USCPAはやめとけ?意味ない?本当に役立つのか、向いていない人も徹底解説
「USCPAはやめとけ」という声を見聞きした経験はありませんか?会計分野でキャリアアップを考えるとき、このような意見に少なからず出会うはずです。
確かに、USCPA(米国公認会計士)の資格取得には時間とお金の投資が必要です。では、その価値は本当にないのでしょうか、それともだれかの一方的な意見なだけでしょうか。
この記事では、USCPAに関するさまざまな視点から、あなた自身が判断するための材料をお伝えします。1つの視点として、そして本当に自らの糧になるかを考えるきっかけとしてください。
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USCPA(米国公認会計士)試験の難易度・合格率と勉強方法
本当にUSCPAが自らのキャリアにマッチしているのか、求人はあるのかなど気になることがあれば、ぜひマイナビ会計士のキャリアアドバイザーへご相談ください。スキルの棚卸しからキャリアプランまで丁寧にご提案します。

マイナビ会計士編集部
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目次
USCPA(米国公認会計士)とは
USCPA(米国公認会計士)は、アメリカの各州が認定する会計士の資格です。主に、会計・監査・税法などの専門知識を証明するもので、取得すると国際的な会計基準に基づいた実務ができるとの評価を受けられます。
グローバル化によって認知度が広まりつつあり、日本でも国際的な仕事に携わりたい方や、英語と会計のスキルを両方活かしたい方の間で注目を集めています。そのほか、資格の概要については下記ページをご覧ください。
USCPAは『やめとけ』と言われる5つの理由
USCPAが「やめとけ」といわれる主な理由は、以下の5つです。
- 合格の難易度が高い
- 取得する費用がかかる
- 日本では独占業務ができない
- 高い英語力を求められる
- 学習時間・期間が長くかかる
合格の難易度が高い
USCPAの試験の合格率は、各科目で見ると約50%前後と決して低くはありません。しかし、全科目の最終合格率でみると約2.23%とかなり厳しい数字になります。一方、日本の公認会計士試験の最終合格率は約7~11%です。
USCPAの試験科目数は公認会計士よりも多く、さらにすべて英語で受験しなければなりません。それゆえに、日本人にとっては難易度が高くなります。専門的な内容を英語で理解し、さらに解答するというのは、単なる資格試験以上の挑戦となります。
取得する費用がかかる
次に、USCPAの取得には公認会計士よりも費用がかかります。日本の公認会計士試験が約19,500円(税込)であるのに対し、USCPAはペンシルバニア州の場合、最低でも約217,801円(約1,515ドル)です。単純計算で約11倍もの差額です。
USCPA試験の費用の内訳は、以下のようになります。
- 教育評価申請料:$93.00(1回のみ)
- 試験セクション料(4セクション):$1,050.56($262.64 × 4)
- 試験登録料(4セクション):$372.00($93.00 × 4)
また、これは受験料だけの話で、教材費や講座費用などを含めていません。加えて、州によっても費用は変わるため、事前にしっかり調査する必要があります。
日本では独占業務ができない
高い難易度と費用のハードルを乗り越えたとしても、日本で働くUSCPA保持者は公認会計士の独占業務である「法定監査」を行えません。USCPAの資格で監査業務を行えるのは、資格を取得した州か、国際相互承認協定を結んでいる国に限られます。
つまり、日本企業で対応できるのは「監査の補助業務のみ」となります。日本国内でUSCPAを活かすには、海外取引先を相手にした監査周辺業務(例:監査調書の作成、海外子会社とのやり取りなど)に携わるのが一般的です。
このような業務制限があるため、「日本だけで働くなら意味ないから公認会計士のほうがいい」という声も聞かれるのです。
高い英語力を求められる
USCPAの試験の突破には、TOEICスコアで最低700点以上、できれば800点以上の英語力が必要となります。2024年からは記述問題がなくなっているため、「試験を突破するための読解力」を要します。
しかし、実際の仕事では「読める・書ける」だけでなく「話せる・聞ける」能力も業務を遂行するうえで必須です。試験に合格しても、実務で英語によるコミュニケーションができないと実務で苦労しかねません。
読めるだけでは試験後で四苦八苦することから、「やめとけ」という声が出るケースもあるわけです。求められる英語力について詳しくは、下記ページでも触れています。
学習時間・期間が長くかかる
最後に、USCPAの取得には以下のような膨大な時間と期間がかかります。
| 項目 | USCPA | 日本の公認会計士 |
|---|---|---|
| 必要学習時間(目安) | 約1,000〜2,000時間 | 約3,000〜6,000時間 |
| 英語力ゼロの場合の追加時間 | 約1,000〜1,500時間 | 該当なし |
| 合計学習時間(最大) | 最大約3,500時間程度 | 最大約6,000時間程度 |
| 学習期間(目安) | 約1〜4年 | 約2〜5年以上 |
一般的に学習時間は、USCPAのほうが公認会計士より短いといわれています。
しかし、英語がまったくできない場合は、英語学習の時間も加わって総合的な時間は長くなります。 この実際のハードルの違いも、「やめとけ」といわれる一因となります。
結局、USCPAの取得は意味ない?役に立たない?
