意しておきたいポイントをご紹介します。
キャリアの棚卸は必須
職務経歴書を書き始める前に、まず自分のキャリアの棚卸をしておきましょう。キャリアの棚卸は、転職活動では必須の作業です。自分の会計士としてキャリアやスキルを改めて確認し、職務経歴書にまとめることで、自己分析や自己PRにもなります。客観的に自分を見つめることにもつながり、その先の面接対応にも役立ちます。
まずは、自分の経験・スキルや自己PRのポイントを整理するために、「こんな経験は関係ないかな?」と思うものでも、できるだけ細かく書き出してみてください。そこから、職務経歴書に書き込む内容を取捨選択していきます。また、ベースとなる職務経歴書をサンプルとして作っておき、応募する転職先に応じて一部を書き換えて提出すると、応募作業がしやすくなります。
誰が読んでもわかるように
職務経歴書は書かれている内容だけでなく、読みやすさも評価のポイントになります。転職活動の全体を通じて心掛けなければならないのは、読み手が会計士の仕事を深く知っているとは限らないということです。
もちろん、会計士としての求人であれば、求められているのは会計の専門資格がある人材です。しかし、選考の過程において、職務経歴書は同じように会計士の資格を持っていたり、業界をよく知っていたりする採用担当者だけが読むものではありません。 人事をはじめ、多くの社内部署を巡回し、さまざまな関係者が目を通します。
したがって、会計士の業界に慣れ親しんでいるなら誰でも知っている表現や専門用語も、読む相手によってはさっぱりわからず、強みが強みとして伝わらない可能性があります。読み手の立場にかかわらず、誰が読んでもわかる文章になっているかという点に気を配りながら、簡潔にまとめましょう。
また、表組なども活用して、見やすいレイアウトにする工夫も必要です。
職務経歴書でチェックされるポイントを押さえる
採用企業は「自社で活かせる人材かどうか」という視点から、職務経歴書に目を通します。その際、次のようなポイントを重点的にチェックします。
・自社で求める実務能力を有しているか
・意欲的に仕事に取り組む姿勢を持っているか
・仕事の要点を分析して、効率的に行う能力があるか
・キャリアや資格、スキルの中にしっかりとしたその人だけの強みがあるか
・転職の目的が明確で、納得できるものか
・記入内容に信憑性はあるか
職務経歴書で、実績や能力をアピールすることは必要です。しかし、繰り返しになりますが、自分本位に偏らず、採用企業がどんな経験やスキルのある人材を求めているのかを常に意識して、ポイントを絞ったアピールを心掛けてください。
もし自分で作成をした職務経歴書に不安があったり、客観的な視点での意見を聞きたいなら、是非キャリアアドバイザーに相談してみてください。
職務経歴書を書く際の基本ルール
それでは、会計士の転職における職務経歴書の書き方について、具体的にご紹介しましょう。
書式としては、A4用紙2~3枚にまとめるのが基本です。会計士としての経歴が浅くてあまり書く内容がないといった場合でも、最低限A4用紙1枚半程度のボリュームは確保してください。ソフト等に細かい決まりはありませんが、一般的にはWordやExcelで作成し、フォントは「MS 明朝」が基本です。
最近では、データファイルを提出するだけで済む企業もありますが、面接ではプリントアウトしたものを用意しなければならない場合もあります。どちらの場合でもすぐに対応できるよう、準備しておくといいでしょう。
公認会計士の職務経歴書に書く項目は?
