総合コンサルファームBig4とは?各社の構造と特徴・違いや年収を比較

コンサル業界に就職を志望し、Big4と呼ばれる大手監査法人に注目している方は多くいます。
しかし、Big4と一言にまとめていますが、実際にはどの企業のことを指すのかわからなかったり、グループの構造が複雑だったりとわかりにくいものです。
そこで今回は、国内外のBig4の構造や特徴、検討するポイントを紹介します。
ぜひ最後までお読みください。
総合コンサルファームBig4に就職したい方や、キャリアチェンジを考えている方は、マイナビ会計士にご相談ください。
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監修
マイナビ会計士編集部
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世界4大監査法人のBig4とは?
世界4大監査法人のBig4とは、各監査法人のグループファームである「デロイト・EY・KPMG・PwC」の4社を指します。世界規模の巨大な会計事務所グループで、いずれも世界150か国を超える国や地域に、メンバーファームや関連会社などがあります。
世界4大監査法人のBig4は、1989年まではBig8と呼ばれていました。しかし、1998年に買収・合併を経てBig5になり、その後2002年にアーサー・アンダーセンの粉飾決算による消滅にともなって、現在のBig4の形に落ち着いています。
Big4(2002年以降) | Big5(1998年) | Big8(1989年) |
---|---|---|
デロイト トウシュ トーマツ (Deloitte Touche Tohmatsu) |
アーサー・アンダーセン (Arthur Andersen) |
アーサー・アンダーセン (Arthur Andersen) |
アーンスト&ヤング (Ernst & Young) |
アーンスト&ヤング (Ernst & Young) |
アーサー・ヤング (Arthur Young & Co.) |
KPMG | デロイト トウシュ (Deloitte Touche) |
クーパース&ライブランド (Coopers & Lybrand) |
プライスウォーターハウスクーパース (PwC) |
プライスウォーターハウスクーパース (PwC) |
アーンスト&ウィニー (Ernst & Whinney) |
ピート・マーウィック・ミッチェル (Peat Marwick Mitchell) |
デロイト・ハスキン&セルズ (Deloitte Haskins & Sells) |
|
ピート・マーウィック・ミッチェル (Peat Marwick Mitchell) |
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プライス・ウォーターハウス (Price Waterhouse) |
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トウシュ・ロス (Touche Ross) |
世界4大監査法人は総合コンサルファームとして、会計や監査、税務からコンサルティングまで提供しています。
世界の主要企業を担当し、守備範囲は会計税務にとどまらず、事業再生や戦略的解決まで幅広く網羅するほどです。
こちらからは、世界4大監査法人それぞれの概要・特徴を紹介します。
デロイト トウシュ トーマツ (Deloitte Touche Tohmatsu)
デロイト トウシュ トーマツ (Deloitte Touche Tohmatsu・DTT)は、1845年にウィリアム・ウェルチ・デロイト氏がロンドンで設立し、ニューヨークに本部があります。
1898年 | ジョージ・トウシュ氏が会計事務所を開業 |
---|---|
1990年 | デロイト&トウシュ会計事務へと合併し、国際名称をデロイト トーマツ インターナショナルへ |
1998年 | 国際名称をデロイト トウシュ トーマツへ変更 |
日本におけるDTTの主な法人(メンバーファーム)は、以下の通りです。
・デロイト トーマツ合同会社
・有限責任監査法人トーマツ
・デロイト トーマツ サイバー合同会社
・デロイト トーマツ リスクサービス株式会社
・デロイト トーマツ サステナビリティ株式会社
・デロイトトーマツコンサルティング合同会社
・デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
・デロイト トーマツ税理士法人
・DT弁護士法人
・デロイトトーマツコーポレートソリューション合同会社
主な業務内容は、以下の通りです。
・監査業務
・リスクアドバイザリー
・ファイナンシャルアドバイザリー
・コンサルティング
・税務
・法務
・M&A
・海外
・ビジネス支援
アーンスト&ヤング (Ernst & Young)
アーンスト&ヤング (Ernst & Young・EY)は、本部をロンドンに置き、プロフェッショナル・サービス事業を展開する企業です。
1989年にアーンスト・アンド・ウイニーとアーサーヤングの2つの会計事務所が合併、その後、監査クライアントの独自性を担保するため、コンサルティング部門は売却しました。
