産休明け会計士のホンネ
働き方改革や多様性・インクルージョンといった言葉が昨今のビジネス環境で注目を集めている。仕事の優先順位は人生においてどれくらい高いものなのか。それは人によって異なるし、同じ人でも時期によって異なるだろう。特に出産というイベントを迎える人にとっては、一時的ながら出産や育児を優先させたいという思いが尽きないはずだ。復職して間もない長谷さんの話を伺った。
プロフィール
長谷 香織(仮名)30代女性
2010年公認会計士試験合格後、大手監査法人に入所。国内大手企業の監査チームとして6年間業務に従事したのち、退職して中堅規模のソフトウェア開発会社に転職、経理部に配属。2020年より産休・育休を順次取得し、2021年春より復職。
大手監査法人は女性に優しい職場だった
眞山:長谷さんは今事業会社の経理職という立場でいらっしゃいますが、昨年から今年の初頭にかけて産休・育休をとられていましたよね。その辺の話を詳しくうかがう前に、まずは最初のキャリアについて教えてください。
長谷: 2010年に公認会計士試験に合格した時点で、大学卒業直後だったので、私にとってのファーストキャリアは合格後の大手監査法人でした。監査業務を主に行っていました。あらかじめ説明しておくと、主人とは監査法人に就職する前から交際をしていました。
眞山:監査法人は、女性にとってどんな職場だと思いますか?
長谷:個人的な感想に過ぎないですが、あくまで同じ会計士という土俵で仕事をするという意味で対等に扱ってくれる面もありながら、女性だからということで体力のいる仕事を避けてくれたりといった配慮もあり、とても働きやすい環境だと思っています。もちろん繁忙期は残業もありましたが、育児をしている方は早く帰れていましたし、そういう意味でワークライフバランスの達成は容易かな、という風に思います。
眞山:ご結婚されたのは監査法人にお勤めの間だったんですよね?
長谷:そうですね。お互い修了考査も終わって無事公認会計士になったことだし、身を固めようということになって結婚しました。主人も同じ監査法人の職員だったので、披露宴のほとんどが同じ職場の人たちが列席しているような状態でした(笑)。
より気軽なキャリアを求めて、事業会社へ
眞山:ちょっと意地悪な質問だったら申し訳ないのですが、女性に優しい職場であるという印象をもっていた監査法人を、あえてやめたのは何か思いがあったんでしょうか?
長谷:やはり、監査法人はプロフェッショナル集団なんだな、ということですかね。どういうことかというと、同じ職場で、同じ会計士という土俵で戦う以上、キャリアアップを常に志向していないといけない、ってところです。でも、自分は子どもを産んで育てるということをしたいと思っていたし、仕事はその合間でやれるほうがありがたかったんです。複線型のキャリアを用意してくれているという話ではありましたが、正直、その職場での周囲の理解を得られなさそう…というか、理解をしてくれる人がごくわずかだとすると、そのわずかな人の我慢で私の人生が支えられてしまうことになって、それは嫌だなという思いがありました。
眞山:今の職場に転職する際もそのような点は意識されていましたか?
長谷:はい、まさにそこを中心に仕事探しをしていました。会計士という資格というかスペックがあると、転職市場では比較的ハイクラスな求人のほうが多いのですが、単価はそこそこで、時短勤務や週3回くらいの働き方ができる場所を探してみたら、ちょうどいいところが見つかったので、お世話になることにしました。その時すでに子どもをもうけたいという気持ちは固まっていたので、もし妊娠したら…という話もしてもらったうえで入社したので、いろいろな意味で安心でした。
眞山:面接の段階で妊娠の可能性の話をしたんですか?かなり勇気がいるように思いますが。
長谷:そうですね。でも青臭いことを言うとそこに勇気が必要な時点で、日本の社会はまだまだ成熟していないんじゃないか、という気持ちはあります。私は私で、転職を済ませておいてちゃっかり産休とるのは後ろめたい気持ちがあったし、それならちゃんと腹蔵なく話して、ダメならダメで仕方ない、という気持ちでした。もちろん、そういう強気な相談ができたのも公認会計士の資格があったからで、そうじゃなかったら大変だったのかもしれないですけど。
体制を整えたうえで産休入り、そして
眞山:でも、あらかじめその点のコンセンサスを得られていると、転職した後はある程度楽なのかもしれませんね。
長谷:そうですね。私の入った会社はそこまで大きい規模ではないので、面接してくれた社長が、同僚にちゃんと説明をしてくれていたことも大きかったです。大企業だったら多分そういうコンセンサスは取れなかった気もします。…ただ、規模が小さい分私の受け持ち範囲もある程度広いというのも確かでした。だから、できるだけ自分の担当業務が属人化しないように、仕組化させながら仕事をするようにしました。
眞山:これから規模を広げようという会社にとって、そういう体制の整備はすごく必要なことですよね。これから産休にはいろうという長谷さんがそれを率先してやっているというのは、すごいことだなぁと思います。でも、それだと復職した時に自分の仕事がない、みたいなことにはならないですか?
長谷:あはは、確かに(笑)。でも、実は復職後に、同僚が妊娠していることがわかって。いずれ彼女も産休に入るので、私が戻って、代わりに彼女が休んで…という感じです。自分のおかげで、というつもりは毛頭ないですが、産休しても大丈夫だよ、復職した後も大丈夫だよ…という風土を、自分の部署で作り上げられたことはとてもうれしかったですね。
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