監査業務・決算業務を終えて。業界内部の動向振り返り
多くの会社の監査・決算業務が3月末に終了しました。
4月から新年度がスタートしましたが、みなさんが今気になっているのは「2017年度の会計業界動向」ですよね。
現時点で何か“大きな変化”はあるのでしょうか?そこで今回は、現時点の会計業界動向をまとめてみたいと思います。
マイナビ会計士編集部
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資格だけでは生きていけない時代に
最近のトピックを挙げると、「公認会計士試験(平成28年)の合格者数が9年ぶりに増加した」というものがあります。
今は学生に「就職したい職業」を聞くと、1位が「公務員」になる時代なので、手に職をつけて安定したいという気持ちが表れているのかもしれません。
ただ一方で、先日(4月10日)発表された“会計士の最後のハードル”である公認会計士修了考査(平成28年度)の合格者数を見ると、前年度比154名減少で、さらにここ5年は受験者数・合格者数ともに減少を続けていることがわかります。
今後、会計士資格の人気がどのように変化していくかは観察を続けていきますが、現時点で公認会計士の資格について1つだけ言えるのは「資格を取っただけでは生きていけない時代になっている」ということです。
実際に会計士事務所でも、仕事の依頼が切れないところがある一方で、ほとんど依頼のないところが存在します。この違いはどこにあるのでしょうか?
それを紐解くヒントになるのが今の時代を象徴する「変化のスピード」です。
現在は日々、雨後の筍のごとく新たなネットサービスが生まれ、市場のニーズは刻々と変化しています。その中で価値を提供し続けることのできる会計事務所は、そのニーズをいち早く詠み取り、サービスに落とし込んでいます。
たとえば現在は、M&AやIFRS、相続税関連のニーズが高いので、そこに対応しているかどうかも仕事の依頼に大きく影響しているでしょう。
つまり現在は、同じことをやり続けるだけではダメな時代になっているのです。
<ココまでのまとめ>
・現在は変化のスピードが速く、市場ニーズが刻々と変化する時代になっている。
・そのニーズをいち早く感じ取り、サービスに落とし込むことが求められている。
やはり強いBig4?
現在の会計業界動向を知るうえで有益な資料があります。
それは昨年7月に公認会計士・監査審査会が発表した資料「監査事務所の概況(平成28年版モニタリングレポート)」。
専門家だけでなく、一般の人も監査事務所の状況を理解できるようにという目的でまとめられた資料です。この資料によると、監査事務所はその規模に応じて次のように分類されています。
<大手監査法人>
※上場会社を概ね 100 社以上監査し、かつ常勤の監査実施者が 1,000 名以上の監査法人
有限責任あずさ監査法人
新日本有限責任監査法人
有限責任監査法人トーマツ
PwC あらた有限責任監査法人
<準大手監査法人>
※大手監査法人以外で、比較的多数の上場会社を被監査会社としている監査法人
仰星監査法人
京都監査法人
三優監査法人
太陽有限責任監査法人
東陽監査法人
優成監査法人
<中規模監査事務所>
※上記以外の中小監査法人、並びに共同事務所及び個人事務所
監査法人数は2016年3月末時点で214社となっていて、4年前の213社からほとんど変動はありません。
その中で、大手監査法人で働く人員数が20,278人に対して、準大手監査法人が1,348人、中央監査法人が2,482人。じつに大手監査法人で働く人員が約84%を占めていることがわかります。
このことからも国内では圧倒的に「Big4」と呼ばれる大手4社が強いという状況が見えてきます。
実際、監査を受けている上場企業の73%、時価総額ベースにすると9割超をBig4が担当しています。ただ、2016年はBig4のクライアントが減少するなかで、準大手や中小のクライアント数が増えているというデータもあることから、準大手・中小が“独自の色”を出すことで少しずつ存在感を高めていると見ることもできます。
<ココまでのまとめ>
・国内ではBig4と呼ばれる四大監査法人が圧倒的に強い状況が続いている。
・その中で、準大手・中小は2016年にクライアント数を増やし、存在感を高めつつある。
個人系事務所の採用動向は?
最後に個人系会計事務所に関する情報です。
上記のように大手監査法人が圧倒的に強い状況に加えて、修了考査を合格して公認会計士になる人数が減少している現在、個人系会計事務所は不利な採用活動が続くと考えられます。
若く、優秀な人材の多くは大手、または準大手監査法人へ就職・転職するからです。
そこで個人系会計事務所がとる戦略の1つは、採用のハードルを下げることです。
これまでは「会計士の資格を持っていること」「キャリアが5年以上あること」など複数の条件を掲げていたところも、今後は「会計士試験勉強中でも可」「人柄重視」などと、条件を変更して採用活動に臨むことが予想されます。つまり、「売り手市場」です。
こんなときに注意すべきなのは「売り手市場だから、どこかには入れるだろう」という安易な発想です。入りやすいからと気軽に受けた事務所に転職すると、ミスマッチが生まれ、退職→転職を繰り返すことにもつながりかねません。
転職活動をする際は、必ず情報をできるだけ集め、精査したうえで行うようにしましょう。
自分1人で転職活動を行うことが難しい、またはマッチする事務所を見つけられないという人は、転職のプロである「マイナビ会計士」に相談してみください。
<ココまでのまとめ>
・現在、個人系会計士事務所は特に「売り手市場」の状態である。
・売り手市場ではミスマッチ転職も多数生まれる。情報の精査を徹底して行うこと。
マイナビ会計士を利用して
転職された方の声
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進路について適切なアドバイスをしてもらえました!自分の進路について明確な答えが出せていなかったものの、どの業種に進んだら良いかなど適切にアドバイスをしてもらえました。どういったキャリアを積んでいけばより市場価値を高められるのか、候補の会社がどう違うのかを具体的に説明していただけました。(30代/会計士)
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求人の提案力と面接のフィードバックが良かった!タイムリーな求人の紹介とフィードバックの提供が良かったです。面接前の情報提供では、自分のアピールしたい強みが、面接先企業のどこに符号しており、今後の展開をどう捉えているかの思考の整理をする際に役立ち、安心して面接を迎えることが出来ました。(30代/会計士)
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