1997年 | 合併によってプライスウォーターハウスクーパース(PwC)が誕生 |
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2000年 | コンサルティング部門を1度売却 |
2002年 | アメリカ・イギリス・オランダ以外の業務の多くを合併 |
日本におけるEYの主な法人(メンバーファーム)は、以下の通りです。
・EY Global website
・EY Japan
・EY新日本有限責任監査法人
・EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社
・EY税理士法人
主な業務内容は、以下の通りです。
・監査業務
・税務アドバイザリー
・コンサルティング
・財務アドバイザリー
KPMG
KPMGは、本部をアムステルダムに置き、1987年オランダ・イギリス・アメリカ・ドイツの4つの会計事務所が合併した企業です。
KPMGの名称は、創業者のPiet Klynveld、William Barclay Peat、James Marwick、Dr. Reinhard Goerdelerの4人の頭文字から決められました。
1870年 | ウィリアム・バークレイ・ピートによってロンドンに事務所設立 |
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1925年 | 大西洋を越えた合併を行いPMM(Peat Marwick Mitchell)となる |
1987年 | 欧州のKMGと米国のPMMが合併したことでKPMGが成立 |
日本におけるKPMGの主な法人(メンバーファーム)は、以下の通りです。
・有限責任 あずさ監査法人
・KPMG税理士法人
・KPMGコンサルティング
・KPMG FAS
・KPMGあずさサステナビリティ
・KPMGヘルスケアジャパン
・KPMG社会保険労務士法人
・KPMG Ignition Tokyo(デジタルテクノロジープラットフォーム)
主な業務内容は、以下の通りです。
・監査
・保証業務
・アドバイザリー事業変革
・海外進出支援
プライスウォーターハウスクーパース(PwC)
プライスウォーターハウスクーパース(PwC: PricewaterhouseCoopers・PwC)は、本部はロンドンに置き、1998年にプライス・ウォーターハウスとクーパース&ライブランドの合併により設立されました。
1930年代 | 世界恐慌や税体系の複雑化にともなってファームを拡大 |
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1997年 | PWとクーパースが巨大化を求めて合併を発表 |
2009年 | べリングポイントの一部を買収してコンサルティングプラクティスを拡充 |
日本におけるPwCの主な法人(メンバーファーム)は、以下の通りです。
・PwCあらた有限責任監査法人
・PwC京都監査法人
・PwCコンサルティング合同会社
・PwCアドバイザリー合同会社
・PwC税理士法人
・PwC弁護士法人
・PwC総合研究所合同会社
・PwCサステナビリティ合同会社
・PwCビジネスアシュアランス合同会社
・PwCビジネスソリューション合同会社
・PwC Japan合同会社
主な業務内容は、以下の通りです。
・監査業務
・ディールアドバイザリー
・コンサルティング
・税務など
Big4が担う総合コンサルティングとは
総合コンサルティングとは、会計財務系だけではなく、戦略立案や組織改変・オペレーション改善など総合的に取り扱うコンサルティングのことを指します。
そもそもコンサルティングには、以下の種類があります。
会計・財務系 コンサルティングファーム |
・会計処理 ・財務報告の作成 ・投資コンサルティング ・内部統制システムの構築支援 |
---|---|
企業・事業再生系 コンサルティングファーム |
・経営課題を有する企業の存続と回復 ・発展のための解決策を提案 |
税務系 コンサルティングファーム |
・税務コンサルティング ・M&AやIPO |
戦略系 コンサルティングファーム |
・経営課題の抽出を検出 ・課題解決のための支援 |
複雑化する企業活動のなかでコンサルティングの果たす役割は大きく、独立した分野でコンサルティングを行う場合と、総合的かつ網羅的に行うファームが挙げられます。
世界4大監査法人のBig4では、2002年にアメリカで成立したSOX(Sarbanes-Oxley act)法によって、監査先へのコンサルティング業務提供が禁止され、1度はコンサルティング部門の廃止・売却が行われました。
しかしその後、新たな戦略として総合コンサルティングのメンバーファームを設けることで、監査先のコンサル業務を委託し、サービスを再提供しています。
このような背景から、会計・税務系コンサルティングを行っていたコンサルティングファームも、他分野も併せて総合的に行うようになりました。
その結果、こうしたコンサルをすべて担当できる体制が整い、BIG4が担う総合コンサルティングと呼ばれるに至ったわけです。
総合コンサルファームBig4とは?
