FASは未経験でも転職できる？「やめとけ」と言われる理由は？市場動向・年収・キャリアプランまで解説

FASは未経験でも転職できる？

FAS業界が未経験の公認会計士でも、転職は十分に可能です。実際、FASの求人のなかには「未経験でも応募できる条件」も存在しています。

未経験の方も含めてFASに転職すると、主に以下の業務に携わることができます。

そのため、未経験の方は以下3点の経験・スキル・バックグラウンドを備えていたほうが転職活動を有利に進めやすくなります。

• 財務会計知識
• コンサルティング経験
• 一般企業の経理経験

ただし、あくまでもFAS業界は最高峰のキャリアのひとつであるということを忘れてはいけません。次項で触れますが、未経験者・経験者を問わずFAS業界に転職するのはかなり難易度が高いです。

相性の悪いファームは転職後に後悔しかねませんし、場合によっては不採用ばかりがつづくリスクもあります。

ご自身だけで転職活動を進めるのが不安であれば、FAS転職のノウハウを有する転職エージェントを積極的にご活用ください。

FASに転職する際の難易度

FASは高い専門性を有する業務の経験が次の転職活動で強みになり、高い給与を得られる職種です。これにより、未経験のみならず、現役公認会計士にも人気の転職先として挙げられます。しかし、入所後のメリットの大きさに比例するように転職難易度が高いという実情があります。

• BIG4系FAS
• 独立系FAS
• 会計事務所系FAS

上記の3つに分けて、それぞれの難易度を解説します。

BIG4-FASの難易度は『高い』

BIG4系FASファームへの転職難易度はかなり高いです。なぜなら、クライアント企業の規模や対応業種の幅が大きいなどの理由から、高いスキルが要求されるからです。

• KPMG FAS
• EY ストラテジー・アンド・トランザクション
• デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
• PwCコンサルティング合同会社

これらのBIG4系FASファームの求人情報を読み解くと、BIG4系FASに入所するには、次のような資格・スキルの保有が大前提となっています。

• 公認会計士
• 公認会計士補
• FAS経験（3年以上）

条件は難しいですから、原則として未経験の公認会計士がBIG4系FASファームに転職するのは現実的ではないと言えるでしょう。

ただし、次のようなバックグラウンドがあれば例外的に未経験者でもBIG4系FASへの入所が見えてくるので、詳しくはマイナビ会計士へぜひご相談ください。

•  20代～30代前半のポテンシャル採用枠を目指す
• 系列である監査法人BIG4入所後、FASへの異動を目指す

独立系FASの難易度は『中程度』

BIG4系FASとは異なり、独立系FASは転職を目指しやすいです。

入所段階で厳しいハードルが設定されるわけではなく、転職後のポテンシャル採用も活発で20代なら未経験でもチャンスがあります。

たとえば、次のようなスキル・経験を保有していると中堅FAS転職の成功率は高まるでしょう。

• 公認会計士
• 税理士
• 金融機関などの経験者
• 高い英語力を保有している人

特に、企業活動がグローバル化している現状を踏まえると、高い語学力を備えた人材は中堅FASのクロスボーダー案件などの処理で重宝されます。

難しいと諦めてしまうのではなく、最低限のスキル・知識を有して英語が得意な人は、積極的にFASへチャレンジしてください。

会計事務所系FASの難易度は『易しい』

BIG4系・独立系と比較して、税理士法人や会計事務所が提供するFASサービスは、転職難易度が最も低いです。公認会計士や税理士資格があれば有利だが、簿記2級以上の知識でも応募可能な求人も存在するためです。

主な業務としては中小企業の事業承継やM&Aアドバイザリーが中心で、税務知識を重視する傾向にあります。小規模な事業所では地域密着型の働き方ができ、ワークライフバランスも保ちやすい環境です。

準大手・中堅監査法人系や税理士法人系FASなど、BIG4系FAS以外のFASでは、「監査とFASの双方を担える人材がほしい」「税務に加えてFASを兼任できる人材を求めている」といった具合に、採用に当たって幅広い業務を任せたいというニーズを持っているところも少なくありません。

