香港での勤務経験が「母になること」へのきっかけに


監修
マイナビ会計士編集部
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プロフィール
女性会計士30代 大手監査法人勤務 マネジャー
公認会計士試験合格後、大手監査法人に入所。上場会社の法定監査業務を中心に、海外子会社管理やIFRSなどのアドバイザリー業務に携わる。その後、海外の提携事務所に異動し、現地にて2年間、監査業務に従事。帰国して暫くしたのち、第1子を出産。産休育休を経て、2018年4月より復職。最近の関心は、日々パワーを増していく息子と格闘していくための体力作り。私が母になろうと思ったきっかけ
私が母になることに前向きになれたのは、海外での駐在経験がきっかけでした。日本では公認会計士に占める女性の割合は14%と低いですが、私の赴任した香港のオフィスでは女性会計士が多く活躍しており、会計士は女性の仕事、と言われるほどでした。またクライアントの経理担当者も、日本では男性であることが多かったのですが、香港では女性、しかも子育てと仕事を両立されている方が多くいました。
また、日本では活躍している女性会計士の先輩がいても、仕事が忙しすぎて家庭と両立できるような状況ではなかったり、両立している方は私には手が届かないようなスーパーウーマンに思えたりして、自分が子供を産み育てながら仕事を続けていくことについて全くイメージできませんでした。また目先の仕事に夢中になっていたこともあり、母になることを現実的に考えることができませんでした。
でも、香港で母になっても責任をもって仕事をしながら、母としてだけでなく自分の人生も豊かに歩んでいる女性たちとの出会いが私の中で1つの転機となり、仕事と育児の両立は不可能ではないのではないか、と感じるようになりました。
復職にあたって準備したこと、その時感じた会計士であることや監査法人のありがたさ
香港でなぜ女性たちが仕事と育児を両立し活躍しているのか?
それは決して社会が彼女たちに優しいからではなく、家事の外注によるところが大きいといわれています。復職するにあたって、香港の友人から「香港だったらお手伝いさんにすべてお任せできるけど、日本ではそういうわけにはいかないから大変だよね」と言われたことを今でも良く覚えています。
私たち夫婦はともに地方出身で、近くに育児や家事を頼れる親族がいないので、私が日本で復職するためには、家事の外注について検討する必要がありました。そのため、育休中に家事や育児の外注について、外注する作業の内容や外注の範囲、外注の方法等を具体的に検討し実行するようにしました。
「外注を頼むだけでしょ?」と言われそうですが、ヘルパーさん(他人)を自宅に上げることや、そもそも家事にお金を支払い外注することに抵抗を感じる方は少なからずいるものです。夫婦間での温度感の調整も必要になりますし、また肝心の自分自身がどこか良き母親像、良き妻像に捕われ、育児や家事を外注することに知らず知らずのうちに罪悪感を抱いていたりすることもあります。そのため、女性自身の心の整理も必要なのだと、同じ境遇の友人の話を聞いて感じました。
さて、家事代行に対しては、広いお屋敷に住む一部の限られた人が利用するような印象を持っている人も多いかと思いますが、最近ではさまざまなサービスが整い様々な人が利用しやすくなっています。とはいえ決して安い料金ではありません。これについては、監査法人の福利厚生の一環として割引制度を利用することができ、助かっています。出産をするまでは全く知らなかったのですが、監査法人にはほかにも色々な子育てサポートがあります。例えば、子供が体調不良で保育所に行けない場合代わりにあずかってもらう病児保育料の補助や、保活に際してのアドバイス、社内保育所の整備や認可外保育園の枠の確保、子供が小学生になるまでの時短勤務制度、在宅勤務制度などが用意されています。
育休中に様々な業種のワーキングマザーと知り合う機会があったのですが、このような子育てサポートについての監査法人の制度は、他の業種と比較しても遜色がない、むしろ恵まれているように思いました。それは私の勤務している法人だけでなく、他の大手法人でも同様であると思います。監査法人でも現在、事業会社と同様に女性管理職やパートナーを増やす取り組みに力を入れており、女性が育児や出産を経ても働き続けることができるよう制度の充実を図っています。
実際に復職して感じたこと

できるだけ育児と仕事の両立ができるよう準備を整えようとしたものの、周囲が長時間労働している中、限られた時間で成果を上げることができるのか、復職に際して不安がありました。でも、働き方改革の影響もあって、監査法人での育児と仕事の両立はしやすくなっている、ということを感じました。たった1年半ほど職場を離れていただけでしたが、その間の変化は大きく、同僚曰く、業務効率化や労働時間の制限により労働時間は確実に短くなっているとのことでした。
もちろん同じ業界や法人でも所属する部署やチームによって状況は異なるかとは思いますが、様々なクライアントがありチームのポートフォリオがたくさんあるのが監査法人の特徴でもあるので、育児と両立できる働き方を監査法人内できっと見つけられるのではないかと思います。
また会計士の仕事は専門性があるため、所属する組織のオペレーションや組織変更の影響を受けにくいと思いました。同じ時期に育休を取得していた会計士以外の友人の中には、組織変更や業務方針の変更などにより産休前に所属していた部署がなくなってしまったという人もいました。その点、会計士の仕事は、復職にあたってのブランクが小さく、経験の継続性が事業会社などに比べて保ちやすい、ということに気づきました。
これからについて
現在の悩みは、新しい業務知識や世間の最新動向についてのインプットの時間が確保できていないことです。会計士の役割やあるべき姿は様々かと思いますが、会計の専門家として最新の会計について精通していることはもちろんのこと、会計は経営実態を反映する手段でもあるので、経営状況や会社を取り巻く景気や世間のトレンドについても精通していることが必要かと思います。現状は、今まで培ってきた経験や知識で目の前の業務をこなしていますが、今後のキャリアに向けて、積極的に進んでいくためには、今のままではいけないのではないかと感じています。
育児と仕事の時間のバランスをどのようにとるか、まだ模索中ですが、出産で職場を離れることを上司に詫びたときに、その上司が「育児ができるのは今だけなのだから楽しんで、仕事はやりたいときにいつでもできるから」と声をかけてくれ、心が楽になりました。また子育てが仕事においてマイナスになるだけでなく、子育てを通じて初めて気づく視点があり新たな興味の広がりをもたらしてくれると、アドバイスを受けたことがあります。
監査法人は従来、モーレツに働く男性中心社会でしたが、女性が働き続けることのできるよう制度が整えられるところから始まり、今は徐々にではありますが、男女の違いなく個々人の状況に応じた働き方が選択できる環境を目指して変わろうとしています。ワーママだけが特別扱いではダメで、独身者でも男性にとっても働きやすい環境こそが、ワーママにとって働きやすい環境であると思います。会計士という専門性を軸に、様々な経験や想いを有した人々が集まる、より多様性のある魅力的な組織へと監査法人は向かっているのではないでしょうか。
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