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会計士の将来。「埋没原価」に囚われない会計士になるには

会計士の将来。「埋没原価」に囚われない会計士になるには

今、この原稿を書いているのは、とある公立小学校の職員室のデスクです。なぜそんなところにいるのか?はもう少しお読みいただければわかります。思えば監査法人を辞めて、もうすぐ3年が経とうとしています。決して計画通りの順風満帆な日々ではなく、何度もピンチを味わいつつも、どうにか生き延びてきた…というのが、これまでの日々を振り返った偽らざる感想です。実はそんな「ピンチ」の都度、自分のことを助けてくれた存在があります。もちろん、周囲にいるたくさんの人たちにも感謝しきれませんが、実は、「公認会計士」という資格こそが、がけっぷちの自分を何度となく救ってくれました。芸は身を助くと言いますが、自分にとっては監査法人でのキャリアが、まさに芸のようなものだったのかもしれません。

私は公認会計士という資格を引き続き保持していますが、今の顔はむしろ小さな事業会社の経営者、という側面のほうが大きく、公認会計士という肩書を表に出して仕事をする機会は少なくなってきています。しかし、そんな私だからこそ、公認会計士になっておいて、本当に良かったと思うことが、実は多いのです。これから話すことは、ひとえにその「本当に良かった」という思い。あわよくば、その思いが皆さんのキャリア形成において、少しでも背中を押すものになれば、と思っています。

マイナビ会計士編集部

マイナビ会計士編集部

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プロフィール

眞山 徳人氏

眞山 徳人氏

合同会社フォルケCEO。2005年12月公認会計士第2次試験合格後、大手監査法人にて国内監査業務、各種コンサルティング業務等に従事。2016年3月に退職、独立。現在は公認会計士としてコンサルティング、執筆、講演等を行いつつ、人材育成企業のCEOとして小中学生から経営者層までを対象に様々な教育コンテンツを開発・提供している。2019年4月にはフリースクール「フォルケ学園」を開校予定。著書に「江戸商人勘助と学ぶ 一番やさしい儲けと会計の基本」「スピーチ・ツリー どんな場面でもブレずに話せる技術」などがある。
合同会社フォルケHP:http://folke.co.jp
眞山徳人公式サイト:http://mayamanorihito.com

独立して最初に思ったことは「たいして変わらない」でした

公認会計士の試験を終え、監査法人に就職する。そしてその後のキャリアを分ける最初の、そしておそらく最大の選択肢が「退職する/しない」というものでしょう。しかし、自分のことを振り返ると、監査法人を辞める/辞めないという選択は、実はそれほど重要なことではありませんでした。その最大の理由が、在職中の自分のスタンスにあります。どういうことかというと、「監査法人にいながら、独立しているつもりで働く」、ということをやってみようと思ったのです。最初のうちは、単なる心構え以上の意味はなかったのですが、徐々にそのことを突き詰めていくにつれ、大きな視点の変化が2つ起こりました。

1つ目は、自分のやりたい仕事に打ち込む、ということです。例えば、当時私がいた監査法人は副業が基本的に禁止されていましたが、「執筆」や「講演」など、法人のバリュー向上につながる仕事については、社内手続きを踏めば行うことができました。私はこの仕組みをフル活用して、webサイトで記事を寄稿したり、色々な媒体の取材を受けたり、といった事をしていました。結果として、在職中に本を出版したり、テレビ番組に出演したり、普通に仕事に取り組んでいたら得られない経験を多く積むことができました。また、「副業」以外にも、例えば新人採用など、監査だけでは得られないノウハウにつながるものにも率先して参加していました。退職した後に役に立っているのは、最大公約数的な会計士としてのスキルよりも、それらのプラスアルファの経験だったりします。

