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円満退職するための準備とポイントとは?

円満退職するための準備とポイントとは?

転職を決心した方の中には「どうせ辞めるんだから」と職場でトラブルを起こしたり、引継ぎなどの事務処理を怠ったりすることがあります。ですが、会計士は多くの会社と接する仕事ですから、退職時に悪い噂が立つと、いつどんな形で悪影響を及ぼすかわかりません。
会計士が転職を成功させるには、円満に退職できることが重要となります。

マイナビ会計士編集部

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会計士が円満に退職するには?

会計士が円満に退職をするには、引継ぎを円滑に行い、取引先や同僚など、社内外の人間とスムーズなコミュニケーションを取れるかが重要です。転職後、会計士として活躍するためには、「立つ鳥跡を濁さず」という心構えが大切です。退職前だからこそ、丁寧に対応していきましょう。

一般的な退職までの流れ

退職までの流れは、おおよそこのような手順になります。

1. 退職の意思表示・退職届の提出・退職日の相談(1~2ヵ月前)
2. 業務の引継ぎ・取引先への挨拶、退職の挨拶状準備(2週間前~数日前)
3. 有給休暇の消化
4. 退職

※有給休暇は職場と相談の上で消化するようにしましょう。

業種によって異なる繁忙期

一般的な退職の流れに加えて考えなくてはならないのが、業界毎の繁忙期です。例えば、監査法人は3月や6月決算のクライアントを担当している場合は4、5月(3月決算の場合)、7、8月(6月決算の場合)が集中的に忙しくなります。そのため、担当クライアントの決算時期によって大きく変わってきます。

こうした業務の繁忙期に退職を願い出ると、上司の時間が取れなかったり、引継ぎがスムーズにいかなかったりと、予期せぬ事態が起こりやすくなりますので、退職の手続きは繁忙期を避けて進めることをおすすめします。

また、退職の時期以外にも円満退職するためのノウハウは多数あります。実際に多くの事例を持っておりますので、転職を考えているなら、ぜひ一度キャリアアドバイザーへの相談をご検討ください。

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円満に退職するための準備とポイント

転職活動をする場合、「いかに目的や希望に合った転職先を見つけるか」と同時に、「いかに円滑にトラブルなく退職できるか」という風に、求職と退職をセットで考える必要があります。職場の就業規則はどうなっているか、担当業務の引継ぎにどの程度の時間が必要かなど、細かいところまで気を使い、今の職場への影響を最小限に抑えるための労力を惜しまないことが、円満退職を実現する秘訣といえます。

具体的にどのような準備をすれば良いのか、ポイントを確認していきましょう。

退職の意思を伝える前に

退職するにあたっては、「自分が辞めることで、今の職場に必ず支障が出る」ということを肝に命じておきましょう。上司の方が退職の意思を伝えた際に引き留めようと説得すると思われますが、多くの方がそのように引き留められるものですので、あまり重く受け止めないようにしましょう。

いずれにしても自分の気持ちがブレないように、「今この時期に転職して本当に良いのかどうか」を、キャリア面や経済面など様々な観点から充分に検討した上で、退職に向けて動き出しましょう。

退職の意思を伝えるタイミング

退職の意思を固めたら、職場の就業規則を確認して、退職日の何日前までに届け出ればいいのかチェックしましょう。まず、労働基準法では2週間前までに退職届を提出すれば退職可能となります。その上で、一般的に多くの会社では2週間〜1ヵ月前に届け出ることをルールとしておりますので、あなたの職場の就業規則をしっかりと確認し、トラブルの無いように気をつけましょう。また、業務の引継ぎなどをスムーズに行える期間も加味して、退職の意思はある程度スケジュールに余裕を持って伝えるのが望ましいでしょう。

