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クライアントの立場に立って会計士としての専門性を発揮する

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インタビュー
クライアントの立場に立って会計士としての専門性を発揮する
小林崇志

小林崇志

株式会社ビジネスブレイン太田昭和 コンサルティング本部CPA室
マネージャー 公認会計士

大学在学中に公認会計士試験に合格し、卒業後大手監査法人にて監査業務に携わる。20代後半に事業会社に転職し経営企画として勤務。30代前半に2度目の転職をし株式会社ビジネスブレイン太田昭和に入社、現在に至る。入社後は会計コンサルタント、ITコンサルタントとしてプロジェクトを遂行。会計に加えて企業の業務、システムに精通する会計士として業務に当たっている。
株式会社ビジネスブレイン太田昭和 http://www.bbs.co.jp/

クライアントの立場に立って会計士としての専門性を発揮する

 

私は大学卒業後、まずは会計士としての基礎を学ぶため監査をやりたいという思いから大手監査法人に入社し、大手企業の会計監査や内部統制監査などを行ってきました。しかし、監査を続けているうちに、「経営者の目線で数値を検証するべき」という監査人として持つべき視点を監査法人の中で身に付けることへの限界を感じたことから事業会社へと転職し、経営企画室にて経営者の直下で業務に携わってきました。
監査法人時代は、当然ですが会計士として高度な会計の専門知識が求められました。

一方、事業会社では専門的な会計の知識、特に制度会計に関する知識を使うことはほとんどなく、どのように会計数値をとらえて、利用し、作っていくかということが求められました。事業会社在籍期間中は、自社の社長以外にも、大小様々な規模の様々な業種の経営者の方と、一ビジネスマンとして会話をする機会に多く恵まれました。

その中で感じたことが3つありました。それは①経営者であっても監査以外の場で会計士に会うことは珍しいということ、②業績のいい会社であっても経営数値を適切に理解し戦略的に会社運営すること自体に課題を持っていること、③自社内で作成されている会計数値自体に改善の余地が多々あるものの、改善の方法について答えを出せていない会社が多いこと。

その時私は、ここに会計士として経営者の目線で仕事をしていくということの種があるように感じました。同時に、経営企画では磨ききれなかった、会計士としての専門性を再度磨き直したいという思いも相俟って会計を専門とするコンサルティングファームへの転職を決意し、現在在籍している株式会社ビジネスブレイン太田昭和(以下、BBS)へと移りました。

         

コンサルティングファームを選択するに当たって

 
クライアントの立場に立って会計士としての専門性を発揮する

職種は会計コンサルタントと決めましたが、コンサルティングファームを選ぶに当たって、私には以下の基準がありました。
①会計士として経営数値を作る仕事ができること
②会計士としての専門性を十分に磨けること
③ワークライフバランスを崩さずに仕事ができること

まず①会計士として経営数値を作る仕事ができることについて。

BBSでの仕事は様々な分野がありますが、私が入社して従事した仕事としては、IFRS会計導入コンサルティング、IFRS連結BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)、IFRS連結会計システム導入コンサルティング、といったIFRS関連業務と、単体会計システム導入コンサルティング、単体会計業務改善コンサルティング、ITグランドデザインといったIT関連業務に大別されます。

IFRS関連業務は、いわゆるGAP分析やスケルトン有価証券報告書作成といった上流から、連結財務諸表作成のための業務構築、システム導入、有価証券報告書の作成といった下流までの各業務を経験しました。特に上流からコンサルティングをすることにより、IFRSの会計方針を選択するかということだけではなく、その選択により会社のKPIに与える影響を分析したり、管理会計手法を検討したりする等、経営数値をどのように作っていくのかといった観点で仕事をしていました。

IT関連業務では、実際にシステムを使ってどのように会社の経営数値を作るのか、どのように経営数値を出すことができるのかという観点で仕事をしました。監査法人時代に会社のKPIに関する資料を見たことがありましたが、EXCELで作成されたものでした。しかし、実際にその数値項目は、業務やITによる適切な情報のインプットがあってこそ実現されているものであることに、システム構築をする中で気付かされます。業務やシステムの様々な制約条件がある中で、より効率的なインプット方法を考えることに面白みのある仕事です。

監査法人時代は、経営数値として出来上がったKPIや財務諸表、会計帳簿を「見る」仕事でしたが、現在は実際に「作る」ことやその仕組みを構築することが仕事の根幹となっています。

次に②会計士としての専門性を十分に磨けることについて。

私が転職したBBSは昨年開業50周年を迎えた会社であり、長くお付き合いのある大企業から新興企業まで幅広いクライアントを持っています。
約500名の従業員のうち約2割がコンサルタント、残りの8割がSEやITコンサルタントという構成で、役員も含め30名ほどの会計士が在籍しています。

私は転職をする際、会計の専門性を高めるのであれば少なくとも会計士の多くいる環境を探そうと考えていました。しかし、ビッグ4系のコンサルティングファームならともかく、なかなかそういった条件が整っている会社は多くはありません。また、将来に向けて会計士として仕事を続けていくための武器となる専門スキルを身に着けたいとも考えていました。そこで、私が出会ったのが「IT」でした。

