令和5年度公認会計士試験の第Ⅱ回短答式の実施概要

令和5年度の第Ⅱ会短答式が令和5年5月28日(日)に実施されます。本記事では公認会計士の試験形式やスケジュール、合格までのスケジュールや合格後の実務経験などの全体感、また、短答式試験の過去の成績や各科目の特徴などについて取り上げました。公認会計士試験、また短答式のイメージを深めていくうえで、ぜひ参考にしてください。
マイナビ会計士では、皆様のキャリアアップを応援し、転職に関するお悩みやキャリアアップについてのご相談を承っております。キャリアアドバイザーへ、ぜひお気軽にご連絡ください。

監修
マイナビ会計士編集部
マイナビ会計士は、公認会計士・試験合格者・USCPAの方の転職サポートを行なう転職エージェント。業界専門のキャリアアドバイザーが最適なキャリアプランをご提案いたします。Webサイト・SNSでは、公認会計士・公認会計士試験合格者・USCPAの転職に役立つ記情報を発信しています。
公認会計士試験の試験形式・スケジュール
まずは公認会計士試験の全体感をつかんでもらうために、公認会計士試験の概要、試験形式、スケジュールなどについてご紹介します。
公認会計士試験の試験概要
公認会計士試験に受験資格はありません。年齢制限や学歴などの要件はなく、誰でも受験することが可能です。また、公認会計士試験は短答式と論文式の2つの試験に分かれています。短答式を合格しなければ、論文式に進むことはできません。今回ご紹介する短答式は、公認会計士試験の第一関門となります。
公認会計士試験の試験形式・試験免除など
試験科目はそれぞれ以下のように、短答式は4科目に対して論文式は9科目のうち、須科目5科目、選択科目1科目を受験する必要があります。
(短答式)財務会計論、管理会計論、監査論、企業法
(論文式)必須:会計学(財務会計論、管理会計論)、監査論、企業法、租税法
選択:経営学、経済学、民法、統計学
短答式試験では、総点数の70%が基準点です。ただし、一科目でも40%を満たない場合には不合格となる場合もあります。また、短答式試験は一度合格すると2年間の免除期間があるため、その間は論文式試験のみに専念できるでしょう。そのほか、一定要件を満たせば科目の免除があります。
一方、論文式試験では52%が基準点です。また、科目合格制度もあり、2年間の有効期間があります。その間にすべての科目に合格すれば、公認会計士試験の合格となります。
公認会計士になるまでのスケジュール
公認会計士になるには、まず公認会計士試験に試験を合格しなくてはいけません。公認会計士試験には短答式と論文式があり、短答式を合格したのちに論文式を受験します。
短答式は、年2回の受験チャンスがあります。12月頃と5月頃の2回となっており、12月がダメだったとしても5月に受験が可能です。なお、試験日から約1ヶ月後に合格発表があります。一方、論文式は年1回となっており、試験が行われるのは8月のお盆頃です。論文式の合格発表は11月頃に発表され、合格していれば監査法人などに就職することになります。
公認会計士試験に合格した後は、補習所に通うとともに実務経験を積み、修了考査の受験資格を得る必要があります。3年間の実務補習と2年間の実務経験を経ることで修了考査の受験要件を満たすのですが、ここでいう実務経験は、業務補助あるいは実務従事です。
業務補助とは、公認会計士あるいは監査法人において監査証明業務を補助することを言います。一方、実務従事とは財務に関する監査、分析その他の実務に従事することです。これらの経験は監査法人に限らず経験を積めるので、事業会社やコンサルティングファームなどでも満たすことができます。そして要件を満たし、修了考査を合格すれば、公認会計士として登録することが可能です。
公認会計士試験の日程など
それでは、令和5年度の公認会計士試験の具体的な日程について見ていきましょう。
公認会計士試験の試験日程
令和5年度の公認会計士試験の日程は、以下の通りとなっています。
区分 | 試験日程 | 試験科目 | 試験時間 | 合格発表日 |
---|---|---|---|---|
第Ⅰ回短答式 | 令和4年12月11日(日) | 企業法 管理会計論 監査論 財務会計論 |
9:30〜10:30 11:30〜12:30 14:00〜15:00 16:00〜18:00 |
令和5年1月20日(金) |
第Ⅱ回短答式 | 令和5年5月28日(日) | 企業法 管理会計論 監査論 財務会計論 |
9:30〜10:30 11:30〜12:30 14:00〜15:00 16:00〜18:00 |
