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公認会計士試験の挫折率はどれくらい?断念する理由と後悔しないキャリアの考え方

公認会計士試験の挫折率はどれくらい?断念する理由と後悔しないキャリアの考え方

公認会計士を目指して学習を始めたものの、途中で挫折してしまう人は少なくありません。本記事では、挫折率をめぐる情報の実態や試験そのものの難易度、挫折しやすい理由やタイミング、挫折を防ぐための工夫に加え、試験合格に至らなかった場合のキャリアの選択肢まで、資格取得を検討している方に向けてわかりやすく解説します。

後田 一輝(ペンネーム)

公認会計士

2008年より大手監査法人(BIG 4)にて、会計監査に従事。主に上場企業の会計監査、内部統制監査、金融機関の監査、米国基準の子会社の監査など幅広く従事。その後、2014年より同系列のM&Aコンサルファームにて、財務デューデリジェンス、株式価値算定などM&A業務に従事。 2018年には事業会社に転職、事業会社側でM&Aを推進。案件のコーディネートからPMIまで一通りの業務を推進。また、2021年には別会社に転職。事業推進に向け、事業計画の策定、事業戦略の策定、また、管理指標の管理などを行なっている。

目次

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公認会計士試験の「挫折率」をめぐる実態

公認会計士試験は「挫折率が高い」というイメージを持たれがちですが、実際のところその数字がどのように算出されているのかは意外と知られていません。まずは、根拠が明確ではない情報を鵜呑みにしないことを前提に、公式に公表されているデータや「挫折」という言葉の定義について整理していきます。

よく言われる「挫折率」の数字について

インターネット上では、公認会計士試験について非常に高い挫折率が語られることもあります。しかし、その多くは算出根拠や集計方法、対象期間などが明確に示されていません。誰を対象に、いつからいつまでを集計したものかによって、数字は大きく変わります。そのため、出所が不明な情報だけを見て「自分には無理そうだ」と判断するのは早計です。まずは公式データを確認し、数字の意味を正しく理解することが大切です。

公式に公表されている合格率データ

公認会計士試験の難易度を客観的に把握するには、公認会計士・監査審査会が公表している合格率が参考になります。短答式試験の合格率はおおむね10%前後、短答式試験合格者が進む論文式試験の合格率はおおむね35〜40%程度で推移しており、決して簡単な試験ではないことがうかがえます。一方で、これらはあくまで各試験の受験者数に対する合格者数の割合です。学習を始めた人全体のうち、何人が最終合格に至ったかを示す「挫折率」とは異なる指標である点には注意しましょう。

参照:公認会計士試験のバランス調整について|出典元:公認会計士・監査審査会

「挫折」の定義があいまいな点への注意

「挫折率」という言葉は、学習を開始した人・受験を申し込んだ人・最終合格に至った人のうち、どの段階を母数にするかによって数値が大きく変わります。例えば、学習開始者を母数にすれば数字は高くなりやすく、受験申込者や短答式試験合格者を母数にすれば数字は下がる傾向があります。断片的な情報だけで一喜一憂せず、どのような前提で算出された数字なのかを確認する視点を持つようにしましょう。

学習途中で挫折してしまう主な理由

公認会計士試験の学習を途中でやめてしまう背景には、いくつかの共通した理由があります。特に学習時間の長さ・仕事や学業との両立・経済的な負担の3点は、多くの受験生がつまずきやすいポイントとして挙げられます。それぞれ具体的にみていきましょう。

合格に必要な学習時間の長さ

公認会計士試験に合格するためには、一般的に3,000時間前後ともいわれる長時間の学習が必要と言われています。これを2〜3年程度で計画的に積み上げていく必要があり、毎日まとまった学習時間を継続的に確保しなければなりません。学習期間が長期化するほど、途中で息切れしてしまう受験生も少なくないのが実情です。

仕事・学業との両立の難しさ

社会人受験生にとっては、日々の業務をこなしながら学習時間を捻出することが大きな負担となります。残業や出張が続く時期には学習が思うように進まず、計画が崩れてしまうことも珍しくありません。学生の場合も、授業や単位取得、就職活動などと学習を両立させる必要があり、生活全体のバランスをとることの難しさが挫折につながるケースがあります。

経済的負担と長期化によるモチベーション低下

予備校や通信講座を利用する場合、数十万円規模の受講費用がかかることも珍しくありません。加えて、学習期間中は収入が増えにくい、あるいは学習優先で働く時間を減らすといった経済面での不安も抱える受験生もいます。こうした金銭的な負担に加え、学習期間が当初の想定より長引くことで、目標に対するモチベーションを保ちづらくなっていく点も見過ごせません。

