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新日本監査法人に対して株主が105億円の損害賠償請求――東芝不正会計問題
2016/09/28

今月20日、大阪府在住の東芝株主の男性が「昨年、発覚した不正会計の問題は新日本監査法人にも見逃した責任がある」として、東芝に対して105億円の賠償を支払うように求める訴状を東京地方裁判所に提出した。東芝は昨年、利益を約2,200億円かさ上げして、不正会計をしていたことが発覚。株主は旧経営陣に賠償を求める株主代表訴訟を起こし、東芝も歴代の社長など5人に損失の賠償を求めていた。

今回の監査法人に対する訴訟について、代理人の「株主の権利弁護団」(大阪市)は「平成20~26年度にかけて、東芝は営業利益が売上高を上回る会計処理があった。しかし、新日本監査法人は日本公認会計士協会の指針通りの監査を行わず、不正を見逃した」と主張。105億円という今回の賠償額は、金融庁が東芝に課した課徴金などをもとに算出しているという。新日本監査法人は「訴状を確認できておらず、現時点でのコメントは差し控えたい」としている。

編集部からの一言

東芝は、今月16日に「新日本有言責任監査法人への不提訴に関するお知らせ」というリリースを発表した。内容は、「調査した結果、(中略)本件監査人に対する責任追求等の訴えを提起しないこととし、本日、不提訴理由通知書を本件株主に送付いたしましたので、お知らせいたします」というものだ。新日本監査法人は東芝から提訴しないと発表された4日後に株主から賠償請求された形だ。今後の新日本監査法人の対応に注目が集まる。

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