USCPAは非常勤やアルバイトとして働ける?米国公認会計士のパート事情
USCPA(United States Certified Public Accountant,米国公認会計士)の資格を持っている方の中には、非常勤やアルバイトで働くことに不安を感じているケースが多くあります。また、非常勤やアルバイトができる場合でも、どのような仕事があるのか、給与面でどのくらいの待遇が期待できるのか知りたいと思っている方もいるでしょう。
USCPAの資格を持っている方には、非常勤やアルバイトだけでなく、週3や時短勤務、副業、フリーランスとして業務委託を目指すなど、さまざまな働き方があります。そのため、非常勤やアルバイトが難しい場合でも、自分に合った働き方を選択し、キャリアアップを目指すことが大切です。
本記事では、USCPAの非常勤やアルバイトでの働き方、年収、選択肢などについて解説します。USCPA資格を持つ方やこれから取得を考えている方は、非常勤やアルバイトでの働き方を検討する参考にしてください。
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目次
USCPAでも非常勤やアルバイトとして働ける?
USCPAの資格のみでも、非常勤やアルバイトとして働くことはできますが、状況によっては難しいこともあります。なぜなら、USCPAでも非常勤やアルバイトとして働けるかどうかは、主に以下の3つの要因によって左右されるためです。
- 非常勤やアルバイトの求人数
- USCPAとしての経験
- ダブルライセンスの有無
まず、USCPAの資格のみを持っている方を対象とした求人数は、非常勤やアルバイトのみに絞り込むと多くありません。これは、繁忙期や特定の業務に必要な人材を補うことを目的として、非常勤やアルバイトのUSCPAを採用することが多いためです。一般的に、公認会計士の繁忙期は企業決算前後の3月〜5月あたりとなります。こうした繁忙期の時期には、非常勤やアルバイトの求人も増える傾向にあります。
しかし、それ以外の時期では業務の減少に比例して求人数も少なくなるため、希望する働き方も実現しにくくなるでしょう。
次に、USCPAとして実務経験を積むために働く方の場合、実績や経験がないことで選べる求人数も減ってしまうこともあります。選べなくなる理由は、非常勤やアルバイトの求人は、フルタイムと比べて、即戦力としてのスキルや経験を求められる傾向があるためです。また、日本の企業を対象とした業務に携わる場合は、日本会計基準(JGAAP)や日本税法などにも対応できる人材を優先する傾向もあります。そのため、USCPAに限らず、公認会計士資格も保有する「ダブルライセンスの取得者」のほうが、有利にアピールできる状況です。
このように、USCPAの資格を持っているだけでも、繁忙期などのタイミングを見極めることができれば、非常勤やアルバイトとして働くことはできます。ただし、求人の数や経験、またダブルライセンスの有無によって、雇用の機会が変わってくることに留意してください。
USCPAで在宅勤務・業務委託も可能
USCPAの資格を活かして働きたいとお考えの場合は、リモートを含む在宅勤務や業務委託を選択肢に入れることも可能です。実際に、マイナビ会計士で掲載している求人では、USCPAの資格を持つ人材をリモート・在宅で業務委託として募集しているケースがあります。しかし、在宅勤務・業務委託の求人数も、非常勤やアルバイトと同様に多くはありません。また、日本語力はネイティブレベルで必要とされ、英語力もビジネスレベル以上であることが求められます。
一方で、在宅勤務・業務委託は、条件さえ満たすことができれば、求人の選択肢を広げられるメリットもあります。加えて、非常勤やアルバイトにも近い働き方も実現可能です。そのため、非常勤やアルバイトだけにこだわらず、在宅勤務や業務委託の求人も確認しておくとよいでしょう。なお、マイナビ会計士が取り扱っているUSCPAのリモートを含む在宅勤務や業務委託を対象とした求人は、下記ページからご覧いただけます。
USCPAが非常勤ではたらくときの給料
USCPAを対象とする具体的な非常勤やアルバイトの給与については、明確なデータや数値はありません。そのため、同様の雇用形態である非常勤の公認会計士を参考にすると、4,000~10,000円程度となる見込みです。
公認会計士が時給制の非常勤で働く場合、年間100日以上の勤務日数で契約するケースが求人で多くみられます。次に、年収に関しても募集内容によって異なりますが、「240万円から」が多い傾向にあります。これら2つの条件に加えて、1日の勤務時間を5時間と仮定し、公認会計士の時給を計算すると約4,800円となります。ただし、給与は会計事務所や監査法人によっても異なるだけでなく、インチャージ経験や前職のポジションなどの実務経験、資格手当の有無によっても変動することに留意してください。
