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花王が国際会計基準の適用を1年前倒しに
2017/01/11

2018年12月期から新基準「IFRS第15号」の適用義務のある花王は、1年早めて2017年12月期から適用すると発表した。IFRS第15号は国際基準と米国会計基準の共通化の1つとして定められたもので、具体的には顧客との契約で生じる利益に関するルール。花王と言えば、昨年末に約100億円を投資したアピカルグループとの合弁によって、インドネシアに脂肪酸製造の新工場を設立すると発表しており(稼働は2019年を予定)、グローバル化の加速が進んでいると見られている。

第15号を1年前倒しで適用することで、売上高から支払手数料の一部を控除する必要があるため、400億円の減収になるが損益には影響しないという。これまでは手数料を「費用」として計上していたが、第15号の新基準では手数料を控除する額だけ会計上の「売上高」が減ることになる。国内企業のIFRS導入は急増していて、大企業を中心に100社を超えている。

編集部からの一言

2014年末時点ではIFRSを「適用」または「適用を決定」した企業は52社だったが、2016年6月末時点で115社と倍以上に増加している。さらに、現時点で「適用を検討中」の企業を含めると約370社で、これらの合計時価総額は上場企業の半分を占めるまでになった。日本は少子高齢化の加速に伴い、国内市場がシュリンクしていくことは目に見えていることから、大手企業のグローバル化が進んでいるという現状が見える。

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