会計士ママって、家庭と仕事の両立はできる?

育児休暇や時短勤務、テレワークなどの制度を充実させてワークライフバランスを整える監査法人や会計事務所が増え、会計士ママが家庭と仕事を両立しやすい環境になってきました。
育児や家庭に十分な時間をかけながら、バリバリ働く会計士ママも少なくありません。専門性の高い仕事だからこそ、結婚・出産後も会計士の仕事を続けることで、理想のキャリアを築くことができます。
会計士ママの転職成功事例を取り上げながら、自分らしいワークスタイルをつくる方法について紹介します。

監修
マイナビ会計士編集部
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会計士ママも働きやすい環境がある
女性会計士ってどれくらいいる?
1951年に日本初の女性公認会計士2名が生まれて以来、女性の公認会計士は増えつづけています。しかし、日本公認会計士協会の会員数は男性26,808人に対し、女性は4,406人、全体の14%(2018年12月時点)に留まっており、圧倒的に女性が少ないことがわかります。公認会計士試験合格者でみると、2019年度の合格者1,022名のうち、女性は315名(全体の23.6%)であり、新規会員数は上昇していることがわかります。
日本公認会計士協会は、会員・準会員の女性比率を2048年度までに、公認会計士試験合格者の女性比率を2030年度までに、それぞれ30%に上昇させることを目標としています。
そのためには、公認会計士試験合格者の増加と並行して、女性会員の登録抹消(離職)の防止が重要な課題となります。そこで、日本公認会計士協会では女性会計士活躍促進協議会を設置し、結婚・出産・育児からの職場復帰支援や、女性会計士が活躍するための研修や需要発掘など、さまざまな取り組みを行っています。
さらに、結婚・出産・育児を迎えても働きやすい環境づくりを、監査法人や会計士事務所などの業界全体に働きかけています。
結婚・出産後も仕事を続ける会計士ママ
専門職である公認会計士は、そもそも男女の区別なく仕事ができるというメリットがありますが、結婚・出産というライフステージの変化においても有利に働きます。ブランクがあっても職場復帰しやすく、独立起業まで視野に入れれば、制約なく、自分らしいワークスタイルを創ることができます。
実際に、結婚や出産を機に独立起業する女性会計士もいらっしゃいます。働き方改革や公認会計士協会の努力などで、時短勤務やテレワークなどの制度を充実させる監査法人や会計事務所が増えており、会社員としても、職場復帰しやすくなっていることは確かです。
<ココまでのまとめ>
・結婚・出産を経ても、女性が働きやすい環境づくりに業界全体が取り組んでいる。
・公認会計士はライフステージの変化があっても仕事を続けやすい。
会計士ママの妊娠、出産後の働き方
会計士ママのワークライフバランス
ワークライフバランスという言葉は一般化したように思えますが、その意味を「家庭を最優先する」と勘違いしている方も少なくありません。本来のワークライフバランスの理想形は、女性が出産や育児によって生活(ライフ)のほうに比重が偏ってしまう時期にも、仕事(ワーク)とのバランスをとれるということです。
時短勤務制度を利用して保育園に送り迎えをしたり、子供が病気にかかったときに取得できる看護休暇などを利用したりしながら、仕事と育児を両立させます。最近のテレワークによる在宅勤務も、働くママには強い味方となっています。
これまで一般的には、会社に出産・育児を支援する制度があっても、職場内で理解を得られず、利用しづらいという実態がありました。しかし、いくつもの企業でマタニティハラスメント(マタハラ)が批判を浴びたことなどもあり、官公庁や大手企業を中心に、男性の育児休暇取得や時短勤務制度の利用を奨励する企業がでてきました。
会計士ママのワークライフバランスにおいても、制度だけでなく、職場や家族の理解と協力があると、大きな支えになります。
会計士ママのキャリアアップ
会計士に限らず、育児・出産を経験しながらキャリアアップしていく女性はいらっしゃいます。出産・育児の経験が、時間の使い方や人との接し方など、職場復帰後にも役立っているという話はよく聞きます。
結婚・出産というライフステージの変化を、転職や独立起業の転機とされるケースもあります。長期休暇が必要となる出産を迎えるまでに、基盤となる経験やスキルを身につけておけると、選択肢が広がります。
日本公認会計士協会は、出産・育児からの職場復帰のための研修を行い、結婚や出産が女性会計士のハンディキャップにしないための支援をしています。産休・育休で生じるブランクに不安を感じる場合は、こうした制度を利用するのもよいでしょう。
また、女性会計士向けに企業役員となる人材を育成する研修も行っています。内閣府による女性のための人材バンクを通して、「女性役員を増やしたい」というニーズをもつ企業に人材を紹介しています。
会計士ママの魅力・やりがい
