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公認会計士のベンチャー転職の傾向と仕事内容は?気になる年収とは

公認会計士のベンチャー転職の傾向と仕事内容は?気になる年収とは

公認会計士として活躍される方の転職先では、多くは大手監査法人を安定した給与や待遇を求めて検討することが一般的です。実際に転職経験のある方なら、大手監査法人の情報はよく目にしたことでしょう。

しかし、転職先として選べるのは大手監査法人だけではありません。近年では、公認会計士の経験や知識、資料作成の技術を活かせる「ベンチャー企業」への転職も需要が高まっています。ベンチャー企業では、多くのクライアントではなく、企業を支える一員として活躍できます。また、若手にとっても、成長を実感しながら新たな挑戦をする場としておすすめです。

ただし、ベンチャー企業の会計士は、数字の処理だけでなく、経営や戦略にも関わることが求められます。とはいえ、どのような業務内容となるのか、どういったスキルや技術が求められ、リスクは何があるのかはあまり知られていません。

そこで本記事では、公認会計士がベンチャー企業に転職する際の傾向から仕事内容、メリット・デメリット、年収まで詳しく解説します。ベンチャー企業への転職はやりがいや成長のチャンスがありますが、同時にリスクや負担も大きいものです。ぜひ、本記事を参考にして自身のキャリアプランやライフスタイルに合った働き方を見つけてください。

マイナビ会計士編集部

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目次

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新たな可能性:公認会計士のベンチャー転職の傾向

近年、ベンチャー企業の公認会計士への需要増加を受けて、転職を希望する公認会計士の方々も増えています。その理由は、監査業界より挑戦性があってやりがいのある仕事を求める若手の志向や、スタートアップ企業が公認会計士を必要としている市場のニーズによるものが挙げられます。

まずは、自らが検討しているキャリアパスのベンチャー転職に将来性があるのかを、以下の3つに分けた傾向から見ていきましょう。

  1. 若手はチャレンジできる環境を求めて転職を検討できる
  2. ベンチャーの資金調達でも公認会計士の需要が高まっている
  3. M&Aの機会増加も需要を後押ししている

若手はチャレンジできる環境を求めて転職を検討できる

1つ目に、公認会計士のベンチャー転職において、若手はチャレンジできる環境を求めて転職を検討できることが挙げられます。スタートアップが多いベンチャー企業は、成長のスピードが速く、市場や顧客、サービスの変化へも迅速に対応しなければならない環境です。こうしたベンチャーが保有する独特な環境は、多くの業務に携われる機会を生み出し、自らの能力を試すことができる場としても優秀です。

また、初期の段階ではメンバーが少なく、役割分担が少ないことから直接的に関与できる傾向にあります。そのため、公認会計士はベンチャー企業で欠かせないメンバーの一員として、経営陣や投資家と直接コミュニケーションを取りながら、戦略的な意思決定に関与する経験もできます。

こうしたチャレンジングなベンチャー企業の環境は、柔軟性や吸収力の高い若手の公認会計士にとっても非常に魅力的です。自らの力を試しながらも、さらに高みを目指せる環境を探している際には、ベンチャー企業を転職先として検討できるでしょう。

なお、ベンチャー企業を含むスタートアップが大注目されている傾向については、以下の記事でも詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。

ベンチャーの資金調達でも公認会計士の需要が高まっている

2つ目に、ベンチャー企業は事業を拡大するため、外部からの資金を確保する「資金調達」のプロセスで、公認会計士を求めている傾向も挙げられます。資金調達を実施するためには、複雑な財務諸表や予算計画などの資料を作成し、投資家に対して事業内容や将来性を説明しなければならないからです。

例えば、内閣官房および経済産業省の資料によると、大企業・中小企業と今後協業したい項目の回答として、資金調達が63.2%にも上ることがわかっています。

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出典:令和3年3月|内閣官房 成長戦略会議事務局・経済産業省 経済産業政策局の資料より

また、経済産業省では、シードやアーリーなど各ステージにおいて、デットファイナンスを含めた複数種類の資金調達が行われているデータが公開されていることからも、その需要の高さを読み取れるでしょう。

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出典:令和 4 年度中小企業実態調査事業(スタートアップの資金調達に関する企業の実態調査および検討会実施等)調査報告書