実際はどう？FASに転職した人の本音

実際に未経験や現職公認会計士でFASへ転職した人からは、以下のような意見がよく挙げられます。

• 憧れだけで入社して肩身が狭くFASには向いていないと感じた
• 土日出勤・残業が当たり前になっている職場で辛い
• ワークライフバランスは監査法人の方が良かった

こうした悪い意見は良くも悪くも取り上げられやすく、目に入りやすい情報です。しかし、転職して良かったと感じている方も確かに存在し、以下のような声も見られます。

• 転職後の給料や条件が想像以上に良かった
• FASの経験からCFO・PEファンドへの採用が決まった
• 自らの強みはこれだといえる領域を手に入れて自信がついた

難易度の話でも触れましたが、FASは大変さと同時に得られる成果も大きい環境であるのが特徴となります。目の前の意見だけに流されないためにも、どこが働くメリットなのかを次で順に見ていきましょう。

FASに転職する4つのメリット

FASに転職する代表的なメリットは、以下の4つです。

• 高い年収が期待できる
• 高度な専門スキルを習得できる
• 多様なキャリアパスを選択できる
• やりがいのある案件に関与できる

高い年収が期待できる

FASは、専門性の高さから年収水準が高い職種です。詳しくは後述しますが、未経験からでも着実に実力をつければマネージャー・パートナーへ昇進でき、1000万円超えとなるケースも珍しくありません。

また、実力主義の評価制度により、成果を出せば年齢に関係なく昇進できる環境です。賞与も業績と連動して支給となる事業所もあるため、優秀な成績を収めれば年収2000万円以上を狙うといった目標も狙えます。

高度な専門スキルを習得できる

FASでは、企業価値評価、財務分析、M&Aアドバイザリーなど、高度な専門スキルを身につけられます。いずれのスキルも市場価値が高く、キャリアアップを目指した転職を狙う際にアドバンテージとなります。

また、長期的に働く際でも最新の分析手法やツールに触れる機会を得られ、常に知識をアップデートできる環境としても優秀です。公認会計士やUSCPA資格を取得と組み合わせれば、さらに専門性を高めた市場価値の高い人材を目指せます。

「日頃、税務に関する相談を受けている企業から、M&Aに関する質問をいただいた」といった事例もあり、FASの業務を兼任できる会計士は強力な戦力です。

多様なキャリアパスを選択できる

公認会計士がFASに転職するメリットとして、「キャリア選択肢が増える」という点も挙げられます。以下のように、目まぐるしく変貌する現代社会においては、公認会計士の市場価値が大きく様変わりしているのが実情です。

• クライアント企業の組織構造の多様化
• ビジネスの国際化
• 新型コロナウイルス感染症による働き方の構造的変化　など

公認会計士の主幹業務である「監査」に特化しているだけでは、監査法人以外のキャリア選択肢を増やしにくい状況になってきているのです。

FASに転職すれば、機動的なM＆A経験・各種アドバイザリー業務・フォレンジックなどを通じて、監査法人では触れにくいスキルを身に付けられます。その結果、投資銀行、PEファンド、事業会社のCFO、戦略コンサルティングファームなどの選択肢を拡大できます。

やりがいのある案件に関与できる

FASが扱う案件は企業の経営判断に直結するため、仕事のやりがいと達成感が大きいのも働くメリットです。M&A成立時や企業再生成功時の喜びは格別で、クライアントからの感謝で心を打たれる方も少なくありません。

FASは、企業が生き残れるかどうか、従業員の生活がどうなるかという現実的な問題を扱う仕事です。厳しい状況下において自身の成長と社会貢献を同時に実現でき、困難な案件を成功に導いた時の経験はその後のキャリアにおいても自信となります。

FASに転職した場合の年収

未経験の方を含めてFAS業界に転職した場合の年収は、主に以下のとおりです。給与水準は、監査法人の平均年収である約706万円よりも高い設定となっています。

一般的に職歴の浅い20代の人材が就くアソシエイトでも平均年収は600万円～700万円と高水準で、長く働くほど年収も期待できます。

ただし、未経験からFASに転職する場合には、前職での職位そのままの状態で着任できる可能性は低いです。
人によっては給与が下がるリスクを避けられないため、転職時に年収条件を気にする人は、事前に転職後の給与について精査しておきましょう。