ちなみに、この「IT」という分野に抵抗のある会計士の方は多いのではないでしょうか。私も、監査法人時代に「IT」といったらIT統制くらいしか経験がありませんでしたし、ITというとよくわからない触れたくないものとすら思っていました。

しかし、実際にシステム導入(IT)コンサルティングの仕事をしてみると、会計士という職業がシステム導入という仕事に適正性が高いことに強い実感を得ることになりました。

システム導入コンサルティングとは、会計システム導入に当たって、各要件をクライアントからヒアリングし、その要件を業務・システムの両方の観点から実現する方法を検討する仕事です。通常、システム導入コンサルティングは経験の豊富なSEがすることが多く、会計士がこの仕事に従事することは珍しいというのがまだまだ世の中の実情だと思います。

しかし、システム導入の現場では、通常の業務であっても、正しい会計処理とは何なのかといったことや、近年の高度化した会計基準の要求を満たすためにはどういった情報が必要なのか、更に内部統制的にはどのような要件が要求されるのかなど、クライアントもコンサルタントも手探りで結論を探しながら、進めていることが多いです。

この点、会計を専門とする会計士であれば山積する会計や内部統制といった課題に結論を出すことはそれほど難しいことではなく高い適正があると感じています。

とはいえ、もちろん初めてシステム導入コンサルティングの仕事をした際は、わからないことが多くあり困ることが多かったのも事実です。しかし、その点は社内の会計士に相談をしながら業務を進めていくことで解消し、段々とスキルが磨かれてきている実感を得ています。

最後に③ワークライフバランスを崩さずに仕事ができることについて。

コンサルティングファームというとまずは、「激務」を想像する人が多いのではないでしょうか。実際他のコンサルファームにいる会計士の方たちに話を聞くと、監査法人と同じかそれ以上に忙しいということをよく耳にします。

世間はすっかりイクメンブームで、男性が育児参加をすることも当たり前の世の中になってきています。20代後半や30代の男性は、男性が育児をして当然と感じる人も多いかとは思います。しかし、激務の中に身を置いていたら普通の家庭生活を送ることもままならなくなってしまいます。
私も30代になって家族構成が変わったため、転職先を選ぶに当たってはワークライフバランスも1つの重点ポイントとしていました。

実際転職して、どのプロジェクトも残業を前提として回すことがないように配慮してマネジメントがされており、それでも問題がないようなクライアントとの関係性が築かれていることを感じています。また、朝の園への送りや、子供が風邪を引いたときの早退、園での平日のイベント参加等にも周囲の理解が得られており、とても働きやすい環境です。

飲み会の設定が18時からで、スタートから全員集まっているのが普通、というのはコンサルティングファームとしては珍しいのではないでしょうか。

           

今後の目標

 
クライアントの立場に立って会計士としての専門性を発揮する
   

営業からシステム構築、導入にいたるまで、すべてできるようになること。そして、マネジメント層に対して、最適な答えを提供できるようになること。それがいまの私の目標です。そのためにも、社内に蓄積された豊富なノウハウを自分の中に取り入れて、いつでも最良の提案ができるように努めています。また、システム関連のプロジェクトやグローバル企業の会計プロジェクトにも積極的に参加して、システム知識、語学力の強化も図っていきたいと思っています。

                  

コンサルティングファームで会計士として働くに当たって

     

コンサルティングファームで会計士として働くに当たって私が意識していることは、どこまでクライアントの立場になって仕事ができるのかということです。

コンサルティングファームの会計士は企業の内部者になり得ますが、監査法人の会計士は常に企業の外部者です。会計士として仕事をするに当たって、この「外部者」から「内部者」へと立ち位置を切り替えられるか否かが大きくコンサルティングの質に影響を与えると私は考えています。
そのため、私はクライアントにコンサルティングをするに当たって、クライアントの内部者として「実際に自分がその仕事をするのであれば」という視点で判断することを心がけています。

コンサルティングファームに仕事を依頼するクライアントは、必ず自社だけでは解決できない問題を抱えています。しかし、その問題に外部者として関与してしまうと、あくまで問題解決の手法を伝えるだけとなってしまい、それを実際に実務の中で実行するという視点が欠如してしまいます。実務を実行するのは、多くは一般の従業員の方であり、コンサルタントから与えられた高度な問題解決手法のみでは、実務で実行できるレベルに落とすところまでに更なる手間が発生し、結果的にコンサルティングを受けても実務に適用できなかったということが起こり得るのです。実際、私も他のコンサルファームが作成した会計マニュアルでは実務に耐えられる仕訳をきることができないから、グループ各社の経理部員が実務に落とし込むことができる仕組みを構築してほしいという依頼を受けたことがあります。

監査法人にいると周りは全員会計士なので気付き辛いかもしれませんが、監査法人出身の会計士の制度会計や内部統制の知見は世間では突出して高いです。おそらく、会計や内部統制のプロジェクトでも、特に知識を問われるプロジェクトに関与する場合には、十分にその価値を発揮することが可能だと思います。

また、監査法人では「自ら判断すること」はしてはいけないことであったとは思いますが、コンサルティングファームではその制約は一切ありません。可能な限りクライアントの立場になってコンサルティングができれば、高度な会計の専門性を持つ会計士はコンサルティングファームでも活躍することが必ずできると私は思います。

                                   

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