退職するにあたって最優先に相談するのは、直属の上司です。親しいからとか、相談しやすいからという理由で同僚や他部署の知り合いに安易に退職の話をしてしまうと、その噂が第三者を通じてどんな形で上司の耳に入るかわかりません。結果的にトラブルを招かないとも限りませんから、まずは上司に直接会って相談することが大切です。

上司への相談は、余裕を見て退職希望日の2〜3ヵ月前にしておきましょう。仕事の引継ぎに3ヵ月以上かかりそうな場合は、予定を前倒しにして退職の意思を伝えるようにしてください。

退職の意向の伝え方

上司に相談するときは、口頭やメールで「個人的なご相談があるので、近いうちに少しお時間をいただけないでしょうか?」と伝えましょう。相手の都合に合わせて、無理のない日程調整を行ってください。また、相談する際には、なるべく人目のつかない場所を選んでおくと、互いに気兼ねなく話ができます。

上司に会うときには、まず忙しい中で時間を作ってくれたことに対する謝意を述べてから、退職したい旨を切り出します。「なぜ退職したいのか?」と理由を聞かれたら、できるだけポジティブな言葉を選んで説明してください。

このページ内の「退職の話し合いの進め方」でも細かい内容を記載しています。そちらも合わせてご覧ください。

退職願の書き方と提出

上司との話し合いで退職の了承を得たら、上司と相談して退職日を決定します。遅くとも退職日の1ヵ月前、就業規則でそれより前に提出が定められている場合は、規則に合わせて準備しましょう。提出する際は、上司に直接手渡します。会社によっては退職の許可を願い出る「退職願」と、退職を届け出る「退職届」の2種類を提出するよう義務付けている場合もありますので、あらかじめ上司に確認しておくといいでしょう。

退職願は白の縦書き便箋に、黒の万年筆またはボールペンを使って、手書きで作成します。宛先は社長宛てにし、退職理由は「一身上の都合」で十分です。詳しい理由を明記する必要はありません。

引継ぎや挨拶回り

退職願が受理されたら、退職に向けて必要な事務処理や引継ぎを進めていきます。退職日までのスケジュールを組み、各業務の後任者と予定をすり合わせながら、業務の引継ぎを行います。

業務内容やフロー、これまでの経緯・トラブル事例などを文書に明文化しておくと、後任者にとっても安心です。また、取引先には取引に支障が出ないよう、挨拶回りを怠らないようにします。必要に応じて上司や後任者を同伴し、これまでお世話になった謝意と今後の取引継続をお願いしましょう。

退職の手続き

退職時には、会社に返却する物と、会社から受け取る書類などがあります。抜け漏れがあると、退職後にも出社したり、書類を取り寄せたりする手間が生じる場合がありますので、忘れずにチェックをしましょう。

<会社に返却する物>

健康保険証
会社で社会保険に加入していた場合は解約となりますので、保険証を返却します。退職後、転職先にすぐ入社する場合は、転職先で新たに加入手続きが行われます。転職までにブランクのある人は、役所で国民健康保険の加入手続きをします。

名刺
退職する会社の名刺は、すべて返却します。

社員証・社章
退職日に返却します。

会社の経費で購入した備品
パソコンや文具など、会社の経費で購入して使っていた物はすべて返却します。

書類や制作物
業務で使った書類や制作物などは、持ち出すことができません。

<受け取る物>

離職票
退職したことを証明する離職票を受け取ります。これは、失業手当をもらったり、ハローワークでの転職活動をしたりするときに必要となります。退職後1〜2週間後に自宅へ郵送されることが多いので、引越しが決まっている場合や、すぐに書類が必要な場合は、あらかじめ到着日を確認しておきましょう。

源泉徴収票
源泉徴収票は、転職先での年末調整で必要になります。離職票と一緒に届くことが多いですが、もし届かない場合は送ってもらうよう請求します。

雇用保険被保険者証
雇用保険被保険者証とは、雇用保険に入っていたことを証明する書類です。離職票と同様に、失業手当をもらったり、ハローワークでの転職活動をしたりするときに欠かせない証書となります。
また、転職先の会社で雇用保険の再開手続きを行う際にも、雇用保険の被保険者番号が必要になります。 退職した会社から郵送などで送ってもらうか、送付してもらうことが難しい場合は、再発行の手続きをする必要があります。

