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JA秋田おばこに不適切な会計処理が判明
2018/02/06

秋田おばこ農業協同組合(JA秋田おばこ)に不適切な会計処理が判明した。JA秋田おばこが発表した内部調査報告書によると、2004年産のコメを農家から集め卸売業者に直接販売をはじめていたが、ずさんな会計処理を続け、2016年産までの累積赤字が総額約56億円にのぼると発表した。

宮城県の米穀卸会社に約12億5千万円の未収金があるため、回収できなければ赤字はさらに膨らむ可能性があるという。昨年夏にJA全国監査機構によって不適切な会計処理が発覚し、JA秋田おばこは内部調査を続けていた。昨年末には調査委員会を設置し、同委員会は「歴代常勤役員および幹部職員による、コンプライアンス違反があった。(原因については)解明に至らなかった」と報告書にまとめている。

累積赤字により、金融機関としての健全性を示す自己資本比率は30年3月末で基準の8%を下回る見通しだ。JA秋田おばこは2010年に秋田県内の20JAが合併して発足し、16年度のコメ取扱高は約197億円で県内一の記録だったという。

編集部からの一言

JA秋田おばこの不適切な会計処理は2005年に入金の遅れがあった卸会社にコメの販売を続けて未収金を増大させていたと言われていることから、10年以上にわたり延々と続けられてきたことになる。なぜ、累積赤字が56億円と巨額に至るまで発覚しなかったのだろうか。途中でおかしいと気づいた人間は組合内にはいなかったのだろうか。不自然なことも日常になると人の目を狂わせるのかもしれないが、コンプライアンスについて改めて考えるべき事案だ。

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