FARの試験概要

FARとはFinancial Accounting & Reportingの略で、日本語でいうと財務会計になります。のちほど詳細は紹介しますが、FARはUSCPAにおいて必須科目となっています。それでは試験概要を紹介していきます。

出題形式

USCPAの試験時間は４時間で、当然ながら言語は英語です。また、筆記試験ではなく、コンピューターで回答するCBT（Computer Based Testing）が採用されています。
出題形式は2つのパターンで構成されており、4択問題から１つの選択肢を選ぶ方式と総合問題です。4択問題から１つの選択肢を選ぶのはMultiple Choice（MC）と呼ばれ、総合問題は「Task-Based Simulation」（TBS）と呼ばれています。

試験内容

FARは日本の公認会計士試験と異なり、政府会計と非営利組織会計の問題が含まれています。政府会計とは地方自治体の会計で、非営利組織会計とは医療や学校、福祉団体などの会計です。FARでは通常の企業会計の問題が8割、政府会計と非営利組織会計の問題が2割で構成されています。

試験日や出題構成、配分

試験日については四半期に1度試験を受験できるチャンスがあり、1年に同じ科目で4回受験することができます。また、USCPAでは試験合格制をとっており、一科目ずつ取得することができますが、有効期間は18ヶ月間なので注意が必要です。
出題構成は大きく5題で構成されており、1・2がMCで各33問、3・4・5はTBSで3は2問、4・5は各3問です。なお、MCとTBSがそれぞれ50％ずつで、合格するには75点必要とされています。

2024年新試験制度

USCPAはもともとFAR（財務会計）、AUD（監査及び証明業務）、REG（税法及び商法）、BEC（ビジネス環境及び諸概念）の4科目で構成されていました。しかし、新制度では必須科目としてFAR（財務会計）とAUD（監査及び証明業務）、REG（税法及び商法）の3科目、そして選択科目としてBAR（ビジネス分析及び報告）、ISC（情報システム及び統制）、TCP（税法遵守及び税務計画）の3科目のうち1科目を選ぶ制度に変わっています。
4科目勉強することは変わっていませんが、選択科目が設定されて試験内容も一部変更されました。FARの試験範囲も少し変更があり、BARに移行されています。ただし、軽微でほとんど勉強範囲に変更はありません。

FARの勉強時間

USCPAの合格までの勉強時間は1,200時間〜1,500時間と言われ、そのうち、FARの合格には400〜500時間かかるとされています。全体の中でも3分の１程度の時間となっており、もっともボリュームの大きい科目です。
1日2〜3時間勉強すると考えると、6ヶ月程度の勉強時間が必要になります。ただし、あくまで平均の勉強時間です。個人による知識や経験などによって、勉強時間は異なってきます。

USCPA FARの勉強を始める前に知っておくこと

FARの勉強を始める前にどのような準備をする必要があるのか、知っておくべきことを紹介します。

USCPA FAR試験の全体像を知る

USCPA FARを受験するには、FAR自体の試験範囲、傾向、問題形式などの全体像を知ることが重要です。試験範囲は当然ながら最初に理解し、勉強をどのように進めるかを考える必要があります。
そして、問題形式も最初に理解しておき、どのような問題に慣れないといけないのか考えて進めましょう。また、合格点を理解することで、合格ラインを意識して勉強することができます。

USCPA FARにおいては英語の勉強も重要

USCPA FARはすべて英語で出題されます。また、求められる英語能力は高く、TOEICでも高得点になるような水準と言われています。そのため、英語に自信がない人は早めの段階から、FARの勉強と並列して英語の勉強も行いましょう。そうしないと、インプットの段階から苦労してしまうかもしれません。

勉強時間を試験日から逆算する

試験日から逆算して考えて、勉強のスケジュールを計画しましょう。現在の知識レベルから、いつまでに、どこまで勉強を進めるべきか想定しておきます。

USCPA FARのおすすめの勉強方法

USCPA FARは他の受験科目の中でもボリュームがあり、基本的な内容から応用的な内容まで幅広く出題されます。ここで、FARのおすすめの勉強方法について紹介しましょう。

これから勉強する場合

まずは一つの参考書を何回も繰り返してインプットします。いくつもの参考書を使う人もいますが、まずは一冊を完璧にする方法が知識の定着にはおすすめです。ただし、1回で完璧にすることは誰にでも困難です。完璧を求めず、何回も繰り返してインプットしましょう。
ある程度の知識が定着したら、今度はアウトプットを繰り返します。実際に何度も過去問などで問題演習を行い、実際の試験に対応できるようにすることが大切です。間違えた問題があれば、その理由を明確にして同じ間違いをしないようにしましょう。正解した問題についても、何度出題されても解けるよう一度でなく何度か解いて理解しておきます。間違った問題や理解が不十分な内容は、ノートにまとめておくのも効率的な方法です。

試験直前の場合

試験直前は、より本番に近い形で演習します。なぜなら、ただ問題を解くだけでなく、時間配分が重要になるからです。そのためには、模試などを受けるのも効果的でしょう。
また、計算問題は実際に手を動かして解くことが大切です。何回も解いた問題なら電卓でも構いませんが、手を動かすことで解き方の過程を確認しながら感覚を取り戻しておいてください。

まとめ

USCPA試験のFARについて、試験概要や勉強方法などをご紹介しました。USCPA試験の中でもFARは重要度の高い科目で、他の科目よりボリュームが多くなっています。そのため、全体像を把握しつつ、計画的に勉強を進めることが大切です。インプットとアウトプットを通じて出題形式などにも慣れ、実践的な演習を経て合格できる知識を身に付けましょう。