総合コンサルファームBig4とは、世界4大監査法人のBig4に属する会計系ファームの以下4社を指した言葉です。
・デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
・PwCコンサルティング合同会社
・KPMGコンサルティング株式会社
・EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社
それぞれ、Big4監査法人などと連携しており、コンサルティングサービスを提供しています。
会社名 | デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 (Deloitte Tohmatsu Consulting LLC) |
PwCコンサルティング合同会社 (PwC Consulting LLC) |
KPMGコンサルティング株式会社 (KPMG Consulting Co., Ltd.) |
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社
(EY Strategy and Consulting Co., Ltd.) |
---|---|---|---|---|
設立年月 | 1993年4月 | 1983年1月 | 2014年7月 | 2020年10月 |
代表者 | 佐瀬 真人(代表執行役社長) | 大竹 伸明(代表執行役CEO) | 宮原 正弘(代表取締役社長 兼 CEO) | 近藤 聡(代表取締役社長) |
人員数 | 3,846名(2021年5月末日現在) | 約3,250名(2021年6月30日現在) | 1,211名(2022年1月1日 現在) | 2,777名(2022年3月1日時点) |
公式サイト | https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/dtc/dtc.html | https://www.pwc.com/jp/ja.html | https://home.kpmg/jp/ja/home/about/kc.html | https://www.ey.com/ja_jp/consulting |
こちらからは、それぞれの総合コンサルファームBig4の特徴を紹介します。
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社(DTC)は、DTTに属するメンバーファームです。有限責任監査法人トーマツなどと連携し、コンサルティングを提供しています。
総合力と国際力を活かしたサービスによって、提言と戦略立案から実行まで支援しています。「UP or OUT」ではなく、人を育てることに重きを置いた社風が特徴です。
会社名 | デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 (Deloitte Tohmatsu Consulting LLC) |
---|---|
設立年月 | 1993年4月 |
代表者 | 佐瀬 真人(代表執行役社長) |
人員数 | 3,846名(2021年5月末日現在) |
公式サイト | https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/dtc/dtc.html |
PwCコンサルティング合同会社
PwCコンサルティング合同会社(PwC)は、PwCに属するメンバーファームです。PwCあらた監査法人などと連携し、コンサルティングを提供しています。
ストラテジー・マネジメント・テクノロジーの3つのコンサルティングを主軸に、信頼の構築とゆるぎない成果によって支援しています。職責に関係なくさまざまな研修を受けられ、人材の育成支援も整っているのが特徴です。
会社名 | PwCコンサルティング合同会社 (PwC Consulting LLC) |
---|---|
設立年月 | 1983年1月 |
代表者 | 大竹 伸明(代表執行役CEO) |
人員数 | 約3,250名(2021年6月30日現在) |
公式サイト | https://www.pwc.com/jp/ja.html |
KPMGコンサルティング株式会社
KPMGコンサルティング株式会社(KPMG)は、KPMGに属するメンバーファームです。有限責任あずさ監査法人と連携し、コンサルティングを提供しています。
リスク・コンプライアンス・テクノロジーの3分野の豊富な経験で、グローバルな経営課題や事業変革を支援しています。成長を目指す人材をサポートする、国内・海外研修と人材育成プログラムが特徴です。
会社名 | KPMGコンサルティング株式会社 (KPMG Consulting Co., Ltd.) |
