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タカタに対して新日本監査法人が「意見不表明」
2017/07/05

シートベルトやエアバッグの開発・販売を行うタカタは、2017年3月期の有価証券報告書や内部統制報告書に関して、監査担当の新日本監査法人から意見を得られない、いわゆる「意見不表明」になったことを発表した。新日本監査法人は、「監査意見の基礎を与える十分かつ適切な監査証拠を入手することができなかった」とコメントしている。

タカタは欠陥エアバッグにより経営が悪化し、東京地裁に民事再生法の適用を申請していた。これまでにタカタの欠陥エアバッグの異常破裂が原因とみられる死者は、世界で少なくとも17人にのぼり、国内でも異常破裂は16件発生。2015年、静岡県伊東市で女性が重傷を負った事故は刑事事件に発展している。

タカタが経営破綻に追い込まれた背景には、創業家の高田一族による後手にまわった対応が大きいと指摘する声がある。タカタの主要株主は高田家だけで6割を握っているため、全体で「擁護」にまわっていたとみられている。

編集部からの一言

タカタは、国際的なエアバッグ市場で約2割のシェアをもつ名門企業だった。エアバッグ問題の根源は2004年頃から明らかになっていたと言われているが、タカタは創業家が社内だけでなく社外も固めているため、適切な対応ができなかったと見られている。今年3月期決算も会長が出てくるべきところを取締役が出てきて、エアバッグの件を謝罪する一幕も。名門企業が会社の体質で消えていくのは、あまりに寂しい結末と言わざるをえない。

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