公認会計士に向いている人・向いていない人の特徴(性格)を徹底解説
公認会計士を目指したとき、自分の性格や特徴が業務に向いているか気になる人は多くいるはずです。一般的な公認会計士は、必要な資格を取得し、一定の実務経験を積むことで誰でも働ける業種のはずです。
それでも向き・不向きを気にする方がいるのは、「長く働いていけるか」という不安があったり、働き先は本当に監査法人で良いのか迷ったりしていることが背景にあるでしょう。
そこで本記事では、公認会計士に向いている人・向いていない人の特徴(性格)を紹介します。なお、一般的な会計士が実施する業務から判断した意見であり、必ずしも当てはまる(当てはまらない)と決めるものではありません。
また、実際にあうか働いてみるという選択肢があることも踏まえて、ぜひ最後までご一読ください。
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マイナビ会計士編集部
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公認会計士になれない人はいない
結論として、特徴や向いている人に多い傾向はありますが、公認会計士になれない人というのはいません。その仕事自体は、厳しい試験を突破し、実務経験を積むことで使えるものだからです。
仕事内容は自分に向いているか・継続し続けられるか・キャリアプランは明確になっているかなどの別の角度から働き方を考えて公認会計士を目指しましょう。
公認会計士に向いている人の特徴(性格)
公認会計士に向いている人の特徴(性格)は、以下が挙げられます。
・忍耐力(継続力)がある人
・地道な作業を継続できる人
・ロジカルな思考力がある人
・営業力がある人
・価値提供をしたい人
・マネジメント力がある人
忍耐力(継続力)がある人
公認会計士に向いているのは、忍耐力(継続力)がある人です。たとえば、以下に挙げたような特徴に当てはまることはないでしょうか。
・挫けずに勉強を続けられる
・理由をつけて逃げ出さない
・1回の失敗では諦めない など
公認会計士になるには、国家試験に合格する必要があり、その準備期間はおよそ1年以上が一つの目安です。
また、長期間にわたって勉強を続けて無事に合格したあとも、膨大な資料から整合性および信憑性を確認するといった作業が主な業務となることから、忍耐力(継続力)が求められます。
地道な作業を継続できる人
公認会計士に向いているのは、地道な作業を継続できる人ともいえます。なぜなら、代表的な以下の業務への従事が求められるからです。
・監査調書作成といった地味な業務に耐えられる
・デスクワーク中心の業務を続けられる
・専門家として真面目に仕事と向き合える
実際に行う業務は、細かな数字の積み重ねで成り立っており、膨大な資料から整合性を確認していくといった作業が多くあります。また、不明点や気になることは原因および事情を明らかにするまで追求することもありますから、地道な作業を継続できるかも大切な要素です。
ロジカルな思考力がある人
公認会計士に向いている特徴(性格)として、ロジカルな思考力がある人も当てはまります。業務上、感情や主観というもので物事のロジックを理解するのではなく、いかに論理的に基準を解釈するかという力が求められるためです。
よりわかりやすくすると、「感覚的に判断するよりも事実から論理(道筋)を立てて考えるのが得意か」を考えてみると良いでしょう。ロジカルな思考力は、後から学習によって身につけることもできますが、すでに得意としていると働きやすくなるはずです。
営業力がある人
意外な部分として、公認会計士は営業力がある人にも向いているといえます。一般的な会計士の営業は顧客(クライアント)を紹介してもらい、徐々に人脈を広げて経験を積んだあとに行う傾向にありますから、すぐに必要な能力ではありません。
しかし、独立開業やフリーランスの活躍を見据えてキャリアプランを考えている際には、顧客を自分で獲得するための営業力が求められます。また、営業力は「相手へわかりやすく物事を伝える力も身につく」ものですから、コンサルティングを視野に入れている場合にも磨いておくと良いでしょう。
価値提供をしたい人
一般的に監査が主たる業務とされている会計士ですが、経営コンサルタントといった選択肢を考えた場合には「価値提供」が必要です。価値提供をするものではないと考えていた方も、就職先を選べば向いている人に当てはまります。
なお、コンサルティング(およびアドバイザリー)といった業務を公認会計士の知識・スキルを活かして検討した際には、分析力・想像力・論理的思考力・課題解決力・プレゼン力などに加えて、マネジメント能力が求められます。
