転職前に「会計士」の1年の動きを掴もう
転職活動を成功させるための気をつけるべきポイントはさまざまありますが、「活動を開始するタイミング」もそのひとつです。このタイミングを誤ってしまうと、「希望した業界の繁忙期と重なってしまって求人が少なかった」というような失敗につながり、少ない選択肢のなかで転職先を選ばなければならなくなり、結果として転職に時間がかかってしまうということになりかねません。つまり転職活動は、希望する業種や企業の年間スケジュールを把握して、繁忙期を避けたタイミングで始めることがとても大切になってくるのです。
ここでは、公認会計士が活躍している主な4業種にスポットをあてて、それぞれの業務の概要とその繁忙期シーズンについてご紹介します。
マイナビ会計士編集部
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公認会計士の活躍する業界とは
会計監査業務を生業とする公認会計士ですが、実際に会計士が活躍している分野や業界は監査業務のほかにも幅広くさまざまです。事業会社の一員として財務諸表を作成したり、コンサルタントとして企業の事業活動を色々な点から支援したり、税務申告業務を行ったり…。それぞれの分野において会計士としての専門知識に加えて、その業務のより深い専門知識や経験が求められることになりますが、資格を活かしながら新しいことにチャレンジできる機会が多いということであるともいえます。
その中でも監査法人、コンサルティングファーム、事業会社そして会計事務所の4業種では多くの会計士が活躍しており、その業務内容や繁忙期シーズンは業種ごとに大きく異なります。
監査法人
監査法人では財務諸表監査を中心とした会計監査業務を行っています。会計監査は監査する企業の決算期末後に行われるため、決算期末直前から決算期末後2カ月間あたりが繁忙期です。一般に日本企業は3月末決算の法人が多いため、3月後半から5月頃がその時期にあたります。
また、上場会社を多く取り扱っている大手監査法人では、期末監査のほかに3カ月ごとの四半期レビューを行います。四半期レビューは企業の四半期末後数週間から1カ月かけて実施され、期末監査ほどではないですがこの時期も比較的忙しい時期となります。
監査法人によっては、日本企業に加えて外資系企業を顧客に多くもつ法人もあります。外資系企業は12月末決算の企業が多いことから、このような法人では12月後半から2月頃にかけても期末監査が多く行われるため、その時期も繁忙期になることがあります。
また、新会計基準導入支援や内部統制構築支援などいわゆる「第2項業務」といわれるアドバイザリー業務も会計監査に続き監査法人を代表する業務です。監査法人が取り扱っているアドバイザリー業務は数カ月間から数年間のものまでプロジェクトの規模もさまざまで、各プロジェクトのスケジュールで動いているため、この業務を取り扱っている部署やチームの繁忙期は、会計監査の繁忙期の時期とは一概に同じではなく、プロジェクトのスケジュールや進捗によるところが多いでしょう。
コンサルティングファーム
コンサルティングファームと一言でいっても、企業戦略、事業再生や海外進出支援、システム構築、財務会計構築支援、リスク管理など幅広い分野があります。そのなかで会計士は会計や税務の知識だけでなく、顧客の業界や経営戦略など幅広い知識と経験が求められます。多くのファームでは、会計士だけでなくシステムエンジニアや弁護士など多様なバックグラウンドをもった人たちが集まりチームを組んで、それぞれの知識や経験を活かしながら顧客へのコンサルティングを行っています。
一般的にコンサルティングファームの業務は、顧客からの依頼内容に基づいてプロジェクト化し、顧客と設定したスケジュールや締め切りをベースに業務を行うため、忙しい時期もその規模もプロジェクトごとに異なります。
そのため、社内や部署で決まった年間スケジュールや繁忙期というのはなく、担当するプロジェクトによるところがとても大きくなります。そのせいか繁忙期と閑散期の区別がつきにくく、「コンサルティングファームは常に忙しい」と言われることもあります。
プロジェクトは数カ月単位のものから数年単位のものまでさまざまですが、たとえば財務会計構築支援など会計への関連が特に強い支援業務については、決算期末に向けてプロジェクトの締め切りが設定されていることが多く、決算期末に向けて繁忙期になります。
会計事務所
会計事務所では、中小企業などの法人や個人事業主から経理業務を請け負う記帳代行業務や確定申告業務を中心に行っています。チームでの作業というよりは個人が担当を持ち個々に業務を進めていくことが多く、各個人の企業会計や税務への深い知識と判断力が求められます。
会計事務所が取り扱っている案件は、そのひとつひとつの規模はそれほど大きくはないものが多いですが、スケジュール上、決算業務と確定申告業務の時期が重なるため、多数の顧客を持っている会計事務所では各担当者が複数の業務を同時進行で進めていく必要があります。そのため、年末ごろから徐々に忙しくなり、決算期末と確定申告の締め切りである3月末に向けて2月あたりから3月下旬をピークに繁忙期となります。
事業会社
事業会社で働く会計士は主に経理部や財務部、内部監査部などで活躍しています。
経理部では日々の会計処理業務、月次・期末の決算業務、税務申告業務などを担当します。そのため決算業務が行われる毎月の月末月初に業務が集中し、特に決算期末は年次決算業務と会計監査対応が行われるため最も忙しい時期になります。一般に日本企業など3月決算会社では3月下旬から4月頃、外資系企業など12月決算会社では12月下旬から1月頃が繁忙期になります。
財務部では資金の調達や運用管理を行います。具体的には日常の支払業務や銀行の借入など資金繰りの管理のほか、企業によっては株式投資や為替やヘッジなどの金融取引も行われています。財務部では支払業務が集中する月末月初が忙しく、年次決算への対応があるため経理部と同じく決算期末が特に忙しくなります。
内部監査部では、内部統制報告や経営管理を目的として内部統制の整備状況や運用状況の評価、業務プロセスの評価などを社内で行う部門です。会計監査の知見が活かせる業務なので多くの会計士が活躍しています。内部監査部は計画した年間スケジュールに沿って年間を通じて内部統制や業務プロセスを評価していきます。経理部や財務部に比べると繁忙期と閑散期の大きな波はありませんが、決算期末に年間を通じた内部統制の整備状況と運用状況を最終的に評価して内部統制報告を行うため、決算期末にかけて繁忙期になります。
そのほか、事業会社では経営企画、予算計画などがあり、経理部や財務部も担当部署に情報提供したり数値を作成したりと業務にあたります。計画内容を役員会議や経営会議などに報告する必要があるため、報告会議の1カ月前後は繁忙期になります。
まとめ
このように会計士が活躍する業種というのは幅広く、その業種によって年間スケジュールや繁忙期シーズンもさまざまです。さらには、法人の特性や所属する部署によっても繁忙期のシーズンは異なっているのが実情です。
転職するのであれば、できるだけたくさんの選択肢の中で自分の希望する業種や企業を選びたいものです。活動を始める前にまずは希望する業種や法人や部署についての情報収集と研究をしてみると、効率的かつ効果的な転職活動の確実な第一歩になるはずです。
ただ、情報収集をするにしても、正しい情報を調べるにも時間が取れず苦労されるはずです。キャリアアドバイザーは市況感や企業情報を把握しておりますので、是非キャリアアドバイザーへお気軽にご相談下さい。
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転職された方の声
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