監査法人の経験を活かし、地銀で活躍
公認会計士のキャリアのうち、民間企業への転職ポストの多くは、経理や経営企画といったバックオフィスのもの、残りは証券会社などの金融機関、あるいはコンサルティングファームのものが思いつく。今回インタビューに応じてくださった橋本さんは、地銀という比較的珍しいフィールドを選択し、融資先企業のマッチングなどを行っている。ユニークな彼の経歴を伺った。
プロフィール
橋本 義裕(仮名)40代男性 公認会計士
事業会社にて営業職を3年経験したのち、一念発起して会計士試験に挑戦。2005年に公認会計士試験に合格後、大手監査法人の金融部門並びに地方事務所での勤務を経験するうちに、地域金融の面白さを知り、転職。現在は地方銀行の子会社にてコンサルティング部門に所属し、マッチングやM&A、事業承継等の業務を手掛ける。
いずれ上場を手掛けたいと思っていた
眞山:橋本さんは監査法人時代、いわゆる金融部門、つまり銀行などの監査を担当する部署にいらっしゃいましたよね。
橋本:そうです。その中でも自分はメガバンクではなく、信金や信組といったいわゆる協同組織金融機関の監査を手掛けていました。
眞山:もともと金融業界に興味があったんですか?
橋本:いいえ、全然(笑)。会計士の勉強の過程で金融商品会計基準の細かい処理が妙に好きだったんですよね。だから金融部門に行こう、っていう安直すぎる発想でした。本当はIPOとかの支援をしたいと思って会計士の勉強を始めたはずなのに、血迷ってそういうキャリアになってしまいました(笑)。
眞山:なるほど…その後配属を変えてもらったのはそういう経緯があるからなんですか?
橋本:そうですね。自分から申し出て地元の地方都市の事務所に配属してもらいました。そのころは家族もいましたし、いわゆるワークライフバランスを意識した結果でもあります。ただ、結局IPOの仕事は割り当ててもらえなくて、金融部門時代の経験を活かして、そのエリアの地銀や信組の監査ばかりしてたので、仕事の内容はあまり変化がなかったんですよね。
地域金融の面白さに惹かれる
眞山:やはり、上場支援の仕事がしたかったですか?
橋本:それは確かにそうなんですけど、実はそのころちょっと心境の変化もありました。というのは、地方の金融機関と東京のそれとで、うまく言えないんですけど融資先に対する思い入れの差を感じたんですよね。
眞山:と、言うと?
橋本:私が担当していた金融機関では、比較的機械的に債務者区分を付けて、スコア通りに融資方針を決めていく手法は、ある意味で合理的ではあったし、そういう意味では監査人の立場では安心感のあるものだったんですよ。
かたや、地方の金融機関の場合、融資先を助けてあげたいとか、地域全体を盛り上げなければいけないという気概を審査の書類から感じるようになっていました。監査上突っ込みをいれざるを得ない案件も正直ちょいちょいあるんですが、でもなんか、気持ちが入っているというか。
眞山:確かに私も地方銀行の監査をしていて、そういう思いを感じたことはありましたね。
橋本:ですよね。ほかにも例えば、いわゆるマッチングと呼ばれる、融資先同士をつないで新しいビジネスの機会を作る手法っていうのはどの金融機関でも一応やっている…ことになっています。ですが、都会の金融機関だと、それっぽいポータルサイトに登録させておいて、あとはほったらかし、というところも存在するらしい。でも、たまたま私が出会った金融機関は、そこをものすごく積極的にやっているのが魅力的だな、と思って。
眞山:だから、転職した?
橋本:はい。収入が減ることも目に見えていたし勇気は要りましたが、思い切って転職することにしました。
マッチングに感じる確かな手ごたえ
眞山:勇気のいる決断だったと思いますが、結果的にどうでしたか?
橋本:私自身は厳密には地銀のグループ会社にあるコンサルティングサービスを行う部署に所属しています。直接融資を担当するわけではなくて、融資担当者と連携して協業できそうな先だとか、場合によってはM&Aの相手先だとかを探して、お互いをつないでいくという仕事です。地域金融機関だからこそ、それぞれの企業が比較的「顔の見える距離」にいるということもあり、マッチングの手ごたえは非常に強いです。
眞山:もともと気にされていたワークライフバランスについてはどうでしょう?
橋本:収入は少し減ったように思いますが、監査法人時代のような出張もないので、家族との時間は確実に増えました。あとは…監査法人のメンバーが派手すぎだというつもりはないですが(笑)、やはり今いっしょに働いているメンバーは非常に堅実な志向の方が多いので、私自身も出費を抑えることを覚えてきまして、たぶん家族からみたら大して生活の負担感は変わってないんじゃないかと思います。
眞山:やりたいことをやりつつ、生活の節度を高めることができたという意味で、上手なキャリアチェンジを果たされたんだな…と思って話を聞いていましたが、橋本さんから、今キャリアに悩んでいる会計士の方に送りたい言葉はありますか?
橋本:うーん、難しいですね。私の場合、お伝えした通りたまたま金融商品会計基準にドハマりしただけで金融部門を選び、たまたま地銀の融資方針に刺激を受けて地銀への転職をし…という感じなので、正直行き当たりばったりだったと思います。それを無理やり正当化しようとすると、自分の中のパッション的なものに従った生き方をしているんだろうとは思います。そのフィールドが金融という、比較的生活面でのリスクの少ないところだったからよかったものの、それこそIPOとかに突進していたら安定した暮らしはなかったし。非常に陳腐な言葉で申し訳ないですが、「人それぞれでいいんだよ」ってことになっちゃいますね(笑)。でも、それが出来るのが会計士だと思います。
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