40歳から公認会計士は目指せる?未経験の場合や合格・就職するためのポイント
未経験でも40歳から公認会計士は目指せます。2025年の40歳以上の合格者数は20人でした。しかし、試験勉強には年単位の時間がかかることや、未経験だと合格後のキャリア形成のハードルが高い場合があります。そこで、40歳から公認会計士を目指す強みや注意点を把握する必要があります。本記事では、40歳から公認会計士を目指す際のポイントや注意点、就職先まで詳しく解説します。

大原 剛
公認会計士・税理士
2007年、有限責任監査法人トーマツ入所。上場企業および大企業を中心とした会計監査業務に従事。
その後、プライム市場上場企業およびグループ子会社において、経理・税務・会計システム・予算管理など、コーポレート部門全般の実務を経験。
これらの経験を踏まえ、ハルサク会計を設立。現在は、税務申告業務に加え、上場企業水準の開示・内部管理を見据えたバックオフィス業務の仕組み化や、IT企業・スタートアップを中心とした会計・税務・管理体制の構築支援を行っている。
また、日本公認会計士協会東京会において、経営委員会委員およびテクノロジー委員会委員を歴任。
実務と制度の両面から、企業の成長フェーズに応じた実践的な会計・税務支援を強みとしている。
目次
未経験でも40歳から公認会計士は目指せる!
40歳から公認会計士を目指すことは可能です。2025年の金融庁のデータによると、2025年の公認会計士試験における40歳以上の合格者数は20人で、最高年齢は54歳でした。さらに2019年には、62歳で公認会計士に合格した方もいます。従って、40歳から公認会計士試験に合格し、就職・転職を実現することは可能です。2025年の年齢別合格者数を以下の一覧表にまとめました。
| 区分 | 出願者 | 合格者 | 合格率(対出願者) | 構成比 |
|---|---|---|---|---|
| 20歳未満 | 442人 | 26人 | 5.9% | 1.6% |
| 20歳以上25歳未満 | 10,105人 | 1,002人 | 9.9% | 61.2% |
| 25歳以上30歳未満 | 5,734人 | 431人 | 7.5% | 26.3% |
| 30歳以上35歳未満 | 2,474人 | 119人 | 4.8% | 7.3% |
| 35歳以上40歳未満 | 1,263人 | 38人 | 3.0% | 2.3% |
| 40歳以上45歳未満 | 824人 | 15人 | 1.8% | 0.9% |
| 45歳以上50歳未満 | 484人 | 0人 | 0.0% | 0.0% |
| 50歳以上55歳未満 | 292人 | 5人 | 1.7% | 0.3% |
| 55歳以上 | 438人 | 0人 | 0.0% | 0.0% |
上記の一覧表を見ても分かるように、40歳以上で公認会計士試験に合格している人は複数います。しかし、年齢を比較すると合格者は20代の割合が最も高く、40歳以降の割合は低い傾向があります。具体的には、20歳以上25歳未満の合格率が最も高い9.9%であり、40歳以上45歳未満の合格率は1.8%です。20代と比較して40代では仕事や家事・育児などで忙しく、勉強時間の確保が困難になることも、合格率が低くなる要因の一つとして考えられます。
学習計画の立て方や継続力が、40代で公認会計士試験に合格するための大切なポイントの1つになってくるでしょう。
40歳から公認会計士を目指す際の注意点

40歳から公認会計士を目指す際に注意すべきポイントは、試験合格までの学習計画と合格後のキャリア形成です。試験合格後は、合格してもすぐに公認会計士と名乗れないことや、就職・転職がうまくいくとは限らないことに留意しましょう。これらのポイントは、40歳以上で公認会計士を目指すからこそ注意する必要があります。
十分な勉強時間の確保が難しい
40歳から公認会計士を目指す際、勉強時間は十分に確保することを心がけましょう。ケース別の1日あたりの勉強時間と、試験合格までの年数の一般的な目安は以下の通りです。
| ケース | 1日の勉強時間 | 試験に合格するまでの年数 |
|---|---|---|
| 働きながら勉強する場合 | 3時間〜5時間 | 3年〜5年間 |
| 勉強に専念できる場合 | 7時間〜10時間 | 1年〜2年間 |
公認会計士試験に合格するために必要な勉強時間は、合計で3,000時間~5,000時間といわれていますが、実際にはそれ以上に及ぶこともあり得ます。個人差はあるものの、仕事に加えて育児や介護なども抱えやすい40代にとって、十分な勉強時間を継続的に確保することは容易ではないでしょう。
合格してもすぐに公認会計士を名乗れるわけではない
公認会計士試験に合格しても、すぐに公認会計士を名乗れるとは限りません。試験合格後、公認会計士を名乗るには以下の2つの条件を満たす必要があります。
