東海エリアの中心地である愛知県には、トヨタ自動車をはじめとした多くの大手企業があります。そんな愛知県で勤務する公認会計士は、どのような職場で働いているのでしょうか。公認会計士や会計事務所の数などのデータを基に、公認会計士の業界事情を探ってみましょう。

公認会計士が加盟している日本公認会計士協会によると、2019年9月末時点で東海地方に登録している公認会計士の数は2,096人となっています（日本公認会計士協会「会員等数調」）。また愛知県に限ってみると、登録している公認会計士の数は2018年12月末現在で1,485人となっており（日本公認会計士協会「会員等数調」県別・年齢構成別会員数）、東京都、大阪府、神奈川県に次いで全国トップクラスの人数となっています。

愛知県の会計事務所・税理士事務所を合わせた事業所の数を見ると、2016年6月時点で2,189所となっています（総務省「平成28年経済センサス－活動調査（事業所に関する集計 産業別集計 サービス関連産業Bに関する集計）」）。会計事務所や税理士事務所は、少数精鋭の事務所から大規模な大手事務所までさまざまな規模や形態のものがあり、自分の希望や目的に合わせて転職先を選べる環境となっています。
また、大手監査法人やコンサルティングファームなども名古屋を中心に事務所を構えており、職種も多彩なエリアといえます。

中部地方の経済中心地である愛知県は、「トヨタの企業城下町」として知られる豊田市をはじめ、JR東海やデンソーなどの大手企業がいくつもあり、親会社を頂点としたグループ企業や下請け企業も数多く存在しています。
そのため、公認会計士の求人も充実した地域といえるでしょう。公認会計士にとってクライアントとなる事業所を詳しく見てみると、愛知県内に事業所数は32万2,820所あり、東京都や大阪府に次ぐ全国屈指の数となっています（総務省「平成28年経済センサス－活動調査（確報）」）。

東京都や大阪府に次ぐ商業圏として発展している愛知県で、公認会計士はどのような職場で活躍しているのでしょうか。年収や求人事情、業務環境などをチェックしてみましょう。

愛知県内には、世界でビジネスを展開する企業も多くあり、公認会計士にも高いスキルや経験などが求められる傾向があります。その分、公認会計士・税理士の平均年収はおよそ851万円（厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」2019年6月時点）と、全国でもトップクラスの高収入となっています。

愛知県を本社とする有限責任監査法人はないものの、BIG4監査法人がすべて名古屋市に事務所を構えており、こうした監査法人が勤務先としても人気です。大手企業の監査業務をはじめ、ベンチャー企業の支援なども積極的に行っているため、IPO（新規上場）やM&Aの支援といった職種に対するニーズもあります。
幅広いスキルを磨ける業務も多く、公認会計士にとってはチャレンジングな転職を成功させるチャンスが豊富に用意されています。公認会計士の知識や経験を活かした経営戦略や財務・会計系のコンサルティングファームの求人や、一般事業会社での組織内会計士の求人など、監査法人以外の業種・職種の求人活動も活発です。

多種多様な企業が存在する東京都や、インバウンド景気に沸く大阪府に比べると、愛知県の公認会計士のクライアントは、大企業と傘下グループ会社、下請け会社が多いことが最大の特徴です。また、2019年には中部国際空港セントレアに新ターミナルがオープンするなど、国際都市としてさらなる発展が期待され、インバウンド需要も見込まれて、公認会計士の活躍の場がさらに増えると予想されます。

愛知県では名古屋をはじめ、大都市圏に大企業の拠点が集中しています。名古屋は東京都と大阪府の中間地点としてさまざまなビジネスの案件が進んでおり、経済が活発に動く中で公認会計士として実力を磨くことができます。
また、交通機関も発達していることから、三重県、岐阜県、静岡県など、近隣県からの通勤も十分に可能です。昼間は都市部でバリバリ働き、週末は趣味を楽しむといったライフスタイルには理想的なエリアといえそうです。あるいは、都市部で多彩な業務に携わってスキルアップしていくか、地方で自分のライフスタイルに合わせた働き方をするか、希望に合わせて選ぶことができるのも大きな魅力でしょう。
どのような求人があるのか、エリア別の求人特集ページでぜひチェックしてみてください。