監査法人は「デレツン」の組織だと思う
公認会計士という資格の存在を、社会人になるまで知らなかったという人も少なくない。弁護士や医師と違って、ドラマやニュースで取り上げられることがないからだろうか。だからこそ、監査法人に入社した時に、多くの新人会計士はその人材の多様さに驚くことになる。今回話を伺った唐木さんは、営業職から会計士に転身した若手スタッフだ。彼女の目に、監査法人というキャリアはどう映っているのだろうか。
プロフィール
唐木 裕子(仮名)20代女性 公認会計士
都内の私立大学を卒業後、大手外資系保険会社の営業職としてキャリアをスタート。思うような業績を出すことができず、ある日一念発起して会計士への道を志し、2018年に公認会計士試験に合格。現在、大手監査法人にて監査業務、ベンチャー支援業務、リクルート業務などを担当。
保険の営業職から、会計士への転身を志す
眞山:唐木さんはもともと保険の営業をされていたんですよね?会計士に転身しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
唐木:はい、外資系の生命保険会社で営業の仕事をしていました。ご存じの通り、保険の営業は歩合の割合が高く、しかも個人個人が一匹狼的に働く部分が大きい仕事です。その中で、高い業績を挙げている人って、単に商品知識を身に着けるだけではなくて、お客さんがお客さんを紹介する仕組みというか、ルートを上手に作っている人が多かったんですよね。で、どうやってそういう仕組みを作ったかというと、前職時代のコネクションだったり、よくあるビジネスコミュニティだったりする。
要するに私は、社会人として何のコネクションも持たないまま、保険の仕事を始めてしまったんだと思い知りました。そんな中、たまたま大学の先輩から紹介された経営者の方に保険の説明をしていたら、「あなたは一度キャリアを変えてビジネスを見る目を付けたほうが良い」とバッサリ言われてしまいました。非常に悔しかったですが、それがきっかけで資格をとることにしたので、今では感謝しています。
眞山:経営者の方からの一言で、目が覚めた、ということですね。
唐木:そうですね。あの経営者の方と次会う時にはもっとましな話をできるようにという思いで見つけたのが公認会計士という資格で、恥ずかしい話、その時になるまでそういう仕事があることすら知りませんでした(笑)。
眞山:それで見事一発合格されて監査法人に入社されたわけですね。個人プレイが中心の保険会社とは違い、チームプレイが必要な監査法人の仕事の進め方は、いろいろな意味でカルチャーショックが大きかったのではないですか?
唐木:あ、それはもうびっくりしました。プロフェッショナル集団という響きとはいい意味で正反対というか、監査法人は非常に面倒見のいい組織だと思いましたね。研修制度もしっかりしているし、新人のうちは放っておいても新しい仕事に次々アサインしてもらえるし、しかもそこでも先輩たちが易しく教えてくれて、一人ぼっちで仕事をすることも私の場合はほとんどありませんでしたし、とても安心感がありました。
監査法人のロールモデルは二極化している
眞山:「良い意味で正反対」とおっしゃいましたが、ぶっちゃけた話、監査法人の生ぬるさとかも感じたりしなかったですか?
唐木:あはは、それはめっちゃ思います(笑)。監査法人ってツンデレの逆で、デレツンの組織なんですよね。面倒見の良さと裏腹に、しっかりと選別されていく面もある。若手のうちにそのことを意識しておかないと、キャリアを重ねていったときに、気づけば待遇や仕事の質・量に差がついていて、もう挽回できない…。ということは間違いなくあると思います。
眞山:唐木さん、まだスタッフですよね?その辺に目を付けているあたりが凄いと思います。
唐木:営業職の仕事をしていると、勝ちパターンを作ることをすごく意識するようになります。保険の営業はクロージングまでが比較的短い期間で終わりますが、監査法人でパフォーマンスを挙げるには、一つの監査案件でクライアントの信頼と、先輩たちの信頼をじっくり培っていかないといけません。結果的に組織内でロールモデルを見つける必要があるわけですが、監査法人の先輩って割と二極化されている面があります。
眞山:二極化、ですか?
唐木:よきロールモデルになる先輩と、反面教師的な先輩がくっきり分かれている感じです。前者は、例えばコミュニケーションに長けているタイプの人とか、あるいは会計基準とか監査の手続きを本当に突き詰めて理解している職人気質の人とか、いろいろバリエーションはあるんですが、とにかくしっかりと自己研鑽を続けている人です。反面教師的な人は、それらのすべてが中途半端、というイメージがありますね。
営業職で培ったコミュニケーションを武器に
眞山:唐木さんと仕事をする上司の皆さんは、気が抜けなさそうですね(笑)。そんなたくさんのロールモデルがいる中で、ご自身はどういった強みを伸ばそうとお考えですか?
唐木:お気づきの通り、私は割とズケズケとモノを言うタイプです。監査というフィールドではそれが強みになると思っています。気づいたことをしっかり、ありのまま発言することで、クライアントに貢献したいと思っています。もちろんそのためには見当違いのことを言ってはいけないので、しっかり考えること、しっかりインプットを続けることが大前提です。翻って、チーム内でのコミュニケーションも大事にしたいと思っています。キーワードは好奇心です。会計士の皆さんって私を含め色々なバックボーンをもって集まっているので、一人一人のことを知ろうとするだけでも十分楽しいじゃないですか。保険営業でも相手のことを理解することってすごく大事だったんですけど、チームの仲間に対してもそれは当てはまると思っています。
眞山:最後にお聞きしたいことがひとつ。先ほどお話しいただいた、会計士を目指すきっかけになった経営者の方に、もし今会えたら、前よりも良い会話が交わせそうですか?
唐木:いや、まだ自信ないです(笑)。あの頃の私は、こういう喋りのスキルだけで世を渡っていたような感覚があったのですが、少しずつそうではなく、クライアントのビジネスや会計のことを踏まえた話が出来るようになっているのは確かです。でも、まだあの人と対等に会話できる自信はないですね…。もっと頑張りたいと思います。
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