~「CPA TALKs 2019」 イベントレポート~ 会計士の多様性【パネルディスカッション編】

「CPA TALKs 2019」イベントレポートもいよいよ最終回となりました。第3回は、イベントの後半に行われたパネルディスカッションの模様をご紹介します。モデレーターの藤田耕司さんが講演内容について深掘りすると、いずれのプレゼンターも真摯に回答してくれました。

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マイナビ会計士編集部
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飛躍へのモチベーション――プレゼンターの心を突き動かしたもの

最初に質問として上がったのは、現在の活躍に至るきっかけです。モデレーターの藤田さんが「具体的なアクションを起こす前後」について深掘りしたところ、このような答えが返ってきました。
梅木さん:スピーチでもお話ししましたが、復職後、配属が変わって、たまたま大型のクライアントを担当することになりました。それがきっかけとなり、人との出逢いを通じて人生が大きく変わりました。新しいネットワークに参加して、新しい出会いがあって。これは他のプレゼンターの方も共通しているように思います。良い上司に恵まれて、キャリアに対する考えや悩みも自分から話すようになりました。
ダイバーシティの取り組みも大きいですね。私がパートナーになった時、まだ女性のパートナーは少なかったです。私に活躍できる機会を認めてくれたファームのために何ができるかを考えて、身近なところで一歩踏み出しました。その後、ダイバーシティの取り組みを国が推進するようになったので、運も良かったのだと思います。
――当時、梅木さんはどのような心構えで仕事をしていましたか?
梅木さん:産休に入る前は、「自分は必要とされていないんじゃないか」とへこんでいたこともあって、燃え尽きるくらいに頑張りたいと思いましたね。モチベーション曲線もぐんぐん上がっていきました。人生、どう転ぶかわかりません。結果オーライです。
――柚木さんは、転職を繰り返していた頃の「受け身の姿勢」が、「300年後の子どもたちに残すべき」と気持ちが変化したきっかけは?
柚木さん:私は15年に独立したのですが、運良く人にも仕事にも恵まれました。そのおかげで、徐々に前向きな気持ちに変化していったのかもしれません。最初は「良い仲間に認められるには、何か残さなければならない」と思い、子供のために読んでいた絵本との出会いがあって「300年後」と長期的な視野で考えるようになりました。
――まだ独立していない公認会計士が、「何か残すべき」という意識にシフトするために必要なことは?
公認会計士という以前に、皆さん自身が人生で身につけてきたことを職場で活かすことで、何か残せることがあるかもしれません。たとえば、過去の人生や以前の職場と今の職場を比較して「こういう仕組みや取り組みがあったら」と思うことはありませんか。その思いを提案することから始めたらどうでしょうか。「必要ない」と言われるかもしれませんが、まずはやってみることが大切だと思います。
――永井さんは、10年前の悶々としたご自身に対してアドバイスするとしたら、何を伝えたいですか?
永井さん:「良い感じになっているよ」と言いたいですね。実は、本イベントが始まる直前、会場で19歳の頃にお世話になった先生に再会しまして、当時のことを思い出したんです。6年間、公認会計士試験の勉強をしたのですが、その頃の自分にも「大丈夫。良い感じになっているから諦めずに続けろ」と言いたいですね。
――悶々としていた時期に、パフォーマンスを発揮できなかった理由は?
永井さん:私は要領が良い方でなく、立ち止まってしまうことが多かったんですね。たとえば「なぜ、この書類が必要なのだろう」と考え込んでしまったり。当時のダメな状態から抜けだそうという情熱もなかった。先ほどの講演で「ロールモデルがいたことに気付かなかった」と話しましたが、当時の私は何がかっこ良いのかもわからない人間でした。
出会いと創造――さまざまな人を巻き込みながら、新しい“何か”を生み出す

