――木村さんにお話を伺っていると、「業務の幅を広げる働き方ができること」もまた、中小監査法人の魅力だと感じました。監査と税務の両方に携わっている木村さんは、具体的にどのような「働き方」をしているのですか？

きさらぎ監査法人の会計士として会計監査に携わりながら、個人事業主として税務の案件をお引き受けしています。つまり、会社員と個人事業主の「二足のわらじ」を履いているわけです。当初は土日祝や平日の夜を割いていましたが、現在はクライアントが増えてきたため、会計と税務の双方に影響が出ない範囲でスケジュールを調整しています。

――監査と税務の両立は大変ではありませんか？

もし、私と同じように税務を副業としたいと思っている方がいたら、「両立は可能」と伝えたいですね。何度も申し上げましたが、きさらぎ監査法人は労働環境や人間関係に恵まれた環境で、何か新しいことに挑戦しようとする会計士を応援する風土があり、ノウハウやチャンスを与えてくれます。二足のわらじを履いている私に対しても、十分な配慮をしてくれます。

――理解ある上司がそばにいて、木村さんをサポートしてくださっているのですね？

本当にありがたいですね。もちろん、自分勝手に行動するのではなく、事前に相談した上で行動することが大切です。その点、きさらぎ監査法人はすぐ目の前のデスクに上司や代表が座っていて、いつでも気軽に相談できます。会計士や税理士として豊富な経験をもつ先輩もたくさんいますし、もちろん人生経験も豊富です。私に税務を勧めてくれた前代表も、私の今後のキャリアや人生を考えて助言してくれたのだと思います。

――きさらぎ監査法人ならではの手厚いサポートですね。

いえいえ、これはきさらぎ監査法人に限ったことではなく、どの中小監査法人にも当てはまる傾向だと思います。近年、日本では働き方改革が進み、コロナ禍で在宅勤務も定着しつつあります。今後、より柔軟な働き方ができるようになると思います。

――仕事のやりがいについてもお聞きしたいです。きさらぎ監査法人に転職してから、大手監査法人時代とはまた違ったやりがいを感じていますか？

中小監査法人のクライアントは大手監査法人に比べると規模が小さいのですが、経営者から若い経理担当の社員まで、さまざまな社員・役員と接する機会があります。監査の一連の業務もすべて担当できるので、一つの監査をやりきったという実感がありますね。クライアントと良い関係を築けますし、監査の全プロセスに責任を持って担えるので、大手監査法人時代よりもやりがいを感じる機会が増えたように思います。

――改めて、木村さんご自身が、きさらぎ監査法人に転職してよかったと思う点は？

転職の理由にもなっている「労働環境」や「人間関係」に加えて、転職してよかったと思う点を３つ挙げたいと思います。

一つは「ワークライフバランスの充実」で、以前ほど時間に追われずに仕事ができるようになりました。

もう一つは、「独立を視野に入れて幅広い経験ができること」です。きさらぎ監査法人には、独立・開業して成功を収めた先輩会計士がたくさんいますから、彼らから独立のノウハウや成功体験を直接聞くことができます。もちろん、上司や代表も、独立志向の私の気持ちを汲み取って、可能な限りアサインを調整してくれます。

３つ目は「仕事の楽しさ」です。これまで何度も申し上げたとおり、例えば監査なら契約から報告書の提出まで、すべてのプロセスを担当することができます。もちろん、その分責任もありますが、それ以上に仕事が楽しく、充実感に満ちた日々を送ることができています。

――逆に、中小監査法人で働くデメリットはあると思いますか？

中小監査法人の場合、売上数兆円を超えるようなビッグクライアントを担当することは基本的にありませんし、海外にあるメンバーファームに駐在することも難しいでしょう。そのため、これらの業務に携わりたいと思っている方にとって、中小監査法人への転職は「チャンスが少ない」というデメリットがあると思います。

――今後の目標についても、ぜひ教えてください。

会計士の仕事に魅力を感じているからこそ、現在は「二足のわらじ」を履いています。しばらくの間は、現在の働き方を続けていきたいですね。いずれ、独立・開業をすることになると思いますが、独立してからも、できれば監査に携わっていきたいです。独立した先輩方が繁忙期に手伝いに来てくれているので、同じような働き方ができたらと願っています。また、私はきさらぎ監査法人に転職したことで、興味あることに挑戦しながら、キャリアを築くことができました。これからも、チャンスがあれば監査や税務以外の仕事にもチャレンジしてみたいと思っています。

――これまでの木村さんのご経験を踏まえて、”キャリアビジョンを描く上でのポイント”について、ご意見をお聞かせください。

とても大事な質問だと思います。まず、会計に関わる仕事に携わっている皆さんに伝えたいのは、「今の仕事にしっかり向き合ってほしい」ということです。なぜなら、会計はあらゆる経済活動に必要な分野であり、今後、皆さんがどのようなキャリアを築くにしても必ず役に立つからです。そのうえで、自分自身を見つめて、「何をしたいか」を考えてみてください。例えば、大規模なクライアントを担当したいのであれば大手監査法人が向いていますし、逆に、キャリアの浅い年次から幅広い業務を経験したい、監査以外の分野で中小企業の経営者を支えるような仕事を経験したい、という想いが強いのなら、中小監査法人が向いています。皆さんのやりたいことを明確にすることで、どのような監査法人が向いているかが見えてくると思います。

――では、転職先として、中小監査法人を選ぶ上で大切にしてほしいことはありますか？

中小監査法人一番大切にしてほしいのは「職場の雰囲気」ですね。できれば、どのような会計士が働いているのか、チェックしてください。相性もありますし、「この人たちと一緒に働きたいな」と思える法人を選ぶことをお勧めします。また、中小監査法人の人事担当者も求職者の人柄を重視します。特に大手監査法人での経験がある方は、最低限の監査の知識や経験があることを前提に、採用するかどうかを判断する傾向があります。もちろん、やりたいことが明確にある方は、それが実現できる法人であるかどうかを、必ず確認しましょう。

――木村さんのように、「監査経験を積みながら、税務にも携わりたい」と思っている会計士の皆さんに伝えたいことは？

会計士は会計のプロフェッショナルですが、申告書の細かな部分までは把握できていません。そのため、慣れるまでは大変かもしれません。私自身も、最初の頃はわからないことだらけでした。特に相続税や事業承継に関しては、必死になって勉強したのをよく覚えています。でも、決して辛いことはなく、むしろ新しい知識を吸収できるのが楽しかったですね。いずれにしても、会計士も税理士も「独立した公正な立場で国民経済の健全な発展に寄与する」という究極的な目的は同じです。もちろん、税理士の場合、個人のお客さまを担当する場合もありますから、広い意味で「お客さまに貢献したい」という思いを叶えられる仕事です。ぜひ多くの会計士の方に、税務にも挑戦してほしいですね。

――最後に、転職を検討している方々に応援メッセージをお願いします。

もしも皆さんが「こんなことがやってみたい」という目標があるのなら、ぜひチャレンジしてほしいと思います。会計士は皆さんが思っている以上にチャンスに満ちた仕事です。私の経験上、中小監査法人は特にチャンスが多い。中小監査法人への転職が皆さんのキャリアをさらに輝かせてくれると信じて、一歩踏み出してください。また、中小監査法人は、やりたいことが定まっていない人にも向いています。チャンスの多い職場だからこそ、やりたいことを見つけやすいからです。いつか、皆さんと一緒に働く日が来ることを楽しみにしています！

――労働環境や人間関係、ワークライフバランスに若手会計士を応援してくれる風土など、貴重なお話をたくさん伺うことができました。木村さん、ありがとうございました。