マネジメント力がある人
IT・ベンチャー企業のCFO(最高財務責任者)を検討した際には、マネジメント力がある人に向いています。このマネジメントには、リーダーシップ・戦略立案・課題解決力・先見性などの力が求められ、ビジョンに向かうために必要なリーダーとしての活躍を期待されます。
また、相手と良い関係を築きながら資格を活かして働くためにも、コミュニケーション能力もマネジメントの一環として身につけておくと良いでしょう。
公認会計士に向いていない人の特徴(性格)
公認会計士に向いていない人の特徴(性格)は、以下が挙げられます。
・細かいことが気になりすぎる人
・正義感がない人
・環境の変化が苦手な人
なお、向いていないのは公認会計士が一般的に扱う業務であること、同じ会計士の領域でもコンサルティングといった別の働き方があることも踏まえながら、キャリアプランを決める参考にしてください。
細かいことが気になりすぎる人
公認会計士において、監査は非常に重要な業務の一つですが、細かいことが気になりすぎる人には向いていない傾向があります。なぜなら、決算資料から誤りや不正などを見つける細かさを求められるのではなく「利害関係者(ステークホルダー)の判断を誤らせるほどの不備がない」ことを保証するものだからです。
公認会計士の業務は細かい点にまで目を向けすぎると、終わりの見えない作業となりやすいものですから、ある程度のところで見切りをつけられる人のほうが向いています。
正義感がない人
公認会計士は、正義感がない人には向いていない傾向があります。監査が主たるものですから、誤った数字があれば修正してもらったり、細かく整合性を調べたりする必要があり、常に正しさを求めて従事を続けるためには正義感を求められるためです。
担当する企業の修正を依頼すると、正面からぶつかってしまうこともあるはずです。しかし、顧客(クライアント)と監査法人の癒着という疑念を払拭すべく、「公正不偏の態度(精神的にも独立している姿勢)」という不正を許さない正義感が根底にありますから、正義感がない人には向いていないと考えられます。
環境の変化が苦手な人
公認会計士として働く際には、複数の顧客(クライアント)を担当することになり、それぞれに専用のチームが編成されます。対応する相手が変わるだけに限らず、チームのメンバーも変わることで環境の変化が目まぐるしい傾向にあり、苦手な人には向いていないでしょう。
同じ環境で働き続けたい人は、監査ではなく企業の管理部門といった別の就職先を検討すると資格を活かして働きやすくなります。
業務の適性は?公認会計士の就職先の例
公認会計士の就職先は、必ずしも監査法人だけとは限りません。たとえば、資格を活かして以下の代表的な就職先を選ぶこともできます。
・事業会社(組織内会計士)
・コンサルティング(FAS)
・会計事務所(税理士法人)
・IT・ベンチャー企業(CFO)
・フリーランス・独立
・その他
事業会社は経理や財務といった管理部門で活躍できますし、コンサルティングでは特定分野におけるアドバイスの経験を積めます。また、監査法人に近しい業務を経験できる会計事務所(税理士法人)や、CFO(最高財務責任者)として従事する選択肢も良いでしょう。
そのほか、フリーランスや独立を目指したり、以下の就職先から探したりすることもできます。
・大手上場企業
・外資系企業
・証券会社
・金融
・ファンド
・講師
「公認会計士だから監査法人で働かなくてはならない」と考えるのではなく、これまで培ってきた知識・スキルをどの領域で活かしたいかを考えてみるのも、向き・不向き以外で就職先を見つけるポイントです。
公認会計士試験の合格前から就職できる
公認会計士を目指している場合は、試験の合格前から就職できることも覚えておきましょう。
本来、公認会計士になるには「監査法人で2年の実務経験(業務補助および実務従事)」が必要ですから、試験に合格するまでの勉強期間が2年かかったとして「合計で4年かかる」といった時間のかかるイメージがあるはずです(なお実務従事は常勤で2年)。
ただ、実際には働きながら勉強を続ける選択肢もありますから、監査法人の仕事があうかを判断し、その後のキャリア形成も考えられます。公認会計士が向いているか不安な場合には、勉強しながら実務経験を積むという方法に挑戦しましょう。
公認会計士に向いている人・向いていない人のFAQ
さいごに、公認会計士に向いている人・向いていない人に関して、よく寄せられる以下の質問へ回答します。
・公認会計士は性格が悪い?
・公認会計士が余っているって本当?
・公認会計士にはどんな人が多い?
・公認会計士と税理士はどちらが難しい?
・公認会計士の上下関係は?
公認会計士は性格が悪い?
