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論文式試験の今年の傾向 振り返り【後編】
2016/10/21
コラム
論文式試験の今年の傾向 振り返り【後編】

8月19~21日の3日間で行われた平成28年公認会計士試験「論文式試験」。
「後編」では「企業法」「経営学・経済学」「民法・統計学」の振り返りを行います。「監査論」「租税法」「会計学」は「前編」に記載してあるので、見逃した方はぜひチェックしてみてください。

企業法

「企業法」は例年通りの出題範囲・ボリュームでしたが、「新たな出題形式」も見られました。たとえば、第1問・問題1の「どのような定めをする必要があるか」という形式。過去には「説明しなさい」「論じなさい」という形式でした。

第1問は「種類株式」に関する問題でした。種類株式は昨年7月に「AA型種類株式」を発行したことでもニュースになりました。この問題は趣旨の説明が求められているわけではないので、何を書いたらよいのか悩んだ受験生が多かったかもしれません。

ただ、全般的に内容は基本的、かつ解きやすい問題が多かったので、しっかり勉強してきた受験生は多くの問題を解くことができたのではないでしょうか。合格ラインは第1問が15点前後、第2問が25点前後になると見られています。

来年度は、今回も傾向に変化があったように、変わった出題形式があるかもしれません。ただ、それを予測するのは難しいので、そこに意識を向けるよりも典型的な論点問題を1問でも多く解くことに集中したほうが有意義な時間になるでしょう。

経営学・経済学

「経営学」は例年通りの出題形式でした。第1問が組織論と戦略論で、第2問がファイナンス理論という出題には変化がありません。特に第1問は基本からの出題が多かったので、手応えを感じられた受験生も多かったのではないでしょうか。

今回の試験は「基本をいかにしっかりと解き、できる問題を落とさなかったか」というところが合否の境目になるかもしれません。

問題を見てみると、今年8月に「日韓通貨スワップ協定再開」の議論がはじまったことで注目を集めた「通貨スワップ」に関する出題がありました。特に問題4の問1は基本的な内容だったので、ここは落とさずに取りたいところです。

「経済学」は出題範囲・ボリュームともに昨年と同等の試験でした。難易度にも大きな変化は見られません。そのため、落ち着いて解答ができた受験生が多かったのではないでしょうか。

昨年と比べると出題傾向に変わりはありませんが、2年前と比べると出題数は減少しています。また、基本的な内容の問題が多いものの、「出題範囲が広い」傾向にあるため、来年の受験を考えている人は幅広く基本をおさえることを意識したほうがよいでしょう。

民法・統計学

「民法」は過去問で出たことのある論点がいくつか出題されたので、勉強を続けてきた受験生にとっては良い試験だったといえるでしょう。ただ、ボリュームは例年通り非常に多く、また解答に工夫を要する問題もあったため、全てを解き切れなかった受験者も少なくないと思います。

第5問の問題1の問1、第6問の問題1で、しっかりと得点を確保し、その他の難関問題でいかに点数を積み上げられるかが合否を分けると見られています。素点レベルで40%は得点していると合格ラインに乗るかもしれません。

「統計学」のボリュームは例年通りで、過去問と類似した問題が出題されたので、リラックスして解けた受験生が多かったのではないでしょうか。そのため、基本問題を落とさずに確実に得点することが合格へ近づくポイントといえるでしょう。

来年度の受験を考えている方は出題範囲の傾向に注目してください。最近は回帰モデルの推定や確率分布の特性などから多く出題されています。そのため、この分野の基礎を押さえつつ、範囲を徐々に広げていくという勉強法が効果的と考えられます。

以上で平成28年公認会計士試験「論文式試験」の振り返りを終了します。
試験が終わって約1カ月が経過しますが、すでに来年の受験勉強をはじめている人達もいると思います。今回の「攻略ポイント」をチェックしたうえで準備を進めていきましょう。

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