そのため、ベンチャー企業は資金調達に必要となる資料作成や、プレゼンテーションの作成に際して、公認会計士の知識や経験と、資料作成の技術を求めます。その結果、資金調達というニーズでも公認会計士の需要が高まっていると言えます。

M&Aの機会増加も需要を後押ししている

最後に、ベンチャー企業ではM&Aの機会を増加できるよう整備が進められており、将来的に公認会計士の知識やスキルが必要とされる傾向も挙げられます。M&Aを実施する場合、財務分析やデューデリジェンス、価値評価などのプロセスにおいて、公認会計士による透明性の証明と交渉のサポートが必要となるためです。

例えば、経済産業省が発表した「大企業×スタートアップのM&Aに関する調査報告書」によれば、オープンイノベーションの一つの手段として「大企業×スタートアップのM&A」が着目されています。

同資料によると、日本ではすでに2017年から2019年で約30%がM&Aを実施し、すでに需要があることを示しています。しかし、米国の約90%と比較すると少なく、ベンチャー企業の選択肢としては広く普及していません。

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出典:大企業×スタートアップのM&Aに関する調査報告書 (METI/経済産業省)

そのため、同資料では「大企業とスタートアップの両者がM&A時のバリュエーションを適切に評価するための考え方」や、「M&Aの有用性を投資家に理解してもらうためのIRのあり方」まで取りまとめることで、普及を支援する工夫が図られています。こうした取り組みが継続されて国内市場でM&Aが広まれば、同時に公認会計士の需要も増加することから将来性も高いと言えます。

ここまで、公認会計士のベンチャー転職の傾向として、「若手でも活躍できる場であること」「市場のニーズにより需要が高まっていること」「M&Aによる高い将来性があること」の3つに触れてきました。それぞれの傾向を踏まえると、公認会計士がベンチャー企業で働く場合の将来性は高く、ぜひ選択肢に入れたい転職先としておすすめです。

公認会計士からベンチャーCFOになった場合の仕事内容

では、公認会計士が実際にベンチャー企業に就職し、その多くが到達するキャリアパスのCFO(最高財務責任者)になった場合、どのような仕事内容を任されることになるのでしょうか。

検討しているキャリアパスが自らに合うかを判断する参考として、CFOが主な業務として担う以下の3つの仕事内容を一例として解説します。

  1. IPO(新規公開)への対応
  2. 資金調達
  3. 内部統制の構築

IPO(新規公開)への対応

まず、ベンチャー企業が株式を公開して市場に売りだす「IPO」を目指す場合、CFOはそのプロジェクトを主導する立場になります。企業は資金調達や知名度向上などのメリットを得られますが、同時に上場審査や株主への説明責任などの厳しい要件や責任も負わなければなりません。そこで公認会計士は、準備作業から上場後のフォローアップまで、幅広い業務を担当するのがCFOです。

具体的には、証券取引所が定める様々な上場審査基準に沿った適切な会計処理や開示資料の作成などをアドバイスしたり、実際に作成したりすることで、上場審査のサポートを行います。

また、IPO準備中の企業では、会計や財務に関する知識や経験が不足している経営者が多いです。そのため、予算管理や中期経営計画の策定、内部統制の構築などの上場準備関連業務に加えて、マネジメント業務や経営戦略の立案なども行うことができます。

こうした業務を進める際には、経営者と直接意見を交わしたり、自社の成長に貢献できたりするなどのやりがいや魅力を感じることができます。また、IPOを達成した後も、株主への説明責任やコーポレートガバナンスの強化は常に求められます。その結果、監査や税務だけでなく、コンサルティングや事業支援などでも継続的に関与でき、自社の発展に対して一緒に喜びを分かち合うことができるでしょう。

資金調達

次に、ベンチャー企業のCFOは、需要が高まっている「資金調達」においても重要な業務を担います。実際に担う業務は、資金調達先の選定から、財務戦略や資料作成、プレゼンテーションなどさまざまです。

例えば、資金調達を行うためには、適切な資金調達先を見つける必要があります。公認会計士は、自らのネットワークや経験を活用して、企業に適した資金調達先を紹介したり、条件交渉をサポートしたりします。

