PwCあらた有限責任監査法人

大切なのは、イメージを明確にしておくこと

FS-FRA マネジャー 新田様

PROFILEプロフィール

FS-FRA マネジャー新田様

大切なのは、イメージを明確にしておくこと

PwCあらた有限責任監査法人の金融財務報告アドバイザリー部でマネジャーを務める新田久美子さんは、主に金融機関に対して内部統制関連のアドバイザリー業務に従事しています。
前職では外資系企業の営業職を務め、そこから米国公認会計士試験に合格し、異業種となる監査法人へ転職しました。マネジャーという管理職になってからは、2度の産休、育児休暇を取得し、仕事と育児を両立させています。

多くの方が「管理職になると育児との両立が難しくなる」と考える中で、新田さんは、仕事の進め方を自分で決められる管理職の方が、時間のやりくりがしやすくなると積極的に考えたそうです。仕事と育児の両立がうまくいったのは、新田さんが日頃から周囲とコミュニケーションを密に取っていたからです。「自分しか知らない情報がないようにする」ことを心掛け、周囲との情報共有を密にしているため、突発事態が起きても、周りに助けてもらうことができました。

家庭を優先したいから管理職にはなりたくないと考えられている方は、ぜひ、家庭も仕事も大事にしている新田さんの話に耳を傾けてみてください。

"顧客企業の方と一緒に喜ぶことができる仕事"を目指して

ーー監査法人というのはどういうことをする機関なのでしょうか?

監査法人を身近に感じている方は多くはないと思います。企業の財務諸表が正しく作成されているかどうかを監査するのが監査法人です。PwCあらたには、それとは別にアドバイザリー部門もあり、私が所属をしているのはこのアドバイザリー部門です。「会計」や「内部統制」等の専門知識や経験をベースとして、企業の抱えるさまざまな課題やリスクへの対応を支援する仕事と考えていただくとわかりやすいと思います。
監査法人の大手4社は、4大監査法人と呼ばれ、私たちPwCあらたもその一角に加えていただいています。その中でも、PwCあらたはアドバイザリー部門の収入が半分近くになっています。それが、私たちPwCあらたの特色、強みになっています。

ーー新田さんがマネジャーをされている金融財務報告アドバイザリー部はどういう業務をされているのでしょうか?

会計アドバイス、内部統制の構築・改善支援、新しいテクノロジーを活かした業務効率化、海外進出支援やグローバル資金管理、データガバナンス、企業買収・再編に係る各種分析など幅広い業務を行っています。
私が専門分野としているのは内部統制関連業務で、内部統制評価・報告態勢の構築、内部統制の整備・運用評価、内部統制の文書化、改善対応支援などを行っております。財務報告が適切に行われる仕組みづくりを専門家の視点からお手伝いをしています。また、内部統制の仕組みがきちんと運用されているかどうかを評価する業務も行います。
多くの企業では、すでに内部統制の仕組みを構築していますが、さらに高度化させる、改善していくということが必要で、私たちの専門知識、実務経験に対するニーズは常に高いと実感しています。

ーー新田さんは、元々監査法人への就職を志望されていたのでしょうか?

大学時代は、マスコミ志望で、前職はニュース・金融情報配信サービスの企業の営業職でした。
とてもやりがいのある仕事で、楽しく働いていたのですが、経営者にもっと近い立場から顧客企業のお手伝いができないか。真に顧客から感謝してもらえるような仕事はできないのかと考えるようになりました。
その頃、米国における巨額の不正会計・粉飾決算を契機に制定されたUS-SOXをもとに、日本でもJ-SOXが施行されることになりました。
その状況を見て、私にとって、新しい業界へ飛び込むいいチャンスなのかもしれないと思い、米国公認会計士の勉強も始めました。

ーー日本の公認会計士ではなく、米国公認会計士を取得されたのはどうしてですか?

米国公認会計士の資格は、効率よく勉強できるんです。科目ごとに試験が受けられるので、1科目勉強して試験を受けて、次の科目を勉強するということができます。日本の公認会計士の資格を取るのであれば、仕事をやめて、勉強に専念しなければ無理だと感じました。でも、米国公認会計士であれば、仕事を続けながら、勉強することができる。体力的にはたいへんですが、働きながら資格取得ができます。
また、内部統制は米国が先行しているので、日本企業の中でも米国公認会計士のニーズが高まると考えました。

ーー転職先にPwCあらたを選ばれたのはどうしてでしょうか?

エージェント経由で面接を受けてみないかと言われ、その面接を、パートナーの方が担当してくださって、この方と意気投合というと失礼かもしれませんが、この方の下で働きたいと思えたのです。それがいちばんの理由です。

ーーそのパートナーの方のどこに魅力を感じたのですか?

