freeeの出現が業界に与えた影響。会計士は「機械に奪われる仕事」？
freeeの大きな強みは、それまでの会計ソフトにはなかった、専門知識がなくても利用できる使いやすさ、直感的に操作できるユーザーインタフェース、会計帳簿の自動作成機能などです。2013年3月のリリース以降、利用者は増え続け、現在、スモールビジネス向けクラウド会計ソフトのシェア No.1になっています。
そんなfreeeは現在、公認会計士や税理士との連携を積極的に強めていると言われています。具体的な動きとしては、公認会計士や税理士がfreeeのユーザーサポートをする認定アドバイザーになる制度があり、既に全国で2,000を超える事業所ができているそうです。
もしかしたら、みなさんの中にもfreeeの認定アドバイザーをされている方がいるかもしれません。
マイナビ会計士編集部
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会計士は「機械に奪われる仕事」ランキング2位
2013年にローンチしたfreeeと時を同じくして発表された論文『雇用の未来』では、コンピュータの進化によって「あと10年で消える職業・なくなる仕事」が紹介されています。
その論文を元にして、ダイヤモンド社が発表したデータでは、なんと「機械が奪う職業・仕事ランキング」の2位に「会計士」がランクインしています。
ランキングの詳細を見てみると、1位：小売店販売員、2位：会計士、3位：一般事務員、4位：セールスマン、5位：一般秘書、6位：飲食カウンター接客係、7位：商店レジ打ち係や切符販売員、8位：箱詰めや積み降ろしなどの作業員、9位：帳簿係など金融取引記録保全員、10位：大型トラック・ローリー車の運転手、となっています。
ある公認会計士はランキングを見て、「決算数値のミス発見など、会計士の大半の作業はコンピュータにとって代わられる可能性がある」との見解を示したそうです。でも、本当にこのランキングは正しく、会計士の仕事は将来なくなってしまうのでしょうか？
疑問に思う理由は、IT先進国のアメリカでは「会計士の人数は増加傾向にある」と言われていることです。アメリカでは、会計士はやりがいのある仕事であり、専門知識とスキルを備えたプロフェッショナルという認識があると考えられているといいます。これから見ていくアメリカ以外の国に目を向けても、会計士の需要が存在することがわかります。
会計士が生き残るために必要なものは？
日本よりも早くクラウド会計ソフトを導入しているニュージーランドやイギリス、オーストラリアに目を向けると、顧客は会計士に対して「ソフトに任せられるところは任せて、それによって空いた時間で付加価値を提供してほしい」という要望があるそうです。
その要望は日本国内でも同様で、freeeが実施した「税理士に今後お願いしたい業務」というランキングでは、1位が「コンサルティングや業務効率化へのアドバイス」、2位が「税務アドバイス」、3位が「記入データに対する指摘」となっています。つまり、単純作業ではなく、コンサルティングや指導に重きを置かれていることがわかります。
この調査結果を受けて、freeeでは「リアルタイム経営パートナー」をコンセプトに、企業と会計事務所が経営状況やデータを共有することで、組織を最適化するためのコンサルティングなどのサービス提供を行っています。
会計士の方、またこれから会計士を目指す方は、「顧客に付加価値を提供すること」を頭の片隅に置いておくとよいかもしれません。会計士がそれぞれ独自のサービスを展開していくことが、生き残りのカギを握っていると言えるでしょう。
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