また、企業の財務状況や収益性を示す「財務諸表」の作成も必要です。そのため、CFOは、財務モデリングによって将来のキャッシュフローを予測し、それを基にした資本政策の策定をサポートします。加えて、作成過程で発見されたコスト削減やキャッシュフロー改善などの経営改善策も提案できるでしょう。

そのほか、投資家向けの資料作成や効果的なプレゼンテーションを行い、資金調達の成功率を高める支援を行うこともあります。このように、ベンチャー企業のCFOとなった場合、金融機関の選定、財務諸表の作成、資料作成等において、公認会計士のスキルを最大限に活用できます。

なお、ビジネスモデルによって資金調達の方法やタイミングが異なるため、戸惑う部分もあるかもしれませんが、基本的な流れは共通です。

内部統制の構築

最後に、CFOの主な業務内容として、ベンチャー企業の内部統制の構築も挙げられます。具体的には、財務報告の信頼性や法令遵守といった、企業の健全な運営に必要なルールや仕組みを作り上げる役割を担います。

内部統制の構築では、内部統制報告制度(J-SOX)に準じたコンプライアンスへの対応、統制体系の設計、リスク評価、および予防・緩和策の策定に関するミティゲーションプランの作成などで、公認会計士の専門知識が必要となります。

また、小規模なベンチャー企業の場合、管理部門の採用から任せられるケースもあります。そのため、バックオフィスを担当しながら新たな採用を行いつつ、体制を整えることも求められるでしょう。

そのほか、内部統制監査の知見を活用して、企業に対し内部統制の整備や改善のアドバイスやサポートを提供することもあります。その際には、内部統制の設計、運用、評価や是正など、内部統制対応全般を支援する役割を担当することになります。

ここまで触れたように、CFOとなった場合には「IPOへの対応」「資金調達」「内部統制の構築」という3つの主要な業務を担います。そのため、公認会計士として培った財務知識や分析力、コミュニケーション力、交渉力、戦略力、内部統制の専門知識や経験などを活かすことが可能です。ベンチャー企業は、公認会計士としてのキャリアを活かしながら、新しい挑戦や成長を求める方におすすめの転職先と言えるでしょう。

公認会計士がベンチャー企業に転職した場合の年収

ベンチャー企業に転職した公認会計士の年収は、一般的に700万円程度となります。例えば、マイナビ会計士および税理士で取り扱う求人(2023年11月調べ)を参考にすると、以下のポジション別の年収となります。

ポジション年収
CFO(最高財務責任者) 960万円~1500万円
経理部長 700万円~1250万円
経理マネージャー 600万円~1100万円

また、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(2022年)をベースに、マイナビ会計士が調査した結果によると、公認会計士(税理士含む)の平均年収は約627万円です。加えて、厚生労働省が運営する職業情報提供サイト(日本版O-NET)では、2023年10月時点で746.6万円となっています。

このように、ベンチャー企業に転職した場合の年収がおよそ700万円前後であることは、平均年収からも予測できるでしょう。なお、目安として挙げた年収の700万円には、ストックオプションやインセンティブなどの付加的な報酬は含まれていません。つまり、ベンチャー企業の業績や自分の貢献度に応じて、さらに高い収入を得ることが可能だということです。

そのため、ベンチャー企業に転職した場合、公認会計士としてのスキルや経験を活かしながら、高い報酬と評価を得られる可能性があると言えます。

公認会計士がベンチャー企業に転職するメリット

ここまで、ベンチャー企業の転職において公認会計士の需要が高まっていること、CFOとして実際に担うことになる業務、想定される年収に触れることで身近な転職先であることをお伝えしました。

では、公認会計士がベンチャー企業に転職した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか?ここからは、多くの方に当てはまり、実感しやすい以下の3つの代表的なメリットを解説します。

  1. 経営に携われる可能性が高くなる
  2. 企業側の視点が身につく
  3. 給料面以外の報酬を加味できる

経営に携われる可能性が高くなる

第一に、公認会計士がベンチャー企業に転職するメリットとして挙げられるのが、経営に携われる可能性が高くなることです。経営に直接関わるポジションに就くチャンスが多くあり、任されるまでの期間も短くなりやすいためです。