---|---|
設立年月 | 2014年7月 |
代表者 | 宮原 正弘(代表取締役社長 兼 CEO) |
人員数 | 1,211名(2022年1月1日 現在) |
公式サイト | https://home.kpmg/jp/ja/home/about/kc.html |
EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社
EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社(EY)は、EYに属するメンバーファームです。新日本有限責任監査法人などと連携し、コンサルティングを提供しています。
デジタル時代のビジネスを変革するコンサルティングを、深い洞察と高い品質のサービスで支援しています。職員1人ひとりにカウンセラーを任命し、人材に合わせた研修プログラムを実施する手厚いサポートが特徴です。
会社名 | EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 (EY Strategy and Consulting Co., Ltd. ) |
---|---|
設立年月 | 2020年10月 |
代表者 | 近藤 聡(代表取締役社長) |
人員数 | 2,777名(2022年3月1日時点) |
公式サイト | https://www.ey.com/ja_jp/consulting |
日本国内にあるBig4コンサル企業の違いを比較
日本国内にあるBig4コンサル企業それぞれに、大きな違いはありません。福利厚生や人材育成などは幅広く揃えられており、PwCのみがやや人数などからみて事業規模が小さいだけです。
いずれの場合も、クライアント企業の規模が大きいことから1人で幅広い仕事をこなすには難しい環境です。そのため、部署化によって分野ごとに分業が進んでおり、1つの領域を極めたい方にとって理想的な環境といえます。
こちらでは、日本国内にあるBig4コンサル企業として、代表的な4つの大手監査法人を紹介します。
まず、それぞれの加盟契約先や福利厚生などを比較するために、以下の表へまとめました。
Big4監査法人名 | 有限責任あずさ監査法人(KPMG) | 新日本有限責任監査法人(EY) | 有限責任監査法人トーマツ | PwCあらた監査法人 |
---|---|---|---|---|
Big4の加盟契約先 | KPMG | EY | DTT | PwC |
各社人員数 | 5,829人 | 6,265人 | 6,495人 | 2,777人 |
試験合格者人数 | 1,235人 | 1,077人 | 1,166人 | 479人 |
パートナー数 | 614人 | 556人 | 579人 | 130人 |
公認会計士人数 | 2,613人 | 3,224人 | 3,174人 | 969人 |
福利厚生 (一例) |
・育児・介護休業制度 ・クラブ活動 ・カフェテリアプラン(※) ・リフレッシュ休暇 ・在宅勤務制度 |
・複線型勤務制度 ・カフェテリアプラン(※) ・ベビーシッター利用補助 ・法人内マッサージ室 |
・ワークライフバランスの向上に向けた働き方改革 ・ワーキングプログラム ・TWinプロジェクト ・待機児童向け保育所入所枠の確保 |
・職員が健康で豊かに生活できるような制度 ・短時間勤務 ・リフレッシュ休暇 ・ベビーシッター支援 ・保活コンシェルジュ ・提携保育園 |
人材育成 (一例) |
・人材育成プログラムを実施 ・テクニカルスキル研修 ・ビジネス&リーダーシップ研修 ・国内・海外研修 |
・EYU (EY and you)というフレームワーク ・職員1人ひとりにカウンセラーを任命 ・人材に合わせた研修プログラム |
・シニアスタッフまでは育てきるという育成方針 ・実践的な研修 ・生涯を通して成長実感 |
・職責に関係なくさまざまな研修 ・リーダーシップ研修 ・ビジネス研修 ・外国語などのグローバル研修 ・リレーションシップ研修 |
業務内容 (一例) |
・M&A ・企業組織再編 ・連結納税 ・国内国際税務アドバイザリー ・移転価格アドバイザリー ・税務に関わるトランザクションアドバイザリー ・インターナショナルエグゼクティブサービス |
・会計監査・内部統制 ・IFRS(国際会計基準) ・CSR ・コンプライアンス ・FIDS ・環境 ・リスクマネジメント ・IPO ・M&A ・組織再編 ・企業再生 ・IT ・グローバルサービス ・知材 ・ODA ・産学連携 |
・監査 ・ERS ・株式公開支援 ・FAS ・マネジメントコンサルティング ・国際投資税務コンサルティング |
