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会計検査院が「もんじゅ」の廃炉費用について指摘
2018/05/16

会計検査院は福井県敦賀市の高速増殖炉もんじゅに関する検査結果を報告書として発表した。
報告書によると、国の試算では廃炉費用が3,750億円と見積もられているが、長期化すれば費用が増加する可能性があるという。

計画では、期間が約30年で、費用は維持管理や施設解体など総額計3,750億円となっているものの、検査院は冷却剤の処理方法が未定のほか、人件費や固定資産税も計上していないと指摘。もんじゅの研究開発の総支出額は1971~2016年で約1兆1,313億円だが、1994年の初運転以降、ナトリウム漏洩事故などトラブルが相次ぎ、稼働はわずか250日にとどまっており、会計検査院が出した達成度では、漏洩事故が発生した95年12月時点で14%、廃炉が決定した16年12月時点で16%にとどまっている。

会計検査院は「運転や保守経験などの知見を十分に取得することができなかった。保守管理の不備が(廃炉の)要因の一つとなった」とコメントしている。

編集部からの一言

1971~2016年までの45年間をかけて、使った費用は約1兆1,313億円。それに対して会計検査院がはじき出した達成度は僅か「16%」。さらに、廃炉にするためには“少なくとも”3,750億円かかり、これに人件費などは含まれていないため、さらに費用がかかる可能性が大いにあるという今回の報告結果。ここにかけられているお金は全て国民が支払っている「税金」だ。あまりに杜撰な計画ではじまったとしか言えないもんじゅ。今後どこまで費用が膨らむのか、目が離せない。

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