株式会社KPMG FAS

会計、IT、内部統制――。さまざまなプロフェッショナルがその力を集結し、不正・不祥事の調査・再発防止に貢献する

フォレンジック部門 ディレクター/公認会計士 藤田様 × マネージャー/公認会計士 斎田様

PROFILEプロフィール

フォレンジック部門
ディレクター/マネージャー
藤田様 × 斎田様

会計、IT、内部統制――。さまざまなプロフェッショナルがその力を集結し、不正・不祥事の調査・再発防止に貢献する

企業の不正・不祥事に関する調査や不正防止に向けたサービスを提供しているKPMG FASのフォレンジック部門には、会計士やITの専門家など異なるスキルを備えた人材が集結し、それぞれの専門性を活かしながら顧客のニーズに応えています。

同部門でディレクターを務める藤田様と、同じくマネージャーを務める斎田様に、フォレンジック部門の業務内容や部門の風土、仕事のやりがい、さらには未来に向けた思いなどを語っていただきました。

不正・不祥事の事実解明調査を行い、再発防止の体制構築を支援する

フォレンジック部門のサービス内容についてお聞かせください。

藤田様KPMG FASのフォレンジック部門は、企業の不正・不祥事などが発生した際、事実確認のための不正調査及び再発防止のための体制構築支援を行っている部門です。

具体的には、不正・不祥事が発生した際、会社は調査委員会を設置しますが、そのメンバーとして不正・不祥事が発生した原因を突き止め、内部管理体制の検証及び再発防止のための支援を行っています。

自社で発生した不正・不祥事について調査依頼をいただくこともあれば、海外にある取引先や子会社の調査を依頼されることもあり、対象とする場所は国内外に渡っています。また、調査の対象は、会計上の不正に限らず、「横領」、「品質偽装」、「情報漏えい」「サイバー攻撃」など幅広い範囲に及んでいます。

フォレンジック部門はどのようなメンバーで構成されているのですか。

藤田様現在、フォレンジック部門は約60名のメンバーで構成されています。そのうち、会計士は3分の1ほどで、残りの3分の2がITの技術者や内部統制の専門家です。案件によって必要となるスキルが異なるため、その都度、案件に適した人材を配置してチームを組んでいます。

多くのケースで、会計士が他の専門スキルをもったメンバーと一緒にチームを組んで活動しております。

斎田様私はあずさ監査法人で12年間、監査経験を積んだ後、2019年7月にKPMG FASに入社しました。不正・不祥事調査では会計的なバックグラウンドが求められることも多く、監査との親和性が高い分野だと感じています。

フォレンジック部門ならではの風土は?

藤田様先にご説明したとおり、フォレンジックは会計やITなど異なるスキルセットをもったプロフェッショナルが一つのチームを組んで、業務を行っております。総勢60名の部門ですが、メンバー同士のコミュニケーションが非常に活発で、リレーションシップが良いことが最大の強みだと自負しています。

斎田様リレーションシップの良さは、私自身、強く実感しています。「仲が良い」という表現がぴったりで、私のように新しく入ったメンバーにも分け隔てなく接してくれます。そして、仲が良いからこそ、他のメンバーに専門外のことでも気軽に質問できますし、私にも会計・監査関連の質問を気兼ねなく聞いてきます。自由な風土があるし、ポジションや職種の違いを感じさせない雰囲気がありますね。

藤田様たとえば会計に関する論点について議論する際、会計士だけが集まるのではなく、ITの専門家にも声をかけています。もちろん逆も然りで、ITに関連した議論に会計士が参加することもあります。自分の専門分野の枠組みを超えることが大切で、会話に参加することで専門外の知識が身につきますし、専門外だからこそ新しい視点で意見を投じることもできます。

斎田様監査業務でも会計士とITの専門家は同じ監査チームメンバーとして作業をしますが、フォレンジック業務ではそれがより密接で、ここまで会計の専門家とITの専門家が一つのチームを組んで共に仕事をするのは、監査に携わっていた頃にはなかったことです。非常に新鮮ですし、刺激にもなっています。

