20代管理職も?女性会計士が伝える大手監査法人の魅力
公認会計士になることで、選べるキャリアパスが広がるのはご承知の通りです。
とはいえ、やはり公認会計士の王道といえば大手監査法人での勤務、というイメージを持っている方も多いでしょう。
それでは、その監査法人にどんなイメージをお持ちでしょうか。
堅苦しくて、忙しそうで、それでいて謎に包まれた組織?
外から見ると、そのように見えるかもしれません。
それでいて、BIG3もしくはBIG4と呼ばれる大手監査法人や会計事務所は、世界中に拠点のあるグローバルな組織というイメージもあるかもしれません。
そこで、今回は、大手監査法人において、特に若手の公認会計士がどんなキャリアを積むことができるのか、謎のベールの向こう側について少しご紹介します!
マイナビ会計士編集部
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プロフィール
Sさん 公認会計士 20代女性
論文試験(二次試験)合格後、大学4年生の12月から大手監査法人に勤務。入社してからは製造業や商社の監査を担当し、2年間のアメリカ勤務も経験。現在は20代の女性マネジャーとして監査チームをまとめる。週末はアメリカ勤務時代に出会った世界中の友人とスカイプなどを通してコミュニケーションを取っている。監査法人は長期休みを取りやすく、旦那さんとの海外旅行は大きな楽しみ。
20代で管理職もアリ!
監査といえば、公認会計士の独占業務。現在、公認会計士登録者の約半数が監査法人に所属しています。金融庁のレポートによれば平成26年度の大手監査法人の平均年齢は、パートナーが49歳、職員で34歳です。20代で管理職(マネジャー)になって、1千万プレイヤーという方もいますし、何よりも若いうちからチームを率いるという貴重な経験ができます。
一方で、他の企業で経験したのち監査法人に転職してくる方もおり、一般企業の経理、銀行の営業職、コンサルティングファーム出身者など様々なバックグラウンドを持った個性豊かな人材も揃っています。そして中には、前職の経験を生かしてスピード出世するケースもあります。
なお、大手監査法人の採用は、景気やトレンドに左右される傾向があり、世の中が不景気の時には「せっかく会計士論文式試験に受かったのに、監査法人に就職できなかった!」という方も多数いました。
一方、最近はもっぱらの売り手市場。資格保持者で監査法人への転職に興味がある人、あるいは、これから資格を取得して監査法人への就職を目指す人には、とても有利な状況であると言えます。
若手のうちから幅広い経験を積むことができる
さて、そんな大手監査法人で、どのような仕事が待っているのでしょうか。
実際に大手監査法人で働く20代後半女性のSさんにキャリアについて聞いてみました。
Sさんは大学在学中に公認会計士の論文式試験に合格、卒業年度に監査法人の地区事務所に就職しました。現在、マネジャーとしてグローバル企業の監査を担当しています。
実は大学時代は会計とは全く関係ない理系専攻でしたが、大学2年生の後半から大学に行きながら専門学校に通うというダブルスクール生活を開始。大学在学中に会計士資格を取りました。公認会計士といえば、もちろん経済学部や商学部出身者が多いのですが、理系や法学部の方も、意外と多くいるそうです。
Sさんは、入社して1年目からはスタッフという職位について、10社以上の監査(決算書のチェックなど)を経験しました。飲食料品、自動車などの製造業を中心に、商社や運輸業などなど・・・。幅広い業界に詳しくなる、これが監査の魅力の一つ!と語ってくれました。担当した会社の規模も様々で、誰もが知っている有名企業もあれば、中小企業でいきなり社長や役員さんと対面する機会もあったそうです。
若いうちから、他の仕事では体験できないことを経験できるのですね。
ところで、公認会計士試験の論文式試験に合格してから修了考査(公認会計士の資格を取得するための最終試験)までは、補習所と呼ばれる研修所に定期的に通う必要があります。つまり仕事をしながら補習所に通うわけですが、仕事との両立ができるのか不安に思う方もいますよね。大手監査法人では、補習所を最優先してくれるので、仕事と補習所を両立する環境はバッチリだそうです。
そして海外へ!