年金手帳
転職先が決まっている場合は、社会保険への加入のために、年金手帳が必要になります。転職先が決まっていない場合は、退職後14日以内に国民年金の手続きをする必要があります。

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退職の話し合いの進め方

円満退職をするには、上司との話し合いをいかにスムーズに進められるかにかかっています。退職を快く了承してもらえなければ、転職先への入社にも影響が出てしまいます。順を追って、慎重に話し合いを進めましょう。

退職理由の説明を求められたら?

上司に退職を願い出たら、まず間違いなく理由を聞かれることになります。このときに、いかに上司を説得して、新しい職場へ送り出してもらえるかが大切です。例えば、「かねてから希望していたコンサルティングファームで会計士として腕を磨きたい」「子供との時間を大切にしたいので、自宅から近くて残業の少ない職場に移る必要がある」というように、理由や目的はできるだけ具体的に、前向きな言葉で伝えるようにしましょう。

「人間関係に悩んでいる」「給料が安い」といった不満や愚痴、漠然とした理由を口にすると、上司に引き留める隙を与えたり、職場の人間関係をこじらせてしまったりする危険性もあります。「今の職場が嫌なわけではなく、あくまでステップアップのための転職」であることや、「業務に支障が出ないよう最大限の努力をしたい」旨を伝えて、上司に誠意と意思の固さをアピールしましょう。

引き留めに遭ったら?

退職の相談をした際に、上司から引き留められるケースは少なくありません。それは、会社にとってあなたが必要な人材であるというだけでなく、今あなたに退職されると業務に甚大な影響が出るという危惧だったり、ほかの社員を刺激することでの連鎖退職を避けたいという狙いがあったりするかもしれません。また、場合によってはその上司が、「社内で自分自身の管理能力を問われたくない」という理由もありえます。

そこで上司は、「今より給料をアップする」「人事異動を約束する」「職場環境を改善する」といった言葉で引き留めてくる可能性があり、実際に気持ちが揺らいでしまうこともあるかもしれません。ただ、あなたの転職への意思が確かなものであれば、根本的なあなたの課題を解決するためにも、引き留めてくれる上司に感謝の意を伝えつつ、退職する気持ちに変わりはない旨をはっきりと伝えましょう。

あいまいな返事をすると、退職時期が大幅にずれ込んでしまったり、なかなか辞めさせてもらえなくなったりすることもあります。なお、上司がどうしても退職を認めない場合は、人事部に相談することも視野に入れておきましょう。

きめ細かな配慮が円満退職のコツ

退職を決めてから退職日を迎えるまでには、たくさんの手続きや業務があります。限られた時間の中で、すべてを滞りなく済ませるためには、退職までのフローやTo Doリストを作っておくといいでしょう。

自分のことだけでなく、職場の同僚や上司にできるだけ迷惑をかけないよう、きめ細かな配慮をし、みんなに気持ち良く送り出してもらえるよう、誠意を尽くしてください。

転職先への報告も忘れずに

退職前に転職先が決まっている人は、退職手続きの進み具合を、転職先にも随時報告しておくといいでしょう。退職手続きの進捗次第では、最悪の場合、退職日や入社日がずれ込んでしまうなど、現職の職場と転職先の両方に影響を及ぼすことも考えられます。転職先によっては、入社時期を調整してくれることもありますが、スタートからつまずくと後々の業務に支障が出ないとも限りません。

現職での手続きを滞りなく進めるのと同時に、転職先には退職の手続きが予定通り進んでいることを報告し、相手を安心させておくことも、会計士の転職で信頼を勝ち取るために大切なプロセスといえます。

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