公認会計士におすすめのダブルライセンス7選!メリットもまとめて紹介
公認会計士に加えてもう1つ資格を取得し、ダブルライセンスを実現することで、業務内容やキャリアの幅が広がり、年収も上がりやすくなります。
この記事では、ダブルライセンスのメリットとおすすめの資格を紹介します。
公認会計士のダブルライセンスを活かし、新しいキャリアを築きたい方は、ぜひマイナビ転職 会計士にお問い合わせください。

岩波 竜太郎
公認会計士
2000年、公認会計士2次試験合格。2004年公認会計士登録。
大手監査法人ではマネージャー・シニアマネージャーとして、主として世界有数のグローバル企業の会計監査に従事。その後ベンチャー企業へ転職し、執行役員・管理本部長として人事や労務なども含めた管理業務全般を幅広く経験。
2015年5月に岩波公認会計士事務所を設立し独立。2016年10月にはアイプラスアドバイザリー株式会社を設立。決算支援や管理会計構築をはじめとする財務会計・管理会計のアドバイザリー業務に従事する傍ら、上場会社の社外役員としても活躍。
目次
公認会計士がダブルライセンスを目指すメリット
公認会計士と他資格のダブルライセンスは、人材としての市場価値を高める要因の1つといえます。具体的なメリットは以下の通りです。
- 年収アップにつながる
- 独立するときの強みになる
- 転職で有利になる

年収アップにつながる
公認会計士のダブルライセンスは、会計や監査の知識に加えて、他の分野の知識も身に付けているため、業務の幅が広がります。
資格によって専門性が評価され、市場価値が高まれば、より大きな案件や高度な業務を任される機会が増えるでしょう。その結果、年収アップにつながる可能性がある点は大きなメリットです。たとえば、USCPA(米国公認会計士)を取得することで海外案件に携わる機会が増えれば、年収アップにつながる可能性があります。
独立するときの強みになる
公認会計士と他資格のダブルライセンスは、独立の際も役立ちます。
監査法人やコンサルティング会社、金融機関などの一般企業へ就職する人が多い一方で、公認会計士は独立して事務所を開く選択肢もあります。公認会計士以外の資格も保有することで、新たに顧客を集客するときの強みになることもあるでしょう。
転職で有利になる
公認会計士が複数の資格を取得するメリットの1つとして、転職で有利になることも挙げられるでしょう。ダブルライセンスを持っていることで、市場価値が高まり、公認会計士の資格のみ取得している人よりも採用されやすいといえます。
M&AやIPOに特化したコンサルティングファーム、弁護士法人、会計士法人などのさまざまな選択肢のなかから、自身が目指すキャリアや働き方にマッチする転職先を選択することが大切です。
【一覧表】公認会計士とダブルライセンスで持ちたい資格7選
公認会計士の資格を持っている人にダブルライセンスとしておすすめの資格は以下の通りです。それぞれの業務や一部の年収についても解説します。
| 公認会計士のダブルライセンスにおすすめの資格 | メリット |
|---|---|
| USCPA(米国公認会計士) | ・英語能力と米国会計基準や米国税務に関する基礎知識を得るので、外資系企業で勤務しやすくなる |
| 弁護士 | ・M&Aなどの法務と税務・会計を使う業務で活躍できる |
| 中小企業診断士 | ・クライアントに対して財務と事業の立て直しについて両面からの経営支援ができる ・第1次試験科目の一部が免除される |
| 税理士 | ・会計業務に加えて税務代理や税務書類の作成、税務の相談まで一貫した業務を一人で行える ・税理士試験を受験せずに税理士登録が可能(所定の要件あり) |
| 行政書士 | ・各種登記などの手続きも行えるようになる ・行政書士試験を受験せずに登録できる |
| 不動産鑑定士 | ・M&Aのデューデリジェンス、バリュエーション(投資価値評価)業務、不動産を含む相続、固定資産減損会計などの業務で活躍できる ・論文式試験の会計学と、公認会計士試験の受験科目(民法または経済学)が免除 |
| 社会保険労務士 | ・人事・労務面を含めた経営支援が可能になる ・会計・財務から人事・労務まで幅広い課題に対応できる |
公認会計士とUSCPAのダブルライセンス

USCPAとは、米国各州認定の公認会計士資格です。アメリカの資格でありながら、日本でも受験できるため、就職や転職、キャリアアップに役立つ資格として注目されています。
また、アメリカの会計基準「US-GAAP」は、昨今浸透している「IFRS(国際財務報告基準)」との統合が進められてきました。日本でもIFRS導入企業は増加していることから、USCPAの知識やスキルを活かせる場面は今後も広がると考えられます。そのため、国内外問わず活躍の機会が期待できる資格といえるでしょう。