- 3年以上の実務経験(業務補助等)を積む
- 修了考査に合格する
ただし、試験合格前の実務経験が要件を満たしている場合には、実務補習の修業年限を短縮できるケースもあり、通常より短い期間で登録まで進められる可能性があります。
このように、実務経験を積むための就職先選びも、公認会計士になるうえで重要といえます。転職エージェントや求人サイトを活用して、自分に合った就職先を見つけましょう。
就職活動・転職活動には工夫が必要
40代で試験に合格しても、希望に沿った就職先にいけるとは限らないことにも注意が必要です。たとえば、合格者の9割は監査法人に就職するといわれていますが、大手監査法人の内定者には20代~30代半ばの人が多い傾向があります。また40代での転職はマネジメントや管理職などの経験が重視され、シニアポジションでのニーズが強い傾向があります。これを踏まえると、中小の会計事務所や税理士法人で実務経験を積んでいる人のほうが有利といえるでしょう。そのため、40代で未経験から就職する際は、履歴書や面接で自分の付加価値をうまくアピールする工夫が必要です。たとえば、前職でのマネジメント経験や資格、英語力などをアピールするとよいでしょう。
就職・転職活動における戦略設計に不安がある場合は、公認会計士を専門とするエージェントを利用するのがおすすめです。試験合格後の就職先に悩んでいる人は、ぜひご相談ください。
40歳から公認会計士を目指す「強み」もある
40歳から公認会計士を目指すことの強みは、社会経験が豊富であることです。試験合格に向けて勉強する際には、社会人として培った法律や経営に関する知識が活きるでしょう。たとえば、試験勉強の際に実際のビジネスシーンを思い浮かべながら学習することで、より深い理解や記憶の定着にも役立ちます。
また合格後は、これまでの社会経験から得た知識を強みとして就職活動が行えるでしょう。たとえば、前職の業界知識と会計知識を組み合わせることで、ほかの公認会計士との差別化を図ることもできます。従って、これまでの社会経験を活かして公認会計士を目指すことが大切です。
【一覧表】40代合格者の就職先を比較
40代で試験に合格した人の就職先には、中小の監査法人や税理士法人・会計事務所などの幅広い選択肢があります。特に、40歳から公認会計士を目指す場合はそれまでの経験を活かして、専門的なポジションも狙えるでしょう。就職先の選択肢を、以下の一覧表でまとめました。
| 就職先 | 内容 |
|---|---|
| 中小・準大手の監査法人 | ・大手監査法人に比べて年齢的なハードルが低い場合もある ・幅広く監査の実務を経験できるため、スキルアップにつなげやすい |
| 税理士法人・会計事務所 | ・公認会計士試験の合格者は、一定の要件を満たすことで税理士登録も可能 ・中小企業の税務申告や会計コンサルなどが主な業務として挙げられる |
| 事業会社の経理・財務・内部監査部門 | ・上場企業の経理・財務部門や内部監査部門では、公認会計士の知識が重宝される ・前職の業界経験と会計専門性を組み合わせることで、ほかの公認会計士とは異なる強みとなる |
| コンサルティングファーム(FAS) | ・M&Aや事業再生などの分野では、ビジネス経験が豊富な人を求めている ・前職が金融・経営・法律関連の場合は、知見を活かして活躍できる可能性がある |
| 独立開業 | ・これまでのキャリアを活かしつつ、公認会計士として一定の実務経験を積んだうえで独立する選択肢もある |
表からも分かるように、40歳からでも多くの選択肢があります。しかし、未経験からの転職の場合は、職探しの難易度が高くなりやすいことに注意しましょう。たとえばFASへ転職するには、公認会計士資格だけでなく専門的なスキルや実際のプロジェクト経験を求められる場合があります。
自分の強みや経験を活かして転職活動をスムーズに進めたい場合には、転職エージェントの活用がおすすめです。マイナビ転職 会計士では、業界専門のキャリアアドバイザーが転職活動を親身になってサポートします。ぜひ一度ご相談ください。
40歳から公認会計士試験に合格・就職するためのポイント3選

40歳から公認会計士試験合格と就職を目指すには、3つのポイントを押さえておきましょう。試験合格のためのポイントは、「持続可能な学習スケジュールを立てる」「自分に合った学習方法を選ぶ」の2つです。合格後の就職に関しては、「就職先を幅広く見る」ことがポイントとして挙げられます。
持続可能な学習スケジュールを設計する
公認会計士試験に合格するには、無理なく続けられる学習スケジュールを立てることがポイントです。試験対策には合計3,000時間~5,000時間が必要といわれており、日々の学習を習慣化させることが欠かせないためです。