挫折しやすいタイミングとその特徴

挫折は学習期間を通じて均等に起こるわけではなく、特定のタイミングに集中して起こりやすい傾向があります。あらかじめ、どのような場面で気持ちが折れやすいかを知っておくことは、学習を継続するうえでの備えになります。

短答式試験で不合格が続いたとき

短答式試験に一度、あるいは複数回挑戦しても結果が出なかったとき、大きな心理的ショックを受けて学習継続への意欲を失ってしまう受験生は少なくありません。特に、真剣に努力を重ねてきた人ほど「これだけやっても届かなかった」という無力感が強く、そのまま学習から離れてしまうケースが見られます。

学習開始から1〜2年が経過した頃

学習を始めた当初に思い描いていたスケジュールよりも実際の学習期間が長引き、合格というゴールがなかなか見えてこないと感じ始める時期です。周囲の友人や同僚が先にキャリアを積んでいく様子を目にすることで焦りが生まれ、モチベーションが低下しやすいタイミングでもあります。

働きながら受験する社会人に多い離脱パターン

繁忙期による業務量の増加や、異動・転勤といった生活環境の変化をきっかけに、まとまった学習時間を確保できなくなり、そのまま受験そのものから離れてしまう社会人受験生も多く見られます。一時的な中断のつもりが、気づけば学習習慣そのものが失われてしまうケースもあるため注意が必要です。

挫折を防ぐためにできる工夫

こうした挫折を防ぐためには、精神論だけに頼るのではなく、無理のない計画と自分に合った学習環境を選ぶことが重要です。ここでは、学習を継続しやすくするための具体的な工夫を紹介します。

現実的な学習計画とスケジュール管理

学習を始める際は、理想的なスケジュールではなく、仕事や生活の状況を踏まえた無理のない学習計画を立てることが大切です。月単位・週単位で進捗を定期的に見直し、計画とのずれが生じた場合は早めに軌道修正しましょう。そうすることで、大きな遅れが挫折につながる事態を防ぎやすくなります。

自分に合った予備校・学習環境の選び方

独学・予備校通学・オンライン講座など、学習スタイルにはさまざまな選択肢があります。費用やカリキュラムだけでなく、自分の生活リズムや性格に合った続けやすい環境を選ぶことも、学習を長続きさせるうえで重要なポイントです。必要に応じて学習スタイルを見直す柔軟さも役立ちます。

小さな目標設定とセルフケアの重要性

最終合格という大きな目標だけを見続けると、道のりの長さに気持ちが折れやすくなります。月次・週次の小さな目標を設定し、達成感を積み重ねていくことでモチベーションを維持しやすくなるでしょう。また、適度な休息を取り入れ、心身の状態を整えることも、学習を継続するうえで欠かせない工夫の一つです。

試験への挑戦を経て考えるキャリアの選択肢

公認会計士試験への挑戦は、合格・不合格にかかわらず、その後のキャリアを考えるうえで大きな意味を持ちます。合格に至らなかった場合でも、学習で得た知識や経験は今後のキャリアに活かせるという視点を持つことが、後悔のない選択につながります。

合格後に広がる公認会計士としてのキャリア

公認会計士試験に合格すると、監査法人での勤務を中心に、将来的には独立開業やコンサルティングファームへの転身など、多様なキャリアパスを描くことができます。専門性の高い資格を活かして、幅広いフィールドで活躍できる点は公認会計士の大きな魅力といえます。

学習で得た知識を活かせる会計・経理関連の仕事

仮に最終合格に至らなかったとしても、試験学習を通じて得た会計・税務・財務に関する知識は、一般企業の経理・財務部門や税務関連のポジションなどで高く評価されることがあります。学習経験そのものを無駄にせず、実務でどう活かせるかという視点でキャリアを検討することも一つの道です。

今後の方向性に迷ったらキャリアのプロに相談を

学習を続けるべきか、それとも別のキャリアに軸足を移すべきか、一人で判断に迷う場合も少なくないでしょう。そうしたときは、会計士業界に詳しい専門のキャリアアドバイザーに相談することで、自分では気づきにくい選択肢や市場動向を踏まえたアドバイスを得られます。今後の方向性に迷った場合は、会計士業界に詳しいキャリアアドバイザーや信頼できる相談先を活用するのも一つの方法です。

まとめ

公認会計士試験は挫折率に関する情報が一人歩きしやすいものの、正確な根拠を伴うデータは限られています。大切なのは数字に振り回されず、自分に合った学習方法やキャリアの方向性を見極めることです。合格を目指し続ける場合も、別の道を選ぶ場合も、キャリアの専門家に相談しながら次の一歩を検討してみてはいかがでしょうか。

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