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憧れの米国赴任。実力主義社会の現実と自信があった英語での挫折

憧れの米国赴任。実力主義社会の現実と自信があった英語での挫折

転職を経てステップアップをした先で、大きな壁にぶつかる経験をする人は多い。小林さんのように、自分の得意分野が新天地で通用しないどころか、コンプレックスの源になってしまうこともある。そんなコンプレックスをどうやって乗り越えればいいのか。そして、その向こう側に見えるものは、いったい何なのか。

眞山徳人

眞山 徳人

合同会社フォルケCEO

2005年12月公認会計士第2次試験合格後、大手監査法人にて国内監査業務、各種コンサルティング業務等に従事。2016年3月に退職、独立。現在は公認会計士としてコンサルティング、執筆、講演等を行いつつ、人材育成企業のCEOとして小中学生から経営者層までを対象に様々な教育コンテンツを開発・提供している。2019年4月にはフリースクール「フォルケ学園」を開校予定。著書に「江戸商人勘助と学ぶ 一番やさしい儲けと会計の基本」「スピーチ・ツリー どんな場面でもブレずに話せる技術」などがある。

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プロフィール

小林 彩香公認会計士

2009年公認会計士試験合格、2010年慶應義塾大学経済学部卒業。同年監査法人トーマツ東京事務所に入所し、会計監査業務・内部統制監査業務等に従事。2013年アクサ生命保険株式会社に転職したのち、2016年よりアメリカ・ニューヨークのEquitable Life Insurance Companyに勤務(現職)。内部監査業務およびSEC上場準備業務等に従事。2017年公認情報システム監査人合格。週末には趣味のスクラップブッキングのワークショップを主宰。また趣味で2017年通訳案内士資格を取得。

何事にも全力で取り組み、海外に憧れた20代前半

幼い頃から映画といえば洋画、憧れの街といえばニューヨーク。「プラダを着た悪魔」が大好きで、いつかニューヨークの5番街をコーヒー片手にヒールで颯爽と歩きたい。これがミーハーな私の夢でした。公認会計士試験の受験勉強を始めた大学時代もその海外志向は変わらず、自分が面白そうと思ったことにはとりあえず全力で取り組む、そんな学生でした。国際金融ゼミでの韓国での論文発表、北京でのビジネスコンテストやロサンゼルスでの2カ月間のビジネスプログラムへの参加、NHK英会話ラジオ番組に出演した他、卒業時には学部生代表に選出されました。

在学中に公認会計士試験に合格し、監査法人トーマツ東京事務所に入所。主に商社や製造業など約10社のグローバルクライアントへの会計監査・内部統制監査業務等に従事したほか、入社1年目には法人採用活動プロジェクトリーダーを努めました。一方で、自分が思っていたより仕事で英語を使う機会は少なく、海外語学研修や海外駐在の可能性も低かったことから、約4年間の勤務後、外資系金融機関(アクサ生命保険会社)の内部監査部に転職することにしました。

内部監査は外部監査に比べてより深い業界知識と会社理解が求められます。金融機関の経験がなかった私は、最初のうちは生命保険協会の一般課程試験を受験するなど業界知識を身につけることに精一杯でした。監査レポートを英語で書いたり香港や韓国などと電話会議をしたりと仕事で英語を使うことも増え、その変化が嬉しかった一方、帰国子女や海外在住経験のある同僚が多かったこともあってか海外出張などの業務はなかなか自分には回って来ず、歯がゆさを感じる時期でもありました。

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夢の実現 ―ニューヨーク生活の始まり―

そんな時、幸運にも主人の1年半のニューヨーク赴任が決まりました。海外生活、特にニューヨークに憧れていた私にとってはまたとないチャンスで、せっかくの機会をただ楽しむのではなく、色々なことに挑戦し自分を磨く期間にしようと決意しました。

アメリカで仕事をしてみたいと思った私は、グループ会社であるAXA Equitableの面接を受けました。初めてのアメリカ人との英語の面接で少し緊張しましたが、想定問答集を用意しなんとか採用となりました。また、仕事だけでなく色々なことに挑戦したかった私は、大学での1年間のCertificate Programを同時に受講したいと考えました。会社に相談したところ、幸いにもフルタイムではなく時短勤務を受け入れてくれることになりました。朝から午後3時まで仕事、午後4時から9時まで大学という目まぐるしい生活でしたが、日本人以外の友達もたくさんでき、忙しいながらも絶好調のニューヨーク生活のスタートでした。

仕事と大学の両立を始めて2カ月ほど経ったある日、ある事件が起きました。先ほどまで隣の席に座っていた同僚が突然荷物をもって出て行ったのです。具合が悪いのかな?と思っていたところ、他の同僚から彼女はついさっき解雇されたんだよ、と言われました。よくよく聞くと同日に他にも2人即日解雇されていました。さすがアメリカ、日本からのこのことやってきた私は、初めて実力主義の国の現実を目の当たりにしました。