IT関連でわからないことがあればITの専門家に聞くとすぐに教えてくれますし、自分自身のITに対する関心も監査法人に在籍していた頃に比べ、高まっていることを感じています。

藤田様余談になってしまいますが、フォレンジック部門はプライベートの交流も活発で、年初に有志が集まって自転車レースに参加しました。

斎田様昨年入社したばかりの私も参加しました。20名近く手を挙げたため、2つのチームに分かれて出場。このレースに参加するため、チームで自転車を購入して臨みました。

フォレンジック部門ならではの風土は?

本当に仲が良いのですね。KPMGのグローバルネットワークを活かす機会もありますか。

藤田様海外にある企業の不正・不祥事調査も多いので、よく海外のKPMGの協力を仰いでいます。各国によって調査手法が異なるのですが、その国ならではの手法に触れる楽しさがありますね。現地のメンバーも「なぜこの手続きをしないの?」と気軽に質問してきますし、私たちもこまめに質問しています。部門内はもちろん、KPMGグローバルとの関係も非常に密ですね。

斎田様日本企業の依頼で海外企業を調査することもあれば、海外の企業から日本にある子会社の調査依頼が入ることもありますよね。私も現在、担当しているのですが、KPMGの現地事務所とのコミュニケーションで困ったことはありません。オープンな感覚はKPMGに共通した風土なのかもしれないです。

特定の取引を掘り下げ、不正・不祥事の原因を突き止める――フォレンジックならではの醍醐味

監査とフォレンジックとの違いはどこにありますか?

藤田様監査は会社の財務諸表全体が適正であるかを評価します。一方、フォレンジック部門が担う不正・不祥事調査は、違和感のある一つの取引を発端として、その取引が実行された動機、発生した背景などを把握し、更にその他の類似の不正がないかと進めていきます。この様にスタート時点での視点が異なります。

斎田様監査を行っている時に不正・不祥事の疑いを幾つか発見しました。その時にフォレンジックの人たちと一緒にお仕事をした際の高揚感と、その手続きの躍動感が忘れられず、KPMGFASのフォレンジック部門に移りました。

監査とフォレンジックとの違いはどこにありますか?

フォレンジックならではのやりがいは?

藤田様たとえば、調査結果をどのように開示していくか。同じ一つの真実でも、伝え方次第で与えるインパクトがかわってきます。どこに重要なリスクが潜んでいるかを伝える際、さらっとした表現では、受け手に「それほど重要でない」という印象を与えかねません。調査結果は、調査報告書を利用する企業のステークホルダーの目線で考えなければなりません。

各企業の置かれている状況、発生した不正・不祥事の本質的な原因等をステークホルダーの目線で考え、伝えるべきメッセージは何かを考えていくことはとてもやりがいがあります。

また、私たちのクライアントは上場企業が主ですから、調査した結果を踏まえて監査人が財務諸表に対する意見を表明します。調査の結果が監査意見に大きな影響を及ぼすので、監査に耐えられるかも考慮した上で結論づけていく姿勢が求められます。頭を悩ませることが多いのですが、だからこそやりがいも感じますね。

斎田様監査法人にいた頃から、不正・不祥事絡みの論点に関心があったので、毎日のようにやりがいを感じています。不正・不祥事の発生には必ず原因があって、その調査に携わるのはもちろん、原因が解明した後には会社と一緒になって再発防止のための策を講じていく機会があることも、やりがいを感じる点だと思いますね。

お二人が同じチームで仕事をすることはありますか?