当時の私は、監査法人の世界を知らないわけですから、転職にはいろいろ不安がありましたが、すごく親身になってくださって、こちらを気遣ってくださり、熱心に私のことを誘ってくれました。しかも、いつでも電話をして相談してくれていいよとおっしゃってくださり、私は本当に電話をしていろいろ相談してしまったのです。でも、それで不安がなくなり、転職する決断ができました。
今思うと、パートナーという激務に就いていらっしゃるのに、私はなんとぶしつけなことをしていたのだろうと思いますが、その度量の大きさが尊敬できました。信頼できる方です。

当時から今に至るまで、変わらない姿勢

ーー入社した当時のPwCあらたの雰囲気はいかがでしたか?

みなさんそれぞれの道のプロフェッショナルです。しかも、尊敬できる方ばかりなんです。親身になって私の話を聞いてくれる。困った時にはすぐにサポートしてくれる。よく企業ドラマに出てくるような腹黒い人とか、人の足を引っ張ろうとする方が本当にいないんです。それはうれしい驚きでした。

ーー当時と今とではPwCあらたは大きく変わりましたか?

変わりました。今はさまざまな制度が整い、人数も大幅に増え、業務も前より多岐にわたっていると思います。変化していく会社を現場で体感できたのは貴重な経験となりました。
でも、変わらないのは、一人一人の話にちゃんと耳を傾けるという姿勢です。
現在では、それが制度になって、すべての社員にコーチがつくようになっています。そのコーチには、仕事以外のことでも、個人的な悩みでも相談できます。仕事に関係がない話でも、きちんと聞いてくれます。聞いてもらうことで、気持ちが楽になり、業務に真摯に向かい合えるようになるという効果が生まれています。

ーー新田さんは後輩にはどのように接しているのですか?

実務経験もまだ少ないのに、こういうことをしたい、ああいうこともやってみたいと夢と意欲が大きい状態になっていることもあります。それでも、私は可能な限り、その人の希望が実現できる機会をつくろうと社内で掛け合ったりもします。
なぜなら、私も先輩にそうしていただいたからです。それで、私は、自分はこの会社の中で尊重されている、必要とされているという実感を持つことができました。後輩にも私と同じ実感を持って、仕事に向かい合って欲しいと思っています。

ーーPwCあらたでは、女性管理職の割合はどの程度ですか?

厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース(2020年9月14日時点)」に公開している当法人の数字では管理職の女性割合は18%です。もともと監査法人というのは男性が多い職場で、現在、女性割合が年々増えてきている状況です。
あくまでも私個人の印象ですけど、「機会」自体は十分用意されていると思いますが、当法人の女性職員は優秀なのに控え目な方が多いように感じています。あからさまに昇進したいと口にしたり、態度に表す人は少ないように感じます。また、小さなお子さんがいると、管理職になるのを躊躇するという方も見受けられます。

ーー新田さんは、管理職になってから、2回産休と育休を取得されていますね?

一人目の子供の妊娠がわかった時は、マネジャーになったばかりの頃でした。私は、「管理職になったら、仕事と育児の両立がたいへん」とはあまり思っていなくて、「管理職であってもなくても、たいへんさはあまり変わらない」と考えていました。
もちろん、管理職になると、やらなければならないことは増えますし、責任も重くなります。しかし、育児との両立で困るのは時間のやりくりなんです。保育園の送迎があるので勤務時間が制限される。突然、子どもが病気になったら仕事を中断しなければならない。そこがたいへんなのです。
その点、マネジャーという管理職は、仕事の進め方を自分で決めることができますから、時間のやりくりについてはある程度自由にできるのではないかと考えていました。

ーー実際はいかがだったでしょうか?

楽ではありませんでしたが、つらいとも思わなかったです。保育園のお迎えがあるので、定時に退社をさせていただいていましたが、必ず帰宅時間までにきっちりと仕事が終わるというわけにはいきません。そして、家に帰ったら、やはり子どもとの時間を大切にしたい。それで、朝、早く起きて、朝残業をすることで補ってました。
たいへんはたいへん。でも、PwCあらたは管理職でなくても、その人の専門領域があり、責任ある仕事が求められます。たいへんさは、管理職であってもなくても変わらなかったと思います。

ーー小さなお子さんがいると、熱を出すなどで、重要な会議を抜けなければならないということがありますが、そこはいかがでしたか?

