大手監査法人で我が道を行く

公認会計士試験を突破した人が第一に思い描くキャリアと言えば監査法人であろう。その中でもいわゆるBig4と呼ばれるような監査法人の就職を選ぶ人はやはり多い。一言に「大手監査法人」と言っても、そこで働く人のキャリアは千差万別であるし、若いうちから他人と異なる生き方を選ぶ人も中にはいる。長野さんに聞いた話は若手会計士のみならず、多くの会計人に刺激を与えることだろう。
プロフィール
長野 裕也(仮名)20代男性
2018年公認会計士試験合格後、大手監査法人に入社。現在、同法人にて会計基準導入などを支援するコンサルティング業務に従事。
ボランティア経験を経て、公認会計士を志す
眞山:長野さんは今大手監査法人にて新会計基準の導入などに関するコンサルティング業務に従事されています。キャリア3年目の若い方が一般的な監査業務を離れてこういった仕事に挑戦することは結構勇気がいるんじゃないかと思うのですが、どういった思いで今のポジションを選んだのでしょうか?
長野:理由は大きく分けると2つあるんじゃないかと思います。1つには、もともと自分は王道を行くつもりがなかったということです。私は高校を出てから地元の国立大学に進学したのですが、いったん休学して海外でボランティア活動をしていました。その時点で、一生懸命単位をそろえて、ゼミに入ってしっかり卒論を書いて就職活動をする…という生き方から乖離してしまっていますから、そもそもメインストリームを行くようなキャリアを志向していなかった、ということがありますね。
眞山:なるほど。そんな中で公認会計士という資格を選んだのはどうしてだったんでしょうか?
長野:自分の実力で勝負できるような仕事を選ぼうと思った場合、アスリートや芸能界といった分野でもなければ、資格を取ってプロフェッショナルを目指すのが一番だと思っていました。いろいろある資格の中で、進学していたのが経済学部だったこともあったので、公認会計士を選びました。
監査業務で学んだ仕事の基本動作
眞山:公認会計士という職業に対して、あまり思い入れは強くなかった…ということですか?
長野:ある意味おっしゃる通りですね。公認会計士の資格は、自分がやりたい仕事というか、仕事も含めて思い通りに人生を組み立てようと思ったときの便利な道具だという認識を持っています。もちろん、公認会計士にしかできない監査業務には、ほかの仕事にはない魅力が詰まっていますし、それを体験したいからこそ大手の監査法人を選んだのですが、それ自体をどうしてもやりたかったかというと、そうではないです。
眞山:思い通りの人生という言葉がとても印象的ですが…。
長野:もちろん、何もかもが思い通りにいくわけではないですが、自分でコントロールできる範囲をなるたけ広げておきたいという気持ちがあったんですよね。多くの人はそれを実現するためにリスクをとらないで、例えばコツコツ貯金をするということを考えたりします。もちろんお金が貯まればやりたいことができるようになる可能性は広がるのですが、公認会計士という資格は、いろいろなビジネスを見られるという意味でも、また、例えば企業に失敗しても資格さえあればお金を稼ぐのに困らないという意味でも、自分にとってリスクを回避するためにぴったりの「道具」だと思っています。
眞山:面白いですね。いったん話を監査業務の時点に戻しますが、監査業務を通じて得られたものとはなんでしたか?
長野:私は監査業務自体は1年ちょっとしか触れていないので、監査の何たるかは多分全然わかっていないと思います。それでも得られたものを挙げろと言われたら、仕事の基本動作とでもいえばいいのでしょうか…そういった類のものです。ひとつには監査チームの一員として与えられた仕事を全うする、あるいは主任やパートナーと適切なコミュニケーションを行うという経験を通じてそういったものを学びましたし、また、クライアント企業のビジネスプロセスに触れることで、会社にいる人たちがどんなルールに則って日々仕事に向かっているのかを見る機会を得ることで、そういうものを学んだ気がします。
クライアントから頼られる幸せ
眞山:たった1年でそこまで深い理解を得られる長野さんが凄いな…と思います。
長野:いや、自分でも少し思い上がっている面もあるかも、とは思います。実際、今コンサルティングの仕事をしていても手探りのことは多いです。しかし、先ほど話した通り、公認会計士という資格を持てれば僕にとって人生におけるリスクはかなり軽減できているので、自分のやりたいことに全エネルギーをそそぐという判断は間違っていないと思います。
眞山:今、コンサルティングの仕事というキーワードが出たのでついでにお聞きしますが、長野さんが監査業務を離れて、今従事している仕事から得られているものは、どういったものでしょうか?
長野:仕事の面白さというか醍醐味といった部分だと思います。監査業務を続けていれば、結局同じようなことを感じたのかもしれませんが、コンサルティングの仕事って、クライアントが喜ぶか、喜ばないかが自分の仕事ぶりで変わりますよね。自分がお客さんの期待に応える仕事ができれば当然クライアントは感謝してくれますし、逆なら逆で。そういう頑張りが跳ね返ってくるところにやりがいをすごく感じています。
眞山:確かに監査業務の場合、最終的な成果物は監査報告書という定型的なものですからね。
長野:そうですね。極端な話、きっちり監査をしたとしてクライアントが喜ぶかというと、必ずしもそうじゃない。もちろん監査というのはもっと大きな目的をもってやるものなので、それでも良いんだと思うのですが、自分の肌に合うかというと、コンサルティングの仕事のほうが楽しいかな、とは思います。プロフェッショナル集団である以上、どんな仕事でも高い品質で業務を遂行する必要があるわけで、自分にとってそれを全うするためには「楽しい」という気持ちがどうしても必要だな、と思ってます。
眞山:長野さんのように、若いうちから自分の望む仕事を勝ち取って働いている姿は、これから会計士を目指す方や、監査法人に入って間もない方にとって非常に頼もしいのではないかと思います。ぜひ長野さんなりのアドバイスをお願いします。
長野:大きな組織で我が道を行くことを選ぶのは、時として風当たりがきついと感じることもあります。でも、自分が本当にやってみたい仕事があって、しかもそれをその職場で行う必然性があるのであれば、ちゃんとその仕事で成果を出している限り、文句を言われる筋合いはないと思っています。せっかく公認会計士の試験を突破したのだから、自分のやりたいことにフォーカスしてほしいです。
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