2つ目は、社内のリソースに対するコスト感覚やサービス感覚を持てたことです。自分が独立しているつもりで社内の人を見渡すと、あたかも上司は「自分に仕事を発注してくれているお客さん」であり、部下は「自分の仕事の大切なアウトソース先」であり、経理や人事は「確定申告や社会保険の手続を代行してくれる人」になります。組織に属しているつもりだと彼らの存在は当たり前のものですが、独立しているつもりで見ると、ありがたい存在に思えてきます。そういった人たちに対して、例えばメールの送り方一つとっても、自分がどういったサービス精神で向き合うか?という発想を持てたことは、仮に独立以外の道を選んでいても大きな財産になっていただろうと思います。
そして、こういった視点を持ちながら仕事をしている限り、独立や転職というイベントは、実はそれほど大きな転換点でもないのだな…という気持ちになってきます。実際、監査法人の在職中に、多くの知人から「あれ?眞山さんってまだ監査法人にいらっしゃるんですか?本とか出してるのに?」と驚かれたり、逆に独立してから「えっ?いつの間に辞めてたんですか?」と訊かれたりすることが多くありました。周りから見たら、眞山がどこの組織の所属かは、もはや二の次になっていたのだろうと思います。

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資格は選択肢を広げるもので、狭めるものではない

資格は選択肢を広げるもので、狭めるものではない

私の場合、会計士としての独立を志したというよりも、新しいビジネスを始めてみたいという思いのほうがずっと強くありました。ちなみに、今CEOをやっている合同会社フォルケという会社では、人を育てること、特に、子ども向けに会計やプレゼンテーションなどのスキルを身に着けてもらうためのプログラムを作って提供するビジネスを展開しています。退職して3年目。最初のうちは会計事務所などのアルバイトをさせてもらいながら生活基盤を維持していましたが、自治体の予算を頂いて公立小学校の授業のひと枠をもらったり(そう、これが今職員室にいる理由です)、ようやくビジネスの規模もそれなりのものになってきました。在職中からずっとやってみたいと思っていた子ども向けのビジネススクールの構想も、この4月から開校するフリースクールの形で現実のものになろうとしています。

ただ、最初から起業に勝算があったか?と言われると、そんなことは全くありません。起業にあたって、事業計画書らしきものを作って色々な人に相談を持ち掛けてはアドバイスを頂いたり、ノウハウを持っている方をご紹介いただいたりしましたが、あの時期に多く投げかけられたのが「せっかく会計士になったのに、なんで?」という質問でした。安定とか高収入とかステータス、というものを捨ててまで起業することに驚かれてのことだったようです。そのように訊かれてみたときは、なるほど自分もそれなりに思い切ったことをしてしまったのだな…と一瞬思ったりもしましたが、実際ふたを開けてみると、公認会計士としての仕事が少なくなったとしても、前職時代に得た経験、例えば様々なクライアントを訪れてみたビジネスプロセスや、経営者の方から直に聞いたトップの矜持など、公認会計士でなければ得られなかったものの価値は、フィールドを問わず役立っています。

だから、会計士としてのキャリアを捨てる覚悟は実は必要ないし、もっと言えば、ちょっとやそっとでは捨てたことにもならないんだな、というのが今持っている私の答えです。

「埋没原価」にとらわれないで、明るい将来を描いてほしい

さて、少しだけ未来の話をしてみたいと思います。
とどのつまり私たちのキャリアとは、「どっちに進もうかな…」という選択の連続の産物です。あくまで個人的な意見ですが、公認会計士を目指し、合格までたどり着いてしまえるような真面目で努力家の方は、その選択の連続の中に「一貫性」とか「継続性」、場合によっては「身の丈」「相場を外れない」といった価値観を求める傾向が強いように思います。

「今までやってきたこと」の延長線上に未来があるという考え方は確かに正しいのですが、数年先の未来が見通せなくなった今は、もっと違う発想でその延長線を引いたほうが良いんじゃないか、と私は思っています。先ほど、「ちょっとやそっとではキャリアを捨てたことにもならない」と書きましたが、過去からの延長線は、どんな未来を選ぼうと繋がってくるものです。どうせなら過去に自分が歩んできた道のりのことを一瞬忘れて「何をやりたいか」という観点からキャリアを思い描いてみてください。そうすると、公認会計士として積み上げてきたキャリアの中で、思わぬものが思わぬ場面で、ちゃんと役に立ってくれるものです。過去の事象は、未来のことに対する意思決定には影響を与えない…かつて「埋没原価」について学んだことのある公認会計士の皆さんなら、そのことを頭では分かっているはずです。あとはそれを心で感じて、体で実践できるか。
さあ、明日から何をやりたいですか?

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