そういうこともありました。しかし、その時は上司が代わってくれました。大切なのは普段からのコミュニケーションを密にしておくことだと思います。業務の最初の段階、途中の段階でも、上司には相談を兼ねて、進捗状況を頻繁に伝えています。チーム内でも業務の方向性について確認する話し合いをかなりの頻度で行っています。
私だけでなく、全員が「自分しか知らない情報」がないようにコミュニケーションをとっています。書類がどこに保存してあるかに始まって、どういう状況なのか、どういう課題が未解決なのかを、自分一人で抱え込むのではなく、上司、チームで共有をしておく。それが、いざというときにサポートしてもらえることにつながりますし、周りにかける迷惑も最小限で済むようになります。

お互いに敬意を

ーー今、仕事をされる上で大切にしていることは何でしょうか?

相手に敬意を払うということを大切にしています。PwCあらたは、勤続年数はあまり関係がなく、それぞれ異なる知見や専門領域をもったプロフェッショナル集団です。全員が「私にはないスキル、知識、経験」をお持ちになっており、自然に敬意を払うようになります。逆に私も周りから敬意を持って接していただいているという自覚を持っています。互いが敬意をもって接し合うことで同僚としてもよい関係が築けていると感じます。

ーー今後のキャリアパスをどのように思い描かれているでしょうか?

いろいろなプロジェクトに携わってきて、やはり私は内部統制というテーマが、いちばん興味があって、やりがいを感じられる領域だということがはっきりとわかってきました。この内部統制というのを自分のコアにして、そこにテクノロジーなど新しいことも学びながら、自分ができることを増やしていきたいと考えています。
そうやって、自分にしかできないことを増やし、自分の価値を高めていく努力を続けていれば、ポジションというのは結果としてついてくるものだと思っています。

自然体でやるべきことをやれるように

ーー監査法人やアドバイザリー業務に興味をもつ学生や社会人に、新田さんのご経験からアドバイスをお願いします。

若いうちにいろいろなことを経験して欲しいですね。仕事を選ばず、機会があれば何でもやってみて、視野を広げていただきたいです。「この分野に進みたい」という志を持つことは大切ですが、「それ以外のことは無駄だからしない」と、自分の機会にふたをするようなことはしないでほしいです。いろいろな経験をしながら、自分が目標とするところに少しずつ近づいていくというのが、将来、大きな成果になって返ってくると、自分の経験からも実感しています。

ーーこれから管理職を目指す、あるいは躊躇している女性の方にもアドバイスをお願いします。

私自身、少し驚いているんですけど、管理職になってみたら、想像していたより楽しい仕事だと思いました。やらなければならないことが増えてたいへんということはありますけど、同時にやれることも、ものすごく増えますし、自分で決められることもものすごく増える。顧客企業の担当者も、肩書を見ているわけではないですが、管理職になるとより真剣に話を聞いてくださるようになります。それは顧客に提供できる価値をより大きくできるということです。成果が出た時には、お客さんはもっと喜んでくれるのです。これが私の原動力になっています。

「管理職はたいへん」「私には無理かも」とかたくなに考えずに、機会があったら、自然体で管理職になってみた方がいいと思います。全部、自分一人で抱え込むことはありません。上司、同僚、部下は、見ていないようでちゃんと見守っていてくれていますし、いざというときはサポートしてくれます。
大切なのは、どういう自分になりたいのか、そのイメージを明確にしておくことです。そうすれば、学ばなければならないこと、身に付けなければならないことが自然と見えてくるように思います。そうなれば、管理職になる機会というのは自然に向こうからやってきます。その時は、多少の不安があっても、上司、同僚、部下を信じて、乗っかってみてほしい。今までとはまったく違った景色が見えるようになります。

編集部 後記

新田さんは、営業職をしながら米国公認会計士の勉強をはじめ、会計の世界に転身。忙しい管理職でありながら、お二人のお子さんの育児とも両立をさせています。この経歴だけを見ると、とてもポジティブで積極的な女性というイメージを持たれるかもしれません。
しかし、実際にお会いすると、他人に威圧感を与えるようなところはまったくなく、むしろ穏やかさや自然体を感じさせてくださる方です。考え方はポジティブですが、そのポジティブさは、あらゆる選択肢について考えて、試行錯誤をしてきた経験によって裏打ちされています。例えば、「管理職の方が時間のやりくりができるので育児との両立はできる」「相手の知識やスキルに敬意を払えば、自分も敬意を持って接してもらえ、同僚としてのいい関係が築ける」などの考え方に至るまでには、長い道のりがあったことが想像されます。

「なんとなくそう思う」のではなく、大切なことだから「しっかり考える」。この新田さんの姿勢は、女性だけでなく、あらゆる人が見習うべき点だと感じました。

※役職、記事内容などは取材時のものになります。

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