「やめとけ」という声があっても、USCPAは決して意味のない資格ではありません。取得難易度が高く、日本国内だけで働く場合には用途が限られるものの、グローバルなキャリアを目指す人にとっては価値のある資格です。
ここからは、USCPAを取得する主なメリットを以下にわけて紹介します。
- グローバル展開の求人にアピールできる
- キャリアの幅が広がる
- 年収アップの可能性が高まる
グローバル展開の求人にアピールできる
まず、USCPAの資格は、以下のようなグローバル企業への就職・転職に強みとなります。
- 監査法人
- 会計事務所・税理士法人
- コンサルティングファーム
- FAS(ファイナンシャルアドバイザリーサービス)
- 海外展開している一般事業会社
- 外資系金融機関
主に、海外のクライアントを抱えている企業や海外に拠点がある企業では、USCPAの資格はアピールポイントになります。全科目合格していなくても、科目合格の状態でも評価を受けられるため、一概に「意味ない」とはいえないのです。
キャリアの幅が広がる
USCPAを取得すると、さまざまなキャリアパスが開けます。主なキャリアパスとしては、以下が挙げられます。
- 中小・大手監査法人でのキャリア
- 一般事業会社での経理・財務職
- 外資系企業の経理・財務部門
- FAS(ファイナンシャルアドバイザリーサービス)
- コンサルティング業界への転身
- 独立・起業
外資系企業やFASなどの分野では、USCPAで得た知識とスキルをより直接的に活かすことができ、キャリアの選択肢を広げやすいです。経験がないと難しいキャリアへの道も、USCPAがあれば開けるケースもあります。
年収アップの可能性が高まる
USCPAの取得は、年収アップにつながる点でも魅力があります。日本企業でのUSCPA保持者の平均年収は約640万円で、公認会計士の平均年収約746万円と比べると低く見えて「やめとけ」といわれてしまうかもしれません。
しかし、アメリカで働く場合は、調査時点の「1ドル=143.71円」で換算すると約1,174万円($81,680)と高くなりやすいです。外資系企業やグローバル展開している日本企業では、こうした海外の相場を背景に、USCPAの知識とスキルを持つ人材に対して高い報酬を支払う傾向があります。
キャリアの幅を広げつつ、収入アップまで狙えるとなれば相応の努力をする価値はあるはずです。より細かい違いや年収については、ぜひ下記ページもご覧ください。
USCPAの取得に向いていない人の例
ここまで良い面をお伝えしましたが、「やめとけ」「役に立たない」などの声が示すとおり、USCPAの取得はだれにでも適しているわけではありません。以下のような特徴を持つ方は、取得が難しかったり、取得しても活かしにくかったりする可能性があります。
- 英語の学習が苦手な人
- 意見交換・提案が苦手な人
- 安定した雇用を求める人
- グローバル企業を目指していない人
必ずしも当てはまったから働けないというわけではありません。とはいえ、USCPAの取得を検討する際は、自らのキャリアプランにこの資格が本当に必要かをよく考えることが大切です。
あなたのキャリアプランのなかで、『USCPAが必要なステップと明確に位置づけられる』のであれば、取得する価値は十分にあります。
USCPAへの就職・転職に成功した事例
では、実際にUSCPA取得者が転職に成功した事例はあるのでしょうか。マイナビ会計士のサービスを利用して実際に転職に成功した2つの事例を簡単に紹介します。
1つ目は、29歳男性、メーカー勤務から大手監査法人へ転職した事例です。将来を見据えて「会計のスペシャリストになりたい」という思いからUSCPAの勉強をはじめ、2年間で全科目合格。その後、キャリアアドバイザーの支援を受けて志望動機を明確にし、希望していた大手監査法人への転職に成功しました。
2つ目は、30歳女性、人事労務のアウトソーシング会社から会計コンサルティングファームへ転職した事例です。人事労務のアウトソーシング業務を行う会社に勤めていましたが、会計業務に興味を持ちUSCPAに挑戦して合格。実務経験がない状況下、熱意と人柄を評価されて転職に成功しました。
これらの事例からわかるように、USCPAは転職やキャリアチェンジの武器になり得ます。ほかの事例が気になる方は、ぜひ下記ページもご覧ください。
マイナビ会計士の求人例
マイナビ会計士では、USCPA保持者(科目合格を含む)向けのさまざまな求人を取り扱っています。
| 職種 | 年収 | 備考 |
|---|---|---|
| FAAS 財務会計アドバイザリー(名古屋) | 500~1,000万円 | TOEIC600点以上。USCPAまたは全科目合格者。監査/決算経験者歓迎。 |
| 会計アドバイザリー(大阪) | 400~1,000万円 | USCPA(3科目以上)応募可。経理・監査・コンサル経験者向け。 |
| 監査職(海外駐在志望者向け) | 500~1,000万円 | USCPA(監査や経理経験必須)。将来の海外駐在チャンスあり。 |
| IT統制(内部監査) | 600~1,000万円 | USCPA、CISA等歓迎。未経験可。フレックス・リモート制度あり。 |
| 監査職(海外駐在志望者向け) | 500~1,000万円 | TOEIC700点程度、監査経験必須。 |
USCPAの資格を活かせる求人は多様で、高年収の案件も少なくありません。財務アドバイザリーやコンサルティング分野では、専門性の高いUSCPA保持者への需要が高まっています。
よくある質問(FAQ)
最後に、USCPAに関するよくある質問へ回答します。
公認会計士とUSCPAの違いは?
公認会計士とUSCPAにおける最大の違いは、「活動範囲」です。公認会計士は日本国内での監査業務に強みを持ち、国内企業に特化しています。
一方、USCPAは国際的な資格であり、英語力と会計知識を活かして外資系企業や海外での活躍が可能です。より詳しくは、下記ページからご覧ください。
USCPAは独学で合格できますか?
USCPAの試験は独学での合格も可能ですが、だれにでも向いているわけではありません。独学の難点として、教材がすべて英語であること、試験の受験資格を満たすための単位取得を必要とすることなどが挙げられます。
一方、予備校ではアメリカの大学と提携していて単位取得できる仕組みがあったり、日本語での解説付き教材が利用できたりします。英語に強く、会計の基礎知識がある方であれば独学も十分可能ですが、そうでない方は予備校の利用も検討してください。
USCPAは未経験から挑戦できますか?
USCPAは会計の未経験者でも挑戦できる資格です。実際に、会計経験のないほうがUSCPAに合格して、監査法人やコンサルティングファームなどに転職に成功した例も数多くあります。
ただし、未経験から転職する場合は即戦力とは見なされにくいため、会計の基礎知識や関連するビジネススキル、英語力などをアピールポイントとして準備しておくと安心です。
まとめ
USCPAは「やめとけ」「役に立たない」とちらほらいわれる資格ですが、その価値は自らのキャリアプランによって変わるものです。確かに取得には時間とお金がかかり、日本国内だけで働くのであれば制約もあるのも事実です。
しかし、キャリアの幅を広げ、年収アップの可能性を高め、グローバル企業での活躍の場を広げるきっかけとなります。そのため、グローバルに活躍したい、会計と英語のスキルを両方活かしたいという明確な目標がある方にとって、USCPAは価値があります。
大切なのは、他人の「やめとけ」という言葉に流されるのではなく、自分自身のキャリアプランにもとづいて判断することです。
マイナビ会計士では、USCPAのキャリアが本当に向いているか不安な方へ、キャリアアドバイザーが親身に向き合います。自分が5年後、10年後にどうなっていたいかをしっかり考え、その姿に近づくためにもぜひご利用ください。
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