公認会計士は、監査という業務において、その整合性を確認しながら原因を追求することも含まれます。こうした側面がある以上、「いわゆる粗探し」のように捉えられることもありますから、「性格が悪い」を含むネガティブな表現が出てくるケースはあります。
ただ、そう捉えられることがあるというだけで、行っている業務は真っ当なものですし、性格が悪いと一概にまとめられるものではありません。
そのほかにも公認会計士は「やめとけ」と言われる理由がいくつかあります。詳しくは以下のページで解説していますのでぜひ参考にしてください。
公認会計士が余っているって本当?
過去には、公認会計士の試験へ合格したのにもかかわらず、就職できずに余ってしまった時代がありました。しかし、2007年の4,041人をピークに2015年には1,051人まで年々減り続けている傾向もあります。
現在は売り手市場(供給より需要が高い状態)であること、監査法人以外でも需要があることから、余っているよりも「将来性および需要が高い」といえます。詳しくは、以下のページで市場に触れていますので、参考にしてください。
公認会計士にはどんな人が多い?
公認会計士には、以下の特徴(性格)の人が多い傾向にあります(あくまで一般的であり、必ずしも当てはまるとは限りません)。
・忍耐力(継続力)がある人
・地道な作業を継続できる人
・ロジカルな思考力がある人
・営業力がある人
・価値提供をしたい人
・マネジメント力がある人
試験の合格までには、約1年以上の勉強を続ける必要があります。また、業務では監査を例に挙げると、膨大な資料の整合性を確認するといった地道な作業を継続できる忍耐力も求められるでしょう。
さらに、昨今ではコンサルティングや会計士の知識・スキルを用いた価値提供、加えてマネジメント力といった付加価値にも目を向けられる傾向があり、その需要は高まりを見せています。そもそも公認会計士とはどのようなものかについて詳しくは、以下のページをご覧ください。
公認会計士と税理士はどちらが難しい?
公認会計士と税理士では、一般的に以下の理由から「公認会計士の方が難易度は高い」とされています。
・公認会計士の資格で税理士業務も対応できること
・税理士試験は有効期限なしの科目合格制度で時間をかければ合格できること
・公認会計士試験が一般的に上位資格として認識されていること
・税理士試験の最終合格率は毎年15%~20%程度と会計士より高いこと
公認会計士は受験科目数が多いことで勉強時間も1年以上必要とされ、科目合格制度に有効期限があったり、令和3年でも合格率は約10%と低かったりするのも実情です。公認会計士の難易度について詳しくは、以下のページをご覧ください。
公認会計士の上下関係は?
公認会計士の上下関係として、徒弟制度的な色合いが強い傾向にあるという意見は一般的に散見されます。そのため、上下関係が厳しく人間関係の構築に不安を抱える方も多くいるはずです。
ただ、パワハラ・セクハラなどが実際に従事する場所で認められる場合には、専門の相談窓口に相談することで解決できます。また、社内に相談できる人や専用の部署がなくても、公的機関の相談窓口がありますのでそちらを利用しましょう。
一般的に徒弟制度的な傾向があり、上下関係があるといわれている監査法人への就職が向いているか不安に感じた場合は、以下のページを参考にしてください。
まとめ
一般的に公認会計士は、以下の特徴(性格)の人に向いています。
・忍耐力(継続力)がある人
・地道な作業を継続できる人
・ロジカルな思考力がある人
・営業力がある人
・価値提供をしたい人
・マネジメント力がある人
なお、公認会計士の就職先は幅広くなってきており、多種多様な業種・働き方から選べます。また、監査が自分の特徴(性格)にあうかを素早く判断したいときには、働きながら勉強するといった選択肢も一つの方法でしょう。
公認会計士が向いているのか不安になったり、自分に向いた就職先はあるのか知りたくなったりした際には、ぜひお気軽にマイナビ会計士までご相談ください。
マイナビ会計士を利用して
転職された方の声
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進路について適切なアドバイスをしてもらえました!自分の進路について明確な答えが出せていなかったものの、どの業種に進んだら良いかなど適切にアドバイスをしてもらえました。どういったキャリアを積んでいけばより市場価値を高められるのか、候補の会社がどう違うのかを具体的に説明していただけました。(30代/会計士)
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求人の提案力と面接のフィードバックが良かった!タイムリーな求人の紹介とフィードバックの提供が良かったです。面接前の情報提供では、自分のアピールしたい強みが、面接先企業のどこに符号しており、今後の展開をどう捉えているかの思考の整理をする際に役立ち、安心して面接を迎えることが出来ました。(30代/会計士)
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