なお、先方に給与条件について質問しにくいという人は、転職エージェントのサポートを受けることをおすすめします。転職先企業に直接尋ねにくい情報でも専門のキャリアアドバイザーが仲介してくれるので、安心して転職活動を進められるはずです。

FASへの転職は「やめとけ」と言われる3つの理由

FASへの転職は「やめとけ」と言われる理由には、主に以下の3つが挙げられます。

1. 激務になりやすいから
2. 業務への責任が重いから
3. ライフワークバランスを取りにくいから

激務になりやすいから

FASで取り扱う業務には時間の制約があり、ギリギリのスケジュールが組まれているケースも少なくありません。月間平均残業時間が50時間超の激務となったり、繁忙期は深夜残業・休日出勤が常態化したりするリスクがあります。

原則、残業は月45時間、年360時間までを原則とする「特別条項付き36協定」が存在します。しかし、例外が適用となれば月100時間未満・年720時間までです。

仮に少し減ったとして月に80時間、23日の勤務であれば1日あたり3.5時間の残業を厳しいと感じる方も少なくありません。ただ一過性ではあり、ディール（取引・売買）が頻発する繁忙期以外では早めに切り上げて帰宅でき、余裕のある時期もあります。

参照：時間外労働の上限規制｜厚生労働省

業務への責任が重いから

FASはクライアント企業の生存を賭けた案件も担うため、常に責任を伴います。高品質なアウトプットなくしては案件の失敗を招き、企業経営に重大な影響を与えかねないためです。

こうした業務の責任の重さからくるプレッシャーは相当なものになりますし、上司や同僚も優秀な人材がそろっていれば自らと比較してストレスを抱えることもあります。また、法律や会計基準の変更、新しい分析手法の登場などの知識のアップデートも常に求められる環境下で働けるメンタルが必要です。

ライフワークバランスを取りにくいから

FASに転職した場合、一般企業のような決まったサイクルで仕事をするのは不可能に近いです。ルーティーンが決まらない業務の流れで、ライフワークバランスを取りにくくなるためです。

たとえば、プロジェクト始動中は連日の残業が当たり前で、休日にも激務に追われる日々が続くことになるでしょう。

とはいえ、一年中多忙な日々がつづくというわけではなく、プロジェクト終了後など、連続した休暇をとったり有給休暇を消化したりしやすいイミングも存在します。

「メリハリをつけて働きたい」「集中的に経験を積んで自己研鑽に励みたい」などの意欲が強い人は、FASに転職する適性が高いと言えるでしょう。

FASへの転職が向いている人

ここまでお伝えした内容を踏まえて、FASへの転職が向いているのは以下のような人です。

• 高い成長意欲を持つ人
• 論理的思考能力に長けた人
• コミュニケーション能力が高い人
• ストレス耐性が強い人
• チームワークを重視する人
• 高い年収を重視する人

転職理由はさまざまですが、マイナビ会計士のご登録者様でFASへの転職を果たした方の傾向としては、「年収アップしたい」「専門性を高めたい」などがあります。

メガバンクや保険会社など金融機関出身者や事業会社の経営企画や財務経験者など、会計士以外のバックグラウンドを持つ方もいますが、監査法人の公認会計士・USCPA有資格者に比べるとそれほど多くありません。

向いていない人

一方で、FASに向いていないのは以下のような人です。

• ワークライフバランスを最優先する人
• 安定性を重視する人
• 学習意欲が低い人
• 一人で黙々と作業したい人

簡単にまとめると、安定した環境で自分のペースを保ちながら働きたい人には不向きな職種です。急な変化や高いプレッシャーを避けて、個人の作業中心で進めたい人にとっては、FASの変動の激しい業務環境や高い協調性が求められる職場文化はストレスになりかねません。

ただし、あくまでも傾向であり、必ずしも当てはまるから働けないという基準ではありません。少しでも興味があって、本当に向いているか不安に感じている方は、まずは気軽な相談からぜひマイナビ会計士へお声がけください。