会計士ママとして働くことの魅力は、仕事と、育児や家庭との違い、ギャップにあるのではないでしょうか。仕事では、社会における自分の役割やビジネス上の達成感がやりがいになります。対照的に、子供の成長や家庭生活では、損得勘定のない安らぎを感じる機会があるでしょう。
それぞれにストレスを感じることはあるでしょうが、異なる経験から、多様な価値観を通して昇華できれば、精神的なバランスがとりやすくなります。ワークライフバランスの本来の意味である「仕事と生活の調和」につながり、双方へのプラスとなるでしょう。
<ココまでのまとめ>
・時短勤務制度やテレワークによる在宅勤務の利用で、育児中も働きやすくなる。
・実務経験やスキルが身についていると、産休・育休後の復帰がしやすい。
・会計士ママの魅力は、ワークライフバランスの本質である「仕事と生活の調和」
会計士ママが活躍できるフィールド
<転職事例> 監査法人で働く会計士ママ
https://cpa.mynavi.jp/case_mt/kansa/326.html
●プロフィール
大学在学中に会計士試験に合格。新卒で大手税理士法人に勤務し、結婚・出産。産休後、独立系会計事務所の非常勤監査スタッフを1年ほど経験。配偶者の海外勤務に同行し、赴任先の会計事務所でアルバイトとして2年間の勤務。
31歳 女性 | 転職前 | 転職後 |
---|---|---|
業種 | 会計事務所 | 中堅監査法人 |
業務 | 国際税務(海外事務所) | 非常勤監査スタッフ |
年収 | 400万円 | 350万円 |
●転職の理由
配偶者の海外勤務の任期終了を機に、日本で子育てをするため、日本での転職活動を開始。子どもが幼いため、ワークライフバランスを維持しやすい、時短勤務もしくは非常勤で働ける勤務先を希望。
●転職成功の経緯
・フルタイム勤務が難しいため、応募できる求人が少ないのではと不安を感じていた。
・本人の想像以上に、入社時から時短勤務ができる求人はあった。
・人柄の良さや経験を考慮しつつ、複数の企業に応募するが、面接での相性、待遇などがマッチせず、1ヶ月が経過した。
・エージェントの判断で、より条件のよい監査法人へのチャレンジをすすめる。
・積極採用中の監査法人との面接が実現。
・税理士法人、会計事務所の実務経験と、監査の素養があることを評価され、内定を獲得。
<転職事例> 事業会社で働く会計士ママ
https://cpa.mynavi.jp/case_mt/company/348.html
●プロフィール
34歳 女性 | 転職前 | 転職後 |
---|---|---|
業種 | 監査法人 | 教育出版(上場企業) |
年収 | 700万円 | 500万円 |
●転職の理由
育児が少し落ち着いたので、社会復帰したい。前職から年収は下がっても、ワークライフバランスを重視できることを優先。
●転職成功の経緯
・保育園の送り迎えに支障のない時短勤務、もしくは短期プロジェクトに携われる仕事を希望。
・監査法人での経験を活かせる、勤務時間に融通が利くという条件を厳選して紹介。
・内定獲得までには少し時間がかかった。
・教育出版系の事業会社から、希望していた年収(400万円)を上回る条件を提示され、入社を決定した。
<ココまでのまとめ>
・入社時から時短勤務を受け入れる企業は予想以上にある。
・内定獲得までに時間がかかる場合もあるが、希望に沿った転職ができる可能性はある。
まとめ
日本企業では女性役員の数が少ないといわれていますが、経営者や役員などキャリアを積んだ女性には、結婚・出産を経験している方がめずらしくありません。
同じように、結婚・出産を経験し、家庭と仕事を両立させている「会計士ママ」の先輩は、たくさんいらっしゃいます。キャリアパスやワークスタイルの選択肢が多いことも、公認会計士という仕事の魅力のひとつです。これからママになる方も子育て中のママも、不安やお悩みを業界専門のキャリアアドバイザーに相談してみませんか。
マイナビ会計士を利用して
転職された方の声
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進路について適切なアドバイスをしてもらえました!自分の進路について明確な答えが出せていなかったものの、どの業種に進んだら良いかなど適切にアドバイスをしてもらえました。どういったキャリアを積んでいけばより市場価値を高められるのか、候補の会社がどう違うのかを具体的に説明していただけました。(30代/会計士)
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求人の提案力と面接のフィードバックが良かった!タイムリーな求人の紹介とフィードバックの提供が良かったです。面接前の情報提供では、自分のアピールしたい強みが、面接先企業のどこに符号しており、今後の展開をどう捉えているかの思考の整理をする際に役立ち、安心して面接を迎えることが出来ました。(30代/会計士)
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