その数日後、私は突然上司から呼び出されました。ドキドキしながら部屋に行くと、解雇の話ではなく、なんとフルタイムとしてのオファーでした。なぜアメリカ人を解雇して日本人の私を?当時アメリカは、トランプ氏が大統領になり非アメリカ人の雇用がビザ等の関係で厳しくなり始めた頃。アメリカでの労働ビザ取得は厳しく、会社からビザサポートを受けれずに働けない友人も周りに数多くいました。日本の会社を辞めアメリカに残る決断をするには覚悟を要しましたが、せっかく自分に巡ってきたチャンスを逃したくない、最後はその思いからオファーを受けることにしました。

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初めて味わった“日本人”としてのコンプレックス

私は日本で生まれ育ち、日本で英語を勉強しました。アメリカの大学でも成績は良かったので、自分の英語力は通用すると勝手に思い込んでいました。けれどそれはとんだ勘違い、アメリカ人だけの職場環境というのは全く別次元でした。

帰国子女でもなく留学経験もない私にとって、約3000人の職場で唯一の日本人であることは初めてのマイノリティな環境であり、次第に“日本人”としてのコンプレックスを感じるようになりました。会議では何を話しているのか分からない。内容が分からないので質問や発言もできない。頑張って質問したところで返答もわからない、そんな毎日が続きました。電話会議も多く、“発音が悪くて聞き取れない”とダイレクトに言われたこともありました。ここではノンネイティブとして英語がそれなりに出来るというのは武器でもなんでもなく、むしろネイティブと同じレベルでないことがハンデでしかないんだ、と気付かされました。仕事能力ではひけをとらないつもりでも、言語力の差が圧倒的すぎて、思い描くパフォーマンスを発揮できない日々。「自分は英語ができる」と思っていた私にとって、これは予想外の挫折で屈辱でした。

そんなとき、同僚の言葉が私を救いました。
「ここはアメリカ人しかいないから、あなたが自分で英語が上手くなったと感じることは絶対ない。けどあなたは着実に成長しているんだから自分を信じなさい。」

今さら自分の生い立ちや過去を嘆いても仕方ない。日本人である自分だからこそ出来る仕事や気づくポイントもあるはず、と自分を言い聞かせて1つ1つ目の前の仕事をきっちりこなすことを大事にしました。電話会議では資料の読み込みやディスカッションポイントの洗い出し・事前共有など事前の準備を誰よりも怠らず臨みました。相手の説明が分からないときは、自分が理解できたことを伝えたうえで素直に分からないと言い、絶対に知ったかぶりはしない。返答が聞き取れなかったときはメールで後からフォローしたりもしました。すると、周りが少しずつ私の仕事ぶりを認めてくれるようになり、私自身も自分に自信を持てるようになりました。結果、フルタイム社員として仕事を始めた3年間で2回昇進することができ、次第に監査プロジェクトをリードする立場になることも増えてきました。

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SEC上場、出産、新型コロナ、そして新たな挑戦

2018年、AXA EquitableはSEC上場を果たしアクサグループから離脱、Equitable Life Insurance Companyというアメリカ単体の会社となりました。ニューヨーク証券取引所でのベル・セレモニーの瞬間は今でも目に焼き付いています。日本でも上場準備業務に従事したことがなかった私にとって、US SOX導入の観点から上場準備に携わったことは貴重な経験です。

私生活では2019年末に第一子を出産、そして3カ月の産休を経て仕事復帰を間近に控えた3月、アメリカに新型コロナの波がやってきました。当たり前のように同じ部署の同僚や上司が一人また一人と解雇され、全社員が9月までリモートワークとなることが決定しました。

アメリカで仕事を始めて今年で5年目、今ではある程度監査プロジェクトの責任者を務められるようになりました。しかし、アメリカ人に英語力で私が勝つことは不可能です。この実力主義の国で勝ち残り続けるためには、何か自分の武器となるものを身につけ成長し続けなければいけません。実際に自分と同じ年の同僚が自分よりも上の階級にいる悔しい現実もあります。

次の挑戦として、新型コロナの影響でステイホーム時間が長くなったことをきっかけに、新たなスキルをつけるためオンラインのハーバードビジネススクールを受講することにしました。CISA(公認情報システム監査人)試験に合格したあとIT分野の仕事も増えてきたため、業務で導入が増えてきたデータアナリティクスで自分の活躍の機会を広げたいと思っています。まだまだ未熟な社会人ですが、娘にとってかっこいいママでいれるように、これからも好奇心旺盛に貪欲に挑戦し続けていきたいです。

※記事内容などは取材時のものになります。

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