公認会計士は人脈が命だ
職業的専門家である公認会計士にとって、もっとも欠かせないものが監査や会計に関する専門性であることは言うまでもないが、それだけで順風満帆なキャリアを謳歌できるかというと、そうとも限らない。専門家として、かつ自分らしく生きていくために必要なことは何かと問われれば、人脈であると吉村さんは迷わず答えてくれた。
プロフィール
吉村 由紀(仮名)40代女性
公認会計士第2次試験合格後、大手監査法人に入社。国内企業の監査業務に従事したのち、独立してフリーランスの立場から様々な業務を経験。2020年より中小規模の事業会社の常勤監査役に就任。
大手通販会社を経て、公認会計士を志す
眞山:吉村さんは、もともと一般事業会社でキャリアを積んでから公認会計士になろうと思われたのですよね?そこにはどんなきっかけがあったのでしょうか?
吉村:はい、大手の通販系の会社で働いていて、そこで企画の仕事をしていました。企画と言っても真新しい商品をイチから考えるのではなく、海外で売れている商品を見つけて、それが日本でどれくらい売れるかを見極める仕事…という意味ではバイヤー的な仕事にも似ています。私が見つけてきたアイテムの中には大ヒット商品もありますが、なんとなく、すでにある商品を新商品と銘打って売り出すのが性に合わなかったということと、当時ちょうどインターネットの普及で海外の商品は誰でも輸入できてしまう時代がやってこようとしていて、この会社にいても先行きはあまり明るくないんじゃないかと思って、ビジネス系の資格を取ることにしたのです。
眞山:「先行きは明るくない」という話は、振り返ってみたらかなりの慧眼だったように思いますが、当時からそういった目利きができたのですか?
吉村:いえ、周囲の人が皆そう思っていたことを鵜呑みにしていただけです。…鵜呑みと言っても、ある程度その業界で知られている人であったり、自分の信頼できる人の発言を聞いたうえで自分で判断したのは確かなのですが。
眞山:公認会計士になってからはどういったキャリアを歩まれてきたのか、改めて教えていただけますか。
吉村:大手の監査法人に就職しました。当時は合格後の就職先と言えば大手法人のどれか、というのが定番で、就職戦線も売り手市場で労せずに内定をもらうことができたので、今の人たちよりはだいぶ恵まれている気がします。その後、リーマンショックやら震災やら、いろいろな出来事がありましたが、2015年にいったん独立しました。
人脈に助けられて、今がある
眞山:独立してからはどのような仕事をしていましたか。
吉村:お恥ずかしい話、結局辞めた監査法人から外部人材として監査の仕事に入れてもらったり、独立した先輩がとってきた仕事の助っ人アルバイトをしてみたり、ものすごく気ままに生きていました(笑)。公認会計士って本当に不思議な資格だと思っていて、そういった緩い生き方が許されるんですよね。ただ、いっぽうで、暇を持て余している公認会計士というのもまた珍しくて、それこそ「監査役候補を探しているんだけど、知り合いいませんか?」と聞かれた時に、ちょうどいい人を紹介するのって難しい。ほとんどの人は監査法人なり事業会社に籍を置いて仕事をしていたり、独立してしっかりクライアントをもっているので簡単に事務所をたたむわけにはいかなかったり、仕事をしていない場合も育児などの理由で忙しい日々に戻れなかったりするので。
眞山:確かにそうですね。吉村さんが今のポジション、すなわち事業会社の監査役の仕事をしているのも、ちょうどその「暇」なタイミングが重なったから、と言えるのでしょうか?
吉村:はい、紛れもなくタイミングの産物だとは思います。が、自分の若手時代を振り返ると、人脈作りに余念がなかったんですよね。それが何の役に立つかは分からなかったけど、前職時代もそうやってきたことでビジネスの将来を見誤らずに済んだことを思えば、きっと無駄にはならないと信じていました。独立した後にアルバイトの話が途切れなかったことも、その後に今のポジションのオファーをもらえたことも、すべては「人」とのつながりがあったからです。
相手の役に立ってこその人脈
眞山:なるほど。人脈づくりって簡単なようで難しいと思うのですが、吉村さんなりの秘訣とかはあったりするのでしょうか?
吉村:今、大手の監査法人にいる人は、ありきたりですが目の前の仕事をちゃんとこなすという大前提をクリアすることがまず大事だと思います。人脈の中でも一番パワフルなのが前職時代のつながりであることは間違いないので。人脈って、自分にとって役に立つ人たちのリストではなく、自分が手伝ってあげられる人たちのリストという面もあります。そういう意味で、今の仕事をしっかりこなして組織なりクライアントに貢献するという姿勢を崩さないことが凄く大事じゃないかと。独立や転職を見越して人脈づくりを頑張っている人が、今の仕事をおざなりにしてしまうのは本末転倒だと思います。
眞山:なるほど。
吉村:で、すでに独立したり転職したりしている人は、新たに出会った人をとにかく大事にすることだと思います。自分の知り合いの中で「きっと繋いであげたら面白いことになるな」と思う人がいたら、すぐに引き合わせてあげる。その時にそれぞれの得意分野や優れているところを、自分の言葉でしっかりと伝えてあげる。その前提として、相手のことに興味をもって、尊敬の念を忘れずに接することがとても大事だと思います。
眞山:最近はSNSも発達しているので知り合いを増やすのは簡単ですが、そこから価値のある人間関係に発展させるのは、むしろ難しくなっている気がします。そんな中で、吉村さんの考え方は昔ながらでありつつ、でも今の時代だからこそ見直さなければならない価値観だな、と感じますね。
吉村:ありがとうございます(笑) 人脈を持つと、実はいろいろな人が自分を評価してくれるようになるので、自分の能力や強みを客観視しやすくなるというメリットもあります。独立や転職をしたい人は、まさに自分の市場価値を見誤らないことが大事になるので、そういう意味でも人脈を作ることを意識してみてほしいな、と老婆心ながら思いますね。
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