・財務諸表監査 ・IFRS ・財務報告アドバイス ・会計アドバイス ・IPO支援 ・ベンチャー支援 ・ガバナンス ・データ分析サービス ・戦略的リスクレジリエンス ・システム・プロセスアシュアランス ・内部監査 ・サステナビリティ ・統合報告 ・グローバル化支援 |
主なクライアント | ・株式会社三井住友フィナンシャルグループ ・日本郵政株式会社 |
・株式会社日立製作所 ・株式会社みずほフィナンシャルグループ |
・ヤフー株式会社 ・株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ |
・トヨタ自動車株式会社 |
※ポイント制で福利厚生サービスを自由に選択できる
※大手監査法人(公認会計士・監査審査会)の定義では「上場会社をおおむね100社以上監査し、加えて監査実施者が1,000名以上の監査法人」
そもそもBig4監査法人とは、世界のBig4総合コンサルと連携した、日本国内にあるメンバーファームのうちの上記4社のことです。
先に取り上げた国際総合コンサルBig4とメンバーファームは連携し、加盟料やロイヤリティを支払う形です。その代わりに、監査委託やブランド使用権、知見・ノウハウの提供、品質管理などの支援を受けています。
そのため、各国のメンバーファームとの間には資本関係がありません。いわゆる、フランチャイズといった関係性と例えるとわかりやすくなるでしょう。
また、メンバーファームは国際基準の監査手法を用いることも義務付けられており、遵守されているかの定期的な監査も受けています。
Big4監査法人はこうした加盟契約によって、海外支社からの委託によってグローバル案件を受け、品質が安定した共通の監査ルールで運営されているわけです。
それぞれの特徴を紹介しますので、参考にしてください。
有限責任あずさ監査法人(KPMG)
Big4の加盟契約先 | KPMG |
---|---|
各社人員数 | 5,829人 |
試験合格者人数 | 1,235人 |
パートナー数 | 614人 |
公認会計士人数 | 2,613人 |
福利厚生 (一例) |
・育児・介護休業制度 ・クラブ活動 ・カフェテリアプラン(※) ・リフレッシュ休暇 ・在宅勤務制度 |
人材育成 (一例) |
・人材育成プログラムを実施 ・テクニカルスキル研修 ・ビジネス&リーダーシップ研修 ・国内・海外研修 |
業務内容 (一例) |
・M&A ・企業組織再編 ・連結納税 ・国内国際税務アドバイザリー ・移転価格アドバイザリー ・税務に関わるトランザクションアドバイザリー ・インターナショナルエグゼクティブサービス |
主なクライアント | ・株式会社三井住友フィナンシャルグループ ・日本郵政株式会社 |
有限責任あずさ監査法人は、オランダに本部をもつKPMGのメンバーファームで、監査や保証業務を中心にアドバイザリー業務も提供している大手監査法人です。
伝統である保守的な社風と、外資色や体育会色を併せ持っていることが特徴です。人材をいかに多く育成するかに重点をおいたプログラムで、男女問わず成長できる環境が整っています。
新日本有限責任監査法人(EY)
Big4の加盟契約先 | EY |
---|---|
各社人員数 | 6,265人 |
試験合格者人数 | 1,077人 |
パートナー数 | 556人 |
公認会計士人数 | 3,224人 |
福利厚生 (一例) |
・複線型勤務制度 ・カフェテリアプラン(※) ・ベビーシッター利用補助 ・法人内マッサージ室 |
人材育成 (一例) |
・EYU (EY and you)というフレームワーク ・職員1人ひとりにカウンセラーを任命 ・人材に合わせた研修プログラム |
業務内容 (一例) |
・会計監査・内部統制 ・IFRS(国際会計基準) ・CSR ・コンプライアンス ・FIDS ・環境 ・リスクマネジメント ・IPO ・M&A ・組織再編 ・企業再生 ・IT ・グローバルサービス ・知材 ・ODA ・産学連携 |
主なクライアント | ・株式会社日立製作所 ・株式会社みずほフィナンシャルグループ |
新日本有限責任監査法人(EY)は、監査を中心とする保証業務、経営に関するアドバイザリー業務などが中心の大手監査法人です。
他法人が担当している税務やコンサルティング、ストラテジ・アンド・トランザクションについてはEY Japanの別法人が担当しているのが特徴です。
独自のフレームワークを用いてキャリア形成を支援し、グローバルな人材の育成に力を入れています。職員の将来設計の指針づくりに必要なアドバイスやフィードバックも受けられます。
有限責任監査法人トーマツ
Big4の加盟契約先 | DTT |
---|---|
各社人員数 | 6,495人 |
試験合格者人数 | 1,166人 |
パートナー数 | 579人 |
公認会計士人数 | 3,174人 |
福利厚生 (一例) |