FASへの転職で後悔しない方法とは

FASへの転職で後悔しない方法は、以下の4つです。

1. 業界研究は怠らない
2. 転職後の業務を甘く見積らない
3. 事前にスキルを磨いておく
4. 年収だけで転職先を選ばない

業界研究は怠らない

FASを狙うのであれば、単純な年収アップや転職ブームに惑わされ、理解が浅いまま転職活動を行う失敗パターンは避けてください。面接でも「なぜFASなのか」という質問に説得力のある回答ができず、選考で落ちてしまう可能性が高くなります。

また、業界の特徴、各企業の違い、将来性などを十分に研究せずに応募すると、実際に働いてみたら希望と違ったといったようなミスマッチも発生しやすいです。事前の情報収集と、業界理解を基本として転職活動をスタートしましょう。

転職後の業務を甘く見積らない

FASの激務や高いプレッシャーを甘く見積もり、転職後に想像以上の厳しさに直面する失敗もよく見られます。「思っていたより忙しい」「プレッシャーが強すぎる」といった理由では、早期離職につながりかねません。

後悔しないためにも、転職前に可能な範囲で現実的な労働環境や、自らに求められるパフォーマンスレベルを把握してください。現役FASコンサルタントとの情報交換や、転職エージェントからの詳しい情報収集は必須です。

事前にスキルを磨いておく

FASは非常にレベルの高い業務を扱っており、必要な専門知識やスキルを身につけないまま転職してしまえば、業務についていけなくなります。未経験の転職の場合、企業価値評価やデューデリジェンスの基礎知識などの不足により、チームの足を引っ張ってしまうケースもあります。

業務でよく使うExcel、PowerPointの操作スキルだけに限らず、英語力の不足も業務効率に影響する要因です。これからFASを目指すにあたって、転職前の準備期間でのスキルの習得を目指しましょう。

年収だけで転職先を選ばない

すでに軽く触れましたが、年収の高さだけに注目して転職先を決定し、企業文化や働き方とのミスマッチが後悔に繋がるケースも少なくありません。「年収は上がったが仕事がつまらない」「企業の価値観と合わない」といった不満は、徐々に仕事への意欲を削いでしまいます。

再転職を繰り返してしまえば、履歴書等で相手に与える印象も悪化しやすいです。事前に企業の理念、チームの雰囲気、キャリア支援制度なども総合的に評価して転職先を選択してください。

FASへの転職で有利な資格

FASへの転職で有利となりやすい資格は、以下の5つが挙げられます。

1. 日商簿記検定
2. 公認会計士
3. USCPA（米国公認会計士）
4. 税理士
5. TOEIC

日商簿記検定

日商簿記検定は、企業の財務状況を記録・計算・整理する会計スキルを証明する国家資格です。2級以上が転職で評価されやすく、3級でも基礎的な会計知識の証明になります。

FASでは企業価値評価（バリュエーション）や財務デューデリジェンスが中核業務となるため、財務諸表を正確に読み解く能力の証明としてアピールできます。

公認会計士

公認会計士は、監査・会計・税務の専門家として企業の財務情報の信頼性を保証する国家資格です。

BIG4系FASでは公認会計士資格者が中核を担っており、監査で培った経験は、デューデリジェンスや企業価値評価で活かせます。また、上場企業の監査経験があれば、IPO支援業務や大型M&A案件にも対応できます。

USCPA（米国公認会計士）

USCPAは、米国各州が認定する公認会計士資格です。国際会計基準（IFRS）や米国会計基準（US GAAP）に精通している証明となり、外資系FASや大手コンサルティングファームでは高く評価されます。

日本企業の海外進出や外資系企業による日本企業買収の際、異なる会計基準間での財務分析や、英語での財務資料作成が求められるため、FAS業界ではUSCPAの需要も高まっています。

税理士

税理士は、税務に関する専門知識を有し、税務代理、税務書類の作成、税務相談を行うことができる国家資格です。FASでは、M&A取引において税務リスクの分析や最適な取引ストラクチャーの検討が業務となるため、高く評価されます。