藤田様もちろんあります。斎田さんは監査経験が豊富なので、監査人の視点になって調査結果をまとめる力を持っています。ある案件で内部統制の調査内容を整理してもらった時も、監査人が気にかけるポイントを上手にまとめてくれました。非常に優秀ですし、これからの活躍にも期待しています。

斎田様あずさ監査法人に在籍していた頃から藤田さんの活躍を聞いていたので、同じチームで仕事をすることができ、とても光栄に感じています。実際に仕事をしてみて感じるのは、高い専門性を備えているのはもちろん、人間的にも尊敬できる方だということ。特に素晴らしいのが、突発的な案件が入った時の対応で、常にスピード感をもって適切な判断を下しています。

未来の仲間たちに、フォレンジックならではの醍醐味を感じてほしい

フォレンジック部門の展望についてお聞かせください。

藤田様私たちは会計不正・不祥事だけでなく、コンプライアンス関係の不正・不祥事調査も行っています。例えば、品質偽装の調査などは今後も増えていくことでしょう。また、海外にある日本企業の子会社の調査など、グローバル案件が増えていくと予想しています。

日本企業の多くが管理体制の強化を課題と考えている中、海外の子会社に対してはまだ管理が不十分なケースが多くあります。KPMGのグローバルネットワークを活用しながら、このようなニーズにも応えていきたいですね。

斎田様海外絡みの案件が増加していくのは、私自身も感じています。私は監査法人時代、イギリスに2年間駐在した経験があり、この経験を活かして、海外の案件にも積極的に対応していきたいですね。もちろん、海外に限らずさまざまな企業の不正・不祥事調査を担当し、再発防止に向けた支援も含め、多くの経験を積んでいきたいと願っています。

フォレンジック部門の展望についてお聞かせください。

フォレンジック部門が求めている人材は?

斎田様私と同じように監査法人で監査経験を積んできた方なら、フォレンジック部門で即戦力として活躍できるはずです。加えて、年間のスケジュールが決まっている監査と違って、フォレンジックは突発的な案件が多いので、瞬発的な対応力も必要です。変化に対して臆病にならない方や、新しい情報を積極的に受け入れる姿勢を持った方なら、やりがいをもって働けると思います。

藤田様確かに、フォレンジック部門の場合、「案件の依頼が入って、翌日には動き出す」といったこともしょっちゅうです。その都度、目的を見定めて何をすべきか考えていく必要があります。決められたことを決められた通りにこなす仕事に飽きてしまった人や、監査経験を活かしてアドバイザリー業務に携わりたいと思っている人に、ぜひフォレンジック部門の門を叩いてほしいですね。

最後に、未来のメンバーたちにメッセージをお願いします。

藤田様フォレンジック部門は不正・不祥事や情報漏えい、サイバー攻撃などの調査に加えて、M&Aに付随するサービスとして取引先の背景調査なども行っています。KPMG FASの他部門との協業もあるので、バラエティに富んだ案件に関与できます。

また、「フォレンジック部門は突発的な案件が多い」と申し上げましたが、メンバー個々の状況を見ながら、負担がかからないようにチーム編成を組んでいます。長期休暇を取得することもできますし、ワークライフバランスも充実しています。多くの方に、KPMG FASのフォレンジック部門を検討していただきたいですね。

斎田様今、監査法人で監査業務に携わっている皆さんの中には、「フォレンジックって、何をするの?」と疑問に思っている方もいらっしゃると思います。今回の対談を通じて、少しでも多くの皆さんにフォレンジックの業務内容や社会的貢献度の高さ、そしてやりがいの大きさを知っていただけたら嬉しいです。

藤田様不正・不祥事調査の場合、調査委員会を立ち上げて調査を行い、その結果を報告書として開示することが多くあります。時にはニュースでも取り上げられることもあり、「足跡が残る」のもフォレンジックならではの特徴かもしれません。

また、不正・不祥事調査の傾向は時代とともに変化しており、「マーケットの最前線で仕事ができる」という醍醐味もあります。これから入社するみなさんとともに、フォレンジックならではの面白さを共有できる日が来ることを心から楽しみにしています。

最後に、未来のメンバーたちにメッセージをお願いします。

※役職、記事内容などは取材時のものになります。

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