令和5年6月23日(金) |
論文式1日目 | 令和5年8月18日(金) | 監査論 租税法 |
10:30〜12:30 14:30〜16:30 |
令和5年11月17日(金) |
論文式2日目 | 令和5年8月19日(土) | 会計学 会計学 |
10:30〜12:30 14:30〜17:30 |
|
論文式3日目 | 令和5年8月20日(日) | 企業法 選択科目 |
10:30〜12:30 14:30〜16:30 |
第Ⅱ回の短答式試験は、令和5年5月28日に実施されることとなります。
試験科目
公認会計士試験は会計の資格であることから、試験においても会計が重要な科目となっています。短答式試験では財務会計論が200点で、その他の科目は100点です。時間に関しても財務会計論は2時間、その他の科目は1時間となっており、財務会計論の配分が大きくなっています。
また、論文式においても会計学が300点を占めており、全体でも会計学が大きな割合を占めています。そのため、短答式と論文式のいずれでも、会計学に対する戦略が欠かせません。
合格までのスケジュール
第Ⅱ回の短答式試験は令和5年5月28日に実施されますが、その1ヶ月後に合格が発表され、約2ヶ月後に論文式試験を迎えることとなります。短答式試験終了から考えても期間は3ヶ月しかなく、また、租税法や選択科目は短答式試験では科目としてないため、本番までどう進めるかが重要です。短答式試験を合格しなければ論文式試験に進めないため、合格までのスケジュールを見据えて戦略を立てていく必要があります。
短答式試験の試験会場
短答式試験の試験会場についてご紹介します。まだ、令和5年第Ⅱ回短答式試験の試験会場は公表されていません。そのため、令和5年第Ⅰ回短答式試験の試験会場を参考に見ていきましょう。
関東の試験会場
関東の試験会場は以下の2ヶ所です。
①慶應義塾大学(日吉キャンパス)横浜市港北区日吉4丁目1番1号
②青山学院大学(青山キャンパス)渋谷区渋谷4丁目4番25号
関東は試験者数も多いため、試験会場が2ヶ所用意されています。試験会場を間違えると受験できなくなるので注意してください。
近畿の試験会場
近畿の試験会場は1ヶ所です。
・関西大学(千里山キャンパス)吹田市山手町3丁目3番35号
近畿も受験者数は他の地域よりも多いのですが、試験会場が1ヶ所となっています。受験者が集中するため、余裕を持って試験会場に行くようにしましょう。
その他の試験会場
その他の地域にも試験会場が設定されています。それぞれの地域に設定はあるものの、試験会場から遠い人は試験日前後どのように過ごすか、あらかじめ計画を立てた方がよいでしょう。
管轄財務局等 | 試験場 | 住所 |
---|---|---|
北海道財務局 | 北海道経済センター(札幌商工会議所) | 札幌市中央区北1条西2丁目 |
札幌第1合同庁舎 | 札幌市北区北8条西2丁目 | |
東北財務局 | 東北学院大学(土樋キャンパス) | 仙台市青葉区土樋1丁目3番1号 |
東海財務局 | TKP名鉄名古屋駅カンファレンスセンター | 名古屋市中村区名駅1丁目2番4号 名鉄バスターミナルビル9階 |
北陸財務局 | 学校法人豊穣学園 金沢医療技術専門学校 | 金沢市堀川新町7番1号 |
中国財務局 | 広島工業大学専門学校 | 広島市西区福島町2丁目1番1号 |
四国財務局 | 高松サンポート合同庁舎 | 高松市サンポート3番33号 |
九州財務局 | 熊本地方合同庁舎 | 熊本市西区春日2丁目10番1号 |
福岡財務支局 | 西南学院大学(中央キャンパス) | 福岡市早良区西新6丁目2番92号 |
沖縄総合事務局 | 那覇第2地方合同庁舎 | 那覇市おもろまち2丁目1番1号 |
過去の公認会計士試験の合格率
ここで、過去の公認会計士試験の合格率について振り返ってみましょう。
平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | |
---|---|---|---|---|---|
願書提出者数 | 11,742 | 12,532 | 13,231 | 14,192 | 18,789 |
短答式試験受験者数 | 10,153 | 10,563 | 11,598 | 12,260 | 16,701 |
短答式試験合格者数 | 2,065 | 1,806 | 1,861 | 2,060 | 1,979 |
第Ⅰ回 | 1,090 | 1,097 | 1,139 | ― | 1,199 |
