保険のセールスをする公認会計士~意外と多い営業職への転職

一見意外なことだが、公認会計士のキャリアパスの中で時折みられるのが、フルコミッションへの営業職への転向である。安定したイメージが強く、バックオフィス業務に関連する専門性をもつ公認会計士が、その真逆ともいえる職種をなぜ選択するのか。大手監査法人を出て保険業界に飛び込んだ恩田さんの話を聞いた。
プロフィール
恩田 義春(仮名)30代男性 公認会計士
公認会計士試験に合格後、大手監査法人にて主に小売業界の監査業務に従事。その間うつ症状に苦しみながらも、修了試験の合格と同時期に退職、独立。現在、外資系大手保険会社のライフプランナーとして、主にバックオフィス業務に従事するビジネスパーソンに保険商品を販売している。
大手監査法人に就職するも、うつ症状に
眞山:恩田さんは保険のセールスという仕事についていらっしゃいますが、公認会計士でその仕事をしている人を見かけることがたまにあります。
恩田(敬称略):はい、私にも知り合いが何人かいます。私はまだまだこれからですが、中には素晴らしい実績を挙げて表彰されているような人もいます。
眞山:そもそも、公認会計士の方が実力社会の営業職に転向するのって、かなり思い切った判断だと思うのですが、恩田さんはどのようなきっかけで今のお仕事にたどり着いたのでしょうか?
恩田:先ほど挙げたような公認会計士の同業者の方たちは、資格を取ることに対して収入の安定性を求めていたわけではなく、社会的なステータスを求めていたことが多いのではないかと思います。その上で、実力次第で高収入を得られる保険の業界に飛び込んでいるので、モチベーションも高いですし仕事もイキイキとこなしています。一方で自分はもっとネガティブなきっかけで今の仕事を選びました。
というのは、実は私は公認会計士試験に合格してすぐにうつ症状になってしまったのです。就職してみてわかるのですが、監査法人の仕事は、コミュニケーション能力がかなり求められます。会計や監査の知識はあって当たり前で、その上でクライアントや上司とどう意思疎通を図るか?という点で、自分はそのあたりのことが非常に苦手だったのです。
案の定、壁にぶつかる
眞山:それはとても気の毒ですね。うつ症状になったことがきっかけで転職をすることになったということですが、数ある業務の中で保険の営業職を選ばれたのはどういった理由からでしょうか?
恩田:結局、監査法人には3年少々、つまり修了考査が終わるまで在籍していました。ずっと不安定だった自分を支えてくれた当時の同僚の方々には本当に感謝しています。新しい職場を選ぶにあたって、誰かの身近な相談相手になれる仕事にしようと考えました。会計士や税理士ですとそれが「経営者」や「経理担当者」なのでしょうけど、キャリアが浅い僕にとって、それはまだ難しいな、と思い、色々な立場で働いている人たちのお金に関する相談を受け付けられるようになろうという思いで、保険の営業職を選択しました。
眞山:もともとコミュニケーションに悩みを抱えていた恩田さんにとっては思い切った選択だったのではないかと思うのですが。
恩田:それは本当にその通りで、事実最初のうちは全く業績が上がらず非常に苦労しました。自分でアポイントを取るところから、クロージングまで一人でやるわけですから、まさに営業職はコミュニケーションの塊です。それでも辞めずに続けられたのは、今の職場の面倒見の良さと、自分のマイペースを許してくれる風土があったと思います。
面倒見の良さというのは意外に聞こえるかもしれませんが、特に入社当初は丁寧に研修をしてくれますし、支店長の方が親身に相談にも乗ってくれました。もちろんそれは、私自身が業績を上げることが支店長にとってもプラスになるから、という理由はあるのですが、あくまでもフルコミッションの営業なので、業績を挙げられなければ給料…つまり視点から見たコストは極端に下がる。そういう意味で、私の成長が遅いことに不満がそれほど出ない組織でもあったと思います。いわゆるノルマを課せられて、その達成に向けて厳しい突き上げをくらうようなことはありませんでした。
あるときから、集客の手段としてお金のことや会社の数字に関する勉強会を開くようにしました。得意領域なので、これなら自分にも話せそうだと思ったのです。しばらく続けていると、経理の仕事をしている方などが少しずつ勉強会に参加してくださるようになって、そこから営業成果がぽつぽつと上がりだしました。
資格はおまけでしかない
眞山:恩田さんの凄いところは、投げ出さないことですね。
恩田:そう言ってくださると嬉しいです。実際のところ、私が商談させていただくお相手は、「営業の人のトークがどうも苦手」という方々が多いのです。試行錯誤しながら自分のスタイルを持つことができたことで、そういう顧客層に結果的にアプローチできるようになりました。
眞山:今の仕事に、公認会計士という資格はどう活きていますか?
恩田:先ほど話した勉強会を開くときには、当然会計士としての知見を活用することができていますが、実は大きいのは集客のしやすさだと思っています。「保険の営業マンが語る数字の話」ではなく「公認会計士が語る」と銘打つことができるから、その分警戒心を持たれずに済む。実際その勉強会ではしつこい勧誘をするわけではなくて、十分に人間関係をつくることを重視しているので、「保険?興味ない」ときっぱり言ってくれる人も中にはいますが、そういう人も公認会計士としての自分に意義を見出してくれて、間接的ではありますが勉強会に知り合いを呼んでくれたり、それが結果的に業績につながることになったり、と言うことはあります。
私が一つ言えることは、公認会計士であることは目的ではなく手段に過ぎないということです。それ自体が仕事なのではなく、仕事をするためのオマケ的なものだといっても良いです。監査法人で行われる業務はいわゆる1項業務、つまり会計士や監査法人でなければ出来ない仕事とされるわけですが、すべての会計士がその仕事をするために存在しているわけではなく、あくまでも職業選択の自由は自分にある。そう考えると自分のキャリアをもっと広い視野で見ることができるのではないかと思います。
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