Sさんは、スタッフとして若手時代を地区事務所で過ごした後、アメリカのメンバーファーム(監査法人が提携している国際的な会計事務所、会計事務所グループ)で2年間を過ごします。大手監査法人は海外の大手会計事務所のグループと提携しており、希望をすればその中での異動も可能です。ただし、都市によっては競争率が高く、必ずしも行けるわけではないようです。
当然、大手の会計事務所は世界でも人気の就職先ですから、現地に行けば各国の優秀なメンバーが集まっています。Sさんにとってその2年間は、大手監査法人に入ったことの価値を最も感じたと言っても過言ではないほど刺激的な時間だったそうです。もちろん、困難な局面は山ほどあったようですが、全て笑い話にして話してくれました。そんな風に生き生きと語る姿がとても印象的でした。その2年間のみならず、マネジャー昇格時にも短期での海外研修に参加したりするなど、世界がグンと広がったそうですよ。
と、ここでみなさん、やっぱり大手監査法人に勤めている人はみんな英語ができるのかぁ・・・と思われました?
実は、まったくそんなことないそうです。Sさん曰く、「むしろ逆」。
確かに冷静に考えてみればうなづけます。大変な試験を乗り越えてきた人たちです。英語を勉強する時間はそんなにないですよね。
Sさんも、留学経験は無かったので、入社してから監査法人の補助金を使ってコツコツSkype英会話を続けたそうです。そして掴んだ海外勤務。自分の力で道を切り開くことができるのは、大きな魅力ですね。
ちなみに、特技を活かすと言えば、それは語学だけにとどまりません。監査法人のグループ会社として、コンサルティング企業や税理士法人、ファイナンシャルアドバイザリー企業などもあります。ITや税務、M&A等に興味を持ったら、グループ内で異動することも可能です。実際にSさんの同僚にはアドバイザリーで活躍している人もいるそうですし、コンサルティング等、他部門との交流もたくさんあるようです。
監査法人の将来は?
ところで、最近は「将来公認会計士の仕事はAIに奪われる!」といったキャッチ―なニュースを目にすることもありますよね。いやはや、せっかくこんなに努力して試験に受かったのに、どうなってしまうのでしょうか!?
確かに近い将来、単純な作業はロボットやAIに代替されるでしょう。既にこの波は確実に押し寄せていて、Sさんの勤める監査法人でも、事務作業はロボットや事務センターに集約し始めているそうです。ただ、それは会計士の仕事が完全に無くなるということではありません。
この変化を不安に思うかもしれませんが、実は、働き方改革が進む中で、むしろ効率化できる業務を削って、会計士は難しい判断に注力して価値を出す、という方向に動いているのだとSさんは言います。これからの時代、これができる強い組織こそ、成長していくのではないでしょうか。
働き方といえば、監査法人は産休や育休、介護の制度も充実しており、最近では、在宅ワークを導入している例もあります。今後も、最新のテクノロジーを活用しながら、会計士が最大限の価値を発揮できる環境整備が進むでしょう。
<編集後記>
Sさんにお話をうかがって、大手監査法人には、やる気次第で、若手の公認会計士が幅広い経験を積める土壌があるのだとわかりました。Sさんは、今もまた新しい道に向かって邁進しているようです。
一方、AIなどの不安要素もあります。AIのみならず、女性活躍の場や多様な働き方なども気になりますよね。働き方改革などの成果もあり、働きやすさは増しているものの、やはりまだまだ繁忙期(4~5月)は終電になることも多く、うまく効率化して長時間労働の解消をしてかなくてはならないという課題も抱えているようです。
また、近年大きなニュースになっている企業の不正会計の影響で、金融庁や投資家から監査人に向けられる目線も厳しくなっているとも言われています。
ただ、忙しい時期があるのも、世間からの視線が厳しいのも、社会においてそれだけ重要な業務であることの裏返し。若いうちからこれだけの経験が積める組織は、なかなか他にはないように思います。
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