第Ⅱ回 | 975 | 709 | 722 | 2,060 | 780 |
論文式試験受験者数 | 3,678 | 3,792 | 3,719 | 3,992 | 4,067 |
論文式試験合格者数 | 1,305 | 1,337 | 1,335 | 1,360 | 1,456 |
合格率 | 11.1% | 10.7% | 10.1% | 9.6% | 7.7% |
最終的な論文式試験合格者数は1,300人から1,500人程度で推移をしているものの、願書提出者が増加しており、5年前の合格率は11%程度あったものが8%程度まで下がってきています。また、短答式の特徴として第Ⅱ回よりも第Ⅰ回の方が、合格者数が多いという点が特徴です。難易度等は内容によって異なりますが、第Ⅰ回の方が突破しやすいように見えます。
参照:令和4年公認会計士試験の合格発表の概要について|公認会計士・監査審査会
参照:令和3年公認会計士試験の合格発表の概要について|公認会計士・監査審査会
参照:令和2年公認会計士試験の合格発表の概要について|公認会計士・監査審査会
過去の短答式試験の結果
最後に、過去の短答式試験の結果について振り返ります。
令和2年Ⅰ回 | 令和2年Ⅱ回 | 令和3年 | 令和4年Ⅰ回 | 令和4年Ⅱ回 | 令和5年Ⅰ回 | |
---|---|---|---|---|---|---|
合格ライン | 57% | 64% | 62% | 68% | 73% | 71% |
総合平均 | 38.9% | 46.1% | 47.3% | 47.5% | 47.5% | 46.4% |
財務会計論 | 33.8% | 43.7% | 47.0% | 44.1% | 46.5% | 49.7% |
管理会計論 | 34.5% | 46.0% | 40.9% | 47.1% | 48.7% | 40.3% |
監査論 | 48.2% | 52.2% | 52.3% | 53.9% | 52.2% | 53.4% |
企業法 | 44.2% | 43.5% | 47.8% | 46.1% | 43.4% | 39.6% |
短答式の基準点は70%となっていますが、上記表のとおり合格ラインは一定ではありません。そのときの試験の難易度によって、合格ラインは調整されていることがわかります。あくまで、絶対評価の試験ではなく相対評価の試験です。そのため、受験者が落とさない問題は、確実に正解していく必要がある試験になっています。
参照:試験結果の概要(令和5年公認会計士試験第Ⅰ回短答式試験)|公認会計士・監査審査会
参照:試験結果の概要(令和4年公認会計士試験第Ⅱ回短答式試験)|公認会計士・監査審査会
参照:試験結果の概要(令和4年公認会計士試験第Ⅰ回短答式試験)|公認会計士・監査審査会
参照:試験結果の概要(令和3年公認会計士試験短答式試験)|公認会計士・監査審査会
まとめ
ここまで、令和5年第Ⅱ回短答式試験を中心に試験についてご紹介しました。公認会計士試験制度やスケジュール、試験の特徴などを適切に捉えることで、より公認会計士試験に合格できる可能性が高まります。公認会計士になるには、短答式試験を合格することがスタートラインに立つための第1歩です。そのため、短答式試験について確実に合格できるよう戦略を立て、スケジュールを組んで取り組んでいきましょう。
マイナビ会計士を利用して
転職された方の声
-
進路について適切なアドバイスをしてもらえました!自分の進路について明確な答えが出せていなかったものの、どの業種に進んだら良いかなど適切にアドバイスをしてもらえました。どういったキャリアを積んでいけばより市場価値を高められるのか、候補の会社がどう違うのかを具体的に説明していただけました。(30代/会計士)
-
求人の提案力と面接のフィードバックが良かった!タイムリーな求人の紹介とフィードバックの提供が良かったです。面接前の情報提供では、自分のアピールしたい強みが、面接先企業のどこに符号しており、今後の展開をどう捉えているかの思考の整理をする際に役立ち、安心して面接を迎えることが出来ました。(30代/会計士)
マイナビ会計士とは?
マイナビ会計士は会計士として働く「あなたの可能性」を広げるサポートをいたします。

特集コンテンツ
カテゴリから記事を探す
会計士業界専門転職エージェント
担当のキャリアアドバイザーが
相談~内定後までご支援いたします。
特集コンテンツ
カテゴリから記事を探す
会計士業界専門転職エージェント
担当のキャリアアドバイザーが
相談~内定後までご支援いたします。