また、事業承継案件では相続税や贈与税の知識も必要です。税理士事務所からFASに転職もすれば、税務の専門性を活かした差別化も可能です。

TOEIC

TOEICは、ビジネス英語能力をリスニングとリーディングの2技能を990点満点で測定する試験です。実用的な英語力を客観的に示せる指標として、企業で採用や昇進の基準によく使われます。

グローバル企業のM&A案件や外資系クライアントとの取引が増加するFASにおいて、英語力は必須スキルです。800点以上をひとつの目安としつつ、英文の契約書や財務資料の読解、海外の関係者との電話会議、英語でのプレゼンテーション能力も磨いておくと有利です。

FASへの転職をうまく成功させるポイント

FASへの転職をうまく成功させるポイントは、FASの中の「どの領域で勝つか」を決め、その理由を言語化することです。以下の領域で、案件特性や成果物、そして働き方も違うからです。

• M&Aアドバイザリー
• デューデリジェンス（DD）
• バリュエーション
• 再生/PMI
• フォレンジック

領域ごとの要件、例えば会計・税務やモデリング、英語力の重みも同様に異なります。こうした多様性を持つ職種だからこそ、事前の調査とスキルの整理は非常に重要です。

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FASに転職後のキャリアプラン

FAS勤務後のキャリアに関しては、以下のような転職先が考えられます。

• 同業他社
• コンサルティングファーム
• 投資銀行
• ファンド
• 事業会社のM&A推進部門、経営企画・経営戦略部門など

これらの転職先の中で、会計士の方にお勧めしたいのが事業会社です。

FASでM&Aや企業再生を経験した会計士は、経営課題解決に向けたプロセスや手法を熟知しています。このスキルを活かして、事業会社のM&A推進部門や経営企画・経営戦略部門で活躍することが期待できるからです。

なかには、CFOに近い立場で転職をされる人もいらっしゃいます。キャリアアップという面から考えた時、事業会社の転職は有利に働くことでしょう。

FASへの転職に関するよくある質問(FAQ)

最後に、FASへの転職に関するよくある質問へ回答します。

FASへの転職に年齢制限はある？

FASへの転職に年齢制限はありません。未経験の場合は20代後半から30代前半が目安とされ、30代後半以降はマネジメント経験などがあると良いです。また、変化が目まぐるしい現代社会では監査経験だけに限らず、さらにプラスできる強みがあると有利となります。

FASへの転職をやめたほうがいい人の特徴は？

FASへの転職をやめたほうがいい人の特徴としては、以下が挙げられます。

• ワークライフバランスを最優先したい
• 安定性を重視したい
• 学習意欲が低い
• 一人で黙々と作業したい

あくまで例ではありますが、予測可能なスケジュールで定時退社し、急な変化や高いプレッシャーを避けつつ個人の作業中心で進めたい人にとっては不向きです。

FAS業界の将来性は？

FAS業界の将来性は、非常に明るいと言えます。中小企業の経営者年齢は平均60.5歳と過去最高を更新し、70代以上の経営者も増加傾向にあります。

同時に後継者不足による廃業が約3割を占め、事業承継・M&Aの需要は構造的に拡大しました。実際、中小M&Aの実施件数は2022年度で約5,700件に達し、この10年間での増加を考えると需要は高まる見込みです。

参照：事業承継・M＆Aに関する現状分析と今後の取組の方向性について｜中小企業庁

まとめ

FASへの転職は、未経験でも可能ですが難易度は高いです。FASへ転職するには「激務」や「責任が重い」などデメリットはありますが、転職後のキャリアパスが豊富で事業会社のCFOや経営企画部門への道も開かれています。

また、事業承継・M&A需要の構造的増加により、業界の将来性も非常に明るいのも魅力のひとつとなります。
BIG4系FASから独立系FASまで、さまざまなFASが会計士を採用している傾向から、今後も高まると予想されます。

ただし、FASは豊富な業務を取り扱う特徴から、企業ごとに特色が異なるのも特徴です。あなたの性格や仕事の進め方に合った企業を知りたい方は、業界の情報交換だけでもぜひマイナビ会計士へ気軽に登録してみてください。