<公認会計士 特別インタビュー>地域に貢献したいという思い
新型コロナウイルス感染症の影響で、地方移住を検討する人も少なくないだろう。テレワークという言葉もすっかり定着し、私たちがオフィスに日々通勤する必要も、そのために東京近郊に住まいを構える必要も徐々に薄れてきている。コロナ禍が訪れるずっと前から地方勤務という選択をし、地域に密着した仕事を続けている森田さんに、今後の展望とキャリアを伺った。
プロフィール
森田 治郎(仮名)40代男性 公認会計士
国立大学の大学院を経て、国内大手メーカーにて技術者として都市インフラ構築の事業に従事したのち、退職して公認会計士第二次試験(当時)に合格し、大手監査法人の地方事務所に入所。国内企業監査やシステム監査業務に8年間従事した経験を踏まえ、独立。現在、自身の会計事務所にて税務業務に加え業務効率化のコンサルティングなどを手掛ける。
都内大手メーカーから転身
眞山:森田さんはもともと、東京都内の一流企業にお勤めだったんですよね。
森田(敬称略):そうですね…と自分でいうのも恥ずかしいですが、いわゆる典型的な大企業にいました。そこでインフラ系の技術職をしていました。
眞山:公認会計士になろうと思ったきっかけを教えてください。
森田:もともと、ペーパーテストばかり得意で、親に言われるままにいい成績をとって良い大学に入りました。その時も得意な理数系の知識を活かして工学部に入ったのですが、そのままなんとなく楽しそうな研究室に入り、そのまま修士課程まで終えて、同じようなことを仕事にできる企業に無事内定をもらった…というような、ビジョンのない人生だったんですよね。やがて結婚して子供ができたときに、そんな人生を子どもに対して自慢できるか?ということをふと疑問に思ってしまって。一度でいいから自分で決めた道を歩こうと思って、資格を取ることにしました。ペーパーテストは得意なので、そういう取り柄を活かす意味でも良いかな、と思って。
眞山:その後のキャリアがとても興味深いのですが、敢えて監査法人の地方事務所に就職を決められましたよね?
森田:資格を取って転職したいということを妻に相談した時に「じゃあウチの実家に引っ越そう」という交換条件を持ち出されたから…です(笑)。妻の実家はいわゆる地元の名家と呼ばれるようなところで、士業をやるのであれば決してマイナスにはならないよ、という提案もあり、自分にとっては縁もゆかりもない土地なのですが、もともと大企業に辞表をたたきつけたのも自分だし、せっかくなら東京からも出ていってしまおう、と決めました。
新天地での地域貢献
眞山:監査法人で8年ほど修行をしたのち、独立開業されたわけですが、今はどういった仕事をしていますか?
森田:肩書を言うと会計事務所の所長なのですが、今は、地元の中小企業に対して働き方改革を支援するような仕事が多いです。修業期間中に、監査のIT化の流れが急速に進んでいました。たまたまそっちの知識が豊富だった自分は、地方事務所から出張する形で東京事務所のIT部門に腰かけ的に所属させてもらうことになりまして、自分のアイデンティティとして会計とITの掛け算はちょうどいいぞ、と。しかもそれを地元のために活かせるのであれば、オンリーワンの立場にもなれるかもしれない。そう思っていたら昨今の働き方改革のブームや、コロナ禍によるテレワークの波がやってきて、今大忙しといったところです。
眞山:森田さんから見て、地方都市の働き方は、今どのような状況になっていますか?
森田:地方都市にもいろいろなレベルがありますが、私がいる街は政令指定都市ではない中核市なので、公共交通機関を使った通勤をする人と、マイカー通勤する人とがそもそも半々くらいなんですよね。いわゆる通勤ラッシュというものとも無縁な地域ということもあり、また、東京ほどは感染者が多く出ていないということもあり、ぱっと見ではあまり変化はありません。しかし、変化がないもう一つの事情に実は通信環境があると思っています。いい機会だからテレワークを導入したいが、意外とWi-Fiが使えないエリアが点在していて、出勤しないと仕事にならない人がいます。
眞山:そんな中で、森田さんが推し進めようとしている働き方改革にはどんなものがありますか?
森田:簡単に言うとメールやチャットで仕事を完結させることができるような業務フローづくりです。オンラインでカメラを見ながら会議をするような仕組みだと通信容量が足りなくなってくる人が出てくるので、文字ベースのコミュニケーションでも事足りるようにしていくわけです。結果として無駄な会議を減らすことになりました。働き方改革というとRPAやらAIといったテクノロジーの力を借りてごり押しするような内容のものが多いのですが、ローテクだけで完結するように仕事の流れをきれいにすることが、実は私のいるような地方都市ではとても大事な観点になるかな…という気がします。
「調べればわかる」レベルはプロじゃない
眞山:面白くて色々聞いてみたいのですが、ちょっとキャリアの話からそれつつあるので本筋に戻します。森田さんの観点自体とてもユニークだと感じたのですが、そういった観点を持てるようになったのは、何か秘密がありそうですか?
森田:うーん、どうでしょう。やはり一つ一つのクライアントに対して真摯に向き合うことが大事だと思います。働き方改革にしても自動化にしても、色々な答えがネットを調べれば出てくるんですが、それを杓子定規に当てはめてうまくいくようなら私たちの存在意義はないわけです。会社から見て外様の私たちがしっかりと価値を出すには、クライアントの考えていること、直面していることを、会社の皆さんの視点に立って考えることを地道に積み重ねることじゃないかと思うんですよね。
もう一つ言うとすれば、ゼロベース思考ですね。そもそも東京から離れよう、という自分の決断にも通じるのですが、「これって本当に必要?」「この手続きってなんであるの?」ということをイチから疑う姿勢は、一流のコンサルティングファームにいる人の専売特許ではなく、むしろ私のような地域貢献型の専門家にこそ求められるんじゃないかという気がします。
眞山:面白い話をたくさん聞かせていただきありがとうございます。最後に、今後の森田さんの展望をお聞かせください。
森田:これから、地方はますます面白くなってくると思います。高度なテクノロジーに依存しなくても働き方改革ができるとなれば、働く人にとってはより安い物価で快適な生活が手に入り、経営者にとっては高いテナント料やシステムのランニングコストをかけずに、残業代を減らしたり労働法上のリスクを減らすことができる。そういう流れをとらまえて、地元の企業をより積極的に支援していきたいと思います。
※記事内容などは取材時のものになります。
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