仕事がある平日は1時間~2時間程度勉強し、土日は4時間~6時間程度勉強するのがおすすめです。また、定期的に勉強をしない日を設けることも、長期的に学習を継続するうえで重要でしょう。
自分に合った学習法を選ぶ
公認会計士試験合格を目指すうえで、自分に合った学習法を選ぶこともポイントの1つです。基本的に学習方法には「独学」「通信講座」「予備校・専門学校」の3つがあります。
独学は、学習費用を抑えられ、自分のペースに合わせて学習できるという特徴があります。しかし、長期的なモチベーションの維持が難しいことや、非効率的な学習になりがちな点が懸念されます。
一方、通信講座や予備校、専門学校であれば講師からの指導やサポートを受けられ、効率的なカリキュラムで学習を進められるでしょう。ただし、学費の相場目安は80万円前後と高額です。それぞれの特徴を理解して、自分に合った学習スタイルを選択しましょう。
就職先を幅広く見る
公認会計士試験に合格し、就職する際には就職先を幅広く見ることが大切です。合格者の多くが監査法人への就職を目指しますが、40代で未経験の状態ではハードルが高いためです。ほかの選択肢も検討しながら就職活動を進めましょう。
就職先を選ぶ際には、転職エージェントを利用するのもおすすめです。マイナビ転職 会計士では、一般には公開されていない求人・情報を利用者に紹介しています。そのほかにも、キャリアアドバイザーによる履歴書などの書類の添削や面接対策など、手厚いサポート体制が整っています。「未経験からの就職活動が不安」という方はぜひご相談ください。
40歳の公認会計士の転職市場動向
40歳の公認会計士の転職市場の動向として、需要は拡大しているといえます。金融庁の令和7年版モニタリングレポートによると、公認会計士の登録者数は2013年から2025年にかけて46.9%増加していますが、監査法人所属者は14.3%の増加にとどまっています。公認会計士の活躍の場が監査法人以外にも広がっていますが、監査法人においては人材確保が課題となっています。
参照:令和7年版モニタリングレポート|公認会計士・監査審査会
公認会計士と税理士どちらを目指すべき?
40代で完全未経験から目指す場合、科目合格制で少しずつ合格を積み上げられる税理士試験のほうが現実的です。しかし、公認会計士は資格の汎用性が高く、就職先として監査法人だけでなく事業会社やコンサルティングファームもあるためキャリアの幅が広いという特徴があります。
| 比較項目 | 公認会計士 | 税理士 |
|---|---|---|
| 試験難易度 | 非常に高い | 高い |
| 勉強時間の目安 | 3,000時間~5,000時間 | 2,000時間~6,000時間 |
| 40歳合格の現実性 | 低い | 比較的高い |
試験の難易度だけでなく、自分の希望するキャリアから逆算して選択しましょう。
よくある質問
ここからは、よくある質問に答えていきます。
働きながらでも合格は目指せる?
働きながら公認会計士試験の合格を目指すことは可能です。しかし、仕事と両立するのであれば3年~5年かかることが一般的です。そのため、自分に合ったスケジュールを設計したり、学習スタイルを選んだりすることが大切でしょう。なお、子育て中の場合は、家族の理解と協力を得ることも大切です。
公認会計士は何歳まで働ける?
公認会計士の資格に定年はなく、何歳まででも働けます。そのため、公認会計士は高齢になっても現役として活躍できる職業だといえるでしょう。しかし大手監査法人など、企業によっては定年を設けている場合があります。就職前に企業についてよく調べ、自分の希望に沿ったキャリアプランを設計したうえで就職活動を行うことがおすすめです。
40代で試験に合格しても転職は難しい?
40代未経験からの会計業界への転職が難しいかは、希望する転職先によって異なります。たとえば、20代~30代半ばの人や中小の会計事務所や税理士法人での実務経験を積んでいる人を多く採用している大手監査法人だと未経験で転職する難易度は高いでしょう。
しかし、中小の監査法人や会計事務所、事業会社など、求人によっては未経験者の採用を行っている企業もあります。これまで自身が培ってきたスキルや経験を適切にアピールできれば、転職のチャンスがあるでしょう。就職活動をスムーズに進め、自分の希望するキャリアプランを歩むためには、前職の経験と会計の知識を組み合わせた自分の強みを活かすことが大切です。そのほかにも、転職エージェントからサポートを受けるのもおすすめです。
マイナビ転職 会計士では、試験合格者の転職サポートを行っています。応募書類についてのアドバイスに加え、非公開求人も紹介しています。ぜひご相談ください。
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