会計士の転職はいまがチャンス? 転職マーケット振り返り
2018年がスタートしました!
そこで新年1回目のコラムの今回は、2018年の会計業界の展望について予測を交えてまとめていきたいと思います。
それでは早速はじめましょう。
マイナビ会計士編集部
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会計士が足りない!
東芝不正会計問題に揺れた昨年の会計、監査業界。
この問題の根本にあるものとして「会計士不足」が挙げられています。
昨年11月に発表された平成29年度会計士試験の合格者数は1,231人で、前後と比べると123人増加しました。近年の合格者の推移を詳しくみると、平成22年:2,041人、23年:1,511人、24年:1,347人、25年:1,178人、26年:1,102人、27年:1,051人、28年:1,108人となっています。
22年から27年にかけては合格者が大きく減少していますが、27年以降は3年連続で増加している状況です。ただ、それでも「会計士不足」なのです。
それは一体、なぜなのでしょうか?
その一因は、就職・転職先として監査法人の人気が低下している点です。現在も会計士試験の合格者の多くは監査法人に就職するものの、経営コンサルタントや一般企業の経理部門に転職する会計士が増えており、約3万人いるとされる会計士のうち、監査法人に属している会計士は5割を切っています。
監査法人の人気が低下している理由として挙げられるのが、仕事がハードな点と、ミスをした際のリスクが大きい点です。「正しい」ことが当たり前に求められる仕事のため、「割に合わない」と考える会計士がいることは容易に想像ができます。
会計士は多様なキャリアパスを描けることが魅力の1つですが、今後はますます監査法人以外のキャリアを選ぶ会計士が増えていくのかもしれませんね。
<ココまでのまとめ>
・会計士試験の合格者は3年連続で増えているが「会計士不足」の状況。
・激務でリスクの高い監査法人を避ける会計士が増えている。
会計士不足、つまり売り手市場
監査法人の人気低下という背景があるものの、新米会計士や大手監査法人に転職を考えている人にとっては「会計士不足」=「売り手市場」なので、チャンスにほかなりません。
よって、会計業界は2018年も昨年に引き続き、活発な求人、採用活動が続くと考えてよいでしょう。就職、転職の予定がある人は、ぜひこの機会にビッグウェーブを掴みたいところです。
売り手市場の現在は、会計士試験に合格していない会計士をめざす卵たちにとっても大きなチャンスがあります。なぜなら、以前は「会計士試験合格者」が入社の条件だった会計事務所が間口を広げ、経験者であれば採用するというスタンスのところが増えているからです。大手監査法人も採用される可能性が高まっているといわれています。
また、一般企業の経理部門も会計士の採用が活発になっている傾向があります。特に、海外展開を行っていく大手企業は社内に会計士を置くスタイルが一般化してきています。さらにIPO準備企業が増加傾向にあるため、会計士の採用ニーズは高まっています。
ただ、転職しやすい時期だからこそ、「より慎重に」転職活動を行うことが大切です。簡単に入社できるからと言って、何も考えずに入ってしまうと、「こんなはずではなかったのに……」という悲しい現実を迎えることも十分に考えられます。
自分は会計、監査業界で何をしたいのか、5年後、10年後はどのような会計士になっていたいのか? これらをよく考えたうえで、ビッグウェーブがきている会計転職市場を活用することが賢明といえるでしょう。
<ココまでのまとめ>
・会計士不足=売り手市場。今年も会計業界は活発な採用活動が予想される。
・監査法人だけでなく、一般企業の会計士ニーズも高まっている。
平成29年会計士試験からみる今後
最後に、平成29年公認会計士試験のデータから、今後の会計業界について考えてみます。
前年と比較したデータは以下の通りです。
平成29年 | 平成28年 | |
願書提出者数 | 11,032人 | 10,256人 |
短答式試験合格者数 | 1,669人 | 1,501人 |
最終合格者数 | 1,231人 | 1,108人 |
合格率 | 11.2% | 10.8% |
※合格者の年齢
合格者の平均年齢は 26.3 歳
最高年齢は 62 歳、最低年齢は 19 歳
※合格者の性別
男性 989 人、女性 242 人
合格者に占める女性の比率は 19.7%
※合格者の学歴
「大学卒業(短大含む)」以上が 668 人(構成比 54.3%)
※合格者の職業
「学生」および「専修学校・各種学校受講生」が 840 人(構成比 68.2%)
「会社員」は 106 人(構成比 8.6%)
合格者の平均年齢が「26.3歳」という結果でしたが、今後、会計業界に若手を増やし、慢性的な「会計士不足」を解消し、監査業界の信頼を回復するためには、若者の受験者および合格者を増やすことが不可欠といえるでしょう。
日本公認会計士業界は若者に会計士の魅力をアピールするために、さまざまな活動を行っています。たとえば、中学生・高校生を対象にして、公認会計士の社会的役割や監査の仕事の重要性を伝え、魅力ある職業であることを紹介するために制作されたアニメ「転校生は公認会計士!」。
また、中学生・高校生・大学生をターゲットに、公認会計士や監査に興味をもってもらうことにより、受験者層の裾野拡大をめざす効果、社会への知名度及び浸透効果を目的として開発されたゲームアプリコンテンツ「公認会計士 市松雄大」。
日本公認会計士協会は若者向けにさまざまなコンテンツを開発しています。これらの活動を通して、会計士がより人気のある職業になることを期待したいですね!
<ココまでのまとめ>
・平成29年公認会計士試験の合格者平均年齢は26.3歳だった。
・今後、いかに若者に魅力的な職業と思ってもらえるかが、会計士不足解消のためには不可欠。
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転職された方の声
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進路について適切なアドバイスをしてもらえました!自分の進路について明確な答えが出せていなかったものの、どの業種に進んだら良いかなど適切にアドバイスをしてもらえました。どういったキャリアを積んでいけばより市場価値を高められるのか、候補の会社がどう違うのかを具体的に説明していただけました。(30代/会計士)
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求人の提案力と面接のフィードバックが良かった!タイムリーな求人の紹介とフィードバックの提供が良かったです。面接前の情報提供では、自分のアピールしたい強みが、面接先企業のどこに符号しており、今後の展開をどう捉えているかの思考の整理をする際に役立ち、安心して面接を迎えることが出来ました。(30代/会計士)
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