何を追いかけてキャリアを積むのか
これまで多くの方のインタビューを手掛けてきた結果、私は公認会計士を目指す人のモチベーションには、大きく3種類あると思っている。一つは収入の高位安定という、国家資格を目指す典型的なイメージがあるだろう。が、公認会計士に限っては、単なる安定性だけでなく、もう一つのモチベーションとして上場やM&Aといった一獲千金の可能性に見せられる人もいる。そして3つ目のモチベーションが、公認会計士の使命そのものである国民経済の健全な発展に寄与したいという熱い思いではないだろうか。今回話を伺った七瀬さんは、年を重ねるにつれ、これらのモチベーションが少しずつ変わってきたのだという。
プロフィール
七瀬 直樹(仮名)40代男性 公認会計士
2008年に公認会計士試験に合格し、大手法人の地方事務所にて監査業務や各種コンサルティング業務に従事。大手上場エンタメ企業で経理・経営企画を所管する立場として数年間勤務したのち、独立。同時に経理業務を支援する企業を立ち上げ、地元企業を元気にするために日々尽力中。
生活水準を高めたくて会計士を目指す
眞山:七瀬さんは関東の地方都市にお住まいだったのですよね。会計士を目指されたきっかけを教えてください。
七瀬:地方都市っていうか、田舎ですよ(笑)。最初は普通に就職をして、その田舎から片道1時間半かけて東京まで出勤する生活をしていたのです。その長時間の通勤も苦痛だったし、その割に得られる収入が大して多くなかったことが嫌で、レベルアップしようと思って会計士を目指しました。当時はいわゆる大量合格時代ということもありまして、運よく1回で合格できました。
眞山:その後、大手監査法人の地方事務所に入られてますよね?それは先ほどおっしゃった長距離通勤を嫌ってのことですか?
七瀬:それもあります。ただ一番大きいのは自分の年齢ですね。一応、東京事務所の説明会にも行きましたが、そこにいた大学を出たて、あるいは大学在学中のキラキラした子たちと一緒にキャリアを積める気がしなくってですね(笑)。でも当時はまだ今みたいに中堅の監査法人が台頭していなかったし、それだったら地元で就職しようかな、と。所長が非常に気のいいおじさんで、面接して意気投合する感じで就職させてもらいました。ありがたいご縁ですね。
次第に更なる高みを目指すようになる
眞山:このインタビューでも実は地方出身の人が多めに登場するのですが、七瀬さんも同じなんですね。
七瀬:そうですね。地方事務所ってそれぞれ特徴があるんですけど、私がいたところは悪く言えば社会人経験を経てから会計士になったロートルばかり…良く言いなおせば、それぞれがしっかりしたバックボーンを持った専門家ばかりでした。だから非常に刺激を受けながら働いていました。
眞山:仕事内容としては、通常の監査業務に限られず、いろいろなことをやられていたんですか?
七瀬:まさにそうですね。監査やデューデリジェンスだけでなく、コンサルティングもしたし、リクルーターとして受験生をスカウトしたりもしていました。
眞山:なるほど。そんな楽しかった事務所を離れ、七瀬さんは転職をされるわけですが、どういった経緯があったのでしょうか?
七瀬:同じ事務所の同期が華々しく大手の証券会社に出戻り転職しまして…それがきっかけです。うっかり「年収増えるの?」と聞いてしまったら、「うん、けっこう増える」って言うんですよ(笑)。でも自分には彼みたいなバックボーンがないので、金融機関に入るのは無理だ…平凡な経理部門で、それでも高収入が見込めるところはないかな…と思って、転職しました(笑)。
そしてたどり着いた「本当にやりたかったこと」
眞山:めっちゃ正直じゃないですか(笑)。転職先はどんな会社だったのでしょうか?
七瀬:あまり明言するわけにいかないですが、広い意味でエンタメ系の会社でした。当時めちゃくちゃ儲かっていて、そのせいで経理部門の給与も多くて、最初のうちは嬉しかったのですが…だんだんと「これじゃない」感を覚えるようになりまして。
眞山:「これじゃない感」というと?
七瀬:大きく2つですね。ひとつには、自分にはこういう華々しい業界は似合わないという思いです。自分はかたくなにスーツを着ていきましたが、エンタメ系の会社なんでみんなすごくおしゃれな格好をしていて、ああ、自分無理だわ~、と(笑)。で、もう一つは、エンタメ系ならでは、なのかもしれませんが、交際費をはじめとした「会社のお金の使い方」が少し荒っぽいのを見て、興ざめした部分があったのです。その時に、自分って何がしたかったんだっけ?お金がそんなに欲しかったんだっけ?ということを一から考え直して、やっぱり地元に帰ろうという決断をしました。
眞山:目が覚めたわけですね。最終的には今ご自身で会計事務所を立ち上げているわけですが、具体的にはどんなお仕事をされているのですか?
七瀬:すごく地味ですが、地元の企業の資金繰りを改善するアドバイスをしたり、その前提として必要になる、経理などのバックオフィス部門のお手伝いをする会社を立ち上げてアウトソースを引き受けたり、といったものですね。また、独立してから税理士登録もしましたので、一般的な税務業務も担当させていただいています。
眞山:最後に自分の使命のようなものにたどり着いた感のある七瀬さんですが、ご自身のキャリアを振り返ってみて、今何か感じるものはありますか?
七瀬:恥ずかしい、というのが率直な感想ですね(笑)。でも、その恥ずかしい道程こそが自分のキャリアなんだと思いますし、今、ここにたどり着けたのはこれまで出会った人や、出会った仕事のおかげなんだと改めて感謝したい気持ちです。
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