30代女性公認会計士に聞く会計士に必要な「コミュニケーション能力」とは

公認会計士は内向的でコミュニケーション下手が多い。残念ながらそういうイメージを持っている方が少なくないだろう。しかしOさんは若手時代からコミュニケーション能力に長けており、その強みをIRという分野で発揮している。公認会計士のイメージを良い意味で覆してくれる彼女の話に、耳を傾けてほしい。
プロフィール
Oさん 30代女性 公認会計士
大手監査法人で国内監査業務及びリファード業務(海外監査法人から受託する監査業務のこと)に従事。その後、国内製造業に転職し、財務部外国為替担当になるも、すぐに再転職。現在、ヘルスケア業界の上場企業にてIR担当者として研鑽を積んでいる。いわゆる「ダム女」で、国内の色々なダムをめぐるのが趣味。若手だから聞けること
眞山:最初の質問がこれでいいのか?と思うのですが、Oさんはとても話しやすい人ですよね。今までも何度か転職を経験されているわけですが、新しい職場に溶け込むのも得意そうです。何かコツがあるんですか?
O(敬称略):いきなりそこですか(笑)。私が気を付けているのは、自分の立場を活かすことです。眞山さんって新人の頃、クライアントさんに質問するのに緊張しませんでしたか?
眞山:もちろん緊張しましたよ。最初のインタビューの時なんか、内線電話の受話器を持ち上げるために10分ぐらい心の準備をしてました(実話です)。
O:あはは(笑)。そう、新人の時って、何も知らないと思われるのが怖いんですよね。でも、逆に新人であることを利用してやれ!と思うと、「私は何も知らない。だから質問してるんです」っていう気持ちになれる。
プロだからクライアントに不見識を露呈してはいけない、という面はあるのかもしれないけど、自分はそれなりに努力をして公認会計士の試験をパスしているんだし、それでも知らないことがあるのだったら、それはもう仕方ないじゃないですか。
眞山:ふだんしっかり努力を積み重ねていることが、コミュニケーションの安心材料になっているということですね。
O:そういう面もあります。ただ真逆の面もあるといえばある。私は2007年に合格したんですけど、当時は合格者数がすごく多くて。自分が「先生」と呼ばれる立場という自覚すら持ってなかったので、そもそもプロだという気持ちもそれほど強くなくて、それが怖いものなさにつながってた、ってことはあったかもしれません。
監査法人⇒財務部⇒IR担当というキャリア
眞山:本題に入るのが遅くなりましたが、Oさんのキャリアのことを教えてください。試験に合格してからはどんな仕事をしていましたか?
O:大手監査法人に就職してからは、製造業と流通業を中心に監査をしていました。自分で言うのも変ですが、上司から人気がありました(笑)。
なぜかというと、今話したようなコミュニケーションができると、結果として仕事が早く進むんです。監査の仕事って、「クライアントからの資料待ち」で少しずつタスクが渋滞していくことが多いじゃないですか?
眞山:そうですね。資料をうまく提出してもらうことも大事なスキルの一つです。
O:そうなんです。怖いものなしだからどんどん電話かけて資料をもらっていたので、結果として仕事が早かった。で、自分の中でそれが強みだと分かると、もっとそれを工夫したくなって、クライアントに負担のかからない電話のかけ時っていつなんだろう?とか考えるようになって、コミュニケーション上手であることに磨きがかかっていくわけです。
眞山:すごく面白いですね。コミュニケーションが得意なOさんは、監査法人にとってとても貴重で得難い人材に思えるのですが、転職しようと思ったのはどうしてなんでしょうか?
O:やはり、超えられない壁があったというか。どうしても、監査人は監査人で、会社の人にはなれないんだな…と思い知らされた時があったんです。
何かというと、クライアントの決算後の打ち上げです。クライアントから誘っていただけたので、私たちも会費を払って参加してたんですけど、経理部の皆さんの話を聞いていると、苦労を分かち合えるのはあくまで会社の人同士であって、ここに会計士がいることの「ありがたみ」とか、会計士との「仲間意識」はないんだな…と話を聞いていてさみしく思ってしまいました。
もちろん監査法人にいれば、それだけたくさんのクライアントと触れ合えるという魅力はあるのだけど、自分はそうではなくもっと深い人間関係を一つの会社で構築してみたいな、と思うようになってきて、それで転職することにしました。
眞山:コミュニケーションに長けているからこそ、距離感を覚えてしまったと。それで転職をしたということですが、最初の転職先はすぐに辞めてしまわれたんですよね?
O:そうなんです。財務の仕事をしていて、その中でも外国為替に関係する仕事をしていたんですけど、コミュニケーションが多い仕事じゃなかったからか、長続きはしなかったですね。やっぱりコミュニケーション能力を発揮できる仕事をしたいと思って…。
会計とコミュニケーションの組み合わせというと、眞山さんみたいな講師業とかも思い浮かぶわけですけど、実は私はそんなに目立つのが好きではなくて(笑)。
で、あとは何かなーと思ったら、IRでした。求人サイトでIR担当者を募集しているのを見つけて、それで転職したのです。
自分のコミュニケーションが、企業価値を変えるかも
眞山:一貫してコミュニケーション能力というフィールドで戦っているんですね。IR担当者になってから、どんな風に強みを発揮していらっしゃるんですか?
O:経理部の人を始めとした社内の人とのやり取りは、もともと監査をやっていたからすんなりできたのですけど、結構大変だったのが投資家からの質問に答えるときですね。資料をリリースすると、機関投資家の人から電話が来て、詳しい話を聞かせてくれ、とか、決算発表の中身をみて「どうしてこうなったの?」とか。
私が下手な答えをすると、それだけで株価が下がりそうなプレッシャーがあって最初は緊張したのですが、実は慣れてくると電話がかかってくる相手もある程度パターン化されてきて、だんだん電話口で仲良くなったりして(笑)。自分はそういう風に人と打ち解けるのが大好きなので、それが結果として企業価値を支えているのかも?と思うと、今の仕事はもしかしたら天職なんじゃないかと思ったりします。
眞山:天職に出会うのって、なかなかできることではないと思うのですが、今転職しようと考えている人に何かアドバイスすることがあるとしたら、なんでしょうか?
O:求人情報には「天職です」なんて書いてない!ってことです。自分の内側のやりたいことをしっかり見つめて初めて、それを発揮できる職場に出会うことができると思うので、求人情報の中身と同じくらい、自分の中身にも意識を向けてほしいと思います。
※記事内容などは取材時のものになります。
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