職務経歴書に書き込む項目は、職務要約、職務経歴、資格・スキル、自己PRの4つが柱となります。
退職理由については、あえて職務経歴書でふれる必要はありません。
以下、サンプルに沿って項目別の書き方のポイントを解説します。
(1)職務要約
現在、または直近の職場でどのような業務を担当していたかについて、簡潔にまとめて書き込みます。ボリュームは100~200文字に収めます。
(2)職務経歴
経験してきた業務内容に関して、細かく記入します。5W1Hを基本に書くと自分でもまとめやすく、採用企業側にもわかりやすい内容に仕上がります。
・いつ(When)
実際に会計業務を担当した期間を明確にし、時系列に沿って書きます。
・どこで(Where)
転職経験がある場合には、どの企業の在籍中に、どういった業務をしていたのかを明確にしておきます。
・誰を相手に(Who)
どういったクライアントを担当していたかを記入します。その際、守秘義務もあるためクライアントの実名を書く必要はありませんが、業界・業種や上場の有無、上場している場合にはどこに上場しているのか、そして企業規模などを詳細に書き込みます。
・何を(What)
具体的な業務内容を書き込みます。監査業務であれば、具体的な内容のほかに、一般的な上場企業の監査であったのか、上場準備のために必要な事前監査であったのかなど、どのような部分の監査を行っていたのかがわかるようにします。できるだけ具体的な業務内容がわかるように、細かく簡潔にまとめるようにします。
・なぜ(Why)
業務上、特別な目標や課題などがあった場合は、その概要を記入します。例えば、「上場へ向けた事前監査」、あるいは海外企業との業務提携やM&Aで「IFRS(国際財務報告基準)への適応」など、その業務の必要性を説明します。
・どうやって(How)
チームで監査をした場合には、何名くらいの規模のチームで、自分はどのようなポジションであったか、どういった役割を担ったかを具体的に記入します。
また、監査やコンサルティングなど、経験した業務が複数ある場合は、「監査業務」「コンサルティング業務」などの業務別に分類し、さらにプロジェクトごとに時系列順で表にまとめると、よりわかりやすくなります。
なお、監査法人から別の監査法人に転職する場合には、それほど神経質になる必要はありませんが、一般事業会社への転職を希望する場合は、採用担当者が監査や金融など会計士の業務にそれほど詳しくない場合がほとんどです。業界用語などは控え、誰が読んでもわかりやすく書くといった配慮が必要です。
(3)資格・スキル
資格・スキルの項目は、履歴書と重なる部分も出てきますが、そこは気にせず、きちんと書き込む必要があります。おもな注意点には次のようなものがあります。
・会計士資格
公認会計士として登録済みの場合は、登録年月日を明記します。
もし、公認会計士試験には合格しているものの、まだ未登録の場合には、実務経験や補習所通学の終了の有無、修了考査の受験状況など、現状を詳しく記入します。
また、税理士資格も登録されている場合は、合わせて記載しておきましょう。
・語学スキル
語学スキルは、応募する業種によっては、資格の中でも大きなアピールポイントになります。TOEICや英検など、取得している資格があれば書いておきます。
TOEICなどは社会人になると受験する機会が少ないですが、古いスコアであっても記入してください。TOEIC800点以上が理想的な点数の目安ですが、700点以上でもアピールできるでしょう。また、600点以上であっても、英語習得への積極的な姿勢が伝わることがありますので、応募書類に書ける点数です。
加えて、もし短期語学留学など、履歴書の学歴欄に書くほどではない経験がある場合や、職場の上司が英語のネイティブスピーカーで、会議は英語でこなしていたといった経験があれば、簡単に付記しておきます。
・パソコンスキル
WordやExcel、PowerPointについては、専門の資格を取得していなくても、どの程度使えるかを初級・中級・上級といった表現で記入します。
また、使用できる会計ソフトについては、具体的にどのソフトを使えるのかを記入します。
(4)自己PR
最後に、自己PRをまとめます。実は職務経歴書の作成で、思わず手が止まってしまうのが自己PRかもしれません。これ以外の項目は基本的に箇条書きでしたが、自己PRは文章として書かなければなりません。そのため、何をどう書いたらいいのか迷うことも多いでしょう。分量が多すぎても読み手に負担を与えますし、あまり少ないと意欲が感じられないと思われてしまいます。そこで、A4用紙の3分の1程度(300~400字程度)を目安に簡潔にまとめます。
書き方としては、それまで職務経歴の業務内容で書ききれなかったことを補足するようにすると、書きやすくなるはずです。これまで、業務でどのような課題にどんな目的意識を持って取り組み、どのようなスキルを身に付け、どんな成果を挙げたのか。あるいは、それらの経験やスキルを基に、転職後はどのように会社に貢献できるのかといった内容を具体的に記入するように心掛けてください。
これは、自分の性格などをアピールする場合も同様で、単純に「コミュニケーション能力があります」と書くのではなく、そのコミュニケーション能力が具体的にどのように業務に反映されて成果に結び付いたのかを盛り込むようにします。
職務経歴書の書き方のポイント
ここまで解説してきた職務経歴書の書き方のポイントをまとめると、以下のようになります。
職務経歴書は、転職先に人材的価値を評価してもらうためのもの
求人企業は「どんな経験をしてきたか」だけでなく、「経験してきたことが自社のどこで活きるか」を見ている
