マイナビ会計士

【第1回】公認会計士制度70周年記念式典 イベントレポート
2018/08/08
イベント
【第1回】公認会計士制度70周年記念式典 イベントレポート

2018年7月23日、日本公認会計士協会(JICPA)主催による「公認会計士制度70周年記念式典・記念講演」が東京国際フォーラムにて開催されました。「変わる時代、変わらぬ信頼。」と題したこのイベントは、公認会計士制度の70周年を記念して実施されたもの。

これまでの歩みを振り返るとともに、公認会計士のあり方について改めて問いかけるなど、公認会計士の可能性を考える機会となりました。マイナビ会計士では、同イベントを2回にわたって紹介。第1回は、「記念式典」の様子をお届けします。

70周年記念ムービーが描く“公認会計士の未来”。

公認会計士制度が制定されたのは、戦後復興期にあたる1948年7月6日のこと。高度経済成長期を迎え、バブル崩壊や世界金融危機など数多くの経済危機を乗り越えてきた日本の企業を根底で支え続けてきたのが、他ならぬ公認会計士達でした。

「公認会計士制度70周年記念式典」では、次なる世代――100年に向かっての決意を確かなものにするべく開会アナウンスが告げられた後、70周年記念ムービーが上映されました。

企業財務の正確性を保障する専門家の必要性が叫ばれたことから公認会計士制度が制定されたこと。高度経済成長期を経て多くの企業が発展を遂げ、活躍の場が世界へと広がっていったこと。それを受けて国際会計基準の導入が検討され、公認会計士もまた、グローバルな視点からその専門性を発揮するに至ったこと。

そして、一般事業会社に限らず、あらゆる事業体の社会的信用を保障するようになり、さらには税務やコンサルティングなど幅広い役割を果たしながら、健全な経済社会の維持と発展に寄与し続けてきたこと――。

公認会計士の活躍は枚挙にいとまがなく、時には自ら基準を見直し、専門的能力に加えて倫理面の向上にも尽力してきたことがムービーを通じて紹介されました。

そして場面は一転し、未来へ。AIが普及した後の「あるべき姿」についても触れられました。

ムービーで描かれる未来は、データ収集や整備などの業務をAIがアシストし、公認会計士が意思決定に注力する姿でした。IoTによりあらゆるデータがつながった未来では、大幅な業務の効率化が実現し、本来、公認会計士が行うべき思考・判断に十分な時間が割けるように。ワークライフバランスもより充実している様子がムービーで描かれていました。

近い将来、公認会計士は情報技術という力強いパートナーを得て、企業の健全な経営を支えていくことになるでしょう。これまでも、そしてこれからも、公認会計士は引き続き自己改革と自己研鑽を続けていくことが大切であり、公認会計士の使命に終わりはないことを告げました。

持続的に成長し、公認会計士の使命を果たし続けていくことを宣言――関根愛子会長式辞

 
【第1回】公認会計士制度70周年記念式典 イベントレポート

70周年記念ムービー放映後、主催者である日本公認会計士協会会長の関根愛子氏や副会長、専務理事、そして来賓である村井内閣府大臣政務官、国際会計士連盟(IFAC)会長のレイチェル・グライムズ氏、韓国公認会計士協会(KICPA)会長のチェ・ジュンギョン氏が登壇。副会長の高濱滋氏の開会宣言の後、関根愛子会長から式辞がありました。

関根会長は、東京証券取引所執行役員や日本監査協会会長を始め多くの関係者や会員・準会員の参加に感謝の意を表し、70年という長きにわたって公認会計士制度の維持発展を実現できたのは、ステークホルダーの支えのたまものであることを述べました。

2003年の公認会計士法改正により、公認会計士の使命条項が第1条に掲げられたことに触れるとともに、今後、公認会計士がその使命を果たすには経済や社会の変化、そして公認会計士に対する社会の期待の変化に適応していくことが大切であると述べました。

公認会計士協会は「公認会計士の自主規制団体」として常にその職責をどのように果たしていくべきか問いかけてきたこと。引き続き、社会の期待に応えていくべく、持続的な成長を続け、社会的課題の解決に貢献していくことを宣言しました。

 

公認会計士のさらなる活躍に期待――安倍内閣総理大臣ビデオメッセージ

 
【第1回】公認会計士制度70周年記念式典 イベントレポート

次に、安倍内閣総理大臣のビデオメッセージが上映されました。

「公認会計士が70年にわたって果たしてきた役割に対する社会の期待は、近年ますます高まっています。事業活動だけでなく、資金調達においても国境を越えた競争が進んでおり、グローバル化の進展の中では、国内だけでなく海外の投資家の信頼を確保することが企業の持続的な成長につながります。

内閣も日本企業の中長期的な企業価値向上のために各種取組を進めており、その一つとしてIFRSの適用拡大があります。5年前、導入企業は20社でしたが、現在は200社近くの企業がIFRSを導入しています。

コーポレートガバナンス改革も、重視してきた改革の一つです。投資家と企業が信頼関係を築き、建設的な会話をしながらより良い戦略を築くことが大変重要であり、このような投資家と経営者の関わりを加速させることで中長期的な企業活動が実現すると考えています。

そして、その基礎となるのが、「公認会計士の会計監査」です。日本企業が国際競争の中で持続的に成長していくためにも、公認会計士により一層の貢献を期待しています。

創設から70年。時代の変化と社会の要請に応じて公認会計士の活躍の場がますます広がっています。今後もその専門的知識と確かな分析力・判断力を多いに活かしてほしいですし、幅広い分野での活躍を期待しています」

      

村井内閣府大臣政務官やIFAC会長、KICPA会長の祝辞も。

     
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安倍内閣総理大臣のビデオメッセージに続いて、来賓の祝辞がありました。

「日本が20年近く苦しんできたデフレからの脱却を進めていくためには、安心して経済取引できる環境が欠かせません。AIの普及など、経済社会のあり方が大きく変わる中、情報の信頼性を担保する公認会計士への期待がさらに高まっています。公認会計士が時代の流れに着実に対応し、社会の期待に対して役割を果たすことで、公共の利益に貢献してほしいと願っています」(村井内閣府大臣政務官)

「IFAC設立メンバーの一員であるJICPAは、世界のメンバーの中でも重要な地位にあります。JICPAの会員がIFAC幹部として活躍。多くの投資家が求める統合報告書を推進しているほか、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の貢献にも取り組んでいます。JICPAの活動・姿勢は他国のモデルとなるものであり、国内外におけるリーダーシップ、IFAC及び世界の会計プロフェッションへの多大なる貢献に深く感謝します。今後の活動も実りある素晴らしいものとなるよう祈っています」(国際会計士連盟(IFAC)会長 レイチェル・グライムズ氏)

「JICPA及び公認会計士の皆さまは、日本経済発展において大きな役割を果たすととともに、アジア太平洋会計士連盟(CAPA)やIFACを通じた活動により、国際的にも多数の成果を上げています。KICPAはJICPAと信頼と尊敬に基づく強い協力関係を築いており、国内外の重要課題について意見交換や情報共有をしながら、互いに学びを深めてきました。今後もJICPAと手を携え、相互関係の更なる充実に努める所存です」(韓国公認会計士協会(KICPA)会長 チェ・ジュンギョン氏)

最後に、公益法人協会理事長や日本税理士連合会会長、東京海上日動火災取締役社長の祝電が紹介され、協会副会長の鈴木昌治氏から閉会の辞があり、「記念式典」は幕を閉じました。

なお、会場である東京国際フォーラムには約1400名の関係者が集まりましたが、その様子は全国26の会場でも中継されました。

       
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