公認会計士が監査法人で働いていると、多くの企業の財務状況や経営戦略を知ることができます。しかし、それだけでは経営者としての視野やスキルは身につきません。また、監査法人で役員になるには、長い年月と厳しい競争も必要です

一方でベンチャー企業は成長速度が速く、変化に対応する必要があります。そのため、公認会計士の専門知識や分析力は大きな武器となり、経営方針や戦略で頼られることも多くなるでしょう。もちろん、経営に携わるためには、実績や信頼を積み重ねる必要がありますが、ベンチャー企業ではその機会が多く与えられます

そのため、ベンチャー企業では経営に携われる可能性が高く、よりやりがいや魅力を感じやすい環境が整っていると言えます。

企業側の視点が身につく

第二に、ベンチャー企業に転職すると、公認会計士として働きながら企業側の視点を身につけられることも挙げられます。CFOの主な仕事内容でも取り上げた「M&Aや資金調達などの専門性の高い業務」では、企業側の視点が必要となるからです。

一般的な監査法人で働いていると、外部(監査法人)視点を持っていることが多いです。外部視点は、監査の質を高めるために必要なものですが、同時に企業側の視点を欠くこともあり得ます。

ベンチャー企業では、先述したように経営に携われる可能性が高くなることから、自分の意思決定や行動が直接的に経営成果に影響することを実感できます。専門性の高い業務であれば、さらに企業側に寄り添った視点での仕事が増えるため、より多くのことを学べるでしょう。

そのため、企業側の視点を身につけられることは、公認会計士としての成長やキャリアアップに大きな糧になるメリットとなります。

給料面以外の報酬を加味できる

第三の公認会計士のメリットとして、給料面以外の報酬を加味できることも挙げられます。具体的には、ベンチャー企業のストックオプション制度や、それによるキャピタルゲイン、インカムゲインが該当します。

ストックオプションとは、一定期間後に株式を割安で購入できる権利のことです。次に、キャピタルゲインは、保有する資産(今回では株式)を売却することで得られる売買差益を指します。例えば、10万円で購入した株式が15万円になった際に売却すると、差額の5万円(手数料および税金を除く)がキャピタルゲインとなります。加えて、資産の保有中に得られる配当金や預金利息などのインカムゲインも得ることが可能です

一般的なベンチャー企業は、成長につれて株式の価値が上昇する傾向にあり、独自に設けられたストックオプションがあれば給料面以外の報酬を得られる可能性も高いです。また、株式の価値が下落するリスクもありますが、それを上回るリターンをキャピタルゲインとして得ることも可能でしょう。さらに、ストックオプションで得られた株式を売却しなくても、インカムゲインを得られる可能性もあります。

もちろん、ベンチャー企業特有とも言えるこうした給料以外の報酬制度は、必ずしも設けられているものではありません。しかし、公認会計士としてのモチベーションやパフォーマンスを高める要因として、給料面以外の報酬を加味できることは大きなメリットと言えるでしょう。

ここまで紹介したように、公認会計士がベンチャー企業に転職するメリットには以下の3つが挙げられます。

  1. 経営に携われる可能性が高くなること
  2. 企業側の視点が身につくこと
  3. 給料面以外の報酬を加味できること

公認会計士にとって、ベンチャー企業は成長速度が速く、変化に対応する必要がある環境です。そのため、専門知識や分析力は大きな武器になります。また、自分の意思決定や行動が直接的に経営成果に影響することも実感できるため、興味があるならぜひチャレンジしてみてください。

公認会計士がベンチャー企業に転職するデメリット

ここまで触れたように、公認会計士がベンチャー企業に転職すると、経営に近い立場で働けたり、給料面以外の報酬を得られたりするなどのメリットがあります。しかし、そのメリットと引き換えに、以下のデメリットもあります。

  • 年収は下がりやすい
  • 社員としての安定は薄れる
  • 忙しくなりやすい

ここからは、ベンチャー企業に転職する公認会計士が抱えるデメリットと、それをどう克服するかについて解説します。

年収は下がりやすい

公認会計士がベンチャー企業に転職する最大のデメリットとして、下がりやすい年収が挙げられます。ベンチャー企業は、大手企業に比べて資金面に余裕がないケースも含まれているためです。