・ワークライフバランスの向上に向けた働き方改革 ・ワーキングプログラム ・TWinプロジェクト ・待機児童向け保育所入所枠の確保 |
人材育成 (一例) |
・シニアスタッフまでは育てきるという育成方針 ・実践的な研修 ・生涯を通して成長実感 |
業務内容 (一例) |
・監査 ・ERS ・株式公開支援 ・FAS ・マネジメントコンサルティング ・国際投資税務コンサルティング |
主なクライアント | ・ヤフー株式会社 ・株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ |
有限責任監査法人トーマツは、ニューヨークに本社をおくデロイトトウシュトーマツと提携関係にある、大手監査法人です。日本企業とグローバル企業の両面を持ち、業務の範囲が広いのが特徴です。
風通しの良い雰囲気の中、使命感を持ちやりがいのあるプロフェッショナルファーム運営業務に取り組む社員も多くいます。生涯を通して自分が成長できる環境で働きたい人に向けて、各種ソフトからプロフェッショナルまで研修が揃っています。
PwCあらた監査法人
Big4の加盟契約先 | PwC |
---|---|
各社人員数 | 2,777人 |
試験合格者人数 | 479人 |
パートナー数 | 130人 |
公認会計士人数 | 969人 |
福利厚生 (一例) |
・職員が健康で豊かに生活できるような制度 ・短時間勤務 ・リフレッシュ休暇 ・ベビーシッター支援 ・保活コンシェルジュ ・提携保育園 |
人材育成 (一例) |
・職責に関係なくさまざまな研修 ・リーダーシップ研修 ・ビジネス研修 ・外国語などのグローバル研修 ・リレーションシップ研修 |
業務内容 (一例) |
・財務諸表監査 ・IFRS ・財務報告アドバイス ・会計アドバイス ・IPO支援 ・ベンチャー支援 ・ガバナンス ・データ分析サービス ・戦略的リスクレジリエンス ・システム・プロセスアシュアランス ・内部監査 ・サステナビリティ ・統合報告 ・グローバル化支援 |
主なクライアント | ・トヨタ自動車株式会社 |
PwCあらた監査法人は、イギリスに本部のあるPwCと提携を行っている大手監査法人です。
ネットワークの一員として、重複や漏れを避け効率性を持たせた監査ツールAura、クライアントと監査チームの情報共有ツールConnect、革新的なデータ監査ツールのHaloの3種類の最先端テクノロジーを導入しているのが特徴です。
人数こそ少ないですが、1人あたりの業務収入・経常利益・当期純利益では、ほかの3社と相違ありません。職責に関係なく学べる環境であり、会計監査専門領域以外の研修まで受けられます。
それぞれについて詳しくは、以下の記事も参考にしてください。
関連記事
BIG4各社の特徴と転職ポイントを比較
日本国内にあるBig4コンサル企業の年収を比較
総合コンサルBig4の年収は、年間給与総額を総人員数で除して計算した1人あたりの年間給与額で計算するといずれも800万円代です。また、職位別給与額もそれぞれ大きな開きはありません。
まず、総給与額から割り戻した一人あたりの給与は、以下の通りです。
有限責任あずさ監査法人(KPMG) | 8.99百万円 |
新日本有限責任監査法人(EY) | 8.66百万円 |
有限責任監査法人トーマツ | 8.21百万円 |
PwCあらた監査法人 | 8.29百万円 |
次に、Big4監査法人に勤務する公認会計士の職位別給与も差はなく、入社以降の経験によって以下の通りです。
入社3年目まで | スタッフ550万~600万円 |
3年目以降 | シニアスタッフ800万円前後 |
マネージャー1000万円前後 | |
シニアマネージャー1000万~1300万円 | |
パートナー1300万~2000万円 |
※各種手当・賞与・残業代などを含む
それぞれについて詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
まとめ
総合コンサル業界は会計士の就職先でも注目されやすく、その中でも国内にあるメンバーファームのBig4監査法人を検討する方は多くいます。
コンサル就職を志望している場合で、1つの領域を極めたいという方にとって、Big4監査法人の環境はうってつけです。
おおよその業務内容や給与面で比較しても、それぞれのコンサル企業で大差はないこともわかっています。
それぞれのコンサルの内容がどのように違うのかを判断したい場合は、会社訪問や相談会で、実際に社風に触れてみることが大切です。
マイナビ会計士では個別転職相談会を開催しております。 スケジュールやご希望に合わせてお気軽にご参加ください(参加費無料)。
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