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企業会計審議会が「監査基準の改訂に関する意見書」を公表
2018/07/11

企業会計審議会は7月5日に開催した総会で「監査基準の改訂に関する意見書」を取りまとめ、公表した。

取りまとめの背景には、近年、不正会計事案などにより監査の信頼性が改めて問われている状況にあり、その信頼性を確保するための取組みの一つとして、財務諸表利用者に対する監査に関する情報提供を充実させる必要性が指摘されていることがある。

今回の意見書では監査報告書の記載に関して、「監査人の意見を監査報告書の冒頭に記載することとし、記載順序を変更するとともに、新たに意見の根拠の区分を設ける」、「経営者の責任を経営者及び監査役等の責任に変更し、監査役等の財務報告に関する責任を記載する」とした。

また、監査報告書に監査法人から見た要注意事項を明記することを決め、2021年3月期決算から適用するという。

あわせて、「改訂監査基準を実務に適用するに当たって必要となる実務の指針については、日本公認会計士協会において、関係者とも協議の上、適切な手続の下で、早急に作成されることが要請される」と記載している。

編集部からの一言

現在は「適正に表示している」という簡単な意見表明になっているが、監査人が財務諸表の監査において特に重要であると判断した事項(「監査基準の改訂に関する意見書」でいう「監査上の主要な検討事項」)を監査報告書に記載する方向への“改訂”は国際的に活発化している。

企業会計審議会もその流れを踏まえ、「記載する」方向へと舵を切っている。

東芝の不正会計問題を皮切りに信頼が揺らいでいる監査の世界は、改訂によって回復となるか。

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