例えば、監査法人で働く公認会計士の場合、スタッフ職の年収は最低でも約500万円です。また、シニア職では600万円から始まり、マネージャー職では800万円から1,000万円の年収となります。一方、ベンチャー企業でCFOを務める公認会計士の年収は、700万円程度です。

そのため、マネージャー職に該当する年収をすでに得ている場合、たとえ重要な役割を担うCFOとして就職しても、年収は下がってしまう可能性があります。また、ベンチャー企業は成長段階にあるため、利益の低下や資金繰りの悪化が発生した場合、給与カットやボーナスカットの可能性もあるでしょう。加えて、CFOとして入社する場合は、経営陣の一員として給与交渉が難しくなることもあります。

ただし、これはあくまで平均値であり、個別の企業や業績によって大きく変動します。例えば、株式やストックオプションなどの報酬によっては年収が高まることもあります。また、上場や買収などのイベントが起きれば、一気に資産価値が上昇します。

そのため、ベンチャー企業の年収は下がりやすいとも、上がりやすいとも言えることから、必ずしもデメリットとはならないでしょう。なお、公認会計士全体の年収目安や、ベンチャー企業については、以下の記事を参考にしてください。

社員としての安定は薄れる

ベンチャー企業に転職するもうひとつのデメリットは、社員としての安定が薄れることです。公認会計士は、CFOや経理責任者などの役割を担うことが多く、経営に携わる立場となります。そのため、自らが所属する企業で発生する経営悪化や、雇用の継続などの将来に不安を感じることもあるかもしれません。

例えば、ベンチャー企業は大手企業に比べて経営環境が不安定であり、倒産やリストラのリスクも高いと考えられます。特に、経営陣の一員として加わっていた場合、経営判断や財務戦略がうまくいかなかったり、上場や買収などのイベントが起きたりした場合、雇用の継続が危うくなる可能性も捨てきれないでしょう。

そのため、必要に応じてリスクを評価し、最小限に抑えるための企業戦略を立てて将来を見据えた動きを取ることが有効です。また、雇用の継続が不安定なことを見越して、常に次のキャリアに役立つ経営者としての技術やスキルを学ぶのも良いでしょう。経営者としての経験や学習は、担う仕事にも役立ち、次のキャリアプランにも大きく貢献してくれます。

忙しくなりやすい

最後に、ベンチャー企業の一員として公認会計士が働く場合、忙しくなりやすいことが挙げられます。CFOを含めて会計士が対応する業務範囲は広く、財務だけでなく経理や人事、法務などの管理部門全般を担当することもあります。また、経営陣の一員として、事業戦略や資金調達、M&Aなどの重要なプロジェクトにも関与することになります。

公認会計士が担う業務では、高度な専門性やスピード感が求められるため、時間的にも精神的にも負担が大きいです。また、ベンチャー企業では人員が少なく、自分で手を動かすことも多くあります。そのため、残業時間が長くなったり、休日出勤をしたりすることもあるでしょう。そのため、ワークライフバランスを重視する人には向かないかもしれません。

忙しくなりやすいと感じた場合は、すべての業務を自らがこなすのではなく、適切な人にタスクを任せることで、負担を軽減しましょう。また、効率的な時間管理は、仕事とプライベートのバランスを保つためにも役立ちます。それぞれのタスクに対して優先順位を付けて、必要な時間を見積もり、スケジュールを作成することも有効です。

ここまで触れたように、公認会計士がベンチャー企業に転職するデメリットには以下が挙げられます。

  • 年収が下がりやすい
  • 社員でも安定感がなくなりやすい
  • 多忙になりやすい

その一方で、貴重な経営に携われる機会を得られ、企業側の視点が身に付けられることや、給料面以外の報酬を加味できるメリットもあります。公認会計士として、新たなキャリアを検討した際には、現状の不安材料も含めて判断する必要があるでしょう。

マイナビ会計士では、ベンチャー企業への転職を検討した際に発生するさまざまなお悩みも、キャリアアドバイザーが丁寧にお聞きし、現状に合わせたキャリアプランをご提案いたします。まずは、お気軽にお問い合わせください。

公認会計士がベンチャー企業のCFOになるには

ベンチャー企業のCFOになるために特別な資格は必要なく、平たく言えば誰でも挑戦できます。もちろん、公認会計士の資格であっても、あくまで知識やスキルを証明するための一つの手段であり、それだけでは経営者の一角として働ける能力を保証できるものではないでしょう。