――塚越さんは監査法人の仕事とNPOの活動、そして子育てを同時に行っていたのですから、相当忙しかったと思います。どうやって時間をやりくりしましたか?
塚越さん:クライアントから送られてくる資料を待っている間にNPOの活動をするなど、スキマ時間を上手に利用していました。監査業務は仕事のプロセスが決まっていて、いかにこなしていくかが大切です。対して、NPOの活動はないところに新しいものを作りに行く。新しいものを創造するときは誰だってそうだと思いますが、ワクワクしますね。
――監査法人を辞めるときには、リスクを伴います。新しい何かを創造したいと思っている公認会計士に、一歩踏み出すためのアドバイスを送るとしたら?
塚越さん:NPOやボランティア団体など、公認会計士の知見行かせる場がたくさんあるので、身を置くだけでも違うかもしれません。やりたいことがなければ、外に探しに行きましょう。スマホで「プロボノ 会計士」と検索すれば、世界が広がりますよ。
――塚越さんの場合、本との出会いも大きかったんですよね。
塚越さん:本を読むだけでなく、実際に飛び込むことが大切です。本に書かれている内容に共感したら、会いに行く。勉強会に参加してみる。講演会に行ってみる。そして、自分の強みをアピールすること。彼らが今何に関心があって、自分は何を提供できるか。常に考えながら会いに行かないと、雑談に終わってしまいます。もちろん、会いに行くだけでも良いアクションだと思います。何度も会いに行くと、相手は覚えてくれるからです。強みができるまで待っていたら、タイミングを逃してしまいます。
――梅木さんは、社内でダイバーシティの取り組みをされたとのことですが、ゼロから何かを創る感覚はありましたか>
梅木さん:ゼロから勉強してきました。広報のCSR担当に教えてもらったり、本を読んだり、講演に行ったり。ファーム内でメンバーを集って、自分と志を共にするチームを作っていくのがすごく楽しくて、それがやりがいになりました。年次や役職を超えて、若い人のアイデアも採り入れて、ふだん一緒に仕事していない部署の方との出会いもありました。
「こういうことがやりたいんです」と提案すると、「おもしろそうだね。やってみよう」とファームも受け入れてくれました。ダイバーシティに関する複数のイベントを1週間にわたってやるという文化祭のような社内イベントを企画して、ファームでメンバーを募集したら、また新しい仲間が入ってくれて。仲間がどんどん増えていって、どんどん規模が大きくなっていきました。
――永井さんは、アメリカやベトナム滞在中、不安はありましたか?
永井さん:私はそこまで深く考えていなくて、「自分ができないことがあったら、できる人を探す」という気持ちでいました。実際、武器がないのなら、集めるしかありませんし。ただし、マナティーチに関しては「自分以外の適任者はいない」という思いで立ち上げましたね。
未来への想い――公認会計士の魅力を人々に伝えるために

――最後に、今後の目標についてお聞かせください。
塚越さん:自分が死んだ後も残り続けるような持続性の高いシステムを築いてみたいですね。私の場合、今も昔も「人に関心があること」に変わりありません。AIが進化すればするほど、人と人とのつながりが大事になっていくことでしょう。人生100年時代を人々がハッピーに生きていき、300年後の子どもたちも「このシステムがあって良かった」と思ってもらえるようなものを作れたらいいですね。
永井さん:短期の目標として、ベトナム人技能実習生向けのビジネスコンテストの開催を掲げています。年内開催は厳しそうですが、絶対に資金を集めて、必ず開催したいですね。
柚木さん:仮想通貨業界の発展に貢献していきたいですね。まずは、仮想通貨業界に身を置く会計士として、次の世代にバトンタッチするための「方向」を決めることを目標としています。仮想通貨業界は先が予測しづらいのですが、たとえブロックチェーンがなくなったとしても、得るものがたくさんあると信じています。
梅木さん:退職後、公認会計士を軸に、「女性」と「子どもの教育」と「東北の復興支援」に貢献できる何かがしたいと考えています。短期的には、ダイバーシティ推進担当としての取り組みに引き続き注力し、今後もダイバーシティの活動が続くような土台作りを行っていきたいですね。
また、今回、「CPA TALKs 2019」にプレゼンターとして登壇して、「公認会計士業界をさらに盛り上げていきたい」と改めて思いました。多くの方に公認会計士の魅力を知ってもらえるように、そして公認会計士を目指してもらえるように、私達の仕事や存在意義を社会にアピールしていくような活動にも取り組んでいきたいですね。
パネルディスカッションの後、日本会計士協会東京会若手公認会計士特別委員会(通称:青年部)委員長の辰巳尚さんからあいさつをもって、「CPA TALKs 2019」 は幕を閉じました。
「経済社会を支える会計」のプロフェッショナルである会計士に、どのようなキャリアの選択肢があるのか。来場者は、4名のプレゼンターのお話から多くのことを学び取ったことでしょう。「CPA TALKs 2019」 を企画・主催した日本会計士協会東京会若手公認会計士特別委員会(通称:青年部)は、今回のイベントが「公認会計士一人ひとりがありたい姿を見つめる良いきっかけ」になればと願っています。
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