次に、年収の参考として非常勤ではない日本のUSCPAの年収についても見ておきましょう。これは、非常勤やアルバイトの場合は、常勤のUSCPAと比較して低くなると考えられ、1つの目安となるためです。たとえば、政府統計のデータから会計士・税理士の給与を合算した金額を見ると、年収は639万2,100円です。また、従業員数が1,000名以上の会計事務所や監査法人の年収目安は、2023年3月時点で493万1,000円となっています。詳しくは、下表をご覧ください。
項目 | 全体の年収 | 1,000名以上の年収 |
---|---|---|
所定内給与額 | 426万3,000円 | 385万4,400円 |
年間賞与(その他特別給与額) | 170万8,100円 | 108万1,400円 |
合計 | 639万2,100円 | 493万5,800円 |
参考:賃金構造基本統計調査 令和4年賃金構造基本統計調査(順次掲載予定) 一般労働者 職種 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp)
3-sanko【参考】職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)(役職者を除く)
※税理士を対象としたデータを含むため、公認会計士のみではない事にご留意ください。
このように、非常勤で働くUSCPAの時給を公認会計士と同水準とした場合、時給4,000〜10,000円が時給の目安となります。また、年収は非常勤ではない公認会計士の493万よりも少なくなると考えられるでしょう。
USCPAの非常勤では時給が基本になる
先述したように、非常勤で働くUSCPAの場合は基本的に時給制となります。これは、定期的に発生する監査業務の補助を求める際に、時給制の雇用契約を結ぶことが一般的であるためです。
また、繁忙期には企業の監査が集中し、多くの作業が必要となります。そのため、人材不足を補う目的で、少ない勤務日数でも非常勤のUSCPAを雇用することがあります。その際にも、一定期間だけ時給制で雇用するケースが増えるでしょう。
USCPAで非常勤が難しいときの3つの選択肢
ここまで、USCPAの非常勤やアルバイトとしての求人数や働き方の選択肢、目安となる年収をお伝えしました。求人数が限られて非常勤として働く機会が少ないこと、希望する時給と実際の給与が一致しないことで、非常勤として働くのが難しいと感じた方も多くいるでしょう。特に実務経験が少ない場合はアピールポイントも少なく、非常勤で働くチャンスを得ることが難しいと感じるかもしれません。
そこで、USCPAで非常勤が難しいときに選びたいおすすめ選択肢を下記の3つに分けて紹介します。
- USCPAを活かした副業
- フリーランスとして業務委託を目指す
- 週3や時短勤務を目指す
それぞれの選択肢は、非常勤として働くよりも柔軟な働き方を実現しやすく、より充実したキャリアを築くことができるきっかけとなります。自分のスキルや希望する働き方に合わせて、最適な選択をする参考にしてください。
USCPAを活かした副業
まず、USCPAとして非常勤で働くことができない場合でも、資格を活かした副業が選択肢の1つとして挙げられます。たとえば、USCPA資格を持つことで、会計に関する知識やスキルが豊富にあります。企業や個人の会計業務をサポートすることで、専門知識を活かしながら収入を得ることができるでしょう。また、資格を取得する際に獲得した英語力を活用し、ビジネス文書やWebコンテンツを翻訳することで報酬を得ることもできます。
これらはあくまでも一例であり、そのほかにも、資格を活かした副業は多くの選択肢があります。
USCPA資格を持つ方が非常勤で働けない場合でも、自らが保有する技術や知識、時間に合わせて柔軟な働き方が可能です。副業を通じて収入の柱を増やしたり、新たなキャリアを築いたりすることもできるため、USCPA資格を持つ方にとっては有益な選択肢と言えるでしょう。
フリーランスとして業務委託を目指す
次に、USCPAとしての実務経験が豊富な方は、フリーランスとして業務委託を目指すこともできます。たとえば、会計コンサルタントや税理士などの仕事は、非常勤のように自分のペースで働ける場合があります。
USCPAがフリーランスとして働くと、自分のスケジュールを自由に調整できるため、仕事とプライベートのバランスを取りやすくなるでしょう。また、クライアントとの関係を築くことで、長期的な仕事の依頼や信頼関係を構築することも可能です。