業務
USCPAを保有する公認会計士は、英語能力と米国会計基準や米国税務などに関する基礎知識があると示せます。そのため、外資系企業への就職・転職で評価されやすいでしょう。外資系企業では、比較的高い報酬が期待できるほか、監査業務だけでなくコンサルティングなどの幅広い業務に携わる機会もあります。そのため、キャリアアップや年収アップにつながる可能性があります。
また、日本でも上場企業を中心にIFRSの導入が進んでいます。日本の会計基準に比べ、IFRSとの違いが少ない米国の会計基準を理解しているUSCPA取得者は、IFRSの導入をサポートしやすく、スキルを発揮できるでしょう。
公認会計士と弁護士のダブルライセンス
公認会計士と弁護士の資格を併せ持つことで、法律・会計分野の幅広い業務に対応できるようになります。上場企業を中心とする企業経営は、法律と会計という2つのルールに従って動いており、企業買収(M&A)のように、公認会計士と弁護士の両方が必要とされる業務も存在します。M&Aを行う企業は、買収する企業を法務と会計の両面から徹底的に調査します。デューデリジェンスと呼ばれる業務ですが、法務は弁護士、会計は公認会計士が担当します。公認会計士と弁護士のダブルライセンスがあれば、デューデリジェンスの主要部分を担当できます。
業務
ビジネスにおいて会計と法律の双方の知識を求められるのは、M&AやIPOなどの業務です。M&AもIPOも企業のステージに大きな変化が生じるタイミングで、莫大な金額が動きます。法令を遵守したうえでクライアントの利益を最大化する、もしくは損失を出さないようにするために会計と法律の専門知識が必要になります。
ダブルライセンスを保有することで、会計と法律、双方の視点から横断的な判断ができるため、M&AやIPOの業務で活躍するチャンスが広がります。
また、株や株価をめぐる訴訟または損害賠償などの係争が生じたときにも、弁護士とのダブルライセンスが役立つほか、訴訟を回避するための交渉役としても有効です。
年収
結論からいえば、弁護士の平均年収は約2,083万円です。ただし、この数字は開業弁護士の事業売上なども含んだ「収入」ベースの数値であり、経費を引いた手残りはこれよりも低くなります。公認会計士と弁護士のダブルライセンスを保有していれば、会計と法律の両面から付加価値の高いサービスを提供できます。その結果、案件の獲得や顧客満足度の向上につながり、年収アップが期待できるでしょう。
公認会計士と中小企業診断士のダブルライセンス
中小企業診断士は「日本版MBA」とも呼ばれる経営コンサルタントの国家資格です。独占業務はありませんが、企業の経営診断に始まり、コスト削減や事業拡大による収益増加などを目指した改善提案を行い、さまざまな分野で活躍できます。
公認会計士も会計や財務、内部統制などのコンサルティングを行うことはありますが、中小企業診断士は、経営コンサルティングに特化したスペシャリストです。財務や会計に加えて、経済環境や地域性、知的財産や従業員構成、販路など、あらゆる視点を踏まえた経営全般のアドバイスを行います。
また、公認会計士試験合格者は、中小企業診断士試験の第1次試験において一部科目の免除を受けられるため、資格取得を目指しやすい点も魅力です。
業務
中小企業診断士の資格を取ることで経営難に陥っているクライアントに対して、財務と事業の立て直しについて両面からの経営支援を行えるようになります。会計事務所を起業した場合なども、一般的な会計業務や税務申告だけでなく、経営コンサルティングに強みがあることで、仕事の幅が広げられる可能性があります。
また、組織や事業を急成長させようとしているベンチャー企業でも活躍が期待できます。成長中のベンチャー企業では人材が十分にそろっていないことも多く、経営や財務に関する知識を持つ人材へのニーズは少なくありません。公認会計士と中小企業診断士のダブルライセンスによって、経営幹部としての道が開ける可能性もあるでしょう。さらに、経営コンサルティングに強い人材として、会計事務所やコンサルティングファームへの転職でも評価されやすくなります。
年収
中小企業診断士の平均年収は、およそ740万円といわれています。
公認会計士とのダブルライセンスによって、財務と経営という企業の根幹にかかわるコンサルティングができるため、年収アップにつながる大きな業務に携われる可能性が高いといえます。
参照:データでみる中小企業診断士|一般社団法人 中小企業診断協会
公認会計士と税理士のダブルライセンス
公認会計士資格があれば、無試験で税理士登録ができます。公認会計士とは親和性が高く、会計業務に加えて、税務代理や税務書類の作成、税務の相談までワンストップで行えるという強みになります。税務顧問に記帳代行を委託する中小企業も多く、公認会計士と税理士のダブルライセンスによって、会計事務所にとっては安定的な仕事の受注につながります。会計事務所への転職、独立起業する場合には有利になるでしょう。登録費用と労力はかかりますが、手続きだけで取得できるため、ダブルライセンスとして有効な資格の選択肢に入れられます。
公認会計士と行政書士のダブルライセンス
行政書士も税理士と同じく、公認会計士が無試験で登録可能なため、ダブルライセンスにおすすめの資格です。行政書士は、許認可に関する書類、権利義務や事実証明の書類など、1万種類以上の官公庁および自治体に提出する書類を作成できます。代表的な業務として、会社設立や相続手続きなどが挙げられます。
公認会計士と行政書士のダブルライセンスならではという分野はありませんが、会社設立時や許認可が必要な新規事業の立ち上げ、各種登記など、会社経営には行政手続きが欠かせません。ダブルライセンスを保有していれば、そうした手続きが必要になったとき、いつでも対応できるというメリットがあります。クライアントにとっても、改めて行政書士を探さなくてよいという利便性の向上につながるでしょう。
公認会計士と不動産鑑定士のダブルライセンス
弁護士と公認会計士に並ぶ難関資格である不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価が独占業務となっています。そのほかに、不動産に関する調査・分析・コンサルティングが不動産鑑定士の主な業務です。
公認会計士有資格者は、不動産鑑定士試験の会計学と公認会計士試験の選択科目である民法、経済学に合格している場合はこれらが免除されるため、受験が有利になります。
不動産鑑定士とのダブルライセンスは、不動産への評価が必要なM&Aのデューデリジェンス、バリュエーション(投資価値評価)業務、不動産を含む相続、固定資産減損会計などの業務で活かすことができます。その一方で、不動産が関係しない業務では優位性を発揮する機会が少なく、単発の業務となる傾向があります。不動産を中心とする投資会社や、M&Aや相続をメインにしている法人などが活躍しやすいフィールドといえます。不動産の分野でキャリアを積みたいと考えている方には大きな強みとなるでしょう。
公認会計士と社会保険労務士のダブルライセンス
社会保険労務士は、人事・労務管理や社会保険に関する専門家です。労働保険・社会保険の手続き代行をはじめ、就業規則の作成・変更、労務相談などを行います。
公認会計士と社会保険労務士のダブルライセンスを取得すれば、会計・財務だけでなく、人事・労務の分野まで含めた幅広い経営支援が可能になります。企業経営においては、資金管理や会計だけでなく、人材の採用や労務管理も重要な課題です。そのため、両資格を持つことでクライアントに対してより多角的なアドバイスを提供できるようになります。
特に、成長企業やIPO準備企業では、人事・労務体制の整備が求められる場面も少なくありません。会計・財務に加えて人事・労務の知識も備えていることは、大きな強みとなるでしょう。
よくある質問
公認会計士のダブルライセンスについてのよくある質問を紹介します。
トリプルライセンスは必要ですか?
3つの資格を取得することで、独占的な業務の幅が増え、より一貫性を持った提案ができるようになります。取得する資格の組み合わせによって、活躍できる場が異なるので事前に把握したうえで挑戦することが大切です。もちろん、ダブルライセンスと比べても、転職で有利になりやすいといえます。
ダブルライセンスがないと転職できない?
ダブルライセンスはあくまで自分の能力を示す1つのアピールポイントであり、ダブルライセンスがないからといって転職ができないということはありません。ただし、会計業務のほかにプラスアルファのスキルを持つ人材は、転職市場において需要が高まるのも事実です。資格や実務経験、別領域での知見など、自身の強みを適切に引き出せるか不安な方は、転職エージェントに相談するのも方法の1つです。
まとめ
公認会計士のダブルライセンスとしては、USCPAや弁護士、中小企業診断士がメジャーな印象ですが、税理士、行政書士、不動産鑑定士などを保有している人も少なくありません。複数の分野の知見と独占業務を併せ持つことで手がけられる業務の範囲が広がり、有利になります。独立起業する場合でも、ワンストップで対応できることが強みになるでしょう。
取得する資格の組み合わせによって対応できる業務が異なるため、どのような分野で仕事をしたいのかを吟味して検討することが重要です。
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