【後編】同期ならではのコミュニケーションと関係性

公認会計士の世界は狭い、とよく言われる。たとえ初対面であっても、出身の監査法人、会計を学んでいた専門学校や実務補修所など、会計士同士であれば何かしらのつながりがあることがとても多いからだ。今回はいつもと趣向を変えて、かつて監査法人で同期であった鷲谷さんと業天さんが、それぞれのキャリアを経て同じ会社に転職し、IPOを達成させるまでのお話を、1人ずつ伺ってみた。ライバルのような、戦友のような2人は、お互いをどう見ているのか。前回記事の鷲谷さんに引き続き、業天さんの話を伺った。
鷲谷将樹さんインタビュー
プロフィール
業天邦明(ぎょうてん くにあき)公認会計士
2005年公認会計士第2次試験合格後、(現・有限責任)監査法人トーマツに入所。国内監査部門での勤務を経て、2016年に経済産業省に出向して組織再編税制等の業務に従事。2018年にトーマツを退所したのち、全研本社株式会社に入社。現在、同社経理部長。2021年6月には東証マザーズ上場を達成。
監査法人時代、中央省庁の出向を経験

眞山:業天さんは、トーマツに在職中に経済産業省にも行っていた時期があるということで、非常に珍しいキャリアだと思うのですが、まずその辺のことを伺いたいと思います。
業天:公認会計士の2次試験に合格したのが2005年の12月でした。トーマツに入所したあとは、割と中小規模の会社の監査を担当して、早い時期に主任を担当したりしていました。時期的に内部統制の監査制度がスタートしたタイミングでもあり、いわゆるJ-Soxの導入プロジェクトも経験しました。そのころから監査以外の仕事にも手を出すようになっていて、いろいろな経験を積んで視野を広げていきたいという思いがあったのですが、縁があって経済産業省で仕事をする機会に恵まれました。
眞山:経済産業省ではどんな経験を積まれていたのですか?
業天:もともと、ガバナンスのことを学びたいという気持ちがあったんですよね。それも、企業側ではなく、いわゆるルールメーカーの立場として。実際、組織再編税制だとか、役員報酬の税制改正といった部分を担当させてもらうことができました。そういう仕事の経験も非常に貴重でしたけど、やはり役人という立場の良いところは、日本を代表するような上場企業の重要ポストの人物にあうことができたりすることだったと思います。いろいろな人に会って、視野が広がりました。
鷲谷さんは頑張り屋だと聞いていた

眞山:さて、今回は元同期で今は同僚という立場の鷲谷さんと一緒にインタビューを受けていただいているわけですが、鷲谷さんの仕事ぶりは耳にしたことはありましたか?
業天:共通の上司からは、単純に「鷲谷は頑張っている」ということをしきりに聞きました。ごく平凡な評価とも取れますが、「頑張る」ということで頭一つ抜けるのって、実はすごいことだな、と思います。あと個人的に彼が凄いと思うのは、相手との間合いを気にせずに声を上げることができることなんですよね。いいものはいい、悪いものは悪いといえる。で、それは鷲谷さん自身に対しても言えることで、自分の間違いをしっかり認めることができる。人間として立派だなと思いますね。
眞山:そんな鷲谷さんから、転職のお誘いを受けたときは、どんな気持ちでしたか?
業天:あの頃は本当に、やりたいことが決まっているわけでもなかったのですが、鷲谷さんから声をかけてもらったときは、すごくうれしかったです。もちろん同期として気心が知れている部分はあったのかもしれませんが、人ひとりを会社の重要なポストに引き込むのってすごく勇気がいるし、当然責任も生じるわけですよね。そういうものを超えて自分をさそってくれたのは、素直にうれしかったです。
お互いの経験が生きている

眞山:一緒にやってみて、改めて鷲谷さんの強みはどういう点にあると思いますか?
業天:一言でいうなら「推進力」じゃないかと思います。IPOのためには少なからず会社の業務を改善したり、不要なものを切り捨てたりといった判断が必要になるので、組織の変革が欠かせないわけです。一方、これだけの規模の会社を変革するのって大変なことだと思うのですが、彼はCFOとしてそれをやり切ることができた。物事を進めていく力って会計士にとってはなかなか得られないものだと思うので、彼がそれを備えているのはすごいことだと思います。
眞山:いっぽうの業天さんにも、経産省の経験が生きている部分はあるのではないかと思うのですが。
業天:そうですね…役所のつくる文書って、実はすごく言葉にうるさいんです。例えば、一つの言葉が文書で登場した時、次の場所ではちょっと意味を変えて使う…みたいなことは許されないし、とにかく厳密に書くことを訓練させてもらいました。自分が役に立てた点を一つ上げるとすれば、そういった厳密な文書作成能力が、IPOの際の質問書への回答をはじめ、随所で生きたということくらいかな、と思います。
眞山:鷲谷さんは業天さんが加わったことでとても気が楽になったと言っていましたが、業天さんとしては同期と仕事をしてみて、どういう気持ちですか?
業天:彼も言っていたことですが非常にコミュニケーションがとりやすいこともあって、役割分担がおのずと出来上がってくる感じがしています。例えば僕はA銀行と仲良くするけど、彼はB銀行と関係をしっかり深める、ということが自然とできていて、非常にバランスが良いんですよね。働いていてとても楽しいと感じます。IPOという一つの大きな目標を達成しましたが、これからもこのバランスは大事にしていきたいと思いますね。
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