ただし、フリーランスとして働くには、自分で仕事を探したり、契約や請求を管理したりする必要があります。また、収入が不安定になることや、競争が激しいことも考慮しておくと良いでしょう。このように、USCPAの資格を活かしてフリーランスとして働くことは、自由度が高く、自分の能力を最大限に活かすことができる選択肢として有力な候補となります。
週3や時短勤務を目指す
最後に、USCPAの資格を活かす方法として、非常勤の仕事だけでなく、週3や時短勤務に挑戦することも挙げられます。週3や時短勤務に移行することで、非常勤の給料や待遇に近づけることができるためです。特に、子育てや介護などの理由で時間が取れない場合や、ワークライフバランスを意識したい場合に有効でしょう。
週3や時短勤務を選ぶメリットは、時間の制約が少なくなることです。たとえば、介護や子育てをしながら働きたい場合、週3の勤務であれば子どもの面倒を見る時間を確保できます。また、趣味や副業に時間を割きたい人や、公認会計士の資格を取得するための勉強に時間を費やしたい方にとっても週3や時短勤務は適しています。
ただし、週3や時短勤務を選ぶ場合は、事前に法人側と希望する期間や時間帯の調整が必要です。しかし、調整が必要なことを踏まえても、週3や時短勤務は、仕事と家庭の両立が難しい方や、一定の時間を確保したいと考えている方にとって理想的な解決策となるでしょう。
USCPAで非常勤としてはたらくときのFAQ
最後に、USCPAで非常勤としてはたらくときのFAQを紹介します。
- USCPAの年収はいくらですか?
- CPAの給料はいくらですか?
- USCPAと公認会計士はどっちが難しい?
USCPAの年収はいくらですか?
USCPAの年収は、業種や職種、経験年数などによって大きく異なりますが、一般的には日本で2,000万円程度が目安とされています。ただし、これは正社員としてフルタイムで働く場合の平均的な水準であり、非常勤として働く場合は、時給や契約期間などによって変動します。また、日本だけでなく海外で働く場合もありますが、その場合は為替レートや物価なども考慮する必要があるでしょう。詳しくは、下記ページをご覧ください。
CPAの給料はいくらですか?
CPA(日本の公認会計士)の給料も、同様に業種や職種、経験年数などによって大きく異なりますが、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2022年)によると、全年齢の平均年収はおよそ627万円です。
以下に男女別・年齢別の平均年収を表にまとめました。
年齢 | 男女平均年収 |
---|---|
全年齢の平均 | 627万円 |
20~24歳 | 297万円 |
25~29歳 |
507万円 |
30~34歳 |
650万円 |
35~39歳 |
687万円 |
40~44歳 |
645万円 |
45~49歳 |
801万円 |
50~54歳 |
729万円 |
55~59歳 |
913万円 |
60~64歳 |
604万円 |
65~69歳 |
434万円 |
CPAの給料について詳しくは、下記ページもご覧ください。
USCPAと公認会計士はどっちが難しい?
公認会計士試験とUSCPAの難易度を合格率で比較すると、公認会計士試験の方が難しいと言えます。
公認会計士試験は、短答式試験と論文式試験の2段階で行われますが、短答式試験では、全科目に合格する確率は毎年10%程度です。論文式試験の合格率も概ね35%前後であり、最終的に合格するのは約10%の受験者でとなります。
一方、USCPAは年に4回テストが行われており、実施回や科目ごとに異なりますが、平均すると、合格率は50%前後です。
なお、USCPAと公認会計士は、試験内容や形式、受験者数などが異なるため、単純に比較することができません。詳しくは、下記ページをご覧ください。
まとめ
USCPAの資格を活かして、非常勤やアルバイトとして働くことは十分に可能です。USCPAの非常勤として働く場合、通常は年間100日以上の勤務日数で契約することが一般的です。また、時給制であることも考慮して、勤務日数や期間、勤務形態を選ぶ必要があります。
非常勤で働くことが難しい場合でも、資格を活かした副業や週3日勤務、時短勤務などの働き方があり、さまざまな働き方が選択肢となります。
そのため、自分に合った働き方を選択し、キャリアアップを目指すことが大切です。マイナビ会計士では、USCPAのキャリアや転職先についても相談できるため、ぜひご利用ください。
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