しかし、ベンチャー企業は外部からCFOを募集する際に、経営陣の一員として任せたい仕事内容から客観的に判断する基準を設けています。そのため、一部の求人では「公認会計士の資格を取得していること」を要件として設定していることがあります。また、監査や税務に携わる場合では、必然的に公認会計士の資格を取得した者のみの採用となるでしょう。

公認会計士は、財務諸表や税務申告などの基本的な業務をこなすだけでなく、監査法人やコンサルティングファームで培った経験を活かして、経営判断や戦略立案に貢献できます。また、公認会計士は、投資家や取引先との信頼関係を築くためにも有効です

加えて、客観的に知識や専門性を持っていると評価されやすく、ベンチャー企業の資金調達や上場準備においても重要な役割を果たせる存在です。そのため、公認会計士という自分の強みを活かせると、ベンチャー企業のCFOは十分に目指せる転職先と言えるでしょう。

公認会計士のベンチャー企業転職のFAQ

最後に、公認会計士におけるベンチャー企業の転職に関するFAQを紹介します。

  • CFOの年収はベンチャー企業でいくらくらいですか?
  • 監査法人の1年目の給与はいくらですか?
  • 監査法人の1年目のボーナスはいくらですか?

CFOの年収はベンチャー企業でいくらくらいですか?

ベンチャー企業でCFO(最高財務責任者)での年収の目安は、700万円から1,500万円が相場と言われています。しかし、これはあくまで目安であり、ベンチャー企業の規模や業績、資金調達状況、株式保有比率などによって大きく変わります。

また、CFOになるためには、公認会計士だけでなく、経営や財務の実務経験や知識が必要です。また、CFOはベンチャー企業の経営陣の一員として、事業戦略や資金調達、M&Aなどの重要な決定に関わる役割も担います。そのため、高い年収を得るためには、高い責任と能力が求められるでしょう。なお、CFOについて詳しくは、下記ページもご覧ください。

監査法人の1年目の給与はいくらですか?

監査法人の1年目給与は、295万円ほどです。「賃金構造基本統計調査」(2021年)で公表された所属先の企業規模、経験年数別統計から算出したものです。BIG4監査法人が該当する1000人以上の規模分類の統計数値から、年収に換算しています。参考として、監査法人勤務の会計士の年収が知りたい方は、下記ページをご覧ください。

監査法人の1年目のボーナスはいくらですか?

監査法人の1年目のボーナスは、給与と同様に業績や評価によって変わりますが、一般的には80万円から150万円ほどがもっとも多いと言われています。監査法人で得られるボーナスは、所属している監査チームの監査報酬、および予算やチーム内での評価によって決定されるケースが一般的です。そのため、ボーナスの金額は毎年変動します。監査法人のボーナスについて詳しく知りたい方は、ぜひ下記ページもご覧ください。

まとめ

本記事では、会計士がベンチャー企業への転職を考える際の年収や安定性、忙しさなどのデメリットについて解説しました。ベンチャー企業への転職は、公認会計士の需要が高まりを見せており、将来性のある選択肢です。段階的に学ぶことができれば、CFO(最高財務責任者)として経営の一端を担う存在となれるでしょう。

もちろん、スタートアップを含むベンチャー企業の経営環境は不安定なことから、雇用の継続に不安を感じてしまうことがあります。加えて、少数精鋭であれば業務も多岐にわたり、任される責任の重さと忙しさも伴うことがあるでしょう。

しかし、ベンチャー企業への転職は、自身のキャリアにやりがいを求める方にとっては魅力的な選択肢となることもあります。若手であっても独立以外で貴重な経営に携わる機会を得られて、企業側で考える新たな視点を身につける場でありながら、下がりやすい年収を補う給料面以外の報酬を加味できるからです。

そのため、自身の価値観や目標に基づいてベンチャー企業への転職を検討する際には、リスクやメリットをよく考慮し、自分に合ったキャリアパスを見つけることが大切です。マイナビ会計士は、メリット・デメリットを踏まえて、現状から最適なキャリアプラン・パスのご提案をいたします。まずは、お気軽にお問い合わせください。

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