書く際には、「読み手が会計士の仕事を深く知っているとは限らない」ということを心掛ける
「職務要約」「職務経歴」「資格・スキル」「自己PR」の4ブロックで構成すると読みやすい
職務経歴書全体のボリュームとしては、A4の用紙で2~3枚程度(1800~2700字程度)が理想的
職務経歴書サンプルをダウンロード
マイナビ会計士で実際に使用されている、職務経歴書のサンプルとフォーマット(テンプレート)をダウンロードできます。前述した職務経歴書の見られ方や書き方のポイントを参照しながら、職務経歴書の作成にお役立てください。
職務経歴書のサンプルダウンロード
職務経歴書フォーマット
職務経歴書の枠組みです。記入部分は白紙になっていますのでご自身の職務経歴を記入してご利用ください。
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職務経歴書記入例
記入例が記載されたサンプルです。見本としてご利用ください。
▼記入例をダウンロード
マイナビ会計士では、会計士専任のキャリアアドバイザーが、無料で職務経歴書を添削しております。職務経歴書の書き方での不安や疑問にもお答えしておりますので、お気軽にご相談ください。
【業種別】公認会計士の職務経歴書の書き方
ベースとなる職務経歴書がまとまったら、次に応募先にマッチした内容にアレンジしていきましょう。監査法人や金融機関、一般事業会社など、転職を希望する応募先の業種によって、職務経歴書に求められる内容も異なります。そこで、業種別の職務経歴書の書き方を解説します。
監査法人の場合
監査法人の採用で重視されるのは、保有資格と業務経験です。監査法人は、会計士が数多く勤務する職場なので、採用担当者も会計業務に精通しています。ですから、業務内容を記入する際には、単に「税務アドバイス」や「監査業務」などと書くのではなく、担当した顧客情報も含めて、より具体的に記入することが求められます。
ただし、業務内容を具体的に記入したとしても、監査法人出身者の場合は、他の応募者との差別化が難しい傾向があります。そこで、コンサルティング業務やアドバイザリー業務など、会計監査以外の経験があるようならアピール材料となりますので、積極的に記入するようにしてください。
会計事務所・税理士法人の場合
会計事務所や税理士法人は、監査法人と似たようなイメージがありますが、監査法人が完成された書類のチェックがおもな業務であるのに対して、会計事務所や税理士法人は、書類を完成させることが業務の中心となります。ですから、業務内容は大きく異なります。
そのため、コンサルティング業務の経験や、クライアント企業の問題解決に向けて具体的に働いた経験などがあれば、重要なアピールポイントになります。
また、税理士資格の登録もアピールポイントになります。もし、そういった資格を持っていない場合でも、今後積極的に勉強に取り組んでいきたいのであれば、自己PR欄などで意欲を示すようにしましょう。
コンサルティングファームの場合
コンサルティングファームで会計士を募集する際には、やはり企業会計のコンサルティングができる人材を求める傾向が顕著です。最近では、IFRS(国際財務報告基準)への切り替えなどに対するニーズが高まっているので、国際会計を手掛けた経験や語学力、さらにIFRSを導入しているクライアントを担当していたという実績があれば、積極的にアピールすることができます。
一般事業会社の場合
一般事業会社では、経理・財務・経営企画・CFOといったポジションで会計士を採用するニーズがあります。その中でも中心となるのは経理ですが、経理業務は監査業務とは大きく異なります。しかし、採用企業側では、自社と同じ業種や規模の企業で監査業務の経験があるようなら、親和性を感じて経理として採用する傾向があります。
もし、応募先企業と同業種や同規模の企業で監査経験などがあれば、積極的に盛り込むようにしましょう。
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【面接対策保存版】公認会計士の転職
公認会計士の人材市場の概況とトレンド
最後に、会計士業界の転職市場のトレンドについて、監査法人と一般事業会社に大別して解説します。
監査法人では、採用意欲がいまだ高い傾向がありますが、とにかく人材確保が最優先だった数年前と比較して、現在では空いたポジションの補充を目的に採用するケースが目立ってきています。
また、一般事業会社においては、IPO(新規上場)を準備中の企業で、会計士の高い採用ニーズがあります。一方、ベンチャー企業などを中心に、会計士としてのスキルだけではなく、経営企画などのビジネスマインドを持つ人材を求める傾向が顕著になってきています。
このように、同じ会計士の転職先とはいっても、求められる人材の傾向は募集企業によって異なってきているといえます。それだけに、職務経歴書の書き方も、応募先によって適切な表現に書き分けていくことが重要です。
マイナビ会計士で転職に成功する職務経歴書づくりを
会計士としての優れた経験やスキルがあっても、転職に際しては職務経歴書を通じて相手に伝わらなければ、面接までたどり着くことはできません。そのため、職務経歴書や履歴書などの応募書類は、とても重要です。
マイナビ会計士では、会計士業界に精通したキャリアアドバイザーが、職務経歴書づくりに関しても的確なアドバイスをしております。希望される方には、転職の成功を目指せる職務経歴書が完成するまで、添削等のサポートもいたします。
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