急増するIFRS導入企業。それに伴い、注目を集める「IFRS検定」
会計の「世界基準化」に向かっているIFRS。
日本国内を見ても、導入済みの企業や導入予定企業が増えています。そのため、公認会計士にとってもIFRSは注目しておくべき項目の1つといえるでしょう。
そこで今回は「IFRS検定」を取り上げます。この検定、いったいどのようなものなのでしょうか?
マイナビ会計士編集部
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IFRS会計士のニーズが増加
金融庁が昨年2月に発表した資料「国際会計基準をめぐる最近の状況」を見ると、日本におけるIFRS適用状況は右肩上がりで増加していて、IFRS導入がスタートした2010年12月末時点では3社だったのに対して、2014年:54社、2015年:99社、2016年:133社となっています。
世界を見渡しても、149法域のうち119法域で「全てまたは大部分の主要企業に対してIFRSを強制適用」している状況です。今後、IFRS導入の波は世界規模で大きくなっていくことが予測されています。
IFRSが存在感を増すなか、IFRSの知識を身につけておくべき人材はIFRS導入企業の監査を担当している大手監査法人の会計士だけではありません。というのは、IFRSを導入している大手企業は関連会社や取引会社の数も多く、多数の企業に影響を及ぼすからです。
つまり、担当している企業がIFRSを導入していなくても、今後、その関連企業がIFRSを導入すれば、IFRSの知識を求められることは十分に考えられるのです。
そうした背景もあり、近年は監査法人や大手企業がIFRSの専門知識をもっている人材、またはU.S.CPAの資格保持者を積極的に採用しています。
IFRSの波が世界的に大きくなるなかで、国内でもIFRSの知識をもった会計士の需要は今後ますます増加していくことでしょう。現在はIFRSについて勉強しておいて損はない時代といえるかもしれません。
<ココまでのまとめ>
・IFRSの導入企業が、国内も含め、世界的に増えている。
・今後、IFRSの知識をもった会計士の需要はますます増加していく。
IFRS検定試験
「IFRS検定試験」というものがあります。
1880年に設立されたICAEW (The Institute of Chartered Accountants in England and Wales/イングランド・ウェールズ勅許会計士協会)が国際会計基準(IFRS)の広範な知識と理解力を測ることを目的として、IFRS Certificate(日本語名:IFRS検定試験)を運営しています。
公式サイトにはICAEWからのメッセージとして、
「ICAEWが提供する国際会計基準検定(IFRS certification)は、IAS及びIFRSへの包括的な手引を提供しています。国際会計基準におけるICAEWの認定資格は、企業のクライアント、他の専門職団体、大学、大企業の幹部により世界中で広範に用いられています。国際会計基準検定を受検することにより、様々なビジネスの現場でIFRSを適用する能力、及び、財務諸表の作成者、監査人及び財務諸表の利用者のために、個々の基準に基づいてIFRSの基本的な要件を検討する能力を高めることができます」
と記載されています。
日本語での試験が始まったのは2009年12月。英語以外での同試験の実施は世界でも初めての試みであり、英語力が乏しくても、純粋にIFRSの知識だけで勝負して、国際的な資格をとることが可能になっています。
試験は年3回。原則として2月、6月、10月の開催ですが、2018年の次回の試験日時は11月4日(日)となっています 。受験条件はありません。受験料は46,440円、実施時間は2時間、試験形式はマークシートの60問で、正答率60%以上で合格となります。
受験するためには、サイト上で新規ID登録 → 受験申込 → 受験票プリントアウト → 受験 → 試験結果の通知 → 合格証受領というステップを経る必要があります。
<ココまでのまとめ>
・IFRS試験が2009年から日本語で受験できるようになった。
・試験はマークシート形式で、60%以上の正答率で合格になる。
BATICとの違い
IFRS検定試験とよく対比して語られる資格として「BATIC(国際会計検定)」があります。
BATICは東京商工会議所が運営する試験で、英語による基本的な会話取引(英文簿記)の「Subject 1」と、国際会計理論の「Subject 2」の2科目で構成されています。IFRS検定試験との大きな違いは、「合格・不合格」ではなく、1,000点満点のスコア制を導入している点です。
スコア別に称号があり、880~1,000点は「コントローラーレベル(日商簿記1級程度)」、700~879点は「アカウンティングマネジャーレベル(日商簿記2級程度)」、320~699点は「アカウンタントレベル」、200~319点は「ブックキーパーレベル」で、どちらも日商簿記3級程度と定義されています。
さらにIFRS検定試験との大きな違いは「試験言語」です。IFRS検定試験が日本語で受験できるのに対して、BATICは英語のみ。つまり、BATICは会計の知識だけなく、英語力も求められる試験なのです。
そのため、BATICでハイスコアを得ることができれば、「会計知識と同時に高い英語力も兼ね備えている」ことを証明できるため、外資系企業への転職や海外で働く際にも役に立つと考えられます。
ちなみに、BATICを受験するうえで必要な英語力は、TOEIC750点程度といわれています。
どちらを受験するか。それは自分自身の能力と、今後めざしたい方向性によるというところでしょうか。みなさんは、どちらのタイプですか?
<ココまでのまとめ>
・BATICは英語のみの受験で、合格・不合格はなくスコア制。
・外資系企業などへのアピールにも役立つ。
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