監査法人からコンサルファームへ転職した理由と転職後
監査法人からコンサルティングファームへの転職事例は決して珍しくなくなっている。その一方、もともと専門家集団である監査法人から、資格を持たずとも入社でき、むしろ苛烈な競争環境が待っているコンサルティングファームへの転職を選ぶことには並々ならぬ勇気がいることにも見える。コンサルティングファームに転職してもうすぐ2年になろうとしている藤澤さんに、転職時の思いと、転職後の思いを聞いた。
プロフィール
藤澤 和宏(仮名)30代男性 公認会計士
大阪府出身。2010年公認会計士試験に合格したのち、大手監査法人の金融部門に配属。その後国内監査部門にて国内大手製造業等の監査業務に従事。2020年より中堅コンサルティングファームのシニアコンサルタントとしてCFO向けサービスを提供している。
公認会計士試験合格を機に上京
眞山:藤澤さんは2010年に公認会計士試験に合格されているわけですが、それまでは大阪にいらっしゃったんですね。どうして東京というフィールドを選ばれたのですか?
藤澤(敬称略):表向きの理由としては、東京はやはり経済のみならず政治という観点からも重要な都市であり、せっかくだから中心に近いところで働きたいから、というものでした。そして、本音を言ってしまえば、先に大学を卒業して東京で就職した彼女が待っていたからです(笑)。
眞山:そういう理由だったんですね(笑)。監査法人時代はどのような仕事をされていましたか?
藤澤:金融機関の監査部門にまず配属されたのですが、だんだん事業会社にも興味を持つようになって、人事異動の希望を出して通常の監査部門に移してもらいました。金融機関の監査は非常に独特であるとともに、大手の金融機関となると監査チームの役割が細分化されていて全体を見ることができません。さらには、金融機関側も監査に慣れている(監査法人だけでなく金融庁も検査に来ることがあるため)ので、良くも悪くも監査がスムーズなんですよね。何月の第1週にはこういうことをやるということが決まっていて、監査チームの部屋に行くと、極端な話何も言わなくても資料が届いたりもする・・・という。たとえて言うなら「絶対に豊作だとわかっている農家」みたいなものでした(笑)。そんな中で面白かったと思えたのが自己査定の監査です。
眞山:私も自己査定の監査は経験がありますが、融資先の決算書を手際よく分析するトレーニングにもなるし、非常に面白いですよね。
藤澤:まぁ、そうなんですけどね。僕の場合は眞山さんと違って金融機関「しか」見てこなかったので、事業会社から提出される決算データを見ても実感をもって分析できないんです。もちろん計算すれば指標は出せますよ。出せますけど、だから何?と思いながら監査をしている。これはよくないと思い、事業会社の監査をしたいと申し出て異動しました。
ビジネスモデルを知るために事業会社の監査へ
眞山:事業会社の監査をやってみて、いかがでしたか?
藤澤:とても面白かったです。経理課長さんあたりがとても気さくで、用もないのに話しかけにくるような経験って金融機関を見ていたころにはなかったですし(笑)。まぁそれは冗談としても、事業会社のビジネスモデルに沿った監査を考えるという感触はとても新鮮でしばらく仕事に没頭していました。
眞山:しばらく、というのはどれくらいですか?
藤澤:ちょうど1年くらいですね。2年目からは結局同じ季節に同じ仕事が回ってくるという意味では金融機関の監査と全く同じでしたし、飽きを感じながら仕事をしていましたが、それでも自分自身が少し要領よく仕事ができるようになってきたという手ごたえもあったので、結局監査の仕事は3年続けました。
その間、監査法人内で「監査部門もある程度コンサルティングサービスをやっていこう」という機運が高まってきた時期があって、監査法人に居ながらコンサルティングをしている人たちの話を聞く機会がありました。ただ、なるほどそういう仕事もあるのか、とは思いましたが…失礼だけど彼らのやっていることって、監査という収益の柱がある監査法人の道楽のようにも見えたんですよね。
眞山:おお、結構厳しいコメントですね(笑)。
藤澤:しかもそれを、うっかりそのプロジェクトのパートナーに話しちゃって(笑)。すごく嫌な顔をされましたが、彼は気を取り直して「それだったら、グループ内のコンサルティングファームを紹介してあげようか?」と言ってくださったのです。結局、その話には乗らずにその後グループとは関係のないコンサルティングファームに転職したのですが、あの一言が監査法人にとどまらなくてもいい…と自分の視野を広げてくれたきっかけではありました。
一言が監査法人以外へ視野を広げたきっかけに
眞山:その上司の方の一言で転職をしようと思ったわけですね。
藤澤:今思えば、そこがきっかけだったという話で、実はその後もしばらく迷っていました。事業会社の監査の仕事にも慣れてきたし、そのまま昇進したら違う景色が見えるかもしれない…という気持ちもありました…。僕、変なタイミングで部署移動したこともあって昇進が少し遅かったんですよね。
眞山:昇進が出遅れたことも転職の動機になりましたか?
藤澤:それはありますね。金融機関の監査で得たキャリアと、事業会社の監査で得たキャリアって、僕にとってはどちらも糧になっているわけなんですけど、異動してきた僕は事業会社の監査の経験値が足りないという理由で昇進を見送られてしまい、正しい評価を得られていないという思いがありました。その点、コンサルティングファームなら実力を評価してもらえさえすればきっと戦えると思ったのです。
眞山:なるほど…かなりアグレッシブな動機で転職されたのですね。コンサルティングファームはやはり、想像していた通りの競争社会でしたか?
藤澤:半分正しくて、半分間違っていたと思います。コンサルティングファームにはいろいろなバックボーンを持った人が集まるので、まずは徹底的に人を育てていくんですよね。一つにはファームの作法を身に着けるという意味で、またもう一つにはロジカルシンキングのような必須のツールを学ぶという意味で。そういった手厚い人材育成の上で、しっかりと土俵に乗せてもらった人同士が激しく、でも健全に競争している…という解釈を僕自身はしています。もちろんこれは僕が就職したファームでの話であって、すべてに当てはまるわけではないのかもしれませんが。
眞山:言いにくいことも含め、いろいろ語ってくださってありがとうございました。最後に転職を志す方にメッセージをお願いします。
藤澤:今日のインタビューを受けてみて、自分のキャリアがいかに「現状の不満」といったネガティブな思いをきっかけにしていたかを目の当たりにしました(笑)。でも、正直転職ってそんなものだと思うんですよね。今の職場に不満がない人が転職するケースなんてまれなんですから。だからそのネガティブな思いは決して否定するべきものではなく、自分を正しいところに運んでくれるための大事な感情なんだということを忘れないでほしいです。
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