USCPAに必要な英語力とは? 英語力をプラスしてキャリアアップ!

経済のグローバル化に伴って、日本でもUSCPA(米国公認会計士)の需要が高まり、公認会計士のダブルライセンスとしても注目されています。
当然ですが、USCPAの試験はすべて英文で、合格には一定水準の英語力が必要です。ただし、USCPAは英語力を目的とした試験ではありませんので、リーディング、ライティング、リスニングのすべてを求められるわけではありません。

監修
マイナビ会計士編集部
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USCPA合格に必要な英語力とは
リーディングスキル
USCPAの試験は、FAR (財務会計)、BEC (企業経営環境・経営概念)、AUD (監査論)、REG (商法・税法)の4科目で構成されています。あくまでも、財務や会計の領域に関する試験ですので、試験問題で使用される単語や言い回しは限定されます。日常会話や文学作品のような複雑な表現はなく、基本的には簡潔かつ平易な文章が中心です。ある程度の英語力があれば問題なく読めるレベルといえるでしょう。
しかし、試験では、限られた時間内で大量の問題文を読みこなさなければなりません。そもそも、問題を読むことができなければ、正しい答えがわかっていてもすべて無駄になってしまいます。つまり、USCPA試験で何よりもまず必要になるのは、リーディングスキルです。スムーズに英文を読み、正確に理解する力が結果を左右するといっても過言ではありません。
ライティングスキル
リーディングスキルほどではありませんが、ライティングスキルも合否に影響する可能性があります。USCPA試験の問題は選択式が中心ですが、BEC (企業経営環境・経営概念)に、Written Communication(WC問題)という記述式の設問があります。クライアントからの依頼に会計士として専門的見地から返答を行う形式で、自分で文章を考えて回答しなければなりません。もちろんすべて英文で、です。
WC問題の配点はBEC科目の15%で試験全体から見ると小さいものに思えます。しかし、合格には、このWC問題が壁となる可能性があります。
USCPA公式の受験結果データによると、日本人受験生のWC問題の平均得点率は10%以下、15点の配点のうち1点前後という結果が出ています。同じデータで、アメリカ人受験生の平均得点率は70%となっていますので、明らかにライティングスキルによる失点と考えられます。
USCPA試験の合格ラインは75点なので、25点しか失点できません。そのうち14点をWC問題で失っていることになります。その結果、残り85%で74点以上をとらなければならなくなり、ハードルはかなり高くなります。ライティングスキルの不足がボトルネックとならないよう、しっかり対策しておく必要があります。
リスニングスキル
現行のUSCPA試験ではリスニングの出題はありませんので、リスニングのスキルは必要ありません。
しかし、ビデオや音声を使った出題形式の導入が検討されていますので、将来的にはリスニングスキルが必要になる可能性があります。具体的な導入時期などは明らかになっていませんが、リスニングスキルに自信がない方は、試験形式が変更される前に合格できるよう、早めに挑戦されることをおすすめいたします。
<ココまでのまとめ>
・何よりもまず必要なのはリーディングスキル。TOEICスコア800点が目安。
・英作文形式の設問をボトルネックにしないため、ライティングスキルも必要。
・現行のUSCPA試験ではリスニングのスキルはなくても問題なし。
USCPA合格のための英語力の鍛え方
読解力を優先的に鍛える
USCPA合格への最優先課題は読解力を鍛えることです。英検でいえば準1級レベル、TOEICのスコアを目安にすると、800点以上あれば読解力としては問題ないですが、600点より下で合格することはほぼ難しいといわれています。つまり、英語力がこのレベルに達していない場合は、英語力をつけるための勉強が必要になります。
試験のことだけを考えるなら、リスニングスキルは必要ありませんので、英会話スクールではなく、教材やアプリを活用した学習が適しています。
USCPAの試験時間は1科目あたり3~4時間の長丁場です。つまり、試験時間中ずっと集中して、英語の長文読解を続けることになります。長時間にわたって、英文を読み続けることにも慣れていないと、集中力が途切れてしまう可能性があります。長文読解のトレーニングとして、参考書のほかに、興味のある分野の論文や記事、学術書などを読むのもよいでしょう。
専門用語を集中的に暗記する
できるだけネイティブに近いスピードで、英文を読めるようになることが理想ですが、そのための基礎となる英文法は、実は中学レベルの英語で教えられています。
英文法に加えて必要になるのが、英単語の語彙量ですが、試験問題で使用される英語表現はかなり限定されています。財務、会計や監査などの関連領域の専門用語とビジネス文書の慣用表現を覚えておくと、より速く読めるようになります。参考書や問題集に記載されている専門用語を中心に、集中的に暗記しましょう。
反復&継続して学習する
語学力習得の基本は反復と継続です。たとえば、週3回2時間ずつ勉強するよりは、1日30分ずつでも毎日欠かさず続けるほうが効果的です。洋書のUSCPA対策の参考書や問題集を精読することでも、リーディングスキルは鍛えられます。参考書のバリエーションを増やすよりは、正解の精度をあげる方向で、暗記するほど反復しましょう。
<ココまでのまとめ>
・速く読める読解力と同時に長文読解になれるトレーニングも必要。
・専門用語を暗記すれば早く読めるようになる。
・1日30分ずつでも毎日欠かさず続けるほうが効果的。
USCPAの勉強で英語力を磨いた後のキャリアは?
グローバルな業務に挑戦する
USCPAの知識は、主にアメリカ国内に拠点をもつ事業者が必要としています。すなわち、業務の対象は、グローバル展開している事業ということになります。
USCPAの知識と英語力を活かした海外拠点とのやりとりはもちろん、世界各国の経済や社会状況などを踏まえたグローバルな業務に携わるチャンスがあります。
外資系企業に転職する
USCPA合格によって、ビジネス英語のスキルがあることが証明されます。英語力のある人材として、外資系企業への転職活動が有利になる場合があります。
ただし、USCPAの試験対策を優先してリスニングや会話をおろそかにした結果、英語でのコミュニケーションが不自由になってしまうという可能性もあります。外資系企業ではより実践的な英語力が求められる傾向がありますので、志望される場合はしっかり準備しましょう。
海外で活躍する
USCPAは、アメリカとUSCPA に関するMRA(国際相互承認協定)を締結している国(オーストラリア、カナダ、メキシコ、ニュージーランド、香港、アイルランド)で、公認会計士として業務を行える資格です。ただし、アメリカ各州での実務経験と登録手続き、現地での追加研修などが必要です。
これらの国以外でも、USCPAを活かしてインハウスで業務を行うことはできます。USCPAによって、海外勤務のチャンスは大きく高まります。
<ココまでのまとめ>
・USCPAの知識と英語力を活かし、グローバルな業務に携わるチャンスがある。
・英語力のある人材として、外資系企業への転職活動が有利になる。
・USCPAはアメリカ以外でも活かせるので、海外勤務のチャンスは倍増。
まとめ
USCPA合格によって英語力の高い人材という評価を得ることができれば、キャリアアップの選択肢が広がります。ペーパーテストだけで合格できるUSCPAは、日本人が苦手としがちな会話力を求められないため、英語力から身につけようとする方にも比較的取り組みやすいでしょう。
もちろん、実際の業務では会話によるコミュニケーションが必須になりますので、ゆくゆくは会話力が必要になります。しかし、USCPA合格を外資系企業への転職や海外勤務